2024年11月19日火曜日

キューリー夫人によるラジウム発見:
"女性" 科学者の足下を照らす灯台!
Dava Sobel 著 (2024)
HarperCollins 出版 (英国、ロンドン)
教訓:「鋭い観察」が自然科学や絵画の始まり!

ニュートンが「りんごの落下」を観察しなかったら、「万有引力の法則」は生まれなかった。。。盲目者には、絵を描くことができない!
放射性 (蛍光を発する) 元素、ウラニウムやラジウムの発見は、写真「乾板」への感光から始まった! 夫妻は、凡ゆるウラン鉱石中の「ラジウム/ウラン比」が一定であることから、(大きな) ウラン (92/238) が崩壊して, (小さな) ラジウム (88/226) 等に変化したことを "演えき" した!

最近, メルボルンの書店で、新本 (Non-fiction) を探している内に、目に止まったのが、(邦訳すれば) 上記の如き題になる「英文の本」である: The Elements of Marie Curie:How the glow of Radium lit a path for women in science.
著者は、New York Times (新聞) の元科学評論家で、現在 「Scientific American」 (雑誌) の論説家。 「 ガリレオの娘」で, ピューリッツァー賞を受賞.
もう20年以上昔、我が輩はノーベル文学賞に輝く米国作家、パール=バック女史の評伝 (上下巻) を、"7人の侍" (女性科学者) と一緒に共訳した経験がある。 その体験を生かして、読書後 (1-2年中に)、上記の随筆/評伝 (約270ページ) を 約3人がかりで、邦訳してみたいと考えている。
訳者には、ノーベル賞をめざす女性科学者 (できれば、分子生物学者) を募りたい。
さて、この随筆中に、"思わぬ" 発見をした。キューリー夫人は科学者ながら、画才もあり!
幼年の日記の中に、飼い犬「ランサー」の表情豊かな "デッサン" が発見された (我が輩も科学者ながら、絵画を趣味にしている)。
キューリー夫人に関する最初の伝記は、次女 (エヴァ) によって、1935年に出版され、ベストセラーになり、翌年 (夫人に扮するグリア=ガースン主演で) 映画化された。 我が輩も30年ほど昔に、ビデオを観賞したことがある。。。
キューリー夫人は夫のピエールと最初のノーベル賞 (物理学、 1903年) を分かち合ったが、 不幸にして、1906年4月19日に、ピエールが暴走してきた馬車に牽かれて即死した。 その後 (1911年の誕生日) に、キューリー夫人は2度目のノーベル賞 (今度は化学賞) の受賞通知を受けた。 丁度その頃、彼女はピエールの弟子であったポール=ランゲバンと極めて親しくなっていた。実は、ポールは、その妻 ( ジャン) と、不和が長らく続いていたからだ。しかしながら、ジャンが、この "2人" を殺す、と強迫し始めた! 結局 、キューリー夫人の再婚は実現しなかったが、(ずっと後になって) ポールの孫 (マイケル) とキューリー夫妻の孫 (ヘレン) 同士 (原子物理学者) がめでたく結婚にゴールインした!
キューリー夫人の最初の功績は、放射性 (蛍光を発する) 元素 "ラジウム" を発見したことであるが、更に、ウラニウムなどの放射性元素が崩壊して、ラジウムやポロニウム等、別の元素になる現象 (Transmutation) を化学的に証明し、二度目のノーベル賞に輝いた。 最終的には、これらの崩壊現象が、ウラニウム等の「原子核の崩壊」に伴なう莫大なエネルギーの放出として実現され、原子炉や原子爆弾の開発に発展した。。。従って、彼女は (是非は兎も角) "原子エネルギー" 開発の切っ掛けを構築したと言えよう。
残念ながら、彼女は1934年に (「放射能」被ばくのため) 67歳で病死し、1945年の米国による原爆の開発や (広島/長崎への) の投下を阻む事はできなかった (実は、彼女は「戦争が大嫌い」だった)。
なお、キューリー夫妻の長女 (イレーナ) は、その夫 (フレッド=ジョリオ) と共に、初めて「人工的な同位元素」を開発し、1935年にノーベル化学賞を獲得し、戦後、フランスの「原子炉の開発」 (原子力の平和利用) に貢献した。"放射性"同位元素 (Isotopes) は、我々"生化学者"によって、"トレーサー" として広く利用された (もっとも最近は、大衆の間に広まった「放射能恐怖症」のため、利用されなくなったが)!

2024年11月16日土曜日

高温は、大部分の生物の寿命を著しく縮める!
気温が4度上昇するに伴い、寿命は半減する!
「地球温暖化」後の日本や地球の"深刻な"姿?

先ず、東京や大阪の夏の温度は40度近くになり、熱帯地方になるので、首都圏や関西に住む人々の大部分は、北海道の札幌や旭川に、或は海外 (カナダ、アラスカ、シベリア等) に、集中的に移住することになるだろう。アフリカ大陸、東南アジアや赤道に近い地域に住む住民は大部分、より北の欧米や、より南の豪州へ「民族の大移動」が始めるだろう (我が輩は別の理由で、36年以上昔から、豪州へ永住!)。 実際、中南米から米国へ、アフリカから欧州への "大量移民" が続出している! 野や畑は干ばつに悩み、作物が育たなくなるため、深刻な食糧不足が世界中に訪れるだろう。 従って、食糧の取り合いを巡って、戦争 (殺し合い) が、世界各地で頻繁に起こるだろう。
最終的には、人類も家畜も棲息できなくなり、地球上には、植物しか生息できなくなり、更に、花粉を運ぶ (蜂や蝶などの) 昆虫もいなくなるので、植物に花が咲いても、生殖が出来ず、繁殖ができなくなり、絶滅に頻するだろう。 つまり、地球上には、高温の温泉に住む熱耐性微生物(Thermophile) 以外は絶滅する事になる。。。最終的には、水分が全部蒸発し、月のような、「無生物の世界」になるだろう。。。
「地球温暖化の"最大原因"になっている」経済大国の米国や中国が、「地球温暖化対策」を拒否する限り、この予想は現実となり、「人類の絶滅」は近い将来、現実的なものになるだろう。
これに対抗 (米中の「利己的な姿勢」を是正)するためには、「米中からの輸入」をボイコットする政策を世界全体が打ち出さねばならないだろう。 つまり、米中との「貿易戦争」が必至となろう。。。
我々 "インテリ" は「百歳クラブ」への入会をめざして、「地球温暖化」を何とか防止する運動を世界的に展開せねばならない!
石破さん、トランプさんへ:柿食えば 地球温暖化に 耐えられる!
(来る米国のHHS=健康相、JFK Jr を, 医学的に "再教育" せねばならない!) : 彼は "地球温暖化の緩和" 運動に関心を持っている! (教師の役目は、弟子の欠点を直し、長所を伸ばすことにあり)

2024年11月15日金曜日

三笠宮ご夫妻 (夫は100歳、妻は101歳) は「健康長寿」!

三笠宮妃百合子(ゆりこ)さまが今朝 (11月15日午前6時32分)、入院先の"聖路加国際病院"
(東京都中央区築地)で老衰のため亡くなられた。
この聖路加病院 (米国のミッションスクールの病院) は、我が輩が 戦時中 (1942年11月8日の朝) に誕生した "思い出" の場所でもある。 我が両親は、このご夫妻と同様、"真珠湾攻撃" の前後に結婚した。
少なくとも「滑り出し」は, 良かった!「初め良ければ、終りも良し」(「百歳クラブ」に入会できる) かもしれない。。。
因みに、日本全国で、100歳を越えた老人は、約9万5千人で、その内, 女性が 88% を占める。
この聖路加病院の元病院長「日野原重明」 (京大医学部卒、1911-2017) も 「百歳クラブ」の会員だった (105歳) !
世界の "病院 (best) ランキング" では、 聖路加国際病院が16位、東大医学部附属病院が18位! (日本国内では、トップ)。 "世界一"は、米国の "Mayo Clinic" at Rochester!
残念ながら、我が輩の最寄り、豪州で最高の "Royal Melbourne Hospital" は, 世界で 約 100位。。。
"死に場" はどこでも良いが、(出来れば) 「孤独死」ではなく、病院のベッドの上で、優しい看護婦さんに見取られながら、死にたいものだ!
我が大学の同級生で、最初に亡くなったのは、未だ60歳前後で、自宅の台所で脳溢血のためバッタリ倒れ、孤独死した。独身だったのだろうが、2週間後に、様子を見に来た弟に発見されたそうである。。。

2024年11月14日木曜日

川柳:柿食えば 風邪が治ると 石破言う
実は、健康長寿にも通ずる: 紀州名産の「長寿」柿 。

しかしながら、首相はその理由 (科学的根拠) を知らない!
(無知な「朝日新聞」は、ビタミンC のせい、と "嘘" を報道)!
実は、この嘘を1970年に言い触らし始めたのは、ノーベル化学/平和賞を貰ったライナス=ポーリングだった。それを信じ込んだのが、この「朝日」である。 罪は深い!
"無知" は許せる。 しかし、「嘘で洗脳」するのは、許し難い!
実は、柿の実のオレンジ色は、人参やトマト等と同様、"カロチン" による。
前述したが、カロチンは "PAK" 遮断剤の一種で、伝染病 (特に、ウイルス感染) の予防/治療に役立つばかりではなく、健康長寿にも通ずる: 紀州名産の「長寿」柿 (あんぽ柿)
ただし、カロチンには (風邪薬同様)、「催眠」作用があるので、"国会の審議中" (あるいは"車の運転中") にウトウトする (要注意!)。
従って、"競馬界" では、レースの直前に、競走馬に人参は絶対に与え無い
(レース後に "餌" を与える) ことが「常識」になっている。
"午年" の我が輩は、人参や柿を (寝る前の) "夕食" に食べる。。。
従って、「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」 の情景は「夕景色」であるに違いない。。。
正岡子規は、この俳句で、柿の実と夕日の色を見事にマッチさせる「美的センス」も持っていた。

2024年11月13日水曜日

養老孟司 (名誉) 教授 (東大医学部解剖学卒、
1937年11月11日生れ) : 「肺癌」で東大病院に入院!
病因は、(明らかに) 「喫煙」! 「他山の石」 とせよ!

2003年に出版された『バカの壁』は450万部を記録し、戦後の日本における歴代ベストセラー5位! (我が輩は "豪州永住" なので、先生の著作を読んでことはない)
残念ながら、先生は、「喫煙」が肺癌や心筋梗塞などの病因になることを理解していない!
東大薬学の「解剖学」実習で、我が輩の班は、「喫煙で死亡」した患者 (男、50歳代) の死体解剖をやった。その肋骨を開くと、肺が「タールで真っ黒」だった! 隣の班の死体は女性(年令不明)だったが、その肺は「美しいピンク色」だった!
幸い、我が班に属していた同級生からは、喫煙者は一人も出なかった!
養老先生には、恐らく、喫煙者の死体解剖をした体験がないのだろう (あれば、喫煙を辞めたはず!)。 "東大 (灯台)、 下暗らし" の典型的な一例! (幸か不幸か) 人間は、"体験の動物"!

要注意: 喫煙は、肺癌などを 起こす「タール」ばかりではなく、ニコチン中毒により、"発癌" キナーゼである PAK1 や TOR を活性化する(1)。 従って、いわゆる「Vapor 」式の "電子" タバコでも、ニコチン(NT) により、発癌が誘導される。しかも、「Vapor 」式のタバコ中の "NT" 含量は、従来のタバコよりずっと高い、と言われている。
文献:1. K Yuge, E Kikuchi, M Hagiwara et al (2015).
Nicotine Induces Tumor Growth and Chemoresistance through Activation of the PI3K/Akt/mTOR Pathway in Bladder Cancer。 Mol Cancer Ther. 14: 2112-20.

2024年11月12日火曜日

2024年11月11日月曜日

「犬歯が欠けた」高齢者向けの "ジューサー"「料理」法!

3年ほど昔 (コロナが世界的に蔓延して、海外渡航ができなくなった頃) 、豪州の北方(亜熱帯) にあるケアーンズに 2、3 カ月、「避寒」 のために逗留した。 逗留先は、若い旅行者 (いわゆる Backpackers) が安く宿泊できるユースホステル並みのホテルで、(男女別だが、年齢は問わず) 同室に2段ベッドが2 セット、合計4名が泊まれるようになっている。一泊、2千円位の宿賃で、共同のトイレ、シャワー室やキッチン等が別にある。最大の難点は、同室の誰かが、夜中に大きないびきをかき始めると、同室の他の住人(「耳のよい」我が輩など) が "騒音"で、寝られ無くなる!
そこで、或る日、別の部屋に移動した際、大変面白い老人に出会った。 フィリップという老人 (82歳位、当時、我が輩より3歳ほど年上) で、元々、オランダのアムステルダムから、若い頃、豪州の南西端、 パースにやって来て、ダイヤモンド炭鉱で長らく働いていたが、70歳位で、退職して、豪州中を旅行し回って、結局、このユースホステルに半ば永住している。 普通の貸し屋に住むと、一晩 7千円程、とられるので、家具無しで、ザックやボストンバッグで旅行しながら、10年ほど独り暮らしをしているらしい。
彼の趣味は、近くの "市立図書館" (右図=写真の真ん中にある赤れんが屋根の平屋) で、チェスを楽しむ事。彼のチェスの腕前は「プロ級」である。 それだけではない!若い頃に、北海道の札幌近くに滞在して、スキーを楽しみながら、将棋を日本人のスキー客から、教わったそうだ。 彼の将棋の腕前も我が輩以上だった。 彼は, いわゆる「さ迷えるオランダ人」(ワグナー作曲) だが、我が輩も「さ迷える日本人」を代表して, お互いに意気投合した。彼には、将棋の駒の "漢字" が読めるので、ボール紙で、将棋の駒を2セット作り、図書館にあるチェスの碁盤 (9x9) を使って、ゲームを楽しんだ。チェスと将棋の共通起源は 古代インドで、中東を経てヨーロッパに伝わったのがチェス、中国を経て、日本へ伝来したのが将棋である。 ルールは多少違うが、基本的原理はほぼ同じなので、両方を熟すことは可能! 実は、我が輩がチェスを習い始めたのは、1973年に初めて、米国シアトルに向けて、巨大な貨物船で太平洋を渡った折に、米国人のセイラーから、伝授されて以来である。
さて、フィリップからもう一つ学んだ貴重な「生活の知恵」がある。 実は、彼には、歯が一本も残っていない! 豪州では、歯科は健康保険が利かないから、ひどく歯の治療に金がかかる。 そこで、彼は、虫歯になったら、歯を抜いてもらうが、入れ歯を拒否し続けた結果、とうとう一本も歯がなくなってしまった!
そこで、「歯無しで食事をする術」を, 自ら考案した! ジューサーに食べたい具材を全部入れて、一分間、ジューサーを回転させた後、それを鍋で軽く煮炊きしてから、口の中にジュース (「流動食」) の如く流し込む! いわゆる「歯応え」は楽しめ無いが、(長生きに) 必要な栄養は十分にある、 という訳だ! 最近、我が輩も上下左右の"犬歯"などを抜けたままにしているので、そろそろ「フィリップ方式」に従って、ジューサーで料理を始めるため、ジューサー (一台 4500 円) を安価にスーパーで入手してきた。 実は, "入れ歯一本" よりずっと安い! 駄洒落ではないが、彼は「歯無し」で、普通に会話 (はなし) ができる!
来年の冬 (6-8月) に避寒のため、再びケアーンズに逗留する予定であるが、前回、ユースホステルで豪快ないびきをする客に悩まされたので、今回は個人用の「Bed and Breakfast」式個室に泊まる(一泊 8千円ほどの家賃!) 予定であるが、出来れば (未だ存命であれば) 、フィリップに再会して、将棋や (図書館に近い) "海岸公園" の散歩などを一緒に楽しむ機会があれば、素晴らしい!