2021年1月12日火曜日

「ルビコン川 を渡る」 とは、「重大な決断や行動」 の意。 だが、どんな川? 渡った将軍の運命は?


この川はイタリア北部にあり、紀元前49年に、ジュリアス=シーザーが 「賽は投げられた」 と宣言して、渡ったといわれている。 ルビコン川 とは、古代ローマ時代のガリア(現在のフランスやオランダ)とイタリアを区切る川で、軍を率いて川を超えることを禁じていた。しかし、ローマ帝国の軍人であるカエサル (シーザー) は命令に背き、首都ローマへ向かうために、軍を率いてルビコン川を渡った。
「ルビコン川を渡る」 と似た意味をもつ言葉(類義語)には 「背水の陣」 が当てはまる。「一歩も後には引けない状況で、全力を尽くすことの例え」 を意味する。
さて、ルビコン川 (水源から全長 30 km でアドリア海に注ぐ) は一体どんな大河だろうか? (上流か下流か) 場所にもよるが、この川を渡るには、さ程苦労はいらないことが、実際に現地に行ってみると一目了然! 先ず、シーザーのあとのローマ皇帝 アントニウスによって、立派な石橋が架橋された。しかしながら、橋がなくても、川幅は高々 数 メートルに過ぎず、浅瀬なので、容易に渡れる 「小川」。。。(キョウチクトウの花が咲く) 真夏の渇水期には、殆んど水も流れていない。 ということで、ルビコン川を渡ることは、小さな子供にもできる。。。
我が家の近くを流れるクリーク (下流はメルボルン市内を流れる一種のドブ川) に沿って、林道を毎日1-2時間散歩する習慣が、私にはあるが、その途中、川幅の狭い上流 (清流) で、水かさの少ない浅瀬を、数個の岩や石ころづたいに対岸に渡れる場所が一か所ある。体調の良い日には、そこで "Cross the Rubicon! " という掛け声をかけ、(義経の「八艘飛び」をイメージしながら) ヒョイヒョイ と渡る楽しみがある。 勿論、その上流には立派な木造の橋や下流には吊り橋がかかっているので、必ずしも、ルビコン川を、敢えて (石塊づたいに) 渡る必要はないが、(老人の) 「遊び」で、古代ローマのシーザーの真似をするのを趣味にしている。。。
野心満々の将軍シーザーは禁断のルビコン川を渡って進軍し、当時 「共和国」 だった ローマの政治家 (元老院) などに圧力 (一種の"クーデター") をかけ、遂に皇帝になった。 しかし、その横暴が度を過ぎ、結局, 友人ブルータスを始め数名の元老議員により、暗殺される! 「ブルータス、お前もか」という有名な言葉が、彼の最後の言葉。 従って、「ルビコン川を渡る」 という言葉は、「法を無視して、横暴を働くと、報いが来るぞ!」 という警告にもなる。 トランプやスガーリン等の ”暴君” は心せよ!
実は、トランプの罷免問題で、憲法25条の修正条項として、副大統領 (VP) の判断で、大統領が執務能力を失ったと判断された場合には、下院の承認を得て、大統領を罷免して、自分が大統領になりうる。 過去の例では、大統領が死亡あるいは瀕死の状態の場合に限って、VP が大統領に就任した。 さて、今回の場合、下院は既に大統領の罷免を承認したが、VP ペンスは未だトランプを罷免していない。 恐らく、実行すると、トランプが 「ペンス、お前もか?」 と言って、悪質な仕返しをする可能性があることを憂慮している (びびっている) 状況のよう。。。 ただし、暴徒が国会に突入した直後、トランプの反対を押し切って、いわゆる「機動隊」をペンスは召集した。 だから、トランプとの仲は、既に悪い。。。トランプには 「暴力団の親分」 の資質はあるが、大統領の資質は全くない! さて、(自分に従わぬ者は全て、左遷か首にする) 「スガーリン」 の資質とは一体何か?
結論的には、思い切った行動を取る、という表現には、「清水のひのき舞台から飛び降りる」というのが、最も適切だと、私は思う。2018年の都知事選前に、小池候補が宣言した物だ。それに対抗して、「富士山のてっぺんから飛び降りる」と宣言した (台湾生まれの) 候補がいたが、結局、不出馬に終わった。 富土のてっぺんから飛び降りると、火口に落っこちて、はい上がれなくなる。。。
おおえ やま いくののみちの とおければ また ふみもみすあまのはしたて
(現代語訳: 大江山を越え、生野を通る丹後への道は遠すぎて、まだ天橋立の地を踏んだこともありませんし、母からの手紙も見てはいません)
新春の 「百人一首のカルタ取り」 大会では、上の句を読むと、(それに続く) 下の句の札を取る。 例えば、「大江山」 とくれば、「天の橋立」に終わる札を取るのが正解。 欧米の政治家の世界では、上の句に 「ルビコン」 がくれば、「お前もか」 という句に終わる札を、真っ先に取る者が 「賢者」 として最も尊敬される。 その理由は、上記の古代ローマ時代の逸話から、一目了然であろう。。。悲しいかな、トランプは (シーザーの ”轍” を踏む) 落第生に終わった。 「スガーリン」 は果して、この逸話 (史実) を知っているだろうか?
ところで、「カルタ」の語源をご存知? ポルトガル語の "Carta" (Card の意)。手紙、名刺、トランプのカードなど「四角い紙」を意味する。1215年に英国で成立した 「マグナ=カルタ」 (Magna Carta=自由の大憲章) の「カルタ」も同じ語源。 従って、西洋における「カルタの歴史」は意外に古い。。。ちなみに、現在使用されている "トランプ" は、中世のヨーロッパで作られたものが由来とされ、現在のスペード、ハート、ダイヤ、クラブのマークが描かれたカードは15世紀頃にフランスで作られるようになり、16世紀頃にポルトガル人から日本に伝わったといわれている。従って、"百人一首のカルタ取り" も、その頃 (室町時代末) から、大牟田の "三池" を発祥地として、日本の庶民の間にも普及し始めたと考えてよい。

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