2018年3月31日土曜日

脊椎動物としては最短の寿命 (4カ月) を持つアフリカ産の小魚 (African turquoise killifish) : 老化の研究モデルとして注目されつつある。

老化の研究をするためには、なるべく短い寿命の実験動物を選ばないと、研究結果が出るまでに、研究者自身が老化 (もうろく) してしまう。従って、哺乳類の中で寿命が最短 (3か年) のマウスでさえ、老化の研究モデルとして使用される例は極めて少ない。 ある薬物の「寿命延長」効果を調べるためには、少なくとも数年かかるから、通常3年間契約のポスドクの仕事としては、明らかに不適である。

そこで、寿命延長効果を調べる目的には、平均寿命が最短 (2週間) であるせんちゅうが最も頻繁に使用される。 平均寿命が2倍になっても、一ヶ月以内に最初の結果が出るからである。しかしながら、せんちゅうは (視覚も聴覚もない) 無脊椎動物であり、循環系の組織や脊髄がないので、例えば、心臓や視覚や (抗体に基づく) 免疫機能に対する薬物の影響を調べることはできない。

そこで、脊椎動物の中で最も寿命の短い (進化レベルが低い) 魚類の中から、老化の研究モデルを探索している内に、中部アフリカ産の「African turquoise killifish」と呼ばれる小魚が、最近注目されるようになった。全長6。5 cm で、平均寿命が4カ月 (マウスの寿命の10分の1) 。10年ほど前の研究によると、赤ぶどう (ワイン) の成分であるレスベラトロール (2.5 micro M) が (せんちゅう同様) この小魚の平均寿命を 50% 以上延ばすことが判明した (1)。
魚の和名は「ターコイズ」(トルコ石、メダカに近い) 詳しくは、下記の文献を参照せよ:
http://aasj.jp/news/watch/2990

レスベラトロールは天然のPAK遮断剤の一つであるが、プロポリスほどその薬理作用が強くない。  しかも、我々が最近開発した合成PAK遮断剤「15K」は、 プロポリスの千倍以上、 抗癌作用が高い。しかも、50 nM という低濃度で、せんちゅうの平均寿命を15-30% 延長した。そこで、近い将来、米国スタンフォード大学のAnne Brunet 教授などと共同で、この小魚の寿命も、15K によって延ばすことができるどうかを検討したいと思っている。

「ゼブラ=フィッシュ」と呼ばれる小魚 (平均寿命は5年!) のPAKを異常活性化すると、人間同様 (高血圧が原因で) 脳溢血になるという研究報告が数年前に上海のグループから出ている (2)。 従って、15KやプロポリスなどのPAK遮断剤で (魚などの脊椎動物を) 処理すると、(少なくとも) 脳溢血や癌で死ぬ可能性は無くなるので、長生きするはずである。*
  
一般に、気温や水温が高まると、せんちゅう、小魚、珊瑚などの寿命が著しく縮まる (老化が促進される)。 しかしながら、プロポリス、レスベラトロール、15K などのPAK遮断剤は、「温暖化による老化の促進」を予防する効果がある。 従って、(実験中に) 高温で小魚を育てれば、(せんちゅう同様) 縮まった寿命が15Kにより何倍にも延長されることが予想される。

 * (注):  脳溢血が歴史を大きく変えた事件があった。 小児麻痺のため "車椅子の政治家" になった米国のルーズベルト大統領 (FDR, 63) は、ドイツの降伏直前 (1945年4月) に脳溢血で急死した。そのため、「棚ぼた式」に副大統領のトルーマン (軍人出身) が大統領に昇格した。ところが、ソ連のスターリンに「新米 」の政治家として、舐められた。そこで、米国が開発したばかりの原爆2発を広島と長崎に投下して、スターリンを震え上がらせた。もし、FDRの主治医がプロポリスの偉力を予知していたら、 (歴史の歯車を戻すことはできないが) きっと原爆の悲劇は避けられていただろう。 
加えて、日本軍事政府に "致命的なミス" があった。ポツダム宣言 (1945年7月末) で、英米ソ巨頭が日本に「無条件降伏」を迫った。日本政府はそれを愚かにも無視した  (トルーマンにとっては、正に「思う壷」だった!)。こうして「先見の明」の 欠如は、一連の悲惨なドミノを産んだ!  

 参考文献: 

[1] Valenzano DR, Terzibasi E, Genade T, Cattaneo A, Domenici L, Cellerino A. Resveratrol prolongs lifespan and retards the onset of age-related markers in a short-lived vertebrate. Curr Biol. 2006; 16: 296-300.
[2] Zou J1, Li WQ, Li Q, et al. Two functional microRNA-126s repress a novel target gene p21-activated kinase 1 to regulate vascular integrity in zebrafish. Circ Res. 2011; 108: 201-209.

2018年3月23日金曜日

同級生の癌死を知って: プロポリスで「癌死ゼロをめざす」べき!

下記は、ある乳癌外科医 (「乳癌死ゼロの日をめざして」の著者) に宛てたメール:

「星の環会」の編集部の栗山さんから、最近、山中登美子さんがとうとう「食道癌」で亡くなったことを知りました。誠に残念です!   実は、山中さんは私の中学時代の同級生です。 高校も同じ都立「日比谷」でした。彼女が2-3年前に、食道癌の手術を受けたことを、著書「モダンガールの娘」から、つい最近知りました。私は、東大薬学で博士号を取得後、欧米 (15年) や豪州に永住 (30年以上) しながら、(副作用のない) 新しい抗癌剤の開発をめざして、研究を続けている薬学者です。 実は、彼女に「プロポリス」が (副作用なしに) 癌の治療に効くことを教えて上げたいと思って、出版社「星の環会」にメールを送ったところ、山中さんの癌死を知ったわけです。彼女は、その昔、乳癌を見事に克服しましたが、食道癌にはとうとう勝てませんでした!

外科医にとっては、乳癌と食道癌はかなり違うでしょうが、分子レベルでは、殆んど違いはありません。 全ての固形腫瘍は、良性であれ、悪性であれ、その増殖には「PAK 」 と呼ばれるキナーゼ (蛋白燐酸化酵素) が必須です。これを薬剤 (PAK遮断剤) で選択的に抑えれば、全ての固形腫瘍の増殖や転位が抑制されます。蜜蜂が調剤した「プロポリス」は、 天然のPAK遮断剤であり、副作用なしに、全ての固形腫瘍の予防及び治療をなし得ます。

更に、従来の抗癌剤とは逆に、免疫能を高め、脱毛を抑え、更に食欲を増進します。従って、治療中もQOL (Quality of Life) を高めます。 この秘密を彼女に教えたかったのですが、手遅れになりました!  プロポリスという言葉は、元来、古代ギリシャのヒポクラテス (医学の祖) が発明したものです。従って、東洋医学ではなく、純然たる「西洋医学」の知識です。医学の先進国「ドイツ」では、薬局方の中に「医薬」として、収録されていますが、後進国「日本」では、未だに「医薬」としては、認められていないようです。 極めて残念です!    


「モダンガールの娘」の著者 (山中登美子) 略歴
1942年に茨城県に生まれ。1965年早稲田大学文学部英文学科卒業後、20年間出版社に勤務 (「婦人画報」の編集長などを歴任)。1985年からフリーになり、映画評などを執筆。1989年に両側乳がんの手術を受け、その体験を執筆した『乳がんをかかえて生きる女たち』(廣済堂出版) が話題に。「がん克服日米合同富士登山2000に参加後、2014年に食道がんの手術を受けるが、3年後に癌死。

私の小学校時代の同級生も、同じ中学を卒業して、都立「日比谷」に進学したが、その姉 (千葉敦子女史) は、日比谷で我々の2年上の先輩で、学習院大学を卒業後、東京新聞に入社。その後、ニーマン基金を得てハーバードの大学院に留学し、フリーランス海外特派員として、ニューヨークで活躍していたが、不幸にして乳癌にかかって、華々しく散った。遺言によりニューヨークに財団法人「千葉敦子基金」設立。1990年には ハーバード大学ニーマン基金本部との合意により、同大学内に「千葉・ニーマン基金」が設けられる。 彼女は、正に、「昭和期」最後の「モダンガール」と言えよう。 詳しくは、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E8%91%89%E6%95%A6%E5%AD%90

千葉家は我が家の近所にあり、私の父は、千葉女史の跡を追うかのように他界したが、生前、海外で研究を続ける私宛てに、千葉女史の活躍振りを手紙にして、良く送ってくれたものである。ある意味で、父と千葉女史は (世代の違いを越えて) "意気投合"していたようである。。。  

なお、プロポリスの抗癌作用がニューヨークのコロンビア大学で初めて発見されたのは、皮肉にも、千葉女史の癌死の翌年だった。 従って、抗癌剤としての「プロポリスの歴史」は、既に30年にもなる。。。

2018年3月9日金曜日

京大と明治製果の共同研究: ココアの「脳の若返り」効果
に関する臨床テストに「30億円」(国民の税金) を浪費!

チョコレートの素材「ココア」には、Theobromine や  Procyanidine などのポリフェノールが豊富に含まれている。これらのポリフェノールは、CAPE やクルクミン同様、PAK遮断剤である。 そこで、数年前に、スペインの研究グループが、パン酵母やせんちゅうを使って、その薬理作用を調べた結果、プロポリス同様、せんちゅうの寿命を有意に延ばすことを実証した (1)。 それに目を付けてか、京大の山川教授と明治製果が "30億円" の共同研究 (臨床テスト) プロジェクトを組んで、内閣府から研究助成金をまんまと獲得し、5年間にわたる研究を進め、最近、「脳の若返り」に有効!  という研究結果を発表した。ところが、この臨床実験に大きな "ミス" が見つかった!  ココアやチョコレートを食べなかった (いわゆる「偽薬」) コントロール群の実験結果が全く欠けていた。

人間は、せんちゅうなどの実験動物と違って、「洗脳」され (暗示にかかり) 易いので、たとえココアに全く効果なくても、その効果を信じて、薬理作用が出る場合が多い。。。 そこで、政府から、実験の「遣り直し」を勧告された!  詳しくは、下記「朝日新聞」の記事を参照せよ。


https://www.asahi.com/articles/ASL384FWPL38ULBJ005.html?iref=comtop_list_sci_n01

ところで、ココアの香りや味はするが、「ポリフェノール抜き」の偽薬など一体できるのだろうか?  もし可能だとしても、製造するのに、30億円以上の費用がかかるだろう。そんな「国税の無駄使い」を国民は許すだろうか? 

結論:  プロポリスを温かいココアに溶かして飲むと、「相乗効果」が出るに違いない!

 References:
1. Martorell P, Forment JV, de Llanos R, Montón F, Llopis S, González N, Genovés S, Cienfuegos E, Monzó H, Ramón D. Use of Saccharomyces cerevisiae and C. elegans as model organisms to study the effect of cocoa polyphenols in the resistance to oxidative stress (and lifespan).
J Agric Food Chem. 2011; 59: 2077-85.