2023年9月30日土曜日

TORIN-1: TSC (結節性硬化症) 治療薬は「PAK遮断剤」
試験管内ではTOR 阻害剤、細胞内では、PAKを遮断 !
従って、脳内の"NF" 腫瘍の治療薬にも利用しうる。。
弗素付加により、 Gleevec (PAK遮断剤) が "TOR阻害剤" (Nilotinib) に豹変 (進化)!

抗生物質「ラパマイシン」は発癌キナーゼ"TOR" の阻害剤だが、 (不幸にして) 「免疫機能を阻害する」副作用があるので、結局、臓器移植を可能 する薬剤としてのみ、臨床で使用されている。
抗癌遺伝子TSC が欠損すると、TORが異常に活性化し、腫瘍が発生する。
そこで、"免疫機能を阻害しない" TOR阻害剤として、2010年頃にボストン市内の "MIT" と "Dana-Farber 癌研" との共同研究で、「TORIN-1 」が開発された。
試験内では、TOR複合体を、IC50 =ca 5 nM で阻害するが、(何故か) TSC 腫瘍細胞 内では、IC50=250 nM だった。。。
その後、様々な研究結果の末、少なくとも細胞内では、主な標的はTOR ではなく、意外にも"PAK"であるらし いことが判明した。
例えば、炎症に伴う痛みの原因である「プロスタグランディン」を合成する酵素 「COX-2」遺伝子の発現には、PAKが必須であるが、TOR阻害剤であるラパマイシン は、COX-2 発現を阻害しないが、「TORIN-1 」はCOX-2 を阻害する (1)。 更に、ラ パマインシンはPAK依存のメラニン合成を刺激するが、「TORIN-1 」は明らかにメ ラニン合成を抑制 (美白作用を発揮) する (2)。 言い換えれば、「TORIN-1 」 は何らかのメカニズムで (細胞内で) 「PAK」を遮断していることが、明らかになっ た!
REFERENCES:
1. C Li, PS Lee, Y Sun, et al (2014).
Estradiol and mTORC2 cooperate to enhance prostaglandin biosynthesis and tumorigenesis in TSC2-deficient LAM cells.
J Exp Med. ;211: 15-28.
2. Juxiang Cao, Magdalena E Tyburczy, Joel Moss, et al (2017).
Tuberous sclerosis complex inactivation disrupts melanogenesis via mTORC1 activation.
J Clin Invest. 2017 Jan 3;127(1):349-364.
結論: 稀少難病「TSC 」も「NF」も、PAK遮断剤で治療しうる!
市販の「Gleevec」も結局、PAKを遮断 (IC50=10 micro M) するが, 「TORIN-1 」の IC50 =0。25 micro M, つまり 「40倍」も強力! 奇妙にも両者の化学構造は良く類似している。。

逆に、Gleevec の弗素 (F3) 誘導体 「Nilotinib」は、試験管内では、 PAKを遮断 するようだが、細胞内では、TOR を阻害して、(美白作用のあるGleevec とは逆に ) 「メラニン色素合成を誘導」する! 従って、"弗素" 付加により、 Gleevec (PAK遮断剤) が "TOR阻害剤" に豹変 (進化) したことになる。 言うなれば、飛べない ペンギンが翼 (フリッパー) で、海を泳ぐ鳥に「進化」したようなものである!

2023年9月25日月曜日

レモン皮の「揮発性」主成分 (リモネン) はPAK遮断剤!
美白/抗癌作用やCOVID 肺炎の予防に役立つ
オランダはっかの主成分 (Carveol) はリモネンの水酸化物
"非揮発性" 誘導体を開発できれば、作用が持続する!


目下、我が家の庭にあるレモンの木が鈴なりになっているので、道行く隣人たちに、 無料のレモンを、健康長寿のために、提供中。 実は、健康長寿の素 (リモネン) は、主に、レモンの果実ではなく、「表皮」にある。
References:
1. F Yang , R Chen , WY Li, et al (2021). D-Limonene Is a Potential Monoterpene to Inhibit PI3K/Akt/IKK-α/NF-κB p65 Signaling Pathway in Coronavirus Disease 2019 Pulmonary Fibrosis. Front Med (Lausanne).;8: 591830.
2. Yang J, Lee SY, Jang SK, et al (2023). Inhibition of Melanogenesis by Essential Oils from the Citrus Cultivars Peels. Int J Mol Sci.;24: 4207.

"Carveol" is a colorless fluid soluble in oils, but insoluble in water and has an odor and flavor that resemble those of "spearmint and caraway". It exhibits anti-cancer and anti-AD activity etc.
Interestingly, (-)-trans-Carveol glucoside is a natural “non-volatile” (and water-soluble) derivative of Carveol from a Korean mint, and is potentially useful for therapy of a variety of PAK1-dependent diseases such as AD, seizure and cancers.
Generally speaking, glucosides are prodrugs, and once digested by glucosidases in our body, the rest (aromatic groups) will enter target cells freely.

2023年9月20日水曜日

GM大腸菌で、"ビタミン K2" の量産に成功!
2021年に、北京の科学アカデミー(研究所) で
ブドウ糖から 2 つの経路を経て、K2 (MK-7)に


参考文献:
Gao Q, Chen H, Wang G,et al (2021).
Highly Efficient Production of Menaquinone-7 from Glucose by Metabolically Engineered Escherichia coli.
ACS Synth Biol. 10(4):756-765.
副産物として、"酢酸"も生産される。。。従って、K2生産の効率を上げるためには、酢酸をアルカリで中和 (あるいは除去) する必要があるだろう。

2023年9月19日火曜日

「自民党のプリンセス」といわれている小渕優子?
次期首相と目された「田中眞紀子」に比べ、風格不足!
眞紀子の進出を妨害したのは、政敵「晋三」(安倍) !
人材不足の「日本 の 政界」は、崩壊寸前?

プリンセス: (無能な "親分" 同様) 「補選」での陰は薄かった!
共産党の「次期党首」に女性 (田村智子、タムトモ) が初めて進出?
「土井タカ子」の再来か?
しかし、「万年」野党の党首では、何も変えられない!「大衆政党」に脱皮する必要あり!
(20世紀の初頭に勃発した) 「ロシア革命」のイデオロギー(マルクス-レーニン主義) は、今世紀にはもはや通用しない! 一般大衆を啓蒙かつ動員するためには、 「イデオロギー」からの脱皮が必須である。今世紀の最大の敵は「地球の温暖化」である。「赤旗」ではなく、「緑の旗」を掲 げて、いわゆる"化石燃料" (石炭や石油など) から「炭酸ガスの放出」を最小限に食い止める闘いが必須である!
都知事の小池女史も、再選以来、「劇場」をずっと閉めたまま。。。「カイロ大学卒」は嘘、という噂が巷に流れているからか?

実は、政治家には、マスコミが描く「虚像」と、近親者が語る「実像」が存在する。 眞紀子もその例外ではない。 父親「角栄」には、芸者との間に生まれた2人の息子 (京と祐)がいた。 眞紀子と「腹違いの弟」に相当する。 眞紀子は、その存在を絶対に認めなかった。 そこで、父親との間に、葛藤が生じた。
詳しくは、上杉 隆著「田中眞紀子の恩讐」(小学館、2001年) を参照されたし。
さて、眞紀子の恨みは、1976年に始まる「ロッキード事件」(父親「角栄」が(現職)総理 のまま、"汚職" の疑いで、逮捕、有罪判決を受ける) に起因する。眞紀子自身 は、この事件を、"米国がでっち挙げた陰謀" (1973年の「石油ショック」を切り抜 けるために、角栄が断行した「中東からの石油輸入」政策に、怒ったキッシンジャー 国務長官らの仕返し!) と解釈し、それに迎合した日本の"司法/検察及びマスコミ" に強い反感を抱いたらしい。。。自分が「犯罪者の娘」扱いされたからだ。
なお、眞紀子は、ジョン=ケネディーが大統領をしていた3年間 (1960-1963) に渡 米留学し、高校時代を満喫後、帰国して早稲田大学(商学部) に入学。 従って、 来たるべき"ロバート=ケネディー (RKJr) " 大統領の誕生を恐らく、歓迎するだろう。。。
実は、彼は (「プーチン」よりは) 「地球の温暖化」を相手に戦っている!

2023年9月10日日曜日

ビタミンD3とK2の(健康長寿への) 相乗作用
カルシウムの骨格への吸収促進では、既知!
両者共、PAK遮断剤 (抗癌/抗炎作用あり!)
しかし、D3 は体内で (CYP24により) 失活!

D3の24位を水酸化するCYP24遺伝子の発現が「PAK依存」であることが、 (相乗) メカニズム解明への糸口!
実は、対策として、CYP24阻害剤やCYP24耐性の誘導体 (MART-10) などが開発されつつ あるが、未だ実用化していない!
ところが、2008年にインドの研究グループにより、D3がLPSによる炎症に伴うCOX-2 遺伝子の発現を抑えることが報告された。しかも、COX-2 (痛みをもたらす「prostaglandin」 合成酵素) の活性自体をも抑えること (IC50=6 nM) が判明した。
COX-2遺伝子の発現は、PAK依存であるが、発癌にも必須である。従って、 D3が、"PAKを遮断" していること、及び「鎮痛/抗癌作用」も発揮することも、明白! しかも、鎮痛剤として発売されている「ケトロラック」より、ずっと強力!
そこで、「K2 との併用」により、"CYP24遺伝子の発現を抑制"することによって、D3 の鎮痛/抗癌作用の更なる強化 (相乗 作用)を、メルボルンの研究グループ (PAK研究財団) で、(マウスを実験台に) 検討し始めている。。。目下、欧州の研究チームと、MSCA (Marie-Sklodowska-Curie-actions) Research Grant (from EU) からの国際共同研究助成金に応募する準備を進めている。。。 その「理想的な」濃度比を突き止めれば、ノーベル賞ものかも!
両ビタミン共、「BBB」(血管脳関門) を通過するから、脳腫瘍や認知症などの特効 薬になる可能性が高い!

Finally, in 2023, a US team reported the first example that K2 enhances the anti-cancer activity of D3 against breast cancers, at least in cell culture system!. However, D3 "metabolism" takes place mainly in "liver" (not in breast) !
Reference:
C J Narvaez , MJ Bak , N Salman , J Welsh (2023).
Vitamin K2 enhances the tumor suppressive effects of 1,25(OH)2D3 in triple negative breast cancer cells. J Steroid Biochem Mol Biol. 231:106307.
MDA-MB-231: "NF1-deficient" breast cancer cell line, "D3-resistant", but responds to K2 or HDAC inhibitors which block PAK1.
S Miyazawa, S Moriya, H Kokuba, et al (2020). Vitamin K2 induces non-apoptotic cell death along with autophagosome formation in breast cancer cell lines. Breast Cancer 27, 225–235 .
CF:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3674095/
Cell Cycle. 2013 ; 12(8): 1316–1325. Evaluation of the potential therapeutic role of a new generation of vitamin D analog, MART-10, in human “pancreatic cancer” cells in vitro and in vivo.
D3 vs MARt-10: (IP) two times weekly:
0.15 and 0.3 µg/kg MART-10: 50% and 80% inhibition in vivo
0.3 µg/kg D3: only 20% inhibition in vivo