2021年1月27日水曜日

今年の挑戦: 難解な「君が代」に代わる、
分かり易い「新しい国歌」を募集中!


("明治時代初期" に作詞作曲された) 現行の日本国歌「君が代」は難解で、我々凡人(大衆) にはサッパリ理解できない! ましてや、小学6年生には、全くチンプンカンプンに違いない。 そこで、小学6年でも、容易に理解できる (より親しみ易い)「新しい国歌」を作詞、作曲する試みが、巷で目下進められている。
その試みの一環として、"21世紀に相応しい" 下記の国歌 (我らみな同胞 ) を作詞した。この歌詞を踏み台にして、簡単なメロディー (できれば、伴奏と前奏も含めて) をつけて、作曲したもの (楽譜=作品) を目下、募集中である。締め切りは、2021年7月31日とする。 応募先: maruta20420@yahoo.co.jp
楽譜をスキャンして、PDF (1 page) にセーブして、メール (応募) されたし。入選作品には、10万¥ を授与 (銀行振込) したい。
日本の新しい国歌: 我らみな同胞
(起) 山河に育ち、海に出る
(承) 山の幸、海の幸、分かち合って はや二千年
(転) 縄文も弥生も、更に助け合い
(結) 世界の平和, 守りましょう!
注: 「縄文」とは先住民、「弥生」とは移民を指す。

注: 「君が代」の作詞と作曲
作曲者は英国人 ( ジョン・フェントン ) とドイツ人 (フランツ・エッケルト) 。歌詞は「古今和歌集」に収録されていた「賀歌」 ( 詠む人知らず) を原型としている。 従って、難解を極めている! 実は、 (当時の日本民族を小馬鹿にした) 外人の「押し付け」に過ぎない。 "魂なき"「さざれ石」(細い石ころ!) を讃えた「君が代」が 正式に「国歌」として制定されたのは、何と1999年! それまでは一体何だったのだろう? 恐らく、世界「最低/最悪」の国歌に属するだろう。。。詳しくは: https://news.livedoor.com/article/detail/4611405/
我らみな同胞」、あるいは「人類みな平等 (兄弟)」 という言葉 あるいは概念は、2千年ほど昔の「イエス=キリスト」の言葉に起因する。 ベートーベンの「第九交響楽」の歌詞は、ドイツの詩人シラーの作品に基づくが、第4楽章 に登場する「人類みな兄弟 (=同胞)」がそのエッセンスになっている。 EU では、この第4楽章 "合唱" が「欧州統一をめざす歌 」として採用されている。 我々の新しい国歌は、その "日本版" と考えたら良いだろう。 従って、和製「ベートーベン」からの作曲 (応募) をぜひ期待したい!
Grown around mountains and rivers, and challenging the ocean
We have shared products from both land and sea for two thousand years
Both aboriginals and immigrants will help each other for good
Contributing to the world's peace!

願わくば、ウイリアム=テル 序曲 (ロッシーニ作曲) 、アンダンテ (夜明け前の静寂) の「オーボエ/フルート」演奏部分 (鳥の鳴き声/牧童の笛) を前奏にし、自然に親しむ「独立国」(永世中立国) のイメージを醸し出したい。。。

2021年1月26日火曜日

1月26日 (英国による豪州の建国日=Australia Day) を
原住民 (Aboriginal ) は「侵略 の日 」と呼ぶ! 何故?

1788年1月26日に、英国の軍艦隊が (豪州の) シドニー港に上陸して、原住民が6万年以上も前から平和に住んでいた豪州大陸を勝手に「英国の植民地」化した。その後、原住民の大部分は、英国人移民/植民により、虐殺された。さて、その日を記念して、その後、豪州の白人 (英国系) 政府が、1月26日を「豪州の建国日 」(Australia Day) に制定した。 しかしながら、原住民 (Aboriginal) の子孫 (現在は、豪州の総人口のわずか "3%" に過ぎない) は、その日を「侵略の日」と呼び、祭日としては認めないと主張し、今でも根強く「抗議運動」を展開しつつある。。。
この事件を日本の歴史に喩えれば、次のようになる。 「古事記」などによれば、現在の天皇家の祖先 (初代の「神武天皇」を首領とする弥生民族) が、2600 余り前 (実際には、AD400年代)、中国大陸から朝鮮半島を経て、九州に勝手に上陸して、鉄器により、それまで、一万年ほど日本に住んでいた(土器や銅器しか使わない) 先/原住民=縄文民族 (恐らく、耶馬台国の子孫やアイヌ/沖縄民族の祖先など) を制圧して、「大和」朝廷 (植民地) を樹立 (建国)した。 その日を記念して、2月11日が「紀元節」(建国記念日) として、戦前に制定された。 敗戦後、米国占領軍のマッカーサー元帥らによって、その祝日が廃止された!
私自身は、1988年1月26日 (Australia Day 200周年) の直後に、米国のカルフォル二ア州から、豪州メルボルンに「永住」した (豪州国民ではない!) 。 従って、Aboriginal と同様、「Australia Day」を祝ったことはない! 極めて皮肉/異常なことだが、Aboriginal は、ごく最近 (1993年) まで、「豪州国民」として、認定されず、選挙権もなかった! 私自身の考えでは、祝日 "1月26日" を廃止するか、「移民の日」(英国人が初めて移民した日) と改称すべきであろう。
なお、松本秀雄著『日本人は何処から来たか』(NHKブックス)によれば、DNA (ゲノム) 分析結果に従えば、縄文民族 (先住民) の起源は、ロシアのバイカル湖 (モンゴールの直ぐ北方) から南下してきた民族らしい。 バイカル湖畔から南下し華北に暮らしていたD系統だが、漢民族の圧迫から逃れるために、さらに南下し日本列島にやってきて、縄文人の中核を形成した。かたや、弥生時代に渡来した人々 (弥生人) は、長江流域で水稲栽培をしていたO系統だ。やはり、漢民族に滅ぼされて逃れてきたという。また、朝鮮半島の民族もO系統
現代の日本人の中に占めるD系統の割合は3割、O系統は5割と、渡来 (弥生民族) 系の比率が高い。この数字だけ見れば、やはり渡来人に先住民が圧倒されたと思えてくる。。。詳しくは: https://www.huffingtonpost.jp/foresight/jomon-man-dna_b_7601964.html
私自身にも、これに関して大変面白い体験がある。 米国に渡米留学し、NIHで研究を始めたころ、同じビルディングで既に研究していた韓国人と廊下でパッタリすれ違った。彼はいきなり、私には「わからない言語」で話かけてきた。後で聞いたら、韓国語 (ハングル) だった。彼は私を「韓国人」と勘違いしたらしい。(我が両親は「関西生まれ」だったから) 、恐らく私も彼と同様「O系統」だったのだろう。。。
豪州、国歌を"ほんの一部"変更 6万年に及ぶ "先住民" の歴史を反映!
(from) "Young" and Free (to) "One" and Free
https://www.cnn.co.jp/world/35164514.html

日本 (共和国) の新しい国歌: "我らみな同胞" (作詞: 丸田 ひろし)
(起) 山河に浴し、大海に挑む
(承) 山の幸、海の幸、分かち合うこと二千余年
(転) 縄文も弥生も仲良く助け合い
(結) 永久 (とこしえ) に世界平和に尽しましょう!
注: 「縄文」とは先住民、「弥生」とは移民を指す。

2021年1月24日日曜日

病原菌由来の "RNA" ワクチン: せんちゅうが病原菌を
避ける記憶 (免疫) のメカニズム

Kaletsky R, Moore RS, Vrla GD, Parsons LR, Gitai Z, Murphy CT. C. elegans interprets bacterial non-coding RNAs to learn pathogenic avoidance. Nature. 2020 Oct; 586(7829):445-451.
さて、森や野山を散歩していて、珍しい茸を見つけたとする。食用の茸か毒茸かを見分けるには、茸の専門家としての深い知識 (教養) が必要である。 最近、Nature 誌上に発表された論文によると、(バクテリアを主食とする) 「せんちゅう」(線虫) には、茸ではなく、様々なバクテリアの中から、食用のものと病原性のものとを、簡単に区別しうるメカニズムが存在する。 しかも、驚くなかれ、その記憶 (学習効果) は "4代" に渡って (曾孫まで)、遺伝する!
この画期的な発見をしたのは、米国プリンストン大学のチームである。 我々は通常、実験室では (病原性のない) 大腸菌をせんちゅうの餌にするが、 この研究チームの場合は、病原性と非病原性の緑膿菌を、それぞれ餌にして、せんちゅうがどう対応/区別するかを研究してきた。 それによると、病原性の緑膿菌を食べさせられた線虫はもう二度と、病原性の緑膿菌を食べようとしなくなるが、非病原性の緑膿菌は食べる。 つまり、せんちゅうは何らかのメカニズムで、菌の病原性を記憶して、それを避ける能力を獲得する。
研究の結果、その記憶は、病原性の細菌由来の特種な "RNA" (P11) によることが判明した。そのRNA が、何らかのメカニズムで、宿主の神経蛋白 (マコイリン) を刺激するらしい。 せんちゅうの神経がそれを記憶し、その病原性の細菌を避ける指令を出すらしい。 しかも、その指令は、その "4世代" 後まで、遺伝する。 ついでながら、マコイリンは人類の神経にも存在する!
せんちゅうには、我々哺乳類のような抗体産生を介する免疫メカニズムはないが、細菌由来の特種なRNAが「ワクチン代わり」になって、病気を未然に予防しうる装置が備わっているわけである。 バクテリアがそのウイルス (ファージ) に抵抗するために、Casper RNA を利用するのと、類似している。 従って、進化論 (水平思考) に従えば、我々人類にも、"PAK遮断剤" を経口するという「高等知識」以外に、同じような (例えば、COVID-19 を感知/予防しうる 「臭覚」などの) "原始的な" 装置が備わっている可能性がある。。。特に、我々の「臭覚」は、汚物の「悪臭」とジャスミンや沈丁花などの「芳香」をハッキリ化学的に区別して、(生涯に渡って) 記憶する機能をもっている。。。
さて、COVID-19 などのウイルスは一体どんな臭いだろうか? 南米チリの警察軍(カラビネロス)が、新型コロナウイルス感染者を犬の嗅覚で見つけられないか、訓練を続けている。共同研究するカトリック大のフェルナンド・マルドネス教授は「ウイルス自体には、臭いはない。しかし、感染者の代謝に変化はあるはずだ」と強調。汗の臭いを嗅ぎ分けられないかと考えている。
訓練中なのはゴールデンレトリバー3頭とラブラドールレトリバー1頭。既に麻薬や爆発物、行方不明者らの捜索で現場を経験している。マルドネス教授は、人間の結核や寄生虫感染、さらに早期のがんを犬が発見できる証拠があると主張。欧州やドバイで行った実験では "95%" の高率で "新型コロナの感染者"を嗅ぎ出したという!
数年前だが、ある九大の科学者によれば、せんちゅうが、患者の尿で癌の存否を判定できる、という話を聞いたことがある: 線虫は、犬より優れた嗅覚で、がん患者の尿に含まれる特有のにおいに近づき、健康な人の尿からは逃げる性質を利用して判定する。2020年初めに、この癌判定テスト (N-Nose) が「広津バイオ」によって実用化されたそうである。ただし、せんちゅうを引き付ける癌細胞特有の代謝物 (chemo-attractant) の同定は、未だ行われていないようである。 https://www.nishinippon.co.jp/item/n/547647/

2021年1月23日土曜日

世論の90%が2021東京五輪の中止を期待!
2032年には 南アフリカのケープタウンか
「大阪」で初めての五輪を (東京での二番煎じはごめん)

巷の噂によると、豪州のブリスベンが、メルボルン (1956年) やシドニー (2000年) についで3番目の五輪都市を狙っているようだが、アフリカ大陸では、未だ五輪 が一度も開催されたことがない、という "歴史的な事実" を鑑みて、先ず南アフリカの最大都市「ケープタウン」で、早ければ 2032年に夏期五輪を開催すべき。それが無理ならば、五輪経験の未だない「大阪」を推薦すべき (東京での五輪の「2番煎じ」はもう結構)。 どちらにしても、2032年には、我々の世代は "90歳" に達し、恐らく「あの世」から (宇宙中継で) 五輪観戦となるだろう。。。 結局、ブリスベンが2032年の夏期五輪開催地に落着!

2021年1月18日月曜日

「物理学者」だったドイツのメルケル首相:
2005 年以来、安定な長期政権を操縦!

戦後の西ドイツで最も人気があった政治家は、ベルリン市長を経て、SPD の党首として首相になったウイリー=ブラント ( 1969-1974 ) であるが、それを上回る人気が今、統一ドイツの首相 アンゲラ=メルケルに集まっている。
現在、 「Die Mutti 」 (お母さん) という愛称で呼ばれるドイツの首相 (宰相)、アンゲラ=メルケルは、2005年に、51歳 (最年少) で、しかも「初の女性首相」として、ドイツの大連立政権 (第一党 CDU と第二党SPD) の首相に就任して以来、西欧で最も安定したリーダーシップを維持している。 その間、日本では小泉から菅 (すが) まで9人もの首相が目まぐるしく交代している。より安定な英国でも、ブレア からジョンソンまで、5名もの首相が既に交代している。 メルケルは次の総選挙では、首相に立候補しないと明言しているが、確実な後継者が未だ決まっていない。。。彼女の強さは、一体どこにあるのか?
メルケルが党首をしているCDU はキリスト教中道保守党である。野党 SPD は社会民主党。 佐藤伸行著 (2016年) 「世界最強の女帝: メルケルの謎」によれば、メルケルは1954年に西独ハンブルグに生まれ、ポーランド系「プロテスタント」牧師の娘 (3人兄弟の長女) だったが、一家はベルリンが東西に分離される前に、教会の要請に従い、東独へ移住した。 従って、最終的に悪名高き「ベルリンの壁」が崩壊する1990年頃まで35年余り、東独領内で生活していた。 1973年にライプチヒ大学に入学して、物理学を専攻 (最終的には"博士号"まで取得) する。1977年に友人の一人、ウーリッヒ=メルケルと学生結婚する。 しかし、その結婚 (若気の至り) は3年で破綻し、1982年に離婚。 その後、量子化学の世界的権威、先輩のヨアヒム=ザウアーを「生涯の伴侶」として選び、1998年に再婚届を出す。 しかし、(再婚同士からか) 苗字は引続き前夫の「メルケル」を踏襲する。
以上の経歴から、彼女は、父親から学んだキリスト教の「寛容の精神」と科学者としての「客観的な判断」の持ち主だと思われる。メルケルの最大の武器は「自由主義」だった。しかし、東独内では、「沈黙は金」であることも学んだ。 これに関して、面白いエピソードが残っている。 彼女が東独当局から "スパイ" 活動に歓誘されたとき、「私は御喋りだから、秘密を守ることができません」と言って、歓誘をやんわり断わった (相手を煙に巻く素晴らしい "ウイット" の片鱗をのぞかせた) 。。。
1990年の「ベルリンの壁」崩壊後、メルケルは東独内に誕生した市民政党「民主的出発」のメンバーになる。この政党は、牧師など教会関係者が中心になって結成した中道政党で、社会主義にも資本主義にも組しない第三政党だった。 しかしながら、最終的には、東西ドイツ統一後、現在のCDUに吸収される。 メルケルの政界へのデビューは、1990年に成立した東独CDU新政府 (デメジエール内閣) の「副報道官」への就任だった。メルケルの強みは、語学力、特に英語やロシア語などを流暢に話すことだった。 ロシアの支配者「プーチン」が彼女の巧みなロシア語に舌を巻いたというエピソードは極めて有名である。 。。
報道官とは、日本で言うと「官房長官」に相当するが、官房長官だった「スガーリン」との最大の違いは、メルケルの卓越した語学力と自然科学の深い知識だった。 しかも「敵を決して作らぬ」ことである。 自分の指示に従わぬ者を左遷したり、首にしたりするような (暴君的な) 処置は絶対にしない! メルケルは「和」の精神に徹している。。。もし「スガーリン」が長期政権を願うのならば、「メルケルの爪」を煎じて飲むと良い! 次期 (あるいは将来) 首相の座を狙う小池 氏 (都知事) も、いわゆる「女帝」をめざすなら、メルケルから学ぶべきことが多いと、私は思う。
もう一つ、気になるのは、対中国外交で、メルケルのドイツと (安倍-菅) の日本との間に大きな違いがある。日独両国は、いわゆる車やハイテックの輸出国であり、人口の多い中国が最大の 市場である。当然のことながら、独中関係は日増しに緊密化しているが、日中関係は (過去の「歴史」認識問題で) いつまでも「ぎくしゃく」している。 日本政府はもっと「大人になって」過去をすっかり清算したらどうだろうか?
私が1980年代前半、西独のミュンヘン郊外にあるMax-Planck 研究所に数年ほど勤務していた頃、同僚の若い夫婦は両方とも、分子生物学者で、熱狂的なSPD 支持 者だったが、2005年の総選挙で、(それまで政権を担当していた) SPD がCDU に敗れ、結局、CDUの党首メルケルが首相になった時、大変失望していたようだったが、次第にメルケルの「実力」が判明し、夫婦共、結局、「Die Mutti」 メルケルの手腕に期待するようになった。。。「メルケルに任せておけば安心」という気運がインテリ層の間に広く浸透しつつある。実は2006年の春から2007年の秋まで一年半ほど、私は幸運にもドイツのハンブルグ大学病院 (UKE)で、共同研究のため、再び客員教授として滞在する機会を得て、メルケル治世の統一ドイツを直に味わう機会を得た。 片や、安倍しんぞうも8年近い長期政権を誇ったが、「安倍に任せておけば安心」という気運は、私自身を含めてインテリ層には、全く感じられなかった! ひどい違いである。。。「スガーリン」に関して言えば、「吐き気がする」!

2021年1月17日日曜日

草花の "開花"と"閉花" のタイミング: 開花遺伝子
(フロリゲン) の発現が気温や日照(UV)により調節!
草花は「コンビニ」と違って「夜間営業」をせぬ!


私は薬理学や生化学が専門であり、植物学や遺伝学には疎い。従って、草花の開花期を支配している遺伝子や環境 (特に温度) の変化については、 余り知識がない。 しかしながら、南半球の豪州メルボルンに30年以上永住していると、ある不思議な現象に気づく。 例えば、藤の花が年に2度 (春と秋に) 開花 する。沈丁花もしかり。真冬 と真夏に咲く。 ニオイバンマツリ (American Jasmin) も 5月 と11月に咲く。いずれも 北半球が原産である。 さて、桜はこちらでも、春 (10月) にだけ 咲く。 梅も年に一度しか咲かない (晩冬の8月にだけ咲き、実の収穫期は11月末になる)。 従って、原産が北半球でも、花によって、豪州で二度咲くものもあれば、一度しか咲かないものをある。 他方、南半球原産のジャコランダは、12月初めに一度だけ、紫の花を咲かせる。一体、どうしてだろうか?
2013年の論文: (地球温暖化世界で生じる開花フェノロジー変化を開花遺伝子発現量から予測する: 佐竹暁子(北大)、川越哲博(京大)、佐分利由香里(北大)、 千葉由佳子(北大)、櫻井玄(農業環境技術研)、工藤洋(京大)
Forecasting flowering phenology under climate warming by modelling regulatory dynamics of flowering-time genes
Nature Comm。 4, 2303, 2013/08/13/online

上記 の植物遺伝学の専門家によれば、アブラナ科には、少なくとも2種類の開花遺伝子 (「負」のFLC 遺伝子と「正」のFT 遺伝子=フロリゲン) が存在するそう である。越冬の後、春に開花する植物 (例えば、アブラナ科) では、長期間の低温を経験して初めて花芽形成が誘導される。このことは春化(しゅんか)と呼ば れ、春まきと秋まき小麦の違いに代表されるように古くから知られていた現象。
さて、FLC 遺伝子は低温 (冬) の状態では、高く発現され、FT遺伝子の発現を抑えている。温度が2度ほど上昇すると、FLC遺伝子の発現が急速に下がり、逆に (開 花に必須な) FT遺伝子の発現が急速に高まり、花が咲く。 更に温度が2度ほど上がると、FLC遺伝子の発現が再び高まり、FT遺伝子の発現を抑え、閉花となる。従って、通常 (北半球では) 暖かくなると開花するが、南半球では、暖かくなった時ばかりではなく、逆に寒くなった時にも、(逆反応で) 開花 (狂い咲き) しうる、という解釈が可能となろう。。。 亜熱帯の沖縄や台湾では、ハイビスカスが殆んど年中咲いている。 亜熱帯では年較差が小さく、気温が小幅に上下する度に開花を繰り返すので、殆んど年中開花しているようにみえるのだろう。メルボルンでは、真夏の1-2月のみがハイビスカスの開花期である。
より最近の研究によると、FT 遺伝子の発現は、長日の "日照" (特に紫外線) によっても、制御されている。日暮れになると、"ヒストン脱アセチラーゼ" (HD2C) の作用により、 FT 遺伝子の発現が抑制され、閉花する。 「開花」の主な目的は (昆虫による)「受粉」=「雌しべ」と「雄しべ」の交尾 なので、日が暮れ、昆虫が眠っている暗闇では、開花する必要がない! Zhihao Guo, Zepeng Li, Yuhao Liu et al. MRG1/2 histone methylation readers and HD2C histone deacetylase associate in repression of the florigen gene FT to set a proper flowering time in response to day-length changes. New Phytol. 2020 Sep;227(5):1453-1466.
なお、“一季咲き、二季咲き、四季咲き” について詳しくは: https://karuchibe.jp/read/7289/
Nature 論文 (2014) によると、FT (florigen) 遺伝子産物 は、PC (phosphatidyl choline) と呼ばれる燐脂質に結合する蛋白のようである:
Nat Commun. 2014; 5:3553. Yuki Nakamura et al. Arabidopsis florigen FT binds to diurnally oscillating phospholipids that accelerate flowering.

これらの研究で判明した、もう一つ重要なことは、(地球温暖化により) 温度が4度以上急激に上昇すると、全く開花しなくなるか開花時間が極端に短くなり、蜜蜂や蝶による受粉チャンスが少なくなるため、多くの作物が全く結実しなくなる (つまり、稲や麦などが実らなくなる) 可能性! これは「一大事」である!

2021年1月12日火曜日

「ルビコン川 を渡る」 とは、「重大な決断や行動」 の意。 だが、どんな川? 渡った将軍の運命は?


この川はイタリア北部にあり、紀元前49年に、ジュリアス=シーザーが 「賽は投げられた」 と宣言して、渡ったといわれている。 ルビコン川 とは、古代ローマ時代のガリア(現在のフランスやオランダ)とイタリアを区切る川で、軍を率いて川を超えることを禁じていた。しかし、ローマ帝国の軍人であるカエサル (シーザー) は命令に背き、首都ローマへ向かうために、軍を率いてルビコン川を渡った。
「ルビコン川を渡る」 と似た意味をもつ言葉(類義語)には 「背水の陣」 が当てはまる。「一歩も後には引けない状況で、全力を尽くすことの例え」 を意味する。
さて、ルビコン川 (水源から全長 30 km でアドリア海に注ぐ) は一体どんな大河だろうか? (上流か下流か) 場所にもよるが、この川を渡るには、さ程苦労はいらないことが、実際に現地に行ってみると一目了然! 先ず、シーザーのあとのローマ皇帝 アントニウスによって、立派な石橋が架橋された。しかしながら、橋がなくても、川幅は高々 数 メートルに過ぎず、浅瀬なので、容易に渡れる 「小川」。。。(キョウチクトウの花が咲く) 真夏の渇水期には、殆んど水も流れていない。 ということで、ルビコン川を渡ることは、小さな子供にもできる。。。
我が家の近くを流れるクリーク (下流はメルボルン市内を流れる一種のドブ川) に沿って、林道を毎日1-2時間散歩する習慣が、私にはあるが、その途中、川幅の狭い上流 (清流) で、水かさの少ない浅瀬を、数個の岩や石ころづたいに対岸に渡れる場所が一か所ある。体調の良い日には、そこで "Cross the Rubicon! " という掛け声をかけ、(義経の「八艘飛び」をイメージしながら) ヒョイヒョイ と渡る楽しみがある。 勿論、その上流には立派な木造の橋や下流には吊り橋がかかっているので、必ずしも、ルビコン川を、敢えて (石塊づたいに) 渡る必要はないが、(老人の) 「遊び」で、古代ローマのシーザーの真似をするのを趣味にしている。。。
野心満々の将軍シーザーは禁断のルビコン川を渡って進軍し、当時 「共和国」 だった ローマの政治家 (元老院) などに圧力 (一種の"クーデター") をかけ、遂に皇帝になった。 しかし、その横暴が度を過ぎ、結局, 友人ブルータスを始め数名の元老議員により、暗殺される! 「ブルータス、お前もか」という有名な言葉が、彼の最後の言葉。 従って、「ルビコン川を渡る」 という言葉は、「法を無視して、横暴を働くと、報いが来るぞ!」 という警告にもなる。 トランプやスガーリン等の ”暴君” は心せよ!
実は、トランプの罷免問題で、憲法25条の修正条項として、副大統領 (VP) の判断で、大統領が執務能力を失ったと判断された場合には、下院の承認を得て、大統領を罷免して、自分が大統領になりうる。 過去の例では、大統領が死亡あるいは瀕死の状態の場合に限って、VP が大統領に就任した。 さて、今回の場合、下院は既に大統領の罷免を承認したが、VP ペンスは未だトランプを罷免していない。 恐らく、実行すると、トランプが 「ペンス、お前もか?」 と言って、悪質な仕返しをする可能性があることを憂慮している (びびっている) 状況のよう。。。 ただし、暴徒が国会に突入した直後、トランプの反対を押し切って、いわゆる「機動隊」をペンスは召集した。 だから、トランプとの仲は、既に悪い。。。トランプには 「暴力団の親分」 の資質はあるが、大統領の資質は全くない! さて、(自分に従わぬ者は全て、左遷か首にする) 「スガーリン」 の資質とは一体何か?
結論的には、思い切った行動を取る、という表現には、「清水のひのき舞台から飛び降りる」というのが、最も適切だと、私は思う。2018年の都知事選前に、小池候補が宣言した物だ。それに対抗して、「富士山のてっぺんから飛び降りる」と宣言した (台湾生まれの) 候補がいたが、結局、不出馬に終わった。 富土のてっぺんから飛び降りると、火口に落っこちて、はい上がれなくなる。。。
おおえ やま いくののみちの とおければ また ふみもみすあまのはしたて
(現代語訳: 大江山を越え、生野を通る丹後への道は遠すぎて、まだ天橋立の地を踏んだこともありませんし、母からの手紙も見てはいません)
新春の 「百人一首のカルタ取り」 大会では、上の句を読むと、(それに続く) 下の句の札を取る。 例えば、「大江山」 とくれば、「天の橋立」に終わる札を取るのが正解。 欧米の政治家の世界では、上の句に 「ルビコン」 がくれば、「お前もか」 という句に終わる札を、真っ先に取る者が 「賢者」 として最も尊敬される。 その理由は、上記の古代ローマ時代の逸話から、一目了然であろう。。。悲しいかな、トランプは (シーザーの ”轍” を踏む) 落第生に終わった。 「スガーリン」 は果して、この逸話 (史実) を知っているだろうか?
ところで、「カルタ」の語源をご存知? ポルトガル語の "Carta" (Card の意)。手紙、名刺、トランプのカードなど「四角い紙」を意味する。1215年に英国で成立した 「マグナ=カルタ」 (Magna Carta=自由の大憲章) の「カルタ」も同じ語源。 従って、西洋における「カルタの歴史」は意外に古い。。。ちなみに、現在使用されている "トランプ" は、中世のヨーロッパで作られたものが由来とされ、現在のスペード、ハート、ダイヤ、クラブのマークが描かれたカードは15世紀頃にフランスで作られるようになり、16世紀頃にポルトガル人から日本に伝わったといわれている。従って、"百人一首のカルタ取り" も、その頃 (室町時代末) から、大牟田の "三池" を発祥地として、日本の庶民の間にも普及し始めたと考えてよい。

2021年1月10日日曜日

「百名山の人: 深田久弥」 (田澤拓也 著)


登山随筆家「深田久弥」(1903-1971) は、「一高-東大」コースの秀才だったが、学歴に一切因われない自由奔放の登山家だった。東大文学部を中退して、改造社 に入社した。 ある意味で、同じくドイツ文学を専攻し、山男だった我が亡父と、幾つか共通点を持つ。 久弥の長男 (森太郎) が産まれたのは、偶然にも、私自身と同様、戦争中の1942年! ということで、山好きの私自身も、久弥の生涯に興味をもち、この伝記を読むことになった。 読んでみて、意外 (ショック) な事実が沢山続出してきた!
久弥は2人の妻を持っていた。最初の妻は、(病弱の) 作家、北畠八穂 (青森出身)。2番目の妻、深田志げ子 はお茶大付属女子高出身のインテリ かつ「良妻賢母」で、実は久弥の一高 (本郷) 時代の「初恋の人」(深田志げ子 著: 私の小谷温泉、 深田久弥とともに) 。当然ながら、久弥の女性関係は、極めて複雑怪奇! しかも、久弥の代表的な文学作品の幾つかは、最初の妻 (八穂) が代筆した作品に久弥が編集を加えた物 (俗に言う「二人三脚」) であることが、後に発覚し、著作権などを巡って離婚問題にも発展。 然も、(久弥の) 長男は志げ子の腹から産まれた!
敗戦直後、新潮社の豪腕編集長 (斎藤十一) が、「二人三脚」の実態を知りつつ、無名の新人作家、八穂の「自在人」を雑誌 「新潮」に掲載するという破格の扱いをしてくれた。更に、八穂も後年、18歳年下の書生(東大農学部出身の白柳美彦で、「シートン動物記」などの訳者) を伴侶として得、幸せに後半生を過ごし、病弱ながら、久弥よりも10年ほど長生きしたので、結果的には "全て良し" (Ende gut, Alles gut) と一応したい! 私と久弥との共通点は、「山好きであると共に、電話嫌い」ということだろう。。。私も久弥のごとく、ことによったら、登山中に死ぬことになるかもしれない。。。
最後に久弥が残した名言を一つ: 山の遭難ニュースが出る度に、「好きな山で死んだんだから、もって瞑 (めい) すべしさ。もし、自分が山で死んだら、そんな風に思って欲しい。登山はもともと "冒険" (自然への挑戦) なのだから」。 この名言は結局、久弥の遺言にもなった。。。久弥は友人数名と共に、茅が岳の頂上近くで小休止をし、アンパンを食べながら、脳溢血で、すーっと安楽死してしまった! 見事な大往生であった。。。
もう一つ、久弥が強調した言葉がある: 登山にはルールがない、ということである。頂上に達するために、自分の手足を使う限り、 (尾根でも沢でも岩場でも) どんなルートを選んでもよい。科学も同様である。ある結論に達するために、どんな論理 (道筋) をたどってもかまわない。 従って、文学や芸術と同様、登山と科学は、最も「反体制的な」(自由平等な) 人間の挑戦 (冒険) である。
私の「十名山」: マッターホルン、ロングスピーク (ロッキー山脈の主峰)、ツークシュピッツ-アルプシュピッツ 連峰 (独アルプス)、クック山 (NZ), 槍-穂高 連峰、立山連峰、八ヶ岳連峰、谷川岳、雲取山、丹沢山塊。

2021年1月7日木曜日

「2-26 事件」米国版: トランプの煽動により、支持派の暴徒が米国議会の (下院) 議場に乱入し、 審議を妨害、死者が 5 名 (暴徒 4、警官 1) !

バイデン大統領は、この暴挙を「反乱」と非難。よって、下院議長 "ペロシ女史" に、トランプを「"立法"に対する反乱煽動罪」で 逮捕しうる権限が生じた!「三権分立の原理」に反し、「行政」が「立法」に武力干渉したからである。 事件後の下院採決で「トランプの敗北」が最終的に確定した! ペロシ議長は、自分の事務所にまで暴徒が侵入したのを激怒して、"トランプ" (暴動の黒幕) に対する「弾劾裁判」(吊し上げ) を要求している! 大統領選挙 (11月初旬) 以来2カ月間、トランプのやっていたことは、ゴルフと暴徒を煽るツイッターだけで、必要な執務を全くやっていない。従って、事実上、彼には「大統領たる資格」は全くなくなった! 残る2週間は、「豚箱」(刑務所) 入りが最も相応しい! 「スガーリン」という愛称を持つどこかの首相も、真面目に「コロナ対策」を実行しないと、"自らの首"が間もなく飛ぶことを自覚せよ!
「他山の石」という諺: 海外の山から出た質の悪い石でも、自分の玉(=美しい石)を磨くのに役立つことから、転じて、「トランプの誤った言行でも、自分の修養の助けになる」という意味。

2021年1月5日火曜日

長時間の歩行/ランニング/登山:「病原キナーゼ」 PAK などを抑制し、"COVID-19" 予防、「健康長寿」 に繋がる。

長時間の歩行やランニングがいわゆる「メタボ」(肥満) 現象を予防し、最終的には「健康長寿」を促することは、今や我々のごく「常識」になっている。しかしながら、その分子メカニズムについては、諸説がある。さて、数年前に、(アルプスの山麓) スイスの首都ベルンにある大学の研究グループが、ある二十日ネズミの変異体を使って、そのメカニズムを解明する実験をやった (1)。
実は、このミュータントには、「PTEN 」と呼ばれる抗癌遺伝子産物 (フォスファターゼ=脱燐酸化酵素) が欠けているため、癌が肝臓などに発生する。この酵素は元来、「発癌キナーゼ」である「PAK」を阻害する働きをもっている。従って、 このミュータントのマウスには、PAK が異常に活性化され、癌が高頻度に発生する。 さて、 このミュータントをモーターで間断なく動く 「treadmill」 (踏み車) に 乗せて、毎日 60分間、週に5日、32週間 (約5か月弱) に渡って、長時間の運動をさせると、癌の発生率が、約30% も減少することが判明した。
その分子メカニズムを調べたところ、いわゆる抗癌キナーゼ経路 (LKB1-AMPK) が、この長時間の運動で、活性化されていることが判明した。 先ず「 LKB1」 という抗癌キナーゼには、PAK を燐酸化することによって、その発癌作用を抑制すると共に、抗癌キナーゼ「AMPK」を活性化する働きを持つ。
勿論、この種の軽い運動だけでは、発癌を完全に予防することはできないが、例えば、プロポリス、 海藻由来のフコイダン 、ハイビスカス茶などのPAK遮断剤 (食材) を併用すれば、発癌やその他のPAK 依存症 (例えば、「COVID-19」性肺炎、高血圧、糖尿病、肥満症、認知症 など) を100% 近く予防できるだろう。
従って、たとえ、壮絶な 「箱根駅伝レース」やボストン=マラソン等には直接参加できなくても、 日常の散歩 (競歩)、ジョギング、Cycling、登山 (山歩き) などで、十分に 「健康長寿への道」 を辿ることは可能である (「ベテラン」 経験者は語る)!
日本マラソン界の祖 (「箱根駅伝」の創設者) 、金栗四三 (1891-1983) の伝記によれば、生まれた当時は、とても ”ひ弱な” 少年だったが、10歳になって、(熊本と福岡の県境にある) 玉名北高等小学へ進学をきっかけに、自然とマラソン人生の基礎を築く「あること」が始まる。「あること」とは、自宅から学校までの山坂を越える往復 "約12キロ" の通学路を、近所の生徒たちと毎日走って行き戻りする「かけあし登校」(今でいえば、「ジョギング」)。この自宅から学校までの通学路は、現在「金栗 (イダテン) ロード」と呼ばれている (2)。
地球一周の 距離は 約4万km と言われている。従って、生涯 25万 km を走ることをめざした「イダテン」(金栗) さんは、(人工衛星ではなく、自分の足で) 地球を6回ほど回った計算になる。 実際に 25 万 km 走ったかどうかは定かではないが、可能性はある。(長距離走者なら) 毎日 10 km 以上 走ることは可能であり、週末には 20 km 走るというスケジュールを立てると、毎週 90 km (フル=マラソン 2回分) を走破できる、その 52倍が一年間の走破距離 =4700 km。 彼は、長寿で92歳 まで 生き抜いた。従って、その間に、少なくとも 50年強 (例えば、10歳から65歳まで) 、この (スパルタ) ランニング=スケジュールを続けたとしたら、"実現可能" という概算が出る! 因みに、ボストン=マラソンで有名な「瀬古利彦」 (早大卒) は1956年生まれだから、既に64歳だが、恐らく生涯を通じて、既に地球の回りを "6周" 以上、走破してきたと、私は確信している。。。
参考文献:
1. Anne-Christine Piguet, Uttara Saran, Cedric Simillion, Irene Keller, Luigi Terracciano, Helen L Reeves, Jean-François Dufour (2015). Regular exercise decreases liver tumors development in hepatocyte-specific PTEN-deficient mice independently of steatosis. Hepatol. 62: 1296-1303.
2. 長谷川孝道 『走れ二十五万キロ=マラソンの父: 金栗四三伝』(熊本日日新聞社, 2018)

2021年1月2日土曜日

箱根駅伝 (2021) : 往路でトップの創価大が、復路でアンカー失速、駒大が逆転優勝! 青学も「山上り」で失速!
国立大学向けの「筑波駅伝」(2022): "箱根"からの脱皮!

復路で「総合優勝圏内」にあるチームは、上位 4 チーム (創価、東洋、駒沢、帝京: 先頭から "3分" 以内の遅れ)! (優勝候補だった) 青学は「山上り」で大ブレーキ (往路で "12位" にまで転落)! "頭を切り換え" (来年出場のため) "シード権" (トップ 10 以内) を狙うのみ。。。
復路: 小田原中継点で、猛追の駒大が2位に上がってきた (トップとの差、約一分強)。 "総合優勝" 争いは結局、創価大と駒沢大の2校に絞られた感あり! 9区中盤で、青学が4位に浮上。創価大の10区アンカーの小野寺が鶴見中継点でタスキを受け取り、"初優勝" をめざして、独走体勢に入る (2位の駒大との差は3分強) 。。。 と思いきや、猛追の駒大が残り5キロでトップに47秒差に迫る! 更に、駒大 (石川) が "ゴール前 2 キロ" 付近で、失速した創価大 (区間記録で最下位!) を抜き、 "トップ" に躍り出て, 遂に逆転優勝! 強豪「駒大」の名監督の采配振りはさすがに見事だった! なお、10区に入って、帝京大は「ライバル」早稲田に 小差で 6位を明け渡す。。。
最後に「ベテラン」からご忠告: "山下り" は、膝関節や骨盤に大きなショックがかかるので、「Down-Hill」慣れしていないランナーは故障を起こしやすい。 (今回、「山下り」で悲劇的な大ブレーキを起こした「区間記録で最下位」の) 帝京チームは、来年の再起に向けて「山下り専門の走者」をも、養成する必要あり! 帝京チームの采配には、皮肉にも "明暗" がはっきりし過ぎ: "山上り" は最高、"山下り" は最低!
もし、これら一連の「大ブレーキ」 (大半の要因は監督の "采配ミス" =誤算と選手にかかる重圧!) が仮になかったすれば、今回の駅伝レースの順位は、現在の各チームの "実力" から判断して、恐らく、青学 (1)、 創価 (2)、 駒沢 (3)、帝京 (4) となっただろう。しかしながら、"過去" となったレース結果を塗り変えることは最早できない! さて、 (今回の "教訓" を生かして) 来年は如何に戦うべきか?
来年は「国立大」トップ「筑波大」の出場実現をぜひ期待したい! あるいは初の "国立大学駅伝レース" を ("Open 参加"で、例えば、"筑波山麓" 辺りで) 独自に企画してはどうか? ふるさと (筑波市近辺) の産業活性化にも幾らか役立つはずなので、筑波市主催/共催で開催するのも、良かろう。。。
箱根駅伝は、元来、1920年に初めて、東京高等師範学校(後の東京教育大学、現・筑波大学)出身のマラソン選手、金森四三 (愛称「イダテン」) により、創設/開 催されたが、百年の月日を経て、実質的には「私学化」された。 そこで、百年後の今日、「先達」(大先輩) の精神を受け継いで、その道で「国立大学トップ(王者)」の実力を誇る筑波大学の陸上競技部 (長距離) が中心になって、国立大学向けの「筑波駅伝」をスタートさせるのは、歴史的にも、意義があると、私は確信している。率直に言えば、たとえ箱根駅伝に参加できても「ビリ」に終わっては、余り意味がない! 今こそ、箱根からの「脱皮」が必要である。人生を惰性的に生きるな! “ネズミの頭になる方が、ライオンの尻尾になるより良い” という古いスペインの諺がある。。。その意味をご存知だろうか? 「 Yes」Man になるよりも、「No」 Man になれ、 というのが、私の "現代的な" 解釈 (意訳) である! 「スガーリン」には耳ざわりな言葉だが。。。(猿真似を嫌う)我が亡父は「自分のエベレスト (未踏峰) を探せ」と解釈した。 人各々によって、解釈は "千差万別" である: https://chatwithdrkenny.wordpress.com/2016/06/03/would-you-rather-be-a-tail-of-a-lion-or-a-head-of-a-rat/
我が亡父によれば、「ああ、無情」などの名作を書いたフランスの文豪 ビクトル=ユーゴー (自由主義者) は、この諺を更に発展させて「私は"ライオン"の尻尾より、自由に空を飛び回る"蝿"の頭になりたい」と宣言したそうである。 父はそれにユーモアを添えて曰く: 蝿は空を飛ぶばかりではなく、ライオンのたて髪に掴まって、地上を "ライオンのスピード" で移動することもできるから、ネズミよりずっと有利であろう (言い換えれば、「筑波」駅伝ばかりではなく、チャンスが到来すれば、"箱根" 駅伝にも参加できる)。。。父の専門は「独文」だったが、自由主義者の父は、ユーゴーの作品もこよなく愛した。。。

海外 (少なくとも豪州) では、実は箱根駅伝の実況 (動画) が見られないので、今回は、読売新聞 (on-line) のレース展開は、"近藤" 記者 (往年の早稲田出身駅伝選手) の解説情報に頼る外なかったが、残念ながら、彼の解説はやや局所的で、全体像 (少なくとも "トップ10" の動向) が掴み難かった! 今後 (海外向けに) "スタイル" を改善すべき余地があろう。。。
"健全な" 日本を育てるためには、「文武両道」の精神を培ねばならぬ。「スポーツ馬鹿」では、「スガーリン」を利するばかりである!