2022年10月28日金曜日

眠り病の特効薬「Ascofuranone 」:
PAK1 遮断剤でもある!

アフリカ大陸などで慢延する熱帯病の一つ、「眠り病」はトリパノゾ-マと呼ばれ る寄生虫による感染によって発生する。この病気に対する特効薬の候補として、 Ascofuranone を、1996年に「再発見」したのは、我が輩の後輩 (東大薬学「微生 物」教室出身) である 北 潔 くん (寄生虫学の専門家、東大医科研、東大医学部 を経て、現在、長崎大学医学部) を中心とする共同研究チームである。 実は、 半世紀ほど昔 (1972年) に、このフレニルフェノール化合物 ( 詳しい化学構造に ついては、右図を参照) を、糸状菌から、最初に発見したのは、東大農芸化学の 田村学造教授 (1924-2002) だった。 なお、兄・善蔵は東大薬学部の教授 (分析化学)。 発見当時は、主に「抗癌物質」として、扱われていた。 面白いことには、最近の研究から、この化合物が「PAK遮断剤」でもあることが判 明している。。。
さて、この化合物は、寄生虫のいわゆる「シアン耐性呼吸」を特異的に阻害し、我々 (哺乳類)の「シアン感受性呼吸 (酸化酵素) 」には、全く影響がない。 従って、(我々 にとっては) 「副作用ゼロの薬」である。 既に、山羊を実験動物に使用して、こ の薬が微量で「眠り病」を完治しうることが実証されている。 最大の難関は、経 済/購買力のないアフリカ大陸の住民たちに、いかにして、「安価」に、この特効 薬を配布しうるか、である。 この有機合成は複雑で、不可能に近い! そこで、北く んらは、つい最近、糸状菌から、この物質の生合成に関与する遺伝子を全て同定 し、それを「キッコーマン」と共同で、醤油などの発酵に使用する別の酵母/こうじカビに挿 入して、いわゆる「GM 酵母/カビ」で、大量生産を試みているようだ。。。我が輩の知 る限り、北くんと我が輩だけが、同じ「微生物」教室出身で、庶民のために「安 価な創薬」を目指している。。。
従って、 高価な「モノクローナル抗体」製剤を押し売りする最近の製薬会社の遣り口 は、我々の目には、「霊魂商法」をやる「旧統一教会」と、言わば「50歩100歩」 に見える。。。
若者よ、(真に役立つ) 新薬の開発研究には、 "貪欲" (金儲け) よりも、シュバイツァー博士の高邁な「ヒューマニズム」精神が必要だ! 北くんが、そもそも "薬学" をめざした発端は、 "シュバイツァー伝" にあった、と我が輩は聞いて いる。。。

2022年10月27日木曜日

クルクミン 誘導体 (Cu 17) には、HDAC 阻害作用あり!
最終的には「PAK」を遮断する。。。

ウコンの主成分、クルクミン (CU) にはPAK阻害/遮断作用があることは、10年以上 昔から知られていたが、残念ながら、(特に) 「水溶性に乏しい」という理由から、 (抗癌作用や抗認知症などの) 臨床効果が余り期待されなかった。 その後、リポ ゾームやナノカプセル等で、いわゆる「Bio-availability」(腸管からの吸収) を 高める努力が試みられていたようであるが、(我が輩の知る限り) 余り画期的な 進展はなかった。。。
さて、 2019年になって、タイ北部にあるコンケン国立大学のチームが、クルクミン の誘導体 (Cu 17) を開発 したことが最近明らかになった。 この詳しい化学構造については、右の図 (b) を参照されたし。 基本的には、2つのフェノール環を繋ぐジケトン鎖に、アミノ 基を介して、ベンゼン環にSH 基が付加した「チオフェノール」側鎖 を加えたものである。 クルクミ ンには、(弱いが ) HDAC (Histone Deacetylase) を阻害する作用があることが知 られていたが、誘導体 "Cu 17" は、 HDACに対して、より強い阻害作用があるこ とが判明した。
実は、HDACは、 PAKの上流に存在し、(例えば、酸乳などに存在する) 酪酸などで HDAC を阻害すると、下流のPAK が遮断され、 最終的には「健康長寿」が期待さ れる。(我が輩の理解が正しければ) CU17 のSH 基が HDAC の活性中心にある SH 基と S-S 結合を形成 (あるいは、 Zn に結合) して、その活性を阻害すると推定される。 この誘導体は、 クルクミンに比べて、100 倍近く、抗癌 (anti-HDAC) 作用が高まるそうである。。。。
市販の 強力な HDAC 阻害剤 (FK228, Istodax) は、残念ながら、BBB を通過しないの で、脳腫瘍や認知症などには無効だが、CU17は、明らかに分子量がずっと小さいので、BBB を通過しうるだろう。。。最近、エーザイから市販されそうな「レカネマブ」と呼ばれる「認知症」治療薬は、 「モノクローナル抗体」であり、高価である! (製薬会社は儲かるが、患者の家族の家計は苦しくなる!) CU17 ならば、"安価" に製造できる。。。

2022年10月25日火曜日

英国の新首相に、インド人出身の "Rishi Sunak" (42) !

インド半島は、長らく (ムガル帝国が滅亡した1858年から1947年まで) 大英帝国の「植民地」だった! 太 平洋戦争終了後間もなく (1947年に) 、マハトマ=ガンジーやネール (初代インド 首相) 等の政治家の努力により、ようやく英国から独立を勝ち得た。 しかし、独 立当時、(旧植民地の) インド人出身の政治家が、将来、英国の首相に就任するこ とを予想した者は、果していただろうか?
つい最近、英国の保守党党首、LIz Truss 女史が英国史上、最短 (ギネス記録! ) の「44日」で首相の座を辞任した後、オックスフォード大学 (経済学専攻) 出 身の保守党出身の元蔵相、Rishi Sunak (ケニアから移民してきたインド人家族の息子、42歳 ) が、無投票で、首相に就任した! (有権者の過半数を占める) 女性層から、未だに首相が一人も誕生しな い "封建的な" 日本では、インド人を含めて、海外から帰化した家族 (少数派) から、首相 が誕生することなど、全く想像がつかないだろう! 流石に、英国は (「王制」を維持する保守主義 ながら) 「民主主義の先進國」だ! ケニアの黒人を父親に持つ「バラク=オバマ」が、2009年に米国の大統領に就任し たケースに類似している。。。
オバマ夫妻同様、2人の娘を持つスナク夫妻は「女性の権利」については、十分に 考慮するだろうが、妻は「大富豪の娘」なので、我々「貧乏人」(庶民) の懐工合を配慮 するかどうかは、甚だ疑わしい。。。

2022年10月23日日曜日

Rhodamine 101 の 細胞透過性: 1,2,3-triazolyl エステル化 による 大飛躍!

COOH を持つ (酸性の) 鎮痛剤/PAK遮断剤「Ketorolac」は、細胞透過性が乏しいの で、それをCC (Click Chemistry) でエステル化して、(比較的水溶性の) 1、2、3-triazolyl 誘導体にすると、そのPAK遮断/抗癌作用が500倍以上 (ギネス記録!) に向上した ことを (何度か) 前述した。 この飛躍的な向上の主たる要因は、理論的には、主 に「細胞透過性の向上」にあると考えられるし、それを支持する間接的な実験的 データーはあるが、それを最終的に実証するには、癌細胞に毒性を示さない色素を利 用して、 細胞内に取り込れた色素 (蛍光) 量の違いを正確に、比較定量する必要がある。。。
そこで、細胞毒性のない (酸性の) 赤い色素 (例えば、Rhodamine 101) を、同じ ように (CCで)、1、2、3-triazolyl エステル化して、そのエステル (CC 101) の 細胞透過性を直接 (比較) 測定するというProject を数年前から企画していたが、 ごく最近、それが、ようやく実現しそうになった! 実は、10年ほど昔、米国オ クラホマ州立大学の有機/生化学者 (Blake Peterson) が、Rhodamine 101 の COOH をメチル基に置換すると、線虫のミトコンドリアの "蛍光" 染色が100倍以上、高まること を報告した文献を、最近見つけて、早速、彼に、CC101に関するProject に興味が あるかを打診したところ、あっさり引き受けてくれた! 彼は有機化学者でもあ るので、自分の研究室で、CC 反応もできるし、色素の透過性を測定することもで きるそうである。 というわけで、我が輩は、すこぶる満足している。。。我が「PAK 研究財団」から、幾ばくかの"研究助成金"を「追い風」の一環として提供したい!
Project によって、(最初に「アイディア」が沸いてから) 実現/実行に漕ぎ着くまでに、数年を要す場合がある。 何事も忍耐 と執着が肝心! そして、「チャンスの女神」が到来したら、決して逃さぬ事!

2022年10月21日金曜日

いざ、風立ちぬ!

2013年のアニメ映画「風立ちぬ」は、ゼロ戦闘機を開発した (東大出の) 若きエン ジニアの話だそうだが、プロペラ飛行機でも帆船でも、「風」が頼りである。
さて、 つい最近、英国議会では、保守党出の新首相 (リズ=トラス女史) が突如、 (経済) 政策転換 (Uターン)、然も「早期辞任 」したので、長らく野党に甘んじ ていた「労働党」に有利な、いわゆる「風立ちぬ!」現象が起こりつつある。。。
我々科学者の世界でも、「風立ちぬ!」現象が起こり始めている。。。 CC (Click Chemistry) の発明者、Barry Sharpless、が (発明から21年振りに) 2度目のノー ベル化学賞を受賞することになったからだ。しかしながら、(我が輩の知る限り) CC で合成された様々な (数万を超える) 有機化合物の中で、(実際に) 臨床に利用 しうるものは、残念ながら、未だ市販されていない!
そこで、「CC」受賞という「追い風」に乗って、我々の CC 産物 ("15K" というPAK遮 断剤) を、臨床テストを経て、「市販」を達成する努力を、来たる 11月から、(戦 闘) 開始することになった。 先ず、ストックホルムの「ノーベル財団」に隣接 するカロリンスカ研究所 (KI、医科大学) で、PAK遮断剤に関する特別講演をやり、 市外にある Biotech 会社や製薬会社と、「15K」の臨床試験に関する 交渉を始める計画である。 幸運なら、10年以内 (我が輩が死ぬ前)に、市場に出 るかもしれない。。。
実は、「15K」の開発には、10年ほどの歴史的背景がある。 先ず2013年に、インド の研究グループが、Ursolic Acid (UA) という (ステロイド系の) PAK遮断剤の抗 癌作用を、CC によるエステル化で200倍に高めた。 しかしながら、何故に抗癌作 用が高まったかは、全く不明のままだった。
2014年になって、我々は沖縄の琉球大学キャ ンパス内に、臨時にPAK研究センターを設立して、プロポリス中の (COOH を含む ) PAK遮断物質、コーヒー酸 (CA) やArtepillin C (ARC) 等の細胞透過性を高め るために、それを (水溶性を保ったまま) エステル化する方法を摸索している内 に、UA のエステル化の論文に到達した。 "2-Azoanisole" を使用してCC 反応をや ると、ARC の抗癌作用が100倍、CA の抗癌作用が400倍以上に、高まった! その 理由は、(我々の予想通り)、主に「細胞透過性」の飛躍だった。
2015年に、もう 一つ「意外な発見」があった。米国ニューメキシコ大学の研究室で、 "Ketorolac" と呼ばれる市販の鎮痛剤 (COOH を持つ「光学異性体」の混合物) の内、"R体がPAK遮 断剤"であることが発見された。 S体はCOX-2 阻害剤 (鎮痛剤)。 早速、 この R体のCOOH をCCでエステル化したところ、何んと、そのPAK遮断作用が "500 倍以上" に飛躍した (CC のギネス記録!)。 ノーベル賞に輝くPAK遮断剤「イベルメクチン」より、「15K」が更に勝る点は、分 子量が小さいため、BBB (血管脳関門) を自由に通過できるので、脳腫瘍など、様々 な脳疾患にも有効であることである!

2022年10月19日水曜日

Orexin と Melatonin : 睡眠を制御 する (陰と陽!)

最近、「Breakthrough Prize」(2023) 受賞 に輝く「Orexin」と呼ばれるペプチドは、睡 眠を促する脳内 ホルモン「メラトニン」と正反対の作用、つまり 「覚醒」 作用 を持つ。 このペプチドには「覚醒」状態ばかりではなく、「食欲」を促進する作 用もある。
オレキシンの発見は、1998年頃に、2つの研究室で、独立に発見されたそうである。 その一つは、テキサス南西医科大学 (ダラス) に留学中だった柳沢 正史 (現在、 筑波大学教授) だった。 もう一つは、スタンフォード大学の Emmanuel Mignot 教授である。
従って、Orexin は、(メラトニンとは正反対に) 「病原キナーゼ 」(PAK) を活性 化しつつ、「肥満」を促進し、我々の寿命を縮める可能性 (?) がある。。。少なくとも"認知症"を促進する! 要 注意!
もう一言、疑問 (苦言) を発すれば、Orexin と、文字通り「陰陽」関係にある メラトニンに関して、1970年頃以来半世紀に渡り、研究を続けている Russel Reiter 教授 (86歳、テキサス南西医科大学、サン アントニオ校) が、ノーベル賞も「Breakthrough Prize」も受賞していないのは、極めて理解に苦しむ。。。メラトニンを含めて 「PAK遮断剤」に関する研究は、正に「日蔭 (陰)で」苦しんでいる!
更に、メラトニン販売に関しても、 苦言したいことがある。 日本では、製造販売/輸入が禁 止されている。 なぜか? 武田薬品がメラトニン類似体を販売しているため、(製 薬会社によって牛耳られている) 「薬事審議会」が、薬事法によって、禁止して いる (「独占禁止法」に違反!!) 。 海外では、メラトニンが安価に入手できる。 薬事法は「消費者の敵」! 日本は全く "住み難い国"だ!
Russel Reiter 著「奇跡のホルモン: メラトニン」(1995年、講談社出版) に、 メラトニンの発見に関する興味深い一節がある。 科学研究で突破口を開く (Breakthrough する) には、洞察力、努力、思いがけない幸運という3拍子が必要。 エール大学 の皮膚科の医者 (アーロン=ラーナー) が、1953年に、メラトニンを発見した時も 例外ではなかった。彼は美白(メラニン合成を抑える) 作用のある物質を探索して いた。古い文献を調べている内に、「松果体に美白作用を持つホルモンがある」 という短報 (1917年) を見つけた! そこで、牛の松果体を摺り潰して、オタマジャクシが 沢山泳ぐ水槽に、それをばら蒔いてみた。驚くなかれ、30分以内に、オタマジャ クシの体が無色透明になった! その後、美白作用を持つ物質「メラトニン」が トリプトファンから、セロトニンを経て、生合成されることを突き止めた! 現在、市販されているメラトニンは全て「有機合成で 量産」されるので、極めて安価 (3 mg 錠剤 が10 円以下!)。
(Reiterの弟子で、30年ほど昔、米や麦にもメラトニンが "微量だが" 存在することを発見した) 服部 淳彦 教授 ら (東京医科歯科大学) による最近の研究 (2021年) によると、メラ トニン (MEL) は脳内で、更に代謝されて、AMKになる。これが、AD (認知症) の 進行を抑える本体であるようだ。 少なくとも、MELから AMK (N1-acetyl-5-methoxykynuramine) への代謝を Norharmane (Monoamine Oxidases 阻害剤) で抑えると、MEL の "AD 治療効果" がなくなる。 然も、AMK の "抗AD作用" はマウス実験で、MEL の10-100 倍になる! 従って、ひょっとすると、MEL の「PAK遮断作用」の本体は、AMK なのかも知れな い。。。 更に、2005年の Reiter らの研究によれば、AMK は (MEL 同様)、 COX-2 遺伝子の 発現を抑える。この遺伝子はPAK の下流にあり、痛みの原因である「Prostaglandin 」生産に関与している。 従って、Aspirin 同様、"鎮痛剤" としても使用しうる。。。 然も、(MEL の代わりに) その"酸化型"「AMK」を日本で安く "製造販売" 出来る可能性が出てきた。 「武田薬品、糞食らえ!」。

2022年10月18日火曜日

「霊魂商法」をやる「旧統一教会」を解散させるべき! 更に、それに癒着する「旧安倍派閥」も解散すべき! 「信仰の自由」という名の下に、"非科学的" (真っ赤) な「嘘」で庶民を騙す "詐欺" は、絶対に許せない!

アイスランド映画 「Woman at War」(2018)

話は、アイスランドの山岳地帯を舞台に、ウクライナへまたがる。 2人 (双子) の 女性とウクライナの孤児 (3歳の女の子) を巡るストーリー。「 Rio-Tinto 」と いうアルミウム精錬の世界的 (英豪合弁) 企業を相手に、文字通り「素手」(弓矢) で戦 う、ある年輩の女性の話 (ゴリアテと戦うダビデの現代版!)。 アイスランドは、日本 (やNZ) と同様、火山は多く、 天然の温泉が楽しめる北国であるが、日本と違って、「女権」 (女性の政治意識 ) が強く、NZ 同様、既に (現首相を含めて) 2、3名の女性が首相を務めている。。。
主人公は「Halla」という女性。 ある田舎の合唱団の指揮者だが、夜中に山奥へ 出かけて、弓矢で、送電線を切断したり、送電柱を薙ぎ倒したりして、「 Rio-Tinto 」の「地球を破壊する」 活動を妨害する、いわゆる「Green」活動家で、警察 から指名手配を受けている。 ところが、彼女には、もう一つ、長年抱いている 「夢」があった。長らく独り暮らしだが、孤児を養女にしたかった。 そして、最 近、(ロシアに侵略されつつある) ウクライナ で、ある 3歳の孤児をとうとう見 つけ出した! しかしながら、「2兎を追う者、一兎も得ず! 」
ある日、ウクライナの孤児に面会するために、 (アイスランドの首都にある ) 「レイキャビック空港」で、ウクライナへ離陸直前に、警察にとうとう逮捕され、 留置所に放り込まれた。 実は、留置所にいたのは本人ではなく、瓜二つの姉だっ た。そこで、妹は自分の身代わりに (濡れ絹) を着てくれた姉を救う為に、留置 所に出かけ、面会時間に、衣服を(互いに) 素早く交換して、姉に孤児を迎える旅 を依託する。。。。勿論、この喜劇で、姉も妹も「一人二役」!
実は、我が輩の妻 (ギリシャ系の数学者) には、(アフリカ滞在中に生まれた) 一卵双生児の娘たちがいる。 2人には、実子はいないが、台北に住む娘 (英文学博士) は、(数年前に) 土着の 台湾人 (英文学教師) と家族ぐるみで結婚。 昨夜、この映画を見ながら、その双 子の娘達を、ふと思い出した。。。姉の方 (アイリス) は昔から、いわゆる「Green」 活動家。。。勿論、台湾の (中国からの) 独立を目指す「現台湾政府」を強く支 持している。。。彼女の部屋には、人権活動家 (マハトム=ガンジーとネルソン=マ ンデラ) の肖像画が飾られている。
我が輩の部屋には、政治家の肖像画は、生憎一つもないが、2人の偉大な科学者、 マリー=キューリーとパウル=エーリッヒの肖像画が飾ってある。 勿論、大村智さ んの新聞記事 (2015年10月) も台所に貼ってある。できれば、近い将来、"CC" の発 明家 (Barry Sharpless) の肖像画が入手できたら、書斎に飾りたい。。。
勿論、我が家の庭には、「スイス独立の父」であるウイリアム=テル (弓矢の名手) の壁画 (自作) が飾ってある! 為政者が腐敗し切ると、それに弓矢を向ける人物が出現する! 奈良の駅頭で、元首相が射殺されたのは、単なる「偶発事件」ではない。。。 "国民/庶民" の間に募る「不満」が一気に爆発して、「火山の一角」として噴火を起こし始 めたのだ! それを「国葬」という名のちゃちな鍋蓋で、抑えようとしても、治まる訳はない!

2022年10月16日日曜日

「アッティラ」(フン族) と「プーチン」(ロシア)
日本民族を含めて、全人類の「大陸起源」を紐解く

アッティラ(Attila、406 - 453)は、フン族 (ハンガリー民族の祖先) と呼ばれ る遊牧民族 (弓矢と騎馬で有名な「モンゴル高原」の"匈奴"由来とも言われている ) の王の中でも、(歴史的に) 最も有名なリーダー。 445年頃に共同統治者のブレ ダ (兄) が死ぬと、単独の王となって、 (アッティラは) ゲルマン系諸族を征服し、 パンノニアに本拠を置いて 「東ローマ帝国」への侵入を繰り返して、短期間でラ イン川、ドナウ川、カスピ海に渡る大帝国を築き上げた。
451年、西ローマ皇帝ウァレンティニアヌス3世の姉ホノリアからの求婚を口実に、 ガリアへ侵入したが、ローマの将軍アエティウス指揮下の西ローマ連合軍と戦い、敗退した。翌452年にイタリア半島へ侵攻して、ミラノ、アクイ レイアなどの諸都市を陥れたが、「教皇レオ1世」の説得によって撤退した。アッ ティラの治世下で、フン帝国は最盛期を迎えるが、453年、自らの婚礼 (再婚?) を祝う酒宴の席で、出血多量で急死した (死因には、色々な説がある!)。アッティ ラ (47歳) の死後、息子たちの間で内紛が起き、「フン帝国」は瓦解した。
残念ながら、現在のハンガリー (政府) はEU諸国の中で、最もロシアの独裁者プー チンに近い。 さて、我々が尊敬するハンガリー出身の生化学者であるセント=ジョ ルジ (1893-1986) は、ハンガリー人 (黒髪が多い) には珍しく、 (燐国ルーマニ アの少数民族に多い) 「金髪」であり、極めて革新的で、少なくとも「ソ連の独 裁者スターリン」嫌いで、戦後まもなく、米国に亡命し、筋肉 (Acto-myosin) 収 縮の生化学研究の草分けとして活躍し、その後、健康長寿 (97歳) を楽しんだ。 少なくとも、伝説の「アッティラ」とは「対照的な」生涯を送った。
以下は、飽くまでも我が輩の「希望的な」観測ではあるが、ロシアのプーチン (70歳、 ウクライナへの侵略者) は、結局、アッティラのごとく、短命、悲壮な死を遂げ る、だろう。。。3か月ほど前に、どこかの国のワンマンな元首相 (67歳) が、と うとう暗殺されたが、(我が輩は) ああいう (他人に恨まれて) 死ぬ様な真似は、 したくないものだ。。。
さて、その元首相の国葬に反対した国民 (世論) の8割が「大陸由来」だ、という Non-sense な発言をした女性議員 (閣僚!) は、(「本人自身」を含めて ) いわ ゆる「日本民族」 (縄文も弥生も) の祖先が全て、中国大陸 (モンゴルやチベッ ト高原) から元々渡来した (つまり、「フン族」と祖先が共通している) という 史実を、自覚しているのだろうか? この右翼的な閣僚の「教育水準」を疑いた くなる。。。
人類の祖先は、元々アフリカ大陸から、やってきた。従って、太古には、日本列 島は「無人の島々」だった (勿論、恐竜やマンモス等は、氷河期に、凍った日本海を渡り、既に棲息してい た)。 やがて、ホモ=サピエンスは (欧州大陸の) ネアン デルタール原人等と交配しつつ、モンゴールやチベット高原を経て、朝鮮半島づ たいに、日本列島にやって来た。 従って、元を正せば、「大陸」とは、アフリカ 大陸を指すことになる。。。政府の閣僚たる者は、自分の低い「IQ」を暴露するような発言は、努めて謹むべきで ある!

"ノーベル賞" に輝く PAK 遮断剤「イベルメクチン」:
インドでは、COVIDに対する "常備薬"!

いわゆる「民主主義國」の中で、最大の人口を誇るインド (全体主義の中国につい で、14億人) では、「イベルメクチン」が「COVID 治療用の常備薬」となりつつ あるというニュースを、北里研究所の大村さん (イベルメクチンの発明で、2015年 にノーベル賞) から、最近受け取った。2009年に我々は、イベルメクチンが「PAK遮 断剤」であることを突き止めた。更に、「COVID による肺炎がPAK依存性」である ことは、既知の事実である。更に、2020年初頭には、「イベルメクチンが、COVIDの 感染自体を抑制する」ことも、豪州メルボルンの研究室から報告されている。
従って、インド政府によるイベルメクチン ("安価な" ジェネリック製剤!) の供給は、 すこぶる理にかなっているが、石頭 の (非科学的な) WHO や FDA は未だに、それを認め ず、更に、イベルメクチンの製造元である「米国メルク」は、自社で最近開発し たATP 誘導体 (COVID のRNA-依存性 RNA polymerase の阻害剤) を販売 (押し売り) せんとす る「貪欲さ」のために、臨床用のイベルメクチンの供給を、急にストップした! 我が輩の知る限り、「ATP 誘導体/拮抗剤」 は一般に、様々なキナーゼやATPase など も阻害するので、様々な "副作用" が予想されるから、余り推奨できない!
旧態依然のワクチンは "COVID 変異体" には効かない! イベルメクチンは変異の いかんに拘らず効く! イベルメクチンは「人畜無害」だが、「家畜用」のイベルメクチン製剤は経口せぬ よう!
ただし、イベルメクチンは分子量が大きいので、それ自体では、BBB (血管脳関門 ) を通過し難い。 従って、 COVID が脳に感染 (脳血栓などが発生) した 場合 には、治療効果が少ない。 このような場合には、"BBB を開門する" 抗生物質 「Doxycycline 」等と併用すべし! 同様に、NF 腫瘍などの "脳腫瘍の治療" には、この併用が肝心!

2022年10月14日金曜日

ST-3009 合成 をめざす「酵素的」アプローチ :
Tryptophane (TRP) Hydroxylase for
Synthesis of 5-OH TRP or ST-2001?

我が輩の専門は発酵/酵素学で、有機化学では無いので、下記のごとき (奇想天外な) 計画/構想を練っている。
Staurosporine (ST) の骨格、Indolocarbazole 環は、生合成の過程で、2分子の Tryptophane (TRP) が重合して、このユニークな環が生成される (詳しくは、右図を参照) 。 従って、3位 に水酸基を持つST 誘導体 (ST-2001) を生成する海洋生物 (海綿) では、恐らく、 TRPの一つが重合する直前に、5位がTRP Hydroxylase によって、水酸化されてか ら、環を形成する可能性が高い。 ST-2001 のキナーゼ (PAK1) 阻害作用は、STの 50倍である。 ただし、ST-2001 を含めてSTの "kinase" 阻害作用は "非特異的" である。
従って、"PAK1 特異的" にするためには、更に、9位にBulky な側鎖 (例えば、ARG) を (エステル あるいはアミド formで) 付加する必要がある。
しかし、残念至極にも、この海綿が、20年ほど昔、グアム島沿岸から、忽然と姿を くらました! 恐らく、地球温暖化 (海水温度の上昇) のためかと思う。
そこで、ST の3位だけを (できれば) 選択的に、試験管中で、大腸菌などで量産 できる (いわゆる) recombinant TRP Hydroxylase (TPH) で、水酸化したいと思っ ている。 というのは、有機化学反応では、一般に、ST の3位 と9位は同等なので、 両方に水酸基が付加され、残念ながら、キナーゼ阻害作用が消失してしまう! ただし、この酵素 (TPH) は、"Tetrahydrobipterin (BH4)" と呼ばれる補酵素を必要 とする。 酵素的 (Stereo-specific) にST-2001 の合成に成功すれば、残る9位をアミノ化 し、更に側鎖の長いARGなどの(塩基性) アミノ酸をアミド結合させると、PAK1 特 異的な阻害剤 (ST-3009) が誕生するという寸法である。。。 一か八か (or 3か9か) の"博打"を打ってみる価値は十分ある!

2022年10月11日火曜日

PAK 遮断剤 への "最後" の挑戦 ( "将棋" の詰め):
新しい "CC" で, ST-2001 の "Dimer" 構築!?

「K-252a 」は非特異性のキナーゼ阻害剤だが、そのDimer である KT D606 は、PAK/MLK 特異的な阻害剤と前述した (然も、MLK阻害は細胞の増殖に全く無影響、つまり「副作用」無し!) 。。全く同じ論理が (K-252a の千倍近い活性がある) ST-2001 にも、適用されるはずである。 問題は、いかにして、 (「幻」となった ) ST-2001 を再現するかである! そこで、一案がふっと湧いた。先ず、 ST の3位と9位を両方、(ほぼ定量的に) 水酸化して、ST (3, 9-OH) を"有機" 合 成する。前述したが、この化合物は、9位の水酸基のため、阻害活性が全く無くな る。。。
次に、9位の水酸基だけを、COOH を有する比較的小さな有機化合物 (例えば、HOOC-CH=CH- COOH) でエステル化する条件を探索する。 理想的には、このカップリング反応に よって、2分子のST (3, 9-OH) を同時にエステル化することによって、(C4 を架 橋とする) 強力なST-2001 のDimer を、9位 (あるいは3位) を介して、構築する。 この 「華麗な」有機合成 (新しい "CC") は、挑戦し得る価値が大いにある!
そこで、そのプロジェクトについて、旧友 (かつ専門家) のジョン=ウッド (60、 エール大から テキサスにあるBaylor Uni に転勤) にメールで相談したところ、かなり乗り気になっ てくれた。 実は、北里研究所の現所長 (砂塚さん、有機化学者) とジョン (更に その奥さんも!) は、ペンシルバニア大学時代、(ベンチ=実験机を共有した) 同僚同士だっ たそうである。 この世の中は意外に狭い!
ウッドによれば、最近の ("硼素" 触媒を使用する) 実験では、 ST の 9位 (又は10位) のみを水酸化すると、その誘導体 (ST-2020) の阻害作用が、PAK1 に対して (比 較的) 特異的になるそうである。 従って、(分子量の大きな) Dimer を構築せず に、 (ST-2020 などから) PAK1 遮断剤を開発出来る可能性も出てきた。。。
更に、大村さんらの1996年文献 によれば、ST の 3位 又は 9位 だけをアミノ化し ても、(PAK1 依存の) 「血小板の凝集」を抑える作用は余り衰えない。 従って、(例えば) 9位を適当なアミノ酸で、"アミド化" した後、3位だけを水酸化して、PAK1 阻害作用 を一気に高めるという新たなアプローチも、十分可能だろう。。。 悪玉酵素 (PAK1) に「王手」をかけるべく、最後の「詰めの一手」を摸索中!

2022年10月10日月曜日

CEP-1347 と ST-3009: 幻の「PAK 遮断剤」

前世紀の終り頃に、我々が、その昔 (1977年に) アメーバで発見した「ミオシンキ ナーゼ」の仲間が哺乳類にも発見され、PAK (RAC/CDC42-activated kinase) と、 発見者である 英国人 のEd Manser (シンガポール大学) により、命名された。 更に、彼の研究室で、「PIX 」と呼ばれるSH3 蛋白が発見された。 実は、細胞内 では、PAK をフルに活性化するには、G 蛋白であるRAC/CDC42 の外に、PIX が必 須であるが判明した。 PIX のSH3 ドメインが、PAK 分子中の「PAK18」(18個のア ミノ酸からなる部位) に結合すると、PAK が活性化される。 逆に、PAK18 に相当 するペプチドは、PAKとPIXとの結合を抑えるため、癌細胞に、このペプチド(PAK18) だけを注入すると、癌化に伴う「膜ラフリング」 (アクトミオシンによる細胞膜 の収縮反応) が停止する! そこで、 我々は、PAK18 に細胞透過性を与えるため、 WR と呼ばれる16個のアミノ酸からなるペプチドベクターを連結させた。「WR-PAK18」 は、見事に細胞内に入り、癌細胞の増殖を選択的に抑え、正常細胞には全く影響 を与えなかった! しかしながら、ペプチドは一般的に、(1) 高価であるばかり ではなく、(2) 体内の消化器で分解 (代謝) され易い、という欠点がある。
そこで、我々は、WR-PAK18に代わるべき、「合成 PAK 遮断/阻害剤」を、論文上 で探索し始めた。 すると、1998年頃に、協和発酵と米国のCephalon により共同 開発された「CEP-1347」 (パーキンソン氏病の治療薬「候補」) が、PAKの下流にある「JNK 」と呼ばれるキナーゼを遮断/阻害するという、論文を見つけた! そこで、 我々は、この化合物 ( Indolocarbazole 環 を含む 抗生物質 「K-252a 」 の誘 導体) が、JNK を直接阻害するのか、それとも、その上流の キナーゼ (PAK ある いは MLK ) が直接の標的なのかを調べる計画を立てたが、残念ながら、Cephalon からこの試薬の供与を拒絶された。
そこで、「Indolocarbazole 環」類 の合成の専門家、エール大学の有機化学者 (ジョン=ウッド) に、CEP-1347 を始め、いくつかの「Indolocarbazole 環」誘導 体の合成を依頼した。 その結果、CEP-1347の直接の標的は、MLK と PAK である ことが判明した! 実は、「K-252a 」は非特異性のキナーゼ阻害剤であるが、その Indolocarbazole 環の 3位と9位に、大きな側鎖を加えた CEP-1347 は、ATP 結合 ポケットが2倍ほど大きな キナーゼ (MLK とPAK) にのみ「選択的に」結合する わけである。 実際、我々が開発した「K-252a 」の Dimer (KT-D 606) は、PAK に 特異的な阻害剤である。CEP-1347は「パーキンソン氏病」の治療薬として、数年 間、欧州で臨床試験にかけられたようだが、残念ながら、とうとう市販には至ら なかった。。。
今世紀が明けた頃 (2001年) 、ドイツ出身の海洋学者 (ピーター=シュップ) が、 グアム島の沿岸で、極めて強力なキナーゼ阻害剤 (IC50=1 nM) を海綿から発見し た! スタウロスポーリン (ST) の誘導体で、Indolocarbazole 環の 3位 に水酸 基が付加されている (我々は 「ST-2001」 と命名) 。 ST は元来、1977年に、北 里研究所の大村 智 博士 (2015年ノーベル受賞者) によって、土壌の放線菌から 発見された抗生物質で、「K-252a 」との違いは、「K-252a 」のペントースがヘ キソースに変換されているような化学構造を持つ。
さて、このヘキソースの御蔭で、ST は「K-252a 」の20倍ほど、阻害作用が強い が、やはり作用が非特異的である。 海綿由来の「ST-2001」は、水酸基のお蔭で、 更に50倍、阻害作用が強い。 そこで、大村さんから、(他の) 幾つかのST 誘導体を 頂いて、調べた結果、ST-2001 の 9位 にも水酸基が付加された化合物は、残念な がら、PAK 遮断作用が全くないことが判明した! 従って、理論的には、ST-2001 をPAK特異的な阻害剤にするには、9位のみに、水酸基ではない、ずっと大きな (で きれば、細胞透過性の高い「塩基性」のアルギニン等) を付加する必要があった。 この空想のST 誘導体を仮に「ST-3009 」と命名して、(近い) 将来、開発を楽し みにしていた。。。
ところが、 2003年頃に、(シュップやウッズと共同で) テキサスにある「NF 財団」へ、 研究助成金を応募した頃、グアム島沿岸から、頼みの「ST-2001 源」である海綿 が、(地球温暖化の為か) 忽然として、姿を消してしまった! 問題は、ST の3位 と9位とは、(化学的には) 同等なので、(有機化学反応で) 3位だけを水酸化するのは、極めて難しい! ところが、海綿 (恐らく、それに寄生した"微生物") の酵素は、3位と9位をはっきり区別することができるらしい。。。以来、 そのような (夢の) 酵素 (ST 3-Hydroxylase) を探索し続けている。。
最近の情報によると、シュップ博士はドイツ (ハンブルグ郊外にある海洋研究所) に戻って、海綿に寄生する各種の微生 物の中から、ST の生合成に関与する微生物 (特に放線菌) を同定しつつあるようだ。

2022年10月9日日曜日

友好的なライバル: トム=ポラード

ビタミン C の発見競争では、セント=ジョルジと米国のキングが、醜い争いを起 こし、それが、後々まで長らく尾を引いて「不幸な結果」を招いた。。。
さて、科学者の世界では、極稀れにではあるが、「友好的なライバル」関係が長らく存 続し得る。 卑近な例を一つ、ここで紹介したい。 我が輩がNIHのコーン博士の研 究室にポスドクとして、勤務し始める前に、ハーバード大学医学部出身のトム=ポ ラード (我が輩とほぼ同年) が、この研究室で、2、3年かけて、(土壌アメーバに 存在する) ミオシン研究に関して、極めてユニークな発見をした。 1。 前代未聞 の「単頭」ミオシンを発見、2。このミオシン (ATPase 1) のアクチンによる活性 化には、第3の蛋白が必須。 彼はこの時点でハーバードに戻り、インターンを終 えて、ジョンス=ホプキンス (JH) 大学医学部に助教授として就任。
筋肉で発見されていたミオシンは全て 「双頭」で、ミオシン分子2本が互いに絡 まっている。その上、(心筋の) 双頭ミオシン(ATPase 2) は、カルシュウム存在 下で、アクチンによって、容易に活性化を受ける。従って、トムは、この土壌ア メーバ中に、「謎の蛋白」を発見したわけである。勿論、彼は、その後しばらく、 このアメーバを使って、謎解きを継続していたようである。 我が輩の研究テーマ も、この謎解きに集中した。つまり、NIH と JH との間で、ミオシン ATPase 1 に関するいわゆる「デッドヒート」が展開しつつあった。。。
さて、驚くなかれ、実は、このアメーバには、双頭のミオシン(ATPase 2) も存在 することが、先ず (我が輩の手で) 判明した。しかし、ATPase 2のアクチンによ る活性化には、「謎の蛋白」は必要なかった! 次に、判明したことは、アクチ ンをゲル化する一連の蛋白 (Gel-actins) が存在することが判明した。 最後に、 "謎の蛋白の正体" が偶然、判明した。 実は、 NIHキャンパス内にある10号館に、血 小板のミオシン (ATPase 2) を研究しているグループがあった。 ハーバード出の ボブ=アーデルシュタインのグループである。 彼らは1975年に、血小板のATPase 2のアクチンによる活性化には、特殊なキナーゼ (燐酸化酵素) が必須であること を発見した! ミオシンは一般に、重鎖と軽鎖からなっているが、このキナーゼ は軽鎖だけを燐酸化する。 しかしながら、このキナーゼはアメーバのATPase 1を 燐酸化しなかった。
その後、2年が経過したある週末の昼前、我が輩は、アメーバに "前代未聞のキナー ゼ" を発見した! 何んと、ATPase 1 の重鎖だけを燐酸化するキナーゼであった。 これが、それから17年後に、哺乳類にも発見される「PAK1」の前哨だった。 その (世紀の) 発見を、偶々事務所にいたボスのコーンに報告すると、彼は早速電話で、(JHの) トムにそれを知らせ、3人で「意外な発見」を互いに祝い合った。 以後、半世紀 近く、この3人 ("Myosin kinase" 三銃士、師弟) の間には、「友好的なライバル関係」が続いている。。コーン博士 (94歳) もトムも一時癌に苦しんだが、結局無事に克服し、"健康長寿"を楽しんでいる。。。
30年後 (2007年) には、我々の手で、(1) このキナーゼが我々の寿命を司っている こと、及び (2) 市販のプロポリス (Bio 30) などが、それを見事に遮断することを発 見!
もし仮に、1932年のキング博士が、昔の弟子からビタミンCに関する報告を受け取っ た時、素直に、セント=ジョルジに祝電を送っていたら、恐らく、1937年に、この 3人がノーベル賞を分かち合う結果になったかと、私は想像する。。。覆水、盆に帰らず!
米国では、競争を奨励する余り、ライバル同士がデータの盗み合いや、グラントを 獲得するために、相手の足を引っ張り合う、ケースが頻繁である。 我が輩はそう いう (騎士道を心得ぬ) 風潮に飽き飽きして、結局、米国をあとにして、豪州に永住する決意をした。 トムは、我が輩同様、「ボストンマラソン」ランナーでもあるが、「騎士道を心得 る」数少ない米国人科学者である。。。

「誰がために鐘は鳴る」(ヘミングウエイ作、1940年)

セント=ジョルジ同様、 米国のノーベル賞作家、アーネスト=ヘミングウエイ (1899-1961) は冒険家だが、明 らかに反戦主義者だった ("ベトナム戦争" に強く反対!)。 「武器よさらば」や「誰がために鐘は鳴る」などの名作 を残している。 後者は、後に名優ゲイリー=クーパーとイングリッド=バーグマン共演で、映画化された。 1936年に始まったスペイン内戦 (独裁者フランコ政権に対する義勇軍の戦い) で、 米国から義勇軍として参加した青年 (ジョーダン) に扮するクーパーが、フラン コ軍の進軍を防ぐため、決死隊として、鉄橋をダイナマイトで見事に爆破する。 だが、 撤退中に、彼は敵の銃弾に倒れる。。。その瞬間、(彼の死を悼むかのよ うに) 遠くで教会の鐘が鳴る。。。つい最近、ロシア領と (ロシアへ無理矢理に 併合された) クリミア半島を結ぶ「ロシア製の長い鉄橋」が (何者かによって) 爆破された! その瞬間を描いたあるウクライナ画家の作品を背景に、スナップ ショットを撮る若い男女のシーンがインターネットに掲載された。その映像を見 た瞬間、我が輩は、懐かしの映画「誰がために鐘は鳴る」の最後のシーンを思い 出した。。。歴史は繰り返される!
「For whom the bell tolls」は確か、我が高校時代の英語の 「side-reader」 の 一つ。。。

2022年10月6日木曜日

セント=ジョルジ (1937年にノーベル化学賞) は なぜ、アクト=ミオシン (筋肉収縮) 研究でノーベル賞を逃したか?

ハンガリー出身の有名な生化学者、セント=ジョルジは筋肉収縮の生化学研究の 草分けであるが、何故か2度目のノーベル賞 (生理/医学) を逃した。 最初のノー ベル化学賞は、ビタミンC (アスコルビン酸) に関する研究で、1937年に受賞した。 ところが、このビタミンC (欠乏すると壊血病になる!) の化学的同定には、 米国のライバルであるチャールズ=キング博士がいささか 破廉恥な「行き過ぎ」 をやった。
セント=ジョルジは、英国のケンブリッジ大学の博士研究として、1927年に、ア スコルビン酸の結晶化に既に成功し、故郷のハンガリーに帰国していた。 一方、 米国ピッツバーグ大学のキング研究室では、壊血病を治療する研究を、モルモッ トを実験材料に研究していた。実は、人類とモルモットは、ビタミンCを体内で生 産できないので、それが不足すると、壊血病になる。 ところが、キングの研究室 には、優秀な化学者が不足していたので、ビタミンCが一体何かを同定しかねてい た。そこで、キング教室で、モルモット実験を修得したジョセフ=スビルベリー(博 士) は、故国ハンガリーに戻り、セント=ジョルジの研究室にポスドクとして、 勤務し始めた。
遂に1932年3月、 (このポスドクは) セント=ジョルジから受け取ったアスコルビン酸で、モルモットの 壊血病を見事に治すことに成功した! そこで、先ず直接のボスであるセント=ジョ ルジに、その結果を報告した後、昔のボスだったキング博士宛てに、手紙で、 結果を報告した。。。これがスキャンダルの「元」になった! というのは、翌 月 (4月1日) に、キング博士が単独名で、「サイエンス」という米国の一流雑誌 に、「ビタミンC はアスコルビン酸である」という短報を投稿 (=盗稿!) したのだ。 勿論、セント=ジョルジにも、ポスドクにも、「ことわり」無しだった。 それ を知ったセント=ジョルジは当然のことながら、烈火のごとく怒り、英国の一流 雑誌「ネイチャー」に、それに抗議する論文をポスドクと連名で、2、3日後に投 稿した。結果的には、「キング側の敗け」となり、1937年にセント=ジョルジ が単独で、ノーベル化学賞を受け取った。
しかしながら、不幸にして、この事件のしこりが、(特に) 米国内で長らく尾を引き、戦後 間もなく、セント=ジョルジが (ソ連の衛星國になった) ハンガリーを逃れて、 米国へ移住し、首都ワシントン郊外にあるNIH (国立予防衛生研究所) の "3号館" 地 下で、筋肉収縮の生化学、特に、アクチンとミオシン (ATPase) に関する草分け 的な研究を精力的に進めても、結局、(2度目の) ノーベル受賞には至らず、1954年に、い わゆる残念賞としての「ラスカー賞」を受賞するに留まった。 実は、この由緒ある3号館で、我が輩は1977年に「最初のPAK」 (ミオシンキナーゼ) を発見!
極めて不思議な現象だが、この「ラスカー受賞」後、半世紀以上を過ぎても、アクチンやミオシン等、い わゆる "Cytoskeleton" に関する研究で、ノーベル賞をもらった研究者は一人も いない! いわゆる「セント=ジョルジ事件」が今だにたたっているのだろうか?
彼を巡っては、大変面白い逸話が幾つか残っている。先ず、アスコルビン酸の結晶 化に成功した直後、「ネイチャー」に投稿した際、未だ機能がさっぱり不明だっ たので、"Godnose" (神のみ知る) とか "Ignose" (誰も知らない) と言う "ユーモアな" 名を提案し たが、「石頭」の編集長が "Reject" した。最終的には、(ポスドクの機転で) 壊血病の治療薬と 判明したので、Ascorbic Acid と改名した。実は、この酸性の糖 (ヘキソース) は、 当初オレンジなどから精製されたが、最終的には、ハンガリー名産の「赤いパプ リカ」に、ずっと大量に含まれていることが判明し、ノーベル受賞の際は、「パ プリカ賞」と、現地で呼ばれるようになった。 あの赤い色素は、カロチン由来な ので、"PAK遮断作用"もあり、我が輩は「健康長寿」のために、常食している。
最近発表された研究報告によれば、パプリカ"ジュース"は線虫の寿命を延ばす: Capsaicinoid- Glucosides of Fresh Hot Pepper Promotes Stress Resistance and Longevity in C. elegans. Plant Foods Hum Nutr. 2022 Mar;77: 30-36.
更に、"美白作用"もあることから、その「PAK遮断作用」は確実!
さて、"Prof" (セント=ジョルジの Nickname) はNIHを去った後、長らく癌研究に 取り組んだが、結局、泣かず飛ばずに終わった。 しかし、「アクトミオシン」の 研究を通じて、我々 「PAK」 (発癌/老化) 遺伝子の研究者世代に、その使命がバトンタッチされ、今日に至っ ている。。。
なお、「Prof」の生涯については、ラルフ=モス著 (丸山工作訳)『朝からキャビア を: 科学者セント=ジェルジの冒険』(岩波書店、1989年) を参照されたし。 丸山さん (1930-2003) はアクトミオシン研究分野の我が先輩。
実は、「ミオシンがATPase である」ことを最初に発見したのは、ソ連の有名な学 者だった。この発見がきっかけになって、"Prof" はビタミンC 研究から、「筋肉 収縮」の生化学研究に移行したが、ソ連圏には自由がないので、米国に亡命した。意外にも、ロシアの学者がイベルメクチンの "抗癌作用" を発見したのがきっかけで、我々は 2009年に「イベルメクチンが PAK遮断剤である」ことを突き止めた! 従って、ロシアの「悪党」政治家 スターリンやプーチンは論外だが、ロシアの優秀な研究 者による我々の いわゆる (健康長寿) 研究領域への貴重な貢献を決して忘れては ならない! もし、万が一、我々が存命中に、(PAK 遮断剤に関して)ノーベル賞/「パプリカ賞」を貰えるような 場合は、これらのロシア学者や "CC" 発明家 「Barry Sharpless」等を、 (温かい12月の) メルボルン (あるいはシンガポール) 大使館での授与式に招待したいと思っている。。。雪降る12月のストックホルムは、我々「ご老体」には、いささか寒む過ぎる! 実は、我が輩の (長年に渡る) 研究相棒である英国人、Ed Manser はシンガポール 大学で、長らく (30年近く) 研究を続けている。。。2008年にノーベル賞 (物理学) に輝いた南部陽一郎さん (東大卒) は、当時の最年長 (87歳) の受賞者で、永住先のシカゴにある大使館で、メダルを受賞した。 強いて言えば、我々の場合、天国からの招待状が先に届くか、それともスエーデンからのメールが先着するかである。。。
因みに87歳で1966年に、ノーベル賞 (医学) をもらった米国のロックフェラー大学 の癌研究者、ペイトン=ラウス (1879-1970) は、 鶏に寄生する癌ウイルス (発癌 遺伝子"SRC"を含む) の発見者である。実は、彼がこのウイルスを発見したのは、1911年 のことで、受賞対象となった研究を行ってから "55年" も待たされたのは、史上「最 長記録」 (ギネス記録!) である。

2022年10月4日火曜日

Warning (警告) : “Expedia” site (hotel or travel) is a “Scam” or “Thief" (泥棒!), and Don’t trust that site !!!

Through the (hotel) booking site (called expedia.com.au), I have recently booked the “cheap” accommodation (Stockholm Classic Budget Hotell, November 3-9, 6 nights), and paid the full fee (around A$600, A$100/night) in advance by my visa card Yesterday, but very strangely I haven’t received from Expedia (or the hotel owner in Sweden) any “confirmation” of my reservation to my e-mail address. So I sent my complaint to expedia@au.expediamail.com, but I received no reply or explanation from “Expedia” so far…
Well, if I remember correctly, several years ago, when I booked a hotel in outskirts of Melbourne for one or two nights through this site, a similar thing happened, and I had to pay the fee again to the hotel owner for our stay.
So this time I checked by internet site in order to check if “Expedia” is fake or scam. All complaints there strongly suggest that Expedia is indeed a “Scam” or “Thief” that we should not trust at all. Thus, I have to inform AFP (Australian Federal Police) that the fake "Expedia" site should be banned immediately.
The main reason why I tried to book a hotel accommodation in Stockholm is: I was recently invited by Karolinsca Institute (KI) in Stockholm for a special seminar (on November 4th, Friday afternoon) entitled “Chemical Evolution for Taming the “Pathogenic/Aging” Kinase (PAK1)”, and also scheduled to meet a local biotech or pharmaceutical company for discussing the possibility of our potent PAK1-blocker “15K” being under clinical trials. Unfortunately KI has no guest house, and I had to book a local hotel by myself.
In conclusion, I have booked another cheap hotel (Stockholm Hostel) in Stockholm through “Booking.com” site, which is truly reliable ( I got both “confirmation” and receipt immediately!).

2022年10月2日日曜日

2度目のノーベル化学賞: 「CC 専門家」の予想通り、
Click Chemistry (CC) の 発明者 (Barry Sharpless) へ!

2001年に、野依良治教授 (京大出身) ら と共に、(光学異性体に関する研究領域で ) ノーベル化学賞を受賞した米国 MIT の Barry Sharpless 教授は、その同じ年に、画期的な有機化学 反応 ( Click Chemistry、 CC) を発明した! このCC は、従来 (1960年以来) 知られていた 「Huisgen」反応 (Alkyne と Azide を高熱で縮合させる化学反応、生成物として 光学異性体である1、4-isomer と 1, 5-isomer が50% づつ出来る) を、更に改良 して、(室温で) 「銅触媒」を利用して、1、4-isomer のみを100% 生成できる反 応である。 (生物活性がはっきり異なる) 光学異性体の混合 (Huisgen 反応) 生成物から、(求める生物活性がある) 片方の異性体のみを分離するのは、甚だやっかいで、然も余計な経費もかかり、製薬企業からは余り歓迎されない。 従って、このCC が発表されるや、世 界的に一躍有名になり、年間1000報以上の「CCを利用する化学反応」論文が次々 と発表されるようになった!
我々 (生化学者) も、遅ればせながら (ようやく2015年頃から)、このCC を利用 することに気づき始め、COOH を含む (細胞透過性が低い) PAK遮断剤 (ケトロラッ ク等) の透過性を飛躍的に上げることをめざし、(水溶性の高い) 1、2、3-Triazolyl エス テル化に利用した。 その結果、驚くなかれ、市販の鎮静剤「ケトロラック」の透 過性が、たちまち "500倍" 以上に高まった (ギネス記録を樹立!)。 従って、我々自 身の例 (「15K」の合成) をも含めて、このCCは、ノーベル化学賞に値いすると、我々は確信してい る! さて、今年のノーベル化学賞の受賞発表は10月5日 (水) の予定であるが、 Sharpless 教授の「2度目の受賞」の可能性が、かなり高まりつつある。。。
予想通り、彼は、他の2名の学者 (コペンハーゲンの Morten Meldal 教授 とスタンフォード大学の Carolyn Bertozzi 女史) と、今年の化学賞を分かち合った!勿論、Barry 宛てに急ぎ祝電 (メール) を送った! 数年前の夏に、彼はメルボルンに初めてやってきて、 CC に関する特別講演を「WEHI」 (メルボルン大学病院の隣) でやってくれた。
我が輩の記憶が正ければ、ノーベル化学賞を2度も受賞した例は極めて稀れで、英 国 Cambridge 大学の生化学者、フレッド=サンガー (1918-2013) で、最初の受賞は1958年 (インス リンのアミノ酸配列)、2度目の受賞は"22年後"の1980年 (DNAの塩基配列) だったと記憶して いる。。。
女性では、ポーランド出身のマリー=キュリー (1867-1934) が、ラジウムの発見で、 夫ピエールと共にノーベル物理学賞 (1903年)、後に単独でノーベル化学賞 (1911年 ) を受賞したことは、特筆に値いするだろう。。。
なお、2022年の Nobel 生理/医学賞 は、 人類の進化を研究したSvante Paabo 教 授 (スエーデン人、Leipzigにある Max-Planck 進化人類学研究所の所長、沖縄にある "OIST" にも所属) が受賞。 "ネアンデルタール原人" 特有の(感染免疫などに関する) 遺伝子が、現代の人類のゲノムにも 2-3% ほど含まれていることを証明。 従って、(約4万年昔、絶滅する前の) ネアンデルタール原人とホモ=サピエンスとの性交 (交配) が、そ の後の人類の進化 (少なくとも、健康長寿) に寄与したことが明らか。 言い換えれば、「異人種同志」の 交配 も、人類の進化 (改良) に寄与することが、予想される。 逆に、近親結婚や「人種差別」は、人類の退化のみをもたらす。。。雑種共生と越境が、文明の発達の原動力である!
詳しくは、Svante Paabo著 (自叙伝風)「ネアンデルタール人は私たちと交配した 」(訳本、文藝春秋、2015年) を参照されたし。 もし、我々薬学者が近い将来、同様な自叙伝を著わすとしたら、 その題名は恐らく「生化学者がCC有機化学者に恋をした時」となるだろう。。。