2021年5月31日月曜日

問題提起: 全仏テニスで 大坂、記者会見を拒否! 何故?

我が輩の個人的な意見によれば、下らないインタビューに一々応じる必要はないと思う! 私はテニスの実況放送で、試合後のインタビューの時間になると、テレビを消すことにしている。 "得ること無し" だからだ! 従って、大坂なおみが、どんな個人的な理由であるにせよ、インタビューを断わる権利がある、と確信している。「インタビューを拒否する者は、失格だ」という極論を発する者もいるようだが、その神経/理性を疑う。もし優勝したら、短いインタビュー (余興) に応じるのもよかろう。。。西織は「インタビューに応じるべき」と主張している。なるほど、昔の彼の惨めな (片言の) インタビューに比べて、受け答えは上達したが、悲しいかな、(老骨のためか) 本業のテニスの質はかなり落ちている。 ファンとしては、非常に失望している。 テニスの観衆は、プロのテニス選手による "コート上の素晴らしい演技" を楽しみにしているのであって、"下らない余興" (記者会見) を聴きに来ているのではない!
大坂は結局、全仏大会を、2回戦から棄権する決定をした。テニスの4大大会(全豪、全仏、ウィンブルドン、全米)主催者は試合後に共同声明を発表し、大坂の行動を「違反行為」と認定。全仏側から大坂に1万5千ドル(約165万円)の罰金を科した。 私は、「選手の基本的人権」を無視する横暴な大会主催者の措置に抗議したい! 彼らの態度はIOC幹部と同様、商業利益だけを優先し、"Humanism" (人道主義) を全く欠くからである。 思いやり (スポーツマンシップ) のないレースは、 丸で競馬やドッグレースを観るようで、全く味気ない! 古代スポーツは (主に) "戦闘訓練" の一部だった (男性のみ!)。医学的に言えば、"近代" スポーツは本来、「健康増進」(健康長寿) のためにある。 古代ローマ時代のコロシウムで開催された、「Gladiators (戦士) 達による殺し合い」とは違う! 今日の "プロ" スポーツの在り方が、今、強く問われつつある。。。
さて、女子 (トップシード) のアッシュ=バーティー (豪州) は、大坂による記者会見拒否に批判的で、「自分の体調は100% ではないが、会見に問題はない」と嘘ぶいたが、実は体調は50%以下らしく(ポーランドの選手 Linette との2回戦の第一セットを 1-6 で落とし) 棄権! この実例でも、「記者会見が如何に無意味 (欺瞞) である」かが分かる! こうして、(対照的な) 女子のトップ2名が棄権したため、ポーランドの新人 (IGA) が去年についで、連勝する可能性があったが、準準決勝 (QF) で惜しくも敗退! 女子プロでは、波乱が続く。。。結局、アッシュ (豪、Aboriginal 出身) がウインブルドンで初優勝した! 1980年にイバン=グルゴン (豪州、Aboriginal 出身) が優勝して以来の快挙!
豪州で、ある悪名高き「与党」政治家がしばしば使う「撃退」法: 「野党」議員からの質問に対して「I am sorry I have no comment on your "specific" question. Next question, please!」 こんな押し問答を何度か繰り返した後、「Thank you for your coming! Good Day (Sayonara) !」。餌を全く与えないと、(飢えた) 鳩も記者も諦めて、もはや群がって来なくなる! "試合に敗けた" 選手の気持ちを配慮できぬ (冷血な) 記者には、「ノーコメント」で 十分だ!
大坂は、少なくとも一つ、女子テニス界で姉御 (大先輩) に当たるセレナ=ウイリアムズから学ぶべきことがある。 2002年以来十数年間にわたって、女子の王座を占めてきた彼女の (分厚い) 「ポーカーフェース」である。 鬱病に悩んでいたのは、大坂独りではない!
プロテニスは、世界的なプロスポーツの中で唯一「個人競技」である。 野球、バスケ、サッカー、ラグビーなどは団体競技だから、「個人的な」記者会見がない。日本の個人プロスポーツである大相撲は、「男性のみ」であり、記者会見はあってもごくアッサリしている。 だから、いわゆる「大坂事件」に発展しない。 従って、プロテニス選手は、政治家「スガーリン」のごとく、質問を巧みにかわす術を心得ないと、「大坂事件」に発展する。。。 スガーリンは「テニス」が下手だ (質問に答えない=用意された原稿を棒読みするのみ) という、評価はいみじくも当たっている。。。
とうとう、ロジャー=フェデラも主催者側の "高姿勢" に不満を表明して、3回戦を終えて、残りの試合を棄権!!
最後に、我田引水になるが、鬱病は "PAK依存性" である。従って、プロポリスや沖縄フコイダンなどのPAK遮断剤で治療/軽減しうる!
Naomi, We will give you our unreversed support. 大坂はウインブルドンも棄権して、(東京) 五輪に集中する模様#。。。
大坂は「ハードコート (全米/全豪) の女王」。今後の課題は 芝コート (ウインブルドン) とクレーコート (全仏) を克服すること。。。
#疑問:
("アマチュア" スポーツの祭典であるはずの) 「五輪」に "プロ" テニス選手が出場できる制度が良く理解できない。。。 メダルを受け取っても、 "賞金"を受け取らなければ、「アマチュア」と認定されるのか? もし仮に、今夏「五輪」が強行されれば、昨年全仏で初優勝したポーランドの女子選手 (19、クレーコートの女王) と大坂なおみとの対決がみられるかも (女子の決勝: 7月31日)。。。 五輪のテニスはプロではないので、「記者会見」抜きでやろう!

2021年5月28日金曜日

四面楚歌: 1940年、中国との戦争 (日本軍による満州侵略) のため、日本は「五輪」を返上! 以後、1952年のヘルシンキ大会まで、まともな五輪は再開されず!
目下、「四面 "コロナ" の凱歌」(死者350万以上)!
「五輪」は当然、中止すべし! 「鎖国」さえ必要!

にも拘らず、五輪を強要する「IOC幹部」の目は「節穴」なのか? 都民が「凡ゆる犠牲」を払って(=屍を乗り越えて)、「五輪」 (夏祭り?) を続行するメリットは、一体どこにあるのか?
"どこの誰" が「五輪」開催で 得をするのか? 利する者には、"五輪強行" に伴うコロナ犠牲者 (死亡者、失職者など) に「損害賠償」を支払う「覚悟」が一体あるのか?
「小池劇場」のシナリオから: "五輪中止" 後の「永田町」風景?
小池都知事と「スガーリン」とは、いわゆる「犬猿の仲」。 五輪中止のボタンを押せるのは、都知事のみ。 そこで、最近用意された「小池劇場のシナリオ」によれば、6月の都議選挙直前 (つまり、五輪開幕一か月前) に、「中止」を宣言して、小池さんが知事を辞職し、後任 (副知事の女性) にバトンを渡す。勿論、高姿勢を続けていたバッハ (IOC会長) は、不意の「アッパーカット」を食らって、リング外に吹っ飛ぶ! アワを食った「スガーリン」も内閣を総辞職し、総選挙に突入する。 当然ながら、負け犬の「スガーリン」が選挙で大敗する。勝ち猿/馬の小池候補は、東京地方区に立候補して、記録的な得票で、当選する。 自民党の総裁選挙では、恐らく、河野太郎と小池さんの一騎打ちとなるだろう! もしかすると、日本初の女性首相が誕生するかもしれない。。。少なくとも政界を牛耳る「二階」氏の5月発言 ("五輪" に関するつぶやき) や小池氏との会見 (密談) は、ポスト「スガーリン」(賞味期限切れ) の行方を明らかに示唆している。。少なくとも "IQ=100" (平均!) 以上の有権者には、明白! 「スガーリン」の特技は「魚釣り」といわれている。しかし、最近、魚がさっぱり釣れなくなった! 餌 (賄賂) の質が悪くなったのか、或いは、魚の "IQ" が高まったのか?

2021年5月26日水曜日

「京大」卒の田島直人、ベルリン五輪の跳躍で金と銅!
三拍子揃った「文武両道」とは?

1936年8月、 (戦前最後の) オリンピック大会がベルリンで開催された。水泳の"前畑秀子"や、マラソンで (当時植民地統治下にあった) 朝鮮出身の"孫基禎"の金メダルで有名なこの大会で、この年3月に京大経済学部を卒業したばかりの"田島直人"が、三段跳びで16m00の世界記録を出して金メダルを獲得。このとき、同競技で銀メダルを獲得したのも、同じくこの年3月に法学部を卒業したライバル同志の"原田正夫"。
また、田島は (本職の) 走り幅跳びでも、銅メダルを獲得。田島は京大出身の秀才で、ドイツを流暢に喋ったため、中京大学で、ドイツ語の教授に招聘されたこともあった。
田島はいわゆる「文武両道」のお手本になるような人物だったばかりではなく、女性へのアクション (対応) にもすこぶる敏だった!つまり、「三拍子」揃った理想的な人物のよう。 田島の妻、麻(旧姓:土倉)は1932年ロサンゼルス五輪の陸上競技 (100m X 4) リレー選手。直人 (20歳) と麻は、ロサンゼルスに向かう船上で知り合う。ベルリン五輪後、結婚へゴールイン! 長女は和子(結婚後の姓は小池) 。麻と和子は、1964年東京五輪でコンパニオンを務め、和子は、マラソンで優勝したアベベ・ビキラに表彰式で金メダルを渡している。
田島は1956年に、メルボルン五輪の陸上コーチとして、豪州を訪れた。 残念ながら、日本の陸上陣は「メダル無し」だったが、水泳では、古川 勝 (男子200m平 泳ぎ で金)、 山中 毅 (男子1500m、400m 自由形で、 豪州の王者「マレー=ローズ」についで、 各々銀) など、体操では小野 喬 (東京教育大、 男子鉄棒で金、総合で銀) などが活躍した。 2年後、喬は、同郷/同僚の体操選手 (清子) と結婚。 小野 喬も (田島直人と同様)、どうやら「三拍子」揃った人物!
蛇足ながら、東大医学部の内山さくらは"筑波大付属高" 出身、つまり"東京教育大" 出身の小野夫妻の後輩に当たる。 従って、「さくら」もそのうち、良い伴侶を陸上部で見付ける可能性あり! 例えばの話だが、ある若い医学生が、ハタと三段跳びに興味を抱いて、先輩「さくら」にコーチを依頼してきた。2、3年後、その青年は、丁寧なコーチのお蔭で、めきめき記録を伸ばして、「インカレ」で優勝を争うレベル (16-17m) に達した。。。
『論語』の開巻第一に出てくる言葉:
子曰く、学びて時にこれを習う、亦(ま)た説(よろこ)ばしからずや。朋あり遠方より来る。又楽しからずや。

2021年5月23日日曜日

東大陸上部、「文武両道ぶり」を発揮! 関東学生対校
選手権で、医学部の女子選手 (6年) が初優勝!

通称「関東インカレ」の女子三段跳びで栄冠に輝いたのは、東大医学部6年の内山咲良(さくら)(筑波大付属高出身)。 決勝に進み、2度目の跳躍で12メートル 86を記録し、首位に立つ。元々は走り幅跳びの選手。大学3年の時に出場した三段跳びで好成績を残し、4年の春からこの種目で急成長。自己ベストの13メートル00を、その年の日本学生陸上対校選手権(日本インカレ)で出す。今夏の東京五輪は「コロナ」禍のため、どうやら「お流れ気味」("都民全体の命"が先か、"IOC/スガーリンの面子"が先か、で決まる! 「小池劇場」のシナリオは、既に出来上がっている) ! だから、 2024年のパリ五輪を目指そう! 我が後輩、(東大) 男子陸上部 (長距離) も発奮せよ!
1954年、"マイル 4分"の壁を初めて破ったのは、英国オックスフォード大学の医学生ロジャー=バニスター (1929-2018) だった! 彼は、その上、「米寿」 (健康長寿) も全うした! 「スピード」にやや欠ける選手は、距離を伸ばして、「粘り」で勝負せよ! 走幅跳びから三段跳びへ「ギアチェンジ」するのと、全く同じ理屈 (水平思考) ! 同様に、早熟ではない "学者" 諸君は、(我輩のごとく) 「大器晩成」ペースで勝負せよ!
今週の一句:
ただ一つ 三段跳で さくら咲く (東大の応援歌を知れば、その意味は歴然!)
"三段跳び" の記録:
日本(女子)学生記録 13m69 花岡麻帆 (順天堂大学) 1998年

(男子):
世界 記録、18m29 ジョナサン・エドワーズ (英国) 1995年
日本記録、 17m15 山下訓史 (日本電気 ) 1986年
(女子):
世界記録、15m50 イネッサ・クラベッツ (ウクライナ) 1995年
日本記録、14m04 花岡麻帆 (三英社 ) 1999年
つまり、三段跳びの記録は、21世紀に入って、一度も更新されていない!
言い換えれば、三段跳びは今「人材不足」(穴場である!)。 その「穴場」を見事に突いたのが、内山選手 (東大) ! 実は、その昔、三段跳びは日本人の「お家芸」と言われていた。日本の織田幹雄 (早稲田) は1928年アムステルダム五輪で15m21を跳び、日本人として初めて、金メダルを獲得。更に、南部忠平 (早稲田) は、1932年ロサンゼルス五輪の三段跳に出場し、15m72の世界記録を樹立し金メダルを獲得。1936年のベルリン五輪では、田島直人 (京大) が16m00の世界記録を樹立、金メダルを獲得して、日本が三連覇!
従って、短距離走者の "スピード" があり、且つ "ジャンプ力" があり、その上、Hop, Step, Jump を巧みにこなす "頭脳の持ち主" には、(穴場の) 三段跳に挑戦してみることを大いに勧めたい!

2021年5月22日土曜日

林璃菜子さん(高2)、京大医学部に「飛び級」入学!
「南女」 (名古屋) 出身、国際化学五輪で銀メダル!
大学では「 研究医」をめざす。。。

「南女」 (南山学園高女) はカトリック系だが、京大の「自由な校風」を生かして、その有機化学や医化学の知識を更に研磨しつつ、全人類の「健康長寿」のために、 "PAK" 遮断剤などの発掘や開発をめざして、貢献されることを、大いに期待して止まない。

2021年5月20日木曜日

海の幸: 魚類と海藻 (鬼に金棒) による「健康長寿」法
ビタミンD3 (魚類) とフコイダン (海藻) の相乗作用!

20年以上昔 (1997年)、 米国デンバー大学の研究グループが、せんちゅうに大量のビタミンD3 (2。5 mM=1 mg/ml) を与えて、寿命を35% ほど延長するのに成功した。しかしながら、その濃度は、我々のPAK遮断剤 「15K 」の有効濃度 (50 nM) の何と50、000 倍だった。 実は、(2年ほど前に) 前述したが、ビタミンD3 もPAK 遮断剤の一種であるが、体内で容易に代謝 (酵素 「CYP24 」によって、水酸化)され "不活化" する。 そこで、ビタミンD3 の代謝を抑えるいくつかの対策が立てられつつある。
その一つは、CYP24 抵抗性のビタミン D3 誘導体 を開発することである。 10年ほど昔、帝京大学薬学部の橘高教授の手で、そのような誘導体「MART-10」が抗癌剤として、開発された。この誘導体は、マウス実験では D3 の抗癌作用の (少なくとも) 1000 倍だった。 もう一つの試みは、CYP24 阻害剤 「CTA 091」 (IC50=10 nM) が、2010年ごろ、米国ジョンス=ホプキンス大学のポスナー教授らにより開発された。
第3 のアプローチは、「CYP24 遺伝子の発現がPAK 依存性」であることを、逆手に使う方法である。つまり、 CYP24 抵抗性の非ステロイド系のPAK 遮断剤 (例えば、市販のプロポリス、沖縄フコイダン、納豆由来の「ビタミン K2 」など) とD3 を併用するという方法。
さて、 第1 と第2 の方法は、残念ながら未だ市販されていないので、実用化には、未だ相当時間がかかるが、 "最後のアプローチ" (二者の相乗効果を狙う、いわゆる「鬼に金棒」) は、既に市販されている安価な天然物、例えば「魚類 (サケ、マグロ、サバなど) に豊富なD3」 と「(モズクなどの) 海藻由来のフコイダン」 との組合せなので、即、実行に移せる! 癌/NF 治療、認知症やCOVID 対策のみならず、全ての人類の「健康長寿」に、これら「海の幸」を是非役立てて欲しい。。。
蛇足になるが、2016年の琉球新報 (記事) によれば、"OIST" の研究グループにより、沖縄 "モズク" の全ゲノムDNA配列が解明され、フコイダンの生合成過程に必須な "3つの酵素" が同定された: https://ryukyushimpo.jp/news/entry-332212.html
従って、モズクの養殖に代って、「フコイダンの工業 (醸造) 化」が可能になった!
最近、ヤクルト薬品では、沖縄モズクを原料に、「ヤクルトフコイダン」なる胃潰瘍薬を販売しつつあるが、近い将来、フコイダンの醸造を開始するかもしれない。。。 https://www.yakult.co.jp/ypi/product/fuco.html

2021年5月16日日曜日

シドニー=ブレナー (1927-2019) :
線虫を実験材料にする研究の草分け

今日、(我々を含めて) 「健康長寿」に関して研究する人々の9割近くが、実験動物として、線虫 (C.elegans) を選ぶ。 その主な理由は、小動物の中で、最も寿命が短い (20度で2週間) からである。 哺乳類で最も寿命が短いのは、マウスで、2年半 (線虫の60倍!)。 その昔、寿命の研究は、主にショウジョウバエを研究材料に使用してやられていたが、その平均寿命は、約3カ月 (線虫の6倍!)。ショウジョウバエは飛び回るが、線虫には羽根がないので、飛び回る心配もない!
この 線虫に、1970年代の中頃、初めて目を付けたのは、南アフリカ生まれの分子生物学者、シドニー=ブレナーである。 当時、英国のケンブリッジ大学付属の分子生物学研究所 (MRC) の所長をしていた。 彼はそれまで、バクテリオファージや大腸菌を実験材料にして、いわゆる分子生物学をリードしていたが、ある日、この微小 (全長1 ミリ) の透明な線虫 に魅せられて、 単細胞生物からすっかり足を洗って、この多細胞生物 (全体で、約千個の細胞からなる) に乗り換えた!
丁度、その頃、私自身は米国のNIHで、土壌アメーバのミオシンを燐酸化する珍しいキナーゼ (後に「PAK 」と命名) の研究をしていた。 ブレナーは、透明な線虫の「神経組織の地図」を作成することを目指していたが、当初はいわゆる 「UNC」 (麻痺) 変異株の大部分が「ミオシン」に変異をもっていたので、学会でブレナーと会う機会がしばしばあった。 その後、彼は、線虫の全ゲノムの塩基配列の解明などに成功し、2002年に弟子のサルトンなどと、ノーベル医学賞を分かち合う。 その後、線虫研究者が続々 "ノーベル受賞" をしたので、線虫は「ノーベル賞への近道」といわれるようになった! 線虫の遺伝学により、(この生物には存在せぬ) 心臓、肺臓や脊髄などを除く殆んど全ての臓器の機能を、遺伝子レベルあるいはその産物 (蛋白) レベルで、説明できるようになった。 つまり、「多細胞生物」に関する分子生物学が、初めて誕生したわけである!
2005年頃、シドニーが座長になって、沖縄に、英語を公用語とする「沖縄科学技術大学院」 (OIST) を創立することになり、彼の英文自伝 の訳本 「エレガンスに魅せられて」 を、私は彼の弟子だった丸山一郎さんと共訳で、琉球新報から出版する機会を得た。 私自身が線虫を扱い始めのは2007年の夏で、"PAK" 欠損株の Phenotype (表現型) を初めて追究するためだった。 そして、幸いにも、この株が「長寿」であることを発見し、とうとう「健康長寿 への糸口」を掴んだ! 2019年4月に、ブレナーは隠遁先のシンガポールで、92歳の長い生涯を安らかに閉じた。。。皮肉なことに、彼は「医学部」出身ながら、医学、病気、薬の開発などには、全く興味を示さなかった。 彼は「好奇心の塊まり」のような純粋生物学者だった。 しかし、(線虫を選 んだ) 彼の「先見の明」に、我々「後進者」は大いに負うところが少なくない。。。

2021年5月15日土曜日

例外: "少子化" を伴わぬ健康長寿が
「SUL 阻害剤」により可能!

「健康長寿には、一般に少子化を伴わう」と前述した。しかしながら、ごく最近、その「例外」が現れた! スペインの研究グループによれば、せんちゅうの変異株で、SUL遺伝子を欠損した株は、野生株に比べて5割ほど長生きするが、産卵数に変化がなかった。 SUL は「ステロイドホルモンを硫酸化する酵素」で、ステロイドの効果を失わせる働きを持つ。
面白いことには、SUL は主に (皮膚や神経細胞など) 「感覚細胞」に発現し、生殖細胞には発現しないので、産卵には影響を与えない。 更に、硫酸化ステロイドの合成誘導体であるSTX64 やSTX213 (=SUL 阻害剤) により、せんちゅうの寿命を延ばし、更に認知症などの症状を軽減することも判明した:
Mercedes M Pérez-Jiménez , José M Monje-Moreno, Ana María Brokate. et al. Steroid hormones sulfatase inactivation extends lifespan and ameliorates age-related diseases. Nat Commun. 2021; 12: 49.
更に、STX64 (IC50=10 mg/kg) やSTX213 (IC50=1 mg/kg) 等には、マウス実験で、(乳癌などに対して) 抗癌作用があることが実証されているので、腫瘍が "ステロイドホルモン依存性" ならば、その治療にも役立つ。 なお、2000-2004年に最初のSUL 阻害剤 「STX64 及び STX213」を抗癌剤として開発したのは、英国 Oxford 大学の Barry Potter 教授である。 彼は、2015年に退官したが、「SUL 阻害剤が健康長寿にも役立つ」というニュースにきっと喜んでいるに違いない。。。彼のチームと共同で、「SULPAK」という会社を創業し、「健康長寿の薬」(SUL阻害剤 /PAK遮断剤) を市場に出すという案はどうだろうか?

2021年5月8日土曜日

出生率と寿命は、ほぼ反比例する!
(少子化と健康長寿は密接不可分)

つい最近、モロッコの首都カサブランカで、何んと9人もの赤ん坊 (双生児、未熟児) を同時に産んだ女性 (25歳) が現れた!
https://toyokeizai.net/articles/-/304861?page=1
「少子化時代」に極めて稀な現象である。この女性と乳児たちが、一体あと何年、生きられるか、注目されている。。。病院内では安全かもしれないが、院外に出れば、COVID など様々な病原体が "犠牲者" を待構えているからだ!
さて、21世紀の日本や韓国では、(平均寿命 90 歳に近い) 女性一人当たり、(一生涯に) 平均1人の子供 (あるいはそれ以下) を産んでいる。驚くなかれ、縄文時代には、女性一人当たり、平均8人も子供を産んでいたそうだ。 しかし、女性の当時の推定平均寿命は (0歳時でたった) 15歳、(15歳時でも) 30歳だった! つまり、生まれた子供の半分は、15歳前に死亡していた! ある専門家の予想では、日本の人口は2100年までに、現在の約半分 (6000千万人) に減少するそうである。人口過剰にあえぐ島国日本にとっては、誠に有難いことである。一人当たりの住居/活動面積が、平均2倍に脹れ上がるからである。。。
動物界では、せんちゅう、昆虫や魚類から人類や、象、鯨などの大形哺乳類まで、例外なく、出生率と平均寿命の間に、ほぼ「反比例関係」がある (詳しくは、マイケル=ローズ著「老化の進化論」)。 従って、長生きしたかったら、(特に) 女性はお産を控えるべきである! セックスを控えよ、と主張しているわけではない。(たとえ) セックスを楽しんでも、子供を産まぬように、配慮すべき (産児制限が必要なり)。 日本の”非科学的な” 政治家の主張する「少子化」対策など、糞食らへ!
我々自身の研究によれば、せんちゅうでPAK遺伝子を欠損している株は、野性株に比べて、6割増も長生きするが、産卵率が1/7 にまで激減する! 同じような結果が (PAK の上流や下流にある) 他の "キナーゼ" 遺伝子 (PI3-K, ILK etc) の欠損や PAK 遮断剤 によって処理されたせんちゅうにも、観察されている。 もう一つ特筆すべきは、PAK が欠損あるいは遮断されると、高温に対する抵抗性が "9倍" にも高まることである。 従って、プロポリスや沖縄フコイダン (海藻エキス) などのPAK遮断剤を常時摂取していると、癌やウイルス感染等に抵抗性を増すばかりでなく、”地球温暖化” にも耐え、健康長寿を楽しむことができる。。。
最後にもう一言付け加えれば、モロッコの「多産」例は 「IVF 」(体外受精) の結果である。 IVF 自体ではなく、その「操作ミス」の結果だろう。 この地球には、親のいない "孤児" が多数溢れている。 どうして、これらの孤児を養子/養女にしないのだろう? そもそも、自分自身が持つ遺伝子のコピーを (受精によって) 増やそうとするのは、「エゴイズム」の現れである。「多様性」によりのみ、社会はより進化する。「スガーリン」のコピーを幾ら増やしても、日本は退化するのみ!
我が尊敬する芸術家の中に、ミケランジェロ (1475-1564) という彫刻家/画家がいた。 彼曰く「私の作品一つ一つが "我が子" である。だから、結婚して、子育てをする暇はない」。 彼は独身を貫き、88歳の長寿を全うした。。。

英国の医学者ロバート=エドワーズ (85歳) が、1978年の「IVF技術の 開発」で、2010年にノーベル医学賞をもらった。 果して、受賞に値するのだろうか? (高価な) IVFの恩恵を受けるのは、自分の「エゴイズム」を満足させんとする一握りの (しかも裕福な) 男女に過ぎないからだ。 2008年に、HPV (Human Papilloma Virus) ワクチンで子宮癌や卵巣癌の予防を始めたドイツ癌研のハロルド= ツールハウゼンがノーベル医学賞をもらった時も、同じような疑問が沸いた。 これらウイルス性の癌は、女性癌の高々一割に過ぎない。しかも、男性にはかからない。癌にかかる者が総人口の 1/3 とすると、このワクチンの恩恵を受けるのは、全人口の 2% 以下である。残りの98% にとっては、明らかに「無駄の長物」である。 しかも、子宮/卵巣癌は、未だに絶滅していない (ワクチンによる予防効果が疑われる)!
これら (IVF や HPV 等に関する) 受賞研究に比べて、我々が45年近く昔に、細々と始めた「病原キナーゼ PAK」 やその遮断剤に関する研究は、全人類のみならず、全ゆる動物の「健康長寿」や「進化」にも寄与するもので、もっと多くの人々(学識者) により、注目されてしかるべき価値ありと、我々は秘かに確信している。。。 1859年のダーウインによる「進化論」や1953年のワトソン/クリックによる「Double-Hellix」(DNA 構造) に匹敵するかもしれない画期的な発見だからである。 少なくとも人類が最終的に退化し "絶滅" するまで、「適者生存のための貴重な "鍵"」となろう。。。
勿論、(もし望めば) "去勢" や節食でも、寿命を延ばすことができる。更に、"運動" によるカロリー消費で、寿命を延ばすことも可能である。。。
子曰く「長生きを欲すならば、太った豚になるより、痩せたヒポクラテスたれ!」
注: ヒポクラテスとは、古代ギリシャの医師 (医学の祖)で、PAK 遮断剤「プロ ポリス」で様々な病気を癒し、自らも健康長寿を全う!

不思議かも知れないが、人と違い、鳥は「オス」が長生き。鳥類の限界寿命は同サイズの哺乳類 (例えば、犬) の約2倍 (丹頂の鶴など、平均 30年)。最高例は120歳!。 "餌探し" で、「重力に反して」空を「始終」飛び回ねばならないので、"カロリー消費" が大きいからだろう。。。海の中では、もっと長生きな動物は、アイスランド貝の「明(みん)」。なんと、507年もの時間を生き抜いた。"明"は2006年、海中の泥の中にいたところを調査船によって捕獲され、船上で冷凍された。研究者たちは、その貝殻の年輪を調べて驚愕した。「明」が生まれたのは、(名前の由来にもなった) 中国の明王朝が栄えていた時代! 動物は一般に、低温で生育すると、「長生き」できる。。。だから、「地球温暖化」は、間違いなく我々生命体全ての「脅威」!

2021年5月2日日曜日

HDAC阻害剤 「Panobinostat」: 多発性骨髄腫 (MM)
のみならず 「COVID」や "NF" にも効くはず!

ごく最近、群馬大学医学部の研究チームから大変興味深い研究報告が発表された。それによると、もう20年ほど昔に、スイスの製薬会社「Novartis」によって開発された HDAC阻害剤 「Panobinostat」(欧米や日本では2015年以来、MM などの治療薬として市販されている) が、COVID の感染に必須な宿主細胞のACE-2 (ウイルスのスパイク蛋白受容体) の発現を強力に (IC50 < 25 n M) 抑制するという:
Yoichiro Takahashi, Akira Hayakawa, Rie Sano, et al. Histone deacetylase (HDAC) inhibitors suppress ACE2 and ABO simultaneously, suggesting a preventive potential against COVID-19. Sci Rep. 2021;11: 3379.
HDAC とは、ヒストン脱アセチラーゼのことで、実は病原キナーゼ「PAK」の上流にあり、HDAC を阻害すると、PAK が抑制されることを、十数年前に、我々は別の (より強力な) HDAC阻害剤 「FK228」(商標 「Istodax」, IC50=1 nM) で証明している。 実は、「FK228」自身は、残念ながら、BBB (血管脳関門) を通過しないため、脳腫瘍の治療には役立たないので、この方面 (HDAC阻害剤) の研究から、 我々は、しばらく手を引いていた。
しかしながら、この「Panobinostat 」は、どうやらBBB を通過しそうなので、大いに注目する価値があろう。。。言い換えれば、「Panobinostat 」は多発性骨髄腫 (MM) や「COVID」感染のみならず、NF を含めて種々の脳腫瘍の治療にも、近い将来役立つはず! 我々が数年前に、鎮痛剤「ケトロラック」から開発した強力なPAK遮断剤「15K」 (未だ市販には至っていない) に匹敵する物であろう。。。 ただし、(MB と違い) 「Panobinostat 」は、水に不溶なのが欠点!
実際、2018年の米国における NF2 合同研究グループの報告によると、このHDAC阻害剤 (25 mg/kg) がマウス実験で、(脳内の) NF2 腫瘍の増殖を殆んど完全に抑制する:
Traditional and systems biology based drug discovery for the rare tumor syndrome neurofibromatosis type 2. PLoS One. 2018; 13(6): e0197350. By The Synodos for NF2 Consortium.