2016年10月22日土曜日

プロポリスの科学: そのPAK遮断作用、抗がん作用、老化予防作用、美白作用および育毛作用について



月刊食品と科学 (20171月号,  12月16日発売) より



丸田 1*Binh Cao Quan Nguyen平良望、多和田真吉

PAK Research Center, Melbourne, Australia
PAK研究センター(沖縄支部)琉球大学千原キャンパス、沖縄

*文責代表者:e-mail, maruta20420@yahoo.co.jp


 はじめに

ミツバチが植物から調剤する生薬/抗生物質であるプロポリスは、古代エジプト時代以来、伝承薬として、4千年以上歴史をもっている。古代ギリシャの医学祖「ヒポクラテスその名付であるギリシャ、「都市(ポリス(伝染病から)守という意味あいがあるピラミッドの永遠王家のミイラを調製する(死骸腐敗ためにプロポリスが強力抗生物質として使用された。20世紀(1960年代)になってプロポリスの薬理作用見直され、1980年代後半そのがん作用確認されて以来、日本では、原料塊安価なブラジルグリーンプロポリス(GP)、市販されるようになったしかしながら、我々自身研究によればArtepillin C(ARC)主体とするGPがん作用、温帯地方採取されるCAPE (コーヒーフェネチルエステル) 主体とするプロポリス、特にニュージーランドBio 30比較するとそのがん作用がずっと(1, 2)。従ってより強力国産プロポリス、我々探索してきた

ごく最近、沖縄産を含めて太平洋沿岸の亜熱帯地方から採取されるプロポリスは、日本の本州や北海道などで採取される温帯プロポリスと違って、CAPE の代わりに、ゲラニル系側鎖を有するフラボノイドの一種「Nymphaeol A-C」が抗がん作用の主体になっている (IC50= 5 micro M) こと、および、その起源植物がオオバキであることが判明した (3, 4)。更に、日本産プロポリス中、沖縄産と秋田産のプロポリスの抗酸化活性が飛び抜けて高いことがわかった (5)。我々による最近の研究では沖縄産プロポリス (OP)がん作用、美白作用、PAK遮断作用などが、Bio 30に匹敵し、GPよりはるかに優れていることが判明した(6、7)。



表1.種々のプロポリスの抗がん作用(IC50)とAntiPAK 指数

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                             抗がん作用(IC50)   AntiPAK 指数
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温帯プロポリス(Bio 30)       8 ppm          12.5
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沖縄プロポリス(OP)        12 ppm          8
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ブラジル産プロポリス(GP)      100 ppm          1
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(注):  つい最近、エベレスト初登頂 (1975) の女性、田部井淳子さん (77) が腹膜
癌で 他界
されたことを知った。

 
エベレスト初登頂 (1953) の大先輩、エドモント=ヒラリー卿 (88)
は、とうとう数年前に老衰で亡くなったが、生前殆んど病気をしなかった。 実は、ニュージーランドに住む彼の家族は養蜂家で、常にプロポリスを飲んでいたので、「病気知らず」だった。 もし、田部井さんがプロポリスの薬効について知っていたら、恐らく、癌にもならず、ずっと長生きしたであろう。