2019年12月26日木曜日

メラトニンの「体温低下」効果:
「PAK遮断剤」の臨床テスト (スイゾウ癌など) に応用?

松果腺ホルモン「メラトニン」がPAK遮断剤の一種であることを前述した。今回は、メラトニンに (ヒトを含めて) 哺乳類の体温を有意に下げる作用があることを喚起したい。20年ほど昔、イスラエルの学者がニワトリにメラトニンを注射後、ニワトリの体温が有意に下がる現象を見つけた。その詳しいメカニズムについては、未だ不明のままのようだが、私の推量が正ければ、「血圧低下」による末梢血管への血流循環の不足によるものであると考えられる。 それから2、3年後に、秋田大学医学部の神経科の医師による臨床テストの結果、3-9 mg のメラトニン経口 (睡眠誘発に十分な量) によって、9時間近くの睡眠後、 健康な若い男性 6名 (20歳前後のボランチア) の体温が有意に下がることが判明した (1)。更にごく最近、 トルコの小児科病院で、 (不眠症に悩む) 自閉症の少女にメラトニンを経口させたところ、(熟睡により) なんと体温が一時、34度にまで低下することを観察した (2)! 言い換えれば、メラトニン経口により、夏の猛暑や (寿命を縮める)「地球温暖化」に耐え得る身体を作り得る! 

そこで、得意の「水平思考」を駆使して、我々のPAK遮断剤「15K 」の臨床テストをいかに効果的に進めるべきかを論じたい。 先ず、健康な若いボランチア (男性及び女性) を数名ずつ選び、睡眠直前に「15K」を一定量経口させ、9時間後に (「プラシーボ」の場合に比べて) 体温の有意な低下がみられるかどうかを観察する。 そして、体温の低下が顕著にみられる最低の経口量を設定する。 この経口量を規準にして、次に末期スイゾウ癌の患者 (10-20名) に、同じ経口量の 「15K」を毎日投与し、3か月後に一体何名生き残り得るかを観察する。一般的に、末期スイゾウ癌患者は、従来の抗癌剤処理のみでは、9割以上が死亡。 従って、15K 処理で、5割以上が生存できれば、「大成功」という結果になる!  そのような前例は、プロポリス (特に、NZ産の 「 Bio 30   」) による大量療法以外にはないからである。

さて、「15K 」の市販には今後「数年」かかる。 従って、現在、スイゾウ癌にかかっている患者には、とても間に合わない。それまでは、主にプロポリスやメラトニンの経口で、スイゾウ癌を治療せざるを得ないだろう。特筆すべきは、 3年ほど前に、中国の広東にある孫文癌センターの研究グループによって、メラトニン (100 micro M) で (少なくとも細胞培養系で) スイゾウ癌のジェムシタビン耐性を克服し得ることが証明されている (3)。

薬学で同輩の土井君がスイゾウ癌で、この年末に亡くなったという悲報を受け取った。誠に残念である。 彼は博士号を取得後、厚生省に就職し、官僚として最高位の"大臣官房審議官"になったと聞いている。元来、彼も (同輩の) 奥さんも生薬学教室出身だったので、従来の抗癌剤 (ゲムシタビンなど) の代わりに、蜜蜂が調剤する生薬「プロポリス」(Bio 30 など) やビタミンD3 などを、もし大量に経口していれば、助かった可能性が大だった。。。 彼の冥福を心から祈っいる。制癌剤の専門家でありながら (数年前、肺癌で亡くなった) 同輩の鶴尾君 (癌研) の場合もそうであるが、いわゆる「やぶ医者」= "石頭" の治療医仲間の意見を鵜呑みして、(副作用の強い) 従来の抗癌剤に頼り過ぎる傾向が医療界に未だに残っているのは、残念至極である!  

「知は力なり!」(英国の哲学者 "フランシス=ベイコン" の言葉)。 我々は多くの "先人" (医学の祖ヒポクラテスなど) が残してくれた貴重な知識を(大学を卒業後も) 日々独学し続けなければ、(古代ギリシャの名医ヒポクラテスのごとく) 長生き (90歳以上) は難しい。


参考文献:  
1. Satoh K, Mishima K. Hypothermic action of exogenously administered melatonin is dose-dependent in humans. Clin Neuropharmacol. 2001;24(6):334-40.

2. Erden S. Hypothermia Associated With Melatonin Ingestion in a Child With Autism. Clin Neuropharmacol. 2019 Sep/Oct;42(5):179-180.

3. Ju HQ, Li H, Tian T, et al. Melatonin overcomes gemcitabine resistance in pancreatic ductal adenocarcinoma by abrogating nuclear factor-κB activation. J Pineal Res. 2016 ;60 (1):27-38.

2019年12月8日日曜日

ノルウエー首都郊外の森「オスロマルカ」から
"平和メッセージ" 発進

早稲田出身の作家「村上春樹」さんは、今年もノーベル文学賞を逃した!  そこで、"悲劇"の文豪に代って、再び「ノルウエーの森」# を舞台に、より時代に即した短編を執筆する決心をした。題名は非ロマンチックな、

 オスロの森深く: クリック化学 (Deep into Oslomarka)

クラス=ヨハンセン少年は、ノルウエーのグリーン首都「オスロ」の郊外 (オスロ中央駅から地下鉄や市電で約15分) に続く深い森 (オスロマルカ=Nordmarka) に囲まれた、ある一軒屋に住んでいる。 父親は ウオルターさん (45)、母親はカーリンさん (42) 。  北欧ノルウエーの夫婦には、一人っ子が多い。 他の欧米諸国や日本同様、「少子化」が進んでいる。人口過剰な世界的現象からすれば、むしろ「歓迎すべき現象」である。個々人の健康長寿 (QOL の向上) に結びつくからである。結婚する年齢が上がると共に、夫婦共稼ぎのため、一人っ子に愛情を注ぐ家族が増えている。カーリンさんは近くの病院兼老人ホームで看護婦を長らく勤めている。ウオルターさんは近くにある中学校の理科の先生。生徒の前で、化学の魔法実験を披露するのがお得意だといわれている。クラスは、中学2年で、(父親譲りで) やはり理科の授業が大好き。 最近、豪州からやってきた独り旅のある高齢学者が一晩、ヨハンセン家に泊まった。

夕食の席で、この老人が大変面白い話をクラス少年にしてくれた。 新しい抗癌剤の開発に関する秘訣を丁寧に伝授。 その薬剤は、副作用の全くない、むしろ健康長寿に結び付く、言わば「魔法の弾丸」と呼ばれる物だった。実は、英国でペニシリンという抗生物質が戦前、発見、開発されるずっと前に、「マイコフェノール酸 」(MC) という抗生物質が青カビの一種からイタリアのある学者によって開発された。 現在は主に臓器移植の際、拒絶反応を抑えるために使用されているという。しかしながら、抗癌作用もかなりあるという。問題はその細胞透過性が乏しいという欠点である。分子中にカルボン酸が存在するからである。 そこで、その酸性を中和しかつ水溶性を保つするために、特殊なエステル化、あるいはアミド化が必要である。 そこで、魔法の化学反応「Click Chemistry 」(CC) が20年ほど昔、ある米国のノーベル化学者によって開発された。銅触媒を使って、たった2 ステップで効率良く2つの異なる分子を (車のシートベルトを締めるように) ガチャットと結合させることができる。

驚くなかれ、このごく簡単なCC反応の結果、MCの抗癌作用が飛躍的に千倍以上、増強された!  しかも動物実験では、マウスに移植した末期すいぞう癌の増殖と転移が、このMCアミド (MCA) の経口により見事に抑えられた。副作用は全くなかった。しかも、全長1ミリのせんちゅうを使った寿命実験では、少なくとも3割寿命が延びるばかりではなく、35度の耐熱実験では、野性株では1日以内の寿命が、MCA投与により、驚異的に9日以上延長した!  地球温暖化に耐えうる体を作り上げる「妙薬」に違いない。 その話を聞いたクラス少年は、早速父親に頼んで、MC などの試薬を注文して、学校の実験室で、父親の指導下、"CC" でMCAを10g  だけ製造してみた。クラス少年の同級生ハンスの愛犬がすいぞう癌にかかっていることを聞いていたからだ。治療しなければ、一ヶ月以内に死亡するはずだった。獣医に頼んで、早速その愛犬の「MCA 治療」を開始してもらった。幸い、この愛犬は治療後、少しづつ元気を取り戻し、3カ月後には、 癌が見事に根治された。

そこで、 クラス少年はオスロ市内のある製薬会社に突然、電話をかけた。 その会社は、なんと納豆中の「ビタミンK2 」(詳しくは、「メナキノン7」=MK7) を錠剤にして、多孔骨症 (骨粗鬆症) の治療薬として長年、通販しているという話を聞いていたからである。 実は、ビタミンK2 もMC もPAK遮断剤であり、(豪州の老学者による長年の研究結果によれば) 癌ばかりではなく、多孔骨症、認知症 など様々な老化を伴う難病の治療に有効なはずだった。 明らかに、新薬「MCA 」は "MK7" の一万倍以上、強力なはずである。その会社の支配人は、少年の話 (薬の目覚しい「化学的進化」) を詳しく聞いてから、MCAの臨床テストを近い将来試みることに快く同意した!  今後とも進む「地球温暖化」の対処に向けて、先ず「エコ首都」オスロから発進するために。。。実は、この支配人、地元からの「ノーベル平和賞」の可能性を秘かに夢見ていた。。。世界 (特に、米国、中国、インド、ロシアなどの大国) の政治家たちによる「地球冷却化」への見通しは、極めて悲観的だったから。

「MCA」の市販が始まると、「ほね元気」などの納豆を製造する業社が恐らく一斉に転業を強いられるだろう。売り上げが急速に落ちる納豆の代わりに、原料となる "MC" の大量生産をめざして、アオカビの発酵に樽を切り換え、業界も「生存のための進化」を遂げねばならなくなるからである。

 数年後にMCA は「MCマルカ」という商標の下、世界中の薬局で市販されるようになった。それから2、3 年後の秋に、ストックホルムで「ノーベル化学」受賞者の発表があった。受賞者は3名、シンガポールのエドワード=マンサー博士、米国のバリー=シャープレス博士と豪州の老学者だった。マンサー博士は哺乳類最初のPAKを発見した英国人。シャープレス博士は「CC」 の発明者 (二度目の化学賞!)。結局、オスロの製薬会社「支配人」は "ノーベル賞" を取り逃した!  しかし、彼は「実弾」をたっぷり獲得したので大いに満足した。「MCマルカ」販売で、「ダイナマイト王」ノーベルのごとく、巨万の富を得たからだ! 豪州の老学者 (実名は聖ニコラス、通称 "サンタ") は、(オスロ大学を卒業予定の) クラス青年の枕元にお祝いの金メダルと賞金を「奨学金」として、"クリスマス" の朝にそっと届けた。
__________________________________________________________________________________
人類は極めて長い年月を経て、「遺伝的」に「文化的」に進化を続け、他の動物から遥かに優越してきたが、19世紀後半 (産業革命時)、皮肉にもノーベル博士がダイナマイトを発明した頃  (1866年) から、火薬や毒ガス、原爆などを化学兵器に使用する大量殺りくの大戦に明け暮れ、「進化」をパッタリ辞め、「退化」の一途をたどりつつある。 我々人類は今、崖っぷちに立たされている。人類が絶滅を避け、今後とも生き延びるためには、「新しいタイプの進化」、つまり真に平和的な「化学的な進化」が必須である。

「ダイナマイト王」ノーベルは生涯独身だった。しかし、親しい愛人が2、3 いたようである。その一人は、1905年にノーベル平和賞をもらったチェコ生まれのバーサ=キンスキーだった。ノーベルがまだ存命の頃、パリの事務所で、彼の秘書兼家政婦を長らく勤めた後、オーストリアの貴族、アーサー=フォン=ズットナーと結婚し、平和活動に邁進したが、第一次世界大戦直前に他界した。ノーベルより10歳若い教養豊かな令嬢だった。1889 年に反戦文学 (Die Waffen nieder, 武器を捨てよ!) を出版して、当時のベストセラーになった。(ノーベル賞に関する) 彼の遺言に、文学賞と平和賞 を加えたのは、「彼女の影響」だといわれている。ノーベル自身も(共産全体主義に代わるべき「個人的社会主義」をめざす) 小説などを幾つか執筆しているが、ズットナー夫人ほどインパクトが高くなかった。結局、彼が果たした最大の社会貢献は「ノーベル賞の設立」だった。

# (注) :  村上春樹が日本全国の子女を泣かせたといわれる自伝的ベストセラー「ノルウエーの森」という小説の題名は、実は「ビートルズの歌曲」から拝借したといわれている。小説の舞台はノルウエーではなく、日本 (主に東京と関西) だそうである (私自身は、この作家の小説を一冊も読んだことがない)。

2019年12月1日日曜日

奇跡の脳ホルモン「メラトニン」:
脳腫瘍 (NF2 etc) に効くはず!

十数年前に、我々は藤沢薬品開発の環状ペプチド「FK228」が、マウスの皮膚に移植したシュワノーマ などNF2腫瘍の増殖を強く抑えることを見つけて、勧喜した記憶がある。 その抗腫瘍メカニズムとは、「HDAC」 (ヒストン脱アセチラーゼ) 活性を阻害することによって、最終的にPAK を遮断するからだった。 その後、この薬剤は「Istodax 」という商標で、高価な抗癌剤として市販されたが、NF2 治療にはとうとう使用されずに終った。 その理由は簡単、この環状ペプチドがBBB (血管脳関門) を通過しないため、脳腫瘍には無効だからだ。 従って、NF2 治療には、BBB を通過しうるPAK遮断剤の開発/発掘が必要である。

さて、 25年近く昔に、「メラトニン: 奇跡のホルモン」という講談社本 (訳本) が出版された。原書の著者は、米国テキサス大学のラッセル=ライターである。 その本を読んで、私の引き出した結論は、「脳 (松果腺) 由来のメラトニンは、結局、プロポリス同様、PAK遮断剤の一種」である。 メラトニンの催眠作用、鎮痛作用、抗癌作用、抗炎症作用、免疫増強作用、美白作用、健康長寿促進作用、 等々は、プロポリスのそれと完全にオーバーラップするからである。最近、ライター教授の研究論文を紐解いている内に、再発見したことは、メラトニンにはFK228 同様、「HDAC」阻害作用があることである。言い換えれば、「BBB を自由に出入りし得るメラトニンにもPAK遮断作用がある」に違いない。従って、「NF2 腫瘍などの脳腫瘍にも効く」という喜ばしき結論に達した。

豪州では、最近 Amazon.com.au が大々的に進出して、書籍ばかりではなく、メラトニンなどのいわゆる(処方箋なしで購入できる) 健康食品/薬品が「輸入税無し」で通販されるようになった。例えば、メラトニン (3 mg) 180 錠入りが何んと、32 AUD (2400円)、 つまり一日一錠がたった15円という安値!  メラトニンは日中 (白日下で) は無効だから、日没後 (就寝前) に経口すると、熟睡中に「NF2 腫瘍が萎縮する」という処方になる。。。 さて、昼間はプロポリス経口で、NF2腫瘍を萎縮させる作戦。

2019年11月28日木曜日

水溶性「クルクミン誘導体」の誕生!

ウコン中の主要抗癌成分「クルクミン」にはPAK遮断作用があるが、水に不溶なので、臨床的な治療効果を期待することはほぼ無理! そこで、十数年前から、リポソームや環状デキストリンなどで抱合して、ミセル状で経口する試みがなされてきたが、残念ながら、未だに実用化されていない。

そこで、幾つかの有機化学者グループが、「水溶性のクルクミン誘導体」合成に挑戦しつつある。その一つは、クルクミンの水酸基を燐酸化するアプローチである。

2015年末に、中国の山東大学薬学部の研究グループによって、"燐酸クルクミン" が合成され、水溶性と細胞透過性が確認されると共に、つい最近 (ラットを使用した)「 腸管吸収」実験でも、改善が実証されている (1) 。しかしながら、その抗癌作用については、動物実験が未だなされていないようである。この水酸化は、2012年頃に、米国ミネソタ大学のGunda Georg 教授のグループによるPAK遮断剤「トリプトライド」の燐酸化による「水溶化」を、直接模倣/踏襲したように思われる。 この水溶性PAK遮断剤「ミネライド」は、抗癌剤として、すいぞう癌患者を対象にして、臨床テスト 中である。

さて、もう一つの試みは、クルクミン分子中の2個のケトンを一個に減らすと共に、2個のOMe (メトキシ) 基を水酸基に戻し、パラの位置に水酸基を移動した俗称「C5 クルクミン」 (AY1319) である。今夏、山形大学 (米沢) 理工学部の近野博行教授の研究室によって、開発されたものである (2)。少なくとも、試験管内で、認知症の要因である "アミロイド蛋白の凝集" を阻止する作用があることが確認されている。しかしながら、この水溶性クルクミン誘導体が果して、癌細胞の増殖を選択的に抑えるかどうかは、未だ確認されていないようである。

 実は10年ほど昔、米国オクラホマ大学の有機化学者によって、「C5 クルクミン」に類似した、水溶性クルクミン誘導「EF24」(Diphenyl difluoroketone) が開発され、その抗癌作用をヌードマウスに移植したヒト由来の膵臓癌を対象にして、カンサス大学の癌研究グループが調べている。驚くなかれ、毎日 0。2 mg/kg  という低濃度で、癌の増殖を50%以上抑制することがわかった (3)。これは一種の驚異である! 文献上、こんなに効率の高い抗癌剤は、我々自身が開発したPAK遮断剤「15K」以外にはない! しかしながら、それから10年以上たった今日でも、「EF24」の臨床テストが一向に開始されないのは、いささか "期待外れ" である。一つ気がかりなのは、細胞培養系でのIC50 がかなり高い (1 micro M 前後) にも拘らず、動物実験では、IC50が0。2 mg/kg 以下になることである。常識では、とても想像/予測できない!

参考文献:
3。 Subramaniam D, May R, Sureban SM, Lee KB, et al. Diphenyl difluoroketone: a curcumin derivative with potent in vivo anticancer activity. Cancer Res. 2008 ; 68, 1962-9.


2019年11月18日月曜日

PGG (Penta-Galloyl Glucose) はPAK 遮断剤!
月見草の茶で「ウイルス」感染の予防/治療が可能!

月見草、漆の木やウコン由来の「Galloyl」(没食子酸)と呼ばれる (ベンゼン環に3つの水酸基が付く) ポリフェノール カルボン酸5個と糖のエステル (PGG) に、PAKを直接遮断する作用があることが、つい最近、韓国の研究グループによって明らかにされた (1)。 数年前に、やはり韓国の研究グループによって、PGG がせんちゅうの熱耐性を4倍ほど高めるばかりではなく、健康寿命を延ばすことが発見されている。従って、プロポリス同様、抗癌剤、「健康長寿」薬、「少子化」剤などとして有効であることが示唆される。しかし、分子量が900 以上であるため、血管脳関門を通過し難くく、残念ながら、NF などの「脳腫瘍」の治療には向いていない!  

 愛知にある「オリザ油化」では、10年以上前から、PGG を含む 月見草エキスを 美白剤 として発売している。メラニン色素の合成に必要なチロシナーゼの発現を、PAK 阻害で抑える作用があるからである。古来には、月見草の葉っぱをハーブ茶として利用していたようである。新型コロナウイルスの感染には、PAK が必須であるから、月見草の茶で、このウイルス感染を予防、治療できる可能性がある。

https://www.oryza.co.jp/product/detail/evening_primrose_extract_igai

参考文献:  
1. Kim JA, Lee JE, Kim JH, Lee HJ, Kang NJ.
Penta-1,2,3,4,6-O-Galloyl-β-D-Glucose (PGG) Inhibits UVB-Induced Photoaging by Targeting PAK1 and JNK1. Antioxidants (Basel). 2019 Nov 15; 8(11). pii: E561.