毎年10月31日に、主に西洋で子供たちが祝う「ハロウイーン」 (Halloween) という祭は、実は (アイルランドや英国北部スコットランド等に2千年近く住む) ケルト民族 (=被征服民族) の習慣である。ケルト族の古い暦では、11月1日が正月 (新年、冬の始まり) で、10月31日は "大晦日" にあたる。 そして、その日の夜には、この世とあの世の境が一時的になくなって、様々な幽霊が "はいかい" するという言い伝えがあった。 そこで、これらの幽霊たちを鎮めるために、キャンディーやお菓子で、「Trick or Treat 」 する習慣が、子供たちの間に、しんとうしたという訳である。
我が輩が初めて、「ハロウイーン」を米国の子供たちと祝ったのは、1973年の10月31日だった。 米国中西部コロラド州の首都デンバーの郊外 (ロッキー山麓) に、Packard 夫妻と3人の子供たち (長男ジョー、次男ジョン、長女コニー) が住んでいた。この家族は、その昔、米国西海岸のオレゴン州 の首都ポートランドに住んでいた。そして、近所に日本人二世 (イイジマ) とアメリカ人女性 (ジュネーブ) の夫婦が住んでいて、両家庭共、同じプロテスタントの教会に通っていた。 イイジマ家には、二人の息子 (双生児) がいた。 我が輩が、1973年7月26日に、横浜から米国のオレゴン号という大型タンカーで、太平洋を渡って、渡米した際、同乗して
いた 13名 の乗客の中に、このイイジマ家 (4人) がいた。 息子たちは、小学生で、夏休みを利用して、日本の小学校で、日本語の勉強をしての、帰路だった。
我が輩の最初の研究留学先は、デンバーの近くにあるコロラド大学 (Boulder 校) だった。 そこで、ハロウイーンの季節が近づいた頃、イイジマさんが、親切に
もPackard 家に連絡を取り、 10月31日の夕方、わざわざ我が輩の寄宿舎に車で迎えにきて、Packard 家で、初めての楽しい「ハロウイーン」を体験できた、とい
うわけである。その後、Mr. Iijima が亡くなり、Packard 家の次男ジョンが若くして癌で他界したという、悲報 (メール) を受け取った。。。 ハロウイーンは、
現世 と来世の人々の間の、一種の「往き来の場」である、と考えてもよい。。。
さて、来たる10月31日の夜には、総選挙の開票が始まる。 一体どんな結果が出るか、楽しみである。。。
2021年10月30日土曜日
2021年10月26日火曜日
東京18区: 「イラ管」 (元民主党首相、東工大出身)、
「長島」 (自民から送られた刺客、慶応出) を返り討つ!
「理系」最後の総理、管直人 (通称「イラ管」、75歳) は、道理に適わぬ非科学的な相手 (政敵) の議論に苛立つ! 我が輩自身も、亡父の気性 (遺伝子) をそっくり受け継ぎ、非科学的な政治家の意見 (ナンセンス) に苛立つ!
イラ管は、2011年の「東北津波による福島原発の崩壊」を目の辺りに体験した総理だったから、「脱原発」 を政治スローガンの一つに掲げて、恐らく 「最後になるだろう」 今秋の総選挙に出馬しつつある。 ところが、彼の総理時代に可愛がってやった弟子 「長島」が その後、自民党に身売りし、今回は、自分の地盤 (東京21区) から、東京18区へ鞍替え、自民党からの 「刺客」 として、恩師 「イラ管」を邪魔/打倒する戦術に出てきた! これほど 「イラ管」 を苛立たせる 「恩を仇で返す行為」 は無い。。。「目的のためには手段を選ばぬ」 (腐り切った) 与党や「利己主義的なよそ者」政治家が、「18地区」住民の福祉のために働くとは、とても思えない!
なお、沖縄では、1区 で共産党、2区 で社民党 (オール沖縄) が、各々自民党を制す! "立憲民主党" (3区、4区) は泣かず飛ばず!
東京18区、師弟の骨肉の争い: 長島昭久氏 (自民) にいらだつ 菅直人氏 (野党):
https://mainichi.jp/articles/20211025/k00/00m/010/247000c?cx_testId=122&cx_testVariant=cx_2&cx_artPos=2#cxrecs_s
https://www.sankei.com/article/20210824-A27CI5TWANKABCALWARJLYBJAI/
イラ管は、2011年の「東北津波による福島原発の崩壊」を目の辺りに体験した総理だったから、「脱原発」 を政治スローガンの一つに掲げて、恐らく 「最後になるだろう」 今秋の総選挙に出馬しつつある。 ところが、彼の総理時代に可愛がってやった弟子 「長島」が その後、自民党に身売りし、今回は、自分の地盤 (東京21区) から、東京18区へ鞍替え、自民党からの 「刺客」 として、恩師 「イラ管」を邪魔/打倒する戦術に出てきた! これほど 「イラ管」 を苛立たせる 「恩を仇で返す行為」 は無い。。。「目的のためには手段を選ばぬ」 (腐り切った) 与党や「利己主義的なよそ者」政治家が、「18地区」住民の福祉のために働くとは、とても思えない!
なお、沖縄では、1区 で共産党、2区 で社民党 (オール沖縄) が、各々自民党を制す! "立憲民主党" (3区、4区) は泣かず飛ばず!
東京18区、師弟の骨肉の争い: 長島昭久氏 (自民) にいらだつ 菅直人氏 (野党):
https://mainichi.jp/articles/20211025/k00/00m/010/247000c?cx_testId=122&cx_testVariant=cx_2&cx_artPos=2#cxrecs_s
https://www.sankei.com/article/20210824-A27CI5TWANKABCALWARJLYBJAI/
2021年10月23日土曜日
"台中" 間「パイナップル」戦争の行方?
台湾の隣人を、出来るだけ (平和的に) 助けよう!
中共政府は、2025年を目標に、(香港政府と同様) 台湾政府をも自分の傘下に (強
制的に) 従えようと、軍事的にも、経済的にも、台湾政府に対して、圧力を日増
しに強めている。 その一環として、2021年の春から、(収穫期に入る) 台湾産の
パイナップルの中国大陸への輸入を、「害虫の混入」という "擬い" の理由で、禁止
した。 これに対抗して、台湾政府は、パイナップルの国内消費を強化すると共に、
中国以外の近隣諸国 (日本、韓国、香港、シンガポール、インド、米国、カナダ
など) に、台湾産のパイナップルの大量輸入を呼びかけた。 その結果、中国向け
のパイナップルは、これらの近隣諸国による消費によって、全てさばかれたとい
う (美談!)。 今後とも、これに類する「経済戦争」が、台中の間で強まると思
う。。。
極めて残念なのは、豪州政府が台湾パイナップルの輸入に協力しなかったことで ある。 豪州では、いわゆる農民党 (National) による「海外の農産物の輸入禁 止」政策が強く、数年前にサイクロン (台風) で、北部クインーズランドのバナ ナ畑の9割が水没した時にも、バナナの輸入を全面禁止したので、我々消費者は、 ひどく「高値」のバナナを強いられた (我が輩自身は、その年、朝食にバナナを 食べる習慣をとうとう断念した!)。豪州は、お隣りの「NZ 」からのリンゴの輸 入をも (「蝿の混入」という理由で) 未だに禁止している (中共同様、悪質な 輸入禁止!)。 豪州政府は、何故か (中共政府に遠慮して) 台湾政府と国交が全くないが、"COVID の発 生源" を巡って、中共政府とも日増しに仲が悪くなりつつあり、いわゆる「アジ アの孤児 」化しつつある。。。
極めて残念なのは、豪州政府が台湾パイナップルの輸入に協力しなかったことで ある。 豪州では、いわゆる農民党 (National) による「海外の農産物の輸入禁 止」政策が強く、数年前にサイクロン (台風) で、北部クインーズランドのバナ ナ畑の9割が水没した時にも、バナナの輸入を全面禁止したので、我々消費者は、 ひどく「高値」のバナナを強いられた (我が輩自身は、その年、朝食にバナナを 食べる習慣をとうとう断念した!)。豪州は、お隣りの「NZ 」からのリンゴの輸 入をも (「蝿の混入」という理由で) 未だに禁止している (中共同様、悪質な 輸入禁止!)。 豪州政府は、何故か (中共政府に遠慮して) 台湾政府と国交が全くないが、"COVID の発 生源" を巡って、中共政府とも日増しに仲が悪くなりつつあり、いわゆる「アジ アの孤児 」化しつつある。。。
2021年10月17日日曜日
2021 芥川賞作品「彼岸花が咲く島」がささやく薬効:
彼岸花由来の強力な PAK 遮断剤 「Narciclasine」
台湾出身のリベラルな女流作家 (日本永住) 、李 琴峰、の いわゆる SF 小説 「彼岸花が咲く島」が今年の芥川賞に受賞した! 小説については、On-line で一寸「あら筋」しか未だ読んでいないが、実は、真っ赤な彼岸花の球根には、昔から「一見不思議な」様々の薬効 (例えば、麻酔作用 など) が知られている。 最近、その謎が解けた! 2005年頃に、四川省産の赤い「花椒」 エキス (花水) に "PAK遮断作用" を初めて発見して以来、我々PAK 遮断剤研究家の間には「赤い花にはPAK遮断作用あり」という素朴な定理が通用している。 実際、彼岸花由来の「Narciclasine」というアルカロイドに、どうやら強力な "PAK 遮断作用" があることが、中国や米国などでの最近 2-3年の研究によって、明らかになった。 IC50=12 nM (抗癌作用) で、我々が開発した合成 PAK 遮断剤「15K」に匹敵する薬効を示す。。。
References:
Chun-Yan Shen , Xi-Lin Xu , Lin-Jiang Yang , Jian-Guo Jiang (2019). Identification of narciclasine from Lycoris radiata (L'Her.) Herb. and its inhibitory effect on LPS-induced inflammatory responses in macrophages. Food Chem Toxicol. ;125:605-613. https://www.nature.com/articles/s41598-020-62690-9
実は、Narciclasine の存在する植物は真っ赤な彼岸花に限らない。黄色いラッパ水仙 (Daffodil) や真っ白い彼岸花にも存在する。我が地元の豪州メルボルンでは Cancer Council (対癌財団) のシンボルが、Daffodil である。 今まで、その (薬理的な) 根拠が定かでなかったが、この花由来のアルカロイドがPAK遮断作用により、癌の増殖、転移などを抑えるからであることは明らか! なお、Narciclasine の抗癌作用は1967年にイタリアの研究者によって、発見され ていた。。。
ただし、Narciclasine は水に溶けにくいという難点がある。 そこで、2003 年に、これを燐酸化した "水溶性" 誘導体 Narcistatin が米国アリゾナ大学の有機化学者によって合成された (2010年にUS特許認証!) 。 この誘導体 (=prodrug) は腸管から吸収されてから、代謝されて、 Narciclasine になる。
(書評): 台湾が香港同様、中国大陸 (中共政府) の統括下に置かれることは、今や時間の問題である。 たとえ米国が介入しても、結局、ベトナム戦争やアフガン戦争の大失敗を繰り返すのみ! そこで、リベラルかつ賢明な著者 (李女史) は自由を求めて、日本に移住した。そのような自身の体験と「卑弥呼」(3世紀の前半頃、北九州の博多湾を中心に栄えた「邪馬台国」を治めていた女王)の伝説をうまく組合せ、不思議な彼岸花の御利益を香辛料に利用して、綴ったのが、このSF/歴史 小説らしい。 若しかしたら、1-2世紀後には、卑弥呼、エリザベス女王 (一世) や Angela Merkl のような "抜きん出た" 女性が現れ、沖縄 (あるいは日本全土) の統治を成し遂げてくれるかもしれない (実は、北海道の札幌でも、彼岸花は咲く!)。 そのためには、地球温暖化やCOVID のような伝染病により、衆愚が先ず淘汰され、彼岸花のようなPAK 遮断剤で生き残った (先見の明のある) 賢者が過半数を占める世の中の到来が必要である。いわゆる "Twilight Zone" にある我々 (老人) には、精々あと20-30年しか持ち時間がないので、そんな夢のような世の中を期待できないが、孫か曾孫の時代には、ひょっとしたら実現するかもしれない。。。我が輩自身は、日本の封建的な衆愚政治に幻滅して、半世紀近く前に、日本からの脱出を実現したので、この台湾出身の著者の気持が痛く理解できる。。。言い換えれば、これは ( 名作 「大地」で有名なパール=バック女史などの) 外人女性にしか書けない (国境を越えた) 客観的な文学である。 将来、「ノーベル文学賞」に値いするかもしれない。。。ただし、「女語」というのは、日本特有で欧米や中国の言語などには存在しない。 従って、 それを ("日本語" とハッキリ区別して) 翻訳するのは至難の業 (イタリック体で表記?) !
この小説のタイトルを強いて英訳すると、「An Island in Full Blossom of Red Spider Lilies」となる。。。もしかしたら、欧米では、「Daffodil Island」 に変えた方が "読書欲" をそそるかもしれない。 映画化には「短い題名」が必須!日本では、1958年に "天然色" 映画「彼岸花」(佐田 啓二と有馬稲子が共演) が上演されている。
References:
Chun-Yan Shen , Xi-Lin Xu , Lin-Jiang Yang , Jian-Guo Jiang (2019). Identification of narciclasine from Lycoris radiata (L'Her.) Herb. and its inhibitory effect on LPS-induced inflammatory responses in macrophages. Food Chem Toxicol. ;125:605-613. https://www.nature.com/articles/s41598-020-62690-9
実は、Narciclasine の存在する植物は真っ赤な彼岸花に限らない。黄色いラッパ水仙 (Daffodil) や真っ白い彼岸花にも存在する。我が地元の豪州メルボルンでは Cancer Council (対癌財団) のシンボルが、Daffodil である。 今まで、その (薬理的な) 根拠が定かでなかったが、この花由来のアルカロイドがPAK遮断作用により、癌の増殖、転移などを抑えるからであることは明らか! なお、Narciclasine の抗癌作用は1967年にイタリアの研究者によって、発見され ていた。。。
ただし、Narciclasine は水に溶けにくいという難点がある。 そこで、2003 年に、これを燐酸化した "水溶性" 誘導体 Narcistatin が米国アリゾナ大学の有機化学者によって合成された (2010年にUS特許認証!) 。 この誘導体 (=prodrug) は腸管から吸収されてから、代謝されて、 Narciclasine になる。
(書評): 台湾が香港同様、中国大陸 (中共政府) の統括下に置かれることは、今や時間の問題である。 たとえ米国が介入しても、結局、ベトナム戦争やアフガン戦争の大失敗を繰り返すのみ! そこで、リベラルかつ賢明な著者 (李女史) は自由を求めて、日本に移住した。そのような自身の体験と「卑弥呼」(3世紀の前半頃、北九州の博多湾を中心に栄えた「邪馬台国」を治めていた女王)の伝説をうまく組合せ、不思議な彼岸花の御利益を香辛料に利用して、綴ったのが、このSF/歴史 小説らしい。 若しかしたら、1-2世紀後には、卑弥呼、エリザベス女王 (一世) や Angela Merkl のような "抜きん出た" 女性が現れ、沖縄 (あるいは日本全土) の統治を成し遂げてくれるかもしれない (実は、北海道の札幌でも、彼岸花は咲く!)。 そのためには、地球温暖化やCOVID のような伝染病により、衆愚が先ず淘汰され、彼岸花のようなPAK 遮断剤で生き残った (先見の明のある) 賢者が過半数を占める世の中の到来が必要である。いわゆる "Twilight Zone" にある我々 (老人) には、精々あと20-30年しか持ち時間がないので、そんな夢のような世の中を期待できないが、孫か曾孫の時代には、ひょっとしたら実現するかもしれない。。。我が輩自身は、日本の封建的な衆愚政治に幻滅して、半世紀近く前に、日本からの脱出を実現したので、この台湾出身の著者の気持が痛く理解できる。。。言い換えれば、これは ( 名作 「大地」で有名なパール=バック女史などの) 外人女性にしか書けない (国境を越えた) 客観的な文学である。 将来、「ノーベル文学賞」に値いするかもしれない。。。ただし、「女語」というのは、日本特有で欧米や中国の言語などには存在しない。 従って、 それを ("日本語" とハッキリ区別して) 翻訳するのは至難の業 (イタリック体で表記?) !
この小説のタイトルを強いて英訳すると、「An Island in Full Blossom of Red Spider Lilies」となる。。。もしかしたら、欧米では、「Daffodil Island」 に変えた方が "読書欲" をそそるかもしれない。 映画化には「短い題名」が必須!日本では、1958年に "天然色" 映画「彼岸花」(佐田 啓二と有馬稲子が共演) が上演されている。
2021年10月15日金曜日
PAK 遮断 ペプチド: PAK によって燐酸化される 抗癌蛋白「RUNX3 」由来のペプ チド (Thr 209 を含む)
博士論文: 「RUNX3」 の Thr 209 付近 と「メルリン」のSer 518 付近にある構造 (あるいは機能) 的な「共通点」?
インド南部のマドラス市 (人口は、ほぼ東京都と同じ) にある Suresh Rayala 博士の研究室 (インド工科大学) は数年前から、(副作用のな い) 「抗癌剤」の開発をめざして、本格的に 「PAK 」研究を開始した。 その過程で、(抗癌性のある) 転写蛋白「RUNX3 」の 209 番目のTHR がPAK によって特異的に燐酸化されると、発癌することを突き止めた。 そこで、 「RUNX3 」蛋白中の Thr 209 を含むいくつかのペプチドから、2021年になって、PAK 遮断剤 (RMR, 12 個のアミノ酸: RMRV-T-PSTPSPR) を見つけた。 細胞培養系でのIC50= 2 micro M (実験用試薬としては、OK!)。 もし、このペプチドの誘導体 (peptide mimetics) で、水溶性、かつ細胞透過性の高い化合物が、近い将来、開発されれば、抗癌剤として有望だろう。。。
我々は、もう20年ほど昔、「WR-PAK18」 というPAKを遮断する水溶性、細胞透過 性の高いペプチド化合物を開発した。 しかしながら、全体が34個のアミノ酸から なり、体内で消化され易い傾向があるので、もっと (分子量の) 小さな化合物 (peptide mimetics) の開発/登場が長らく嘱望されていた。。。
参考文献:
Rahul Kanumuri et al. Oncogene. 2021 Aug; 40(34):5327-5341. Small peptide inhibitor from the sequence of RUNX3 disrupts PAK1-RUNX3 interaction and abrogates its phosphorylation-dependent oncogenic function.
さて、 NF2 遺伝子産物 (メルリン) も抗癌蛋白 (595個のアミノ酸からなる) で、PAK により 518番目のSER が燐酸化されて、その抗癌作用が抑えられることが、既に知られている。 更に、我々の手で、メルリンの"前半部" と "後半部" が、各々PAKを遮断することが、20年ほど前に明らかにされている。 燐酸化を受ける "SER 518" は メルリンの後半部 (NF78C, residues 447-524) の「C 末端近く」にある。 従って、メルリン後半部のPAK遮断機能は、この "SER 518 を含むプチド" による可能性が極めて高い! 少なくとも、Ser 518 がAsp に置換された変異体は、燐酸化されたメルリンのごとく、抗癌作用を失うが、Ala に置換された変異体は、あくまでも抗癌作用を保持することが判明している:
Ezequiel Surace, Carrie Haipek & David Gutmann (2004). Effect of merlin phosphorylation on neurofibromatosis 2 (NF2) gene function.Oncogene 23, 580–587.
従って、「RUNX3」 の Thr 209 付近のアミノ酸配列 (=RMR) と「メルリン」の Ser 518 付近のアミノ酸配列との間に、何か「共通点」があるか否か、調べてみる (「水平思考」してみる) 価値は十分あると私は思う。。。両者の間に、一次配列的に、あるいは「3次構造的」に何らかの共通点を見つけることができれば、確実に「博士論文」 になる!
例えばの話 (一案) であるが、 メルリンのC末端、514番目から、525番目のアミノ酸12個からなる「MKR」と呼ぶペプチド、MKRL-S-MEIEKEK は、5番目に燐酸化されるSer 518 を含む。 更に、このペプチドの「K」を全部 「R」に変換すると、細胞透過性、および水溶性の極めて高い「MRR」と呼ぶ塩基性のペプチドになる: MRRL-S-MEIERER。 これがRUNX3 由来の「RMR」に、機能的に果して匹敵するかどうか、調べてみると面白い!
2021年10月12日火曜日
"道路" とはそもそも、一体誰のために作られたのか?
歩行者は、自動車や自転車の横暴を断じて許せない!
車のサイド ミラーを車の一部と意識していないドライバーが多い。 そして、それを電柱にぶつけたり、(挙げ句の果ては) 歩行者の肘などにぶつけたりする。 最近、東京の実家に住む妹 (76歳) から手紙が届き、(住宅地で) 後ろから来た車のサイドミラーで、右肘をひどく打撲した (ほんの "10 センチ" 差で、車にひかれずに済んだ!)、とこぼす。 良く考えてみると、車も妹も同じ側 を走る/ 歩く(左側通行をしていた) ことになる。 日本では、道路巾がひどく狭いから、「対面」 (車は左側、人は右側) を通行するルールになっているようだが、もうろくしたのか、妹は、杖をつきながら、ヨロヨロと (道路の) 左側を歩き (ルール違反!)、 事故にあった。 そこで、妹に「右側通行」を厳守し、自分の両目で、車が前方から近づくのを見ながら、歩行するように、(手紙で) 諌めた。
さて、 豪州では、道路が広いから、人も車も左側通行! しかし、小川に沿う 細い散歩道で、そのルールを守っていると、歩行者は、後ろから (下り坂を) 猛 スピードで飛ばしてくる自転車にしばしばひかれる! 我々歩行者 の背中には、 目がないからだ。 だから、我が輩は、豪州でも、自己/事故防衛のため、敢えて、 対面交通を守っている。馬鹿なサイクリストからは、しばしば 「ルール違反だ!」 とどなられるが。我が輩は「自分のルール」に従って、生き伸びざるを得ない!
そもそも、道路は大昔から先ず歩行者のために、作られたのだ。 敗戦後の昭和/平成時代には、 我が物顔で、マイカー族やサイクリストが道路を占領し、歩行者は、(特に、住宅 地では) 細 道の両側にある土塀に這いつくばって歩行をしなければならなくなっ た (特に沖縄の住宅地では、車道ばかりで、 "歩道" がない!)。 本末転倒のこんな理不尽を、(我々) 歩行者は断じて、もう許せない! (歩 行者にとっては) 車 (カー) も自転車も「走る凶器」以外の何物でもない!
2021年10月10日日曜日
孫文による「辛亥革命」から110年:
「台湾の独立」を (中共政府から) 守ろう!
1911年10月10日に、孫文を中心として、中国の「民主勢力」が、清国の封建政府を打倒するために、中国大陸各地で、武装蜂起して、12月29日に、遂に上海で、孫
文が「中華民国」政府を樹立した。その「中華民国」 政府は、1949年の中国共産党 (中共) 政府の革命により崩壊するが、離島の台湾にのみ自由主義を掲げる
「中華民国」政府が、今でも残っている。大陸の 「中共」政府は、香港の自由主義運動を弾圧しつつ、2025年を目標に、台湾政府を潰そうと、虎視眈々と狙って
いる。。。台湾の「自由」と「独立」 を飽くまで守ろう!
実は、我が亡父の高校-大学 (京大) 時代からの親友に、台湾からの留学生がいた。本名は「許さん」 だが、日本風に「林」(はやし) さんと呼ばれていた。林さん は戦後、日本人女性と結婚して帰化し、「浅野」姓を名乗る。 その夫婦に、長女と長男が生まれるが、長男 (雅次君) は、我が輩と丁度同年で、同じ「日比谷」 高校に入学した。自由主義者の我が亡父は、戦前、日本軍による満州侵略に、強く反対すると共に、戦後、台湾の中共政府からの独立を強く支援してきた。。。
さて、台湾の首都「台北」には、我々の娘 (双子) の一人 (アイリス、英語教師) が、(台湾原住民で) 台北にある英語学校の上司 (イーミン) と結婚して、家族と 共に、もう10年近く住んでいる。 しかし、中共政府が無理矢理に台湾政府を攻略すれば、恐らく、自由を求めて、家族全体が台湾を離れ、豪州のメルボルンに移住せざるを得なくなるだろう。
実は、我が亡父の高校-大学 (京大) 時代からの親友に、台湾からの留学生がいた。本名は「許さん」 だが、日本風に「林」(はやし) さんと呼ばれていた。林さん は戦後、日本人女性と結婚して帰化し、「浅野」姓を名乗る。 その夫婦に、長女と長男が生まれるが、長男 (雅次君) は、我が輩と丁度同年で、同じ「日比谷」 高校に入学した。自由主義者の我が亡父は、戦前、日本軍による満州侵略に、強く反対すると共に、戦後、台湾の中共政府からの独立を強く支援してきた。。。
さて、台湾の首都「台北」には、我々の娘 (双子) の一人 (アイリス、英語教師) が、(台湾原住民で) 台北にある英語学校の上司 (イーミン) と結婚して、家族と 共に、もう10年近く住んでいる。 しかし、中共政府が無理矢理に台湾政府を攻略すれば、恐らく、自由を求めて、家族全体が台湾を離れ、豪州のメルボルンに移住せざるを得なくなるだろう。
2021年10月6日水曜日
たとえ「地球が温暖化」し続けても「PAK遮断剤」で、
長生き出来る! 酵素 "PAK" が健康長寿に必須である
"熱ショック蛋白" (HSP) 遺伝子を抑制しているからだ。
真鍋淑郎 (90) さんが、地球温暖化の予測で、とうとう物理学賞を受賞! 東大理学部 (地球物理学) で 博士号を取得後、1958年に渡米して、主にプリンストン大
学で半世紀以上、地球の気象を研究。
世界の総人口の92%は北半球に住んでいて、南半球には8%だけ! 言い換えれば、北半球の人口密度は南半球の11倍以上。1988年初めに、我が輩は、北半球のカルフォルニアから、南半球でも最も人口密度の低い豪州大陸 (メルボルン) へ、敢えて移住した。従って、(以来) 僅かながらも、北半球における 「人口過剰」 の解消に貢献したことになる。 さて、丁度その年、真鍋 (プリンストン大学) 教授は、雑誌「Nature」に、炭酸ガスによる北半球の(異常な) 気温上昇、いわゆる「地球温暖化」を、初めて指摘した。 間もなく、米国の副大統領だったアル=ゴアによる記録映画 「不都合な真実」 が全世界で上映され、地球温暖化に警鐘が鳴らされた! しかしながら、以後も地球温暖化は継続したままであり、直ぐに地球が冷却し始める気配は全くない!
さて、地球の温暖化を止めるには、最終的には、主に人類の総数 (人口) を大幅に減らすことが必要! しかしながら、コ ロナウイルスによる世界的な感染でさえも、世界の人口は、高々500-1000 万人だ け減少するに過ぎない。 100年前に流行した「スペイン風邪 」(人口の4分の1 が感染、死者は一億人を越え る) に比べれば、正に「焼け石に水」である。 従って、地球の温暖化が (我々の世代を越えて) 今後とも何世紀か継続することは「疑い無し」である!
前述したが、人類ばかりではなく、全動物界が健康に長生きするためには、生命現象 に必須な様々な蛋白を高熱による変性 (いわゆる「夏バテ」現象) から保護するため に、熱ショック蛋白(HSP) が必須であるが、この遺伝子の発現を、「PAK」 と呼ばれる病原酵素 (キナーゼ) が抑制していることがわかっている。従って、もし、地球温暖化に伴う「山火事」から距離を置くことができれば、(「衆愚」はともかくとして) 少なくとも (「先見の明」がある)「賢者」たちは、様々な (天然あるいは人工の) PAK 遮断剤を経口することによって、地球温暖化による「夏バテ」現象を未然に防ぎ、健康長寿を謳歌し得る。
ここで、線虫 (C. elegans) で観察した我々の実験例を挙げよう。 先ず、PAK欠損株は、野生株 (平均寿命=15 日) に比べて、(20度で) 6割以上、長生きし得る。 しかも、高温 (35度 ) では、野生株の平均寿命は "劇的" (24時間以内) に縮むが、PAK欠損株 (あるいは 我々が開発したPAK遮断剤 「15K」で処理された株) は少なくとも9日間は、生き延びることができる! ショウジョウバエの例でも、気温が10度上昇すると、平均寿命が4分の1 以下になるといわれている。 人類も (無策ならば) 恐らく、同じような運命になるだろう。。。従って、最終的 (1-2 世紀後) には、「衆愚」が選択的に絶え (総人口が激減し)、「賢者」だけが長生きする、というスミレーションが恐らく出てくる。。。我々は今世紀の日本に代表される「衆愚」政治 (安倍-すが-岸田) に飽き飽きしている。 従って、衆愚政治が最終的に無くなることを大いに歓迎したい!
1859年にチャールズ=ダーウインが発表した「進化論」(適者生存の原理) は、(退化した) 衆愚が絶滅して、(進化した) 賢者だけが生き残ることを、強く示唆して いる。。。
世界の総人口の92%は北半球に住んでいて、南半球には8%だけ! 言い換えれば、北半球の人口密度は南半球の11倍以上。1988年初めに、我が輩は、北半球のカルフォルニアから、南半球でも最も人口密度の低い豪州大陸 (メルボルン) へ、敢えて移住した。従って、(以来) 僅かながらも、北半球における 「人口過剰」 の解消に貢献したことになる。 さて、丁度その年、真鍋 (プリンストン大学) 教授は、雑誌「Nature」に、炭酸ガスによる北半球の(異常な) 気温上昇、いわゆる「地球温暖化」を、初めて指摘した。 間もなく、米国の副大統領だったアル=ゴアによる記録映画 「不都合な真実」 が全世界で上映され、地球温暖化に警鐘が鳴らされた! しかしながら、以後も地球温暖化は継続したままであり、直ぐに地球が冷却し始める気配は全くない!
さて、地球の温暖化を止めるには、最終的には、主に人類の総数 (人口) を大幅に減らすことが必要! しかしながら、コ ロナウイルスによる世界的な感染でさえも、世界の人口は、高々500-1000 万人だ け減少するに過ぎない。 100年前に流行した「スペイン風邪 」(人口の4分の1 が感染、死者は一億人を越え る) に比べれば、正に「焼け石に水」である。 従って、地球の温暖化が (我々の世代を越えて) 今後とも何世紀か継続することは「疑い無し」である!
前述したが、人類ばかりではなく、全動物界が健康に長生きするためには、生命現象 に必須な様々な蛋白を高熱による変性 (いわゆる「夏バテ」現象) から保護するため に、熱ショック蛋白(HSP) が必須であるが、この遺伝子の発現を、「PAK」 と呼ばれる病原酵素 (キナーゼ) が抑制していることがわかっている。従って、もし、地球温暖化に伴う「山火事」から距離を置くことができれば、(「衆愚」はともかくとして) 少なくとも (「先見の明」がある)「賢者」たちは、様々な (天然あるいは人工の) PAK 遮断剤を経口することによって、地球温暖化による「夏バテ」現象を未然に防ぎ、健康長寿を謳歌し得る。
ここで、線虫 (C. elegans) で観察した我々の実験例を挙げよう。 先ず、PAK欠損株は、野生株 (平均寿命=15 日) に比べて、(20度で) 6割以上、長生きし得る。 しかも、高温 (35度 ) では、野生株の平均寿命は "劇的" (24時間以内) に縮むが、PAK欠損株 (あるいは 我々が開発したPAK遮断剤 「15K」で処理された株) は少なくとも9日間は、生き延びることができる! ショウジョウバエの例でも、気温が10度上昇すると、平均寿命が4分の1 以下になるといわれている。 人類も (無策ならば) 恐らく、同じような運命になるだろう。。。従って、最終的 (1-2 世紀後) には、「衆愚」が選択的に絶え (総人口が激減し)、「賢者」だけが長生きする、というスミレーションが恐らく出てくる。。。我々は今世紀の日本に代表される「衆愚」政治 (安倍-すが-岸田) に飽き飽きしている。 従って、衆愚政治が最終的に無くなることを大いに歓迎したい!
1859年にチャールズ=ダーウインが発表した「進化論」(適者生存の原理) は、(退化した) 衆愚が絶滅して、(進化した) 賢者だけが生き残ることを、強く示唆して いる。。。
2021年10月5日火曜日
2021ノーベル医学賞: 「温度・触覚の受容体」の発見者に
これらの受容体は「PAK遮断」にも繋がる!
今年のノーベル医学生理学賞は、米国カルフォルニア州の研究者2人に授与される。受賞者は、米UCSFのデービッド・ジュリアス教授と、米Scripps 研究所のアーデム・パタプティアン教授。 業績は 「温度・触覚の受容体の発見」。熱さや冷たさ、痛みなどを感じる「温度センサー」 (TRPV1) や、皮膚にかかる圧力を感じる「触覚センサー」 を発見したことが評価された。
「温度センサー」 は、単に温度を感じるだけでなく、やけどや凍傷などの危険を避けるための情報を脳に伝え、命を守る役目もある。ジュリアス氏の研究チームは1997年、唐辛子の成分 「カプサイシン」 に反応して、痛みを引き起こすセンサーを見つけたと報告した。これが40度を超す熱にも反応したため、温度センサーの一種であることがわかった. TRPV1 拮抗体から、鎮痛剤などを開発する努力が長年進められているが、副作用 (温度感受性) を軽減するのが中々難しい。。。 我田引水になるが、"PAK 遮断剤" には、抗癌作用などがあるばかりではなく、高温にも耐性 (夏バテ予防) 、鎮痛作用もあるので、明らかにTRPVI 拮抗体よりも優れている!
実は、カプサイシンにも「PAK」遮断作用がある。2008年に韓国のグループによって、この物質が「PAK」を直接活性化するGタンパク質「RAC」を阻害することによって、「PAK」依存性の固形癌であるメラノーマの転移を抑制することがわかった。
「カプシエイト 」(「辛くない」誘導体)
「癌に効く、予防に良い!」と言われても、「甘党」の我が輩には、あんなに辛 いキムチを毎食ムシャムシャ食べるわけにはいかない。さて、1985年頃、矢 澤 進 のグループ(現在、京都大学農学部教授)が赤トウガラシの研究中、タイ 産の辛くないトウガラシを見つけ、「CHー19甘」と命名した。その後、京都 大学農学部教授の伏木 亨研究室や渡辺達夫 (現在、静岡県立大学) との共同研究 により、この変わったトウガラシには、カプサイシンの代わりに、その誘導体で あるカプシエイトが含まれていることが判明した。その構造上の違いは、カプサ イシン中にあるアミド結合が、カプシエイト中では、エステル結合になっている 。言いかえれば、アミド結合のアミノ基が酸素に置換してエステル結合になって いるに過ぎない。 両方とも同じレセプターに結合するが、カプシエイトは辛味の 感覚を全くもたらさない。しかしながら、カプサイシンと同様、交感神経を刺激 して、脂肪燃焼や体温上昇を促進する作用があることがわかった。
2006年には、これらのグループの共同研究によって、カプシエイトの経口投 与(10 mg/kg)を受けたマウスは、無処理のマウスに較べて、ずっと長時 間遊泳することができることが判明した。このスタミナ効果は、カプシエイトが 脂肪燃焼を促進することによって、グリコーゲンの消費を遅らせるためだ。
さて、カプサイシンやカプシエイトには、「PAK」遮断作用ばかりではなく、抗癌キナーゼ「AMPK」を活性化する作用もあることが2 005年に判明していた。「AMPK」活性剤は一般に、(グリコーゲンや糖の燃 焼の代わりに) 脂肪の燃焼を促する作用がある。従って、カプシエイトの「スタ ミナ」(持久力) 増強作用は、主に「AMPK」活性化によるのかもしれない。
仮に、オリンピックのマラソン競走、あるいは1500メートル競泳の決勝前に、 「キムチ」やカプシエイト(あるいは「CHー19甘」)をどっさり食べた場合、 「ドーピング法」違反になるだろうか? 往年の「フジヤマのトビウオ」古橋広 之進氏(80歳)が 十年ほど前、ローマで急逝されたそうだが、戦後まもなく古橋や 橋爪四郎が1500メートル競泳で活躍していた頃、豪州に大強敵が現れた。菜食主義者のマレー・ローズだ。ローズ(1939ー2012)は1956年のメルボルン五輪および1960年のローマ五輪の1500メートル競 泳で連勝して、圧倒的なスタミナを示した。その成功の秘密(兵器)は一体何だっ たろうか? その後、彼は米国のカルフォルニアに移住し、70歳を越えても 「マスター」部門の競泳で、あい変らず活躍していたが、とうとう白血病で亡く なった。 彼のあだ名は「稲妻の海藻」だっだ。 ワカメや昆布が主なスタミナ源 で、恐らく「PAK遮断作用のあるフコイダン」が原動力だったらしい。
さて、2003年にイタリアのジョバンニ・アペンディノらは、カプシエイトや その誘導体が抗癌作用を示すことを、少なくとも細胞培養系で確認している。従っ て、将来いつか、この辛くない「CHー19甘」をたっぷり食べて、癌やNFの 食餌療法が臨床に利用される日がくるかもしれない。日本では十数年前から、食 品会社「森永製菓」と「味の素」が共同で、「CHー19甘」製品を主に「体重 減量」促進剤(肥満対策の一環)および「冷え」解消剤として市販している。
♨「熱い温泉に浸かると、寿命が伸びる」と良く謂れる。体温の急上昇により、熱ショック蛋白 (HSP) 遺伝子が活性化され、(熱に弱い) 様々な「長寿蛋白」が 保護されるからである。しかしながら、HSP遺伝子の発現は通常、PAK により抑制されている。従って、温泉に漬かる前に、PAK遮断剤を経口すると、HSPの発現が 高まり易く、いわゆる「温泉効果」が倍加するはずである。。。
「温度センサー」 は、単に温度を感じるだけでなく、やけどや凍傷などの危険を避けるための情報を脳に伝え、命を守る役目もある。ジュリアス氏の研究チームは1997年、唐辛子の成分 「カプサイシン」 に反応して、痛みを引き起こすセンサーを見つけたと報告した。これが40度を超す熱にも反応したため、温度センサーの一種であることがわかった. TRPV1 拮抗体から、鎮痛剤などを開発する努力が長年進められているが、副作用 (温度感受性) を軽減するのが中々難しい。。。 我田引水になるが、"PAK 遮断剤" には、抗癌作用などがあるばかりではなく、高温にも耐性 (夏バテ予防) 、鎮痛作用もあるので、明らかにTRPVI 拮抗体よりも優れている!
実は、カプサイシンにも「PAK」遮断作用がある。2008年に韓国のグループによって、この物質が「PAK」を直接活性化するGタンパク質「RAC」を阻害することによって、「PAK」依存性の固形癌であるメラノーマの転移を抑制することがわかった。
「カプシエイト 」(「辛くない」誘導体)
「癌に効く、予防に良い!」と言われても、「甘党」の我が輩には、あんなに辛 いキムチを毎食ムシャムシャ食べるわけにはいかない。さて、1985年頃、矢 澤 進 のグループ(現在、京都大学農学部教授)が赤トウガラシの研究中、タイ 産の辛くないトウガラシを見つけ、「CHー19甘」と命名した。その後、京都 大学農学部教授の伏木 亨研究室や渡辺達夫 (現在、静岡県立大学) との共同研究 により、この変わったトウガラシには、カプサイシンの代わりに、その誘導体で あるカプシエイトが含まれていることが判明した。その構造上の違いは、カプサ イシン中にあるアミド結合が、カプシエイト中では、エステル結合になっている 。言いかえれば、アミド結合のアミノ基が酸素に置換してエステル結合になって いるに過ぎない。 両方とも同じレセプターに結合するが、カプシエイトは辛味の 感覚を全くもたらさない。しかしながら、カプサイシンと同様、交感神経を刺激 して、脂肪燃焼や体温上昇を促進する作用があることがわかった。
2006年には、これらのグループの共同研究によって、カプシエイトの経口投 与(10 mg/kg)を受けたマウスは、無処理のマウスに較べて、ずっと長時 間遊泳することができることが判明した。このスタミナ効果は、カプシエイトが 脂肪燃焼を促進することによって、グリコーゲンの消費を遅らせるためだ。
さて、カプサイシンやカプシエイトには、「PAK」遮断作用ばかりではなく、抗癌キナーゼ「AMPK」を活性化する作用もあることが2 005年に判明していた。「AMPK」活性剤は一般に、(グリコーゲンや糖の燃 焼の代わりに) 脂肪の燃焼を促する作用がある。従って、カプシエイトの「スタ ミナ」(持久力) 増強作用は、主に「AMPK」活性化によるのかもしれない。
仮に、オリンピックのマラソン競走、あるいは1500メートル競泳の決勝前に、 「キムチ」やカプシエイト(あるいは「CHー19甘」)をどっさり食べた場合、 「ドーピング法」違反になるだろうか? 往年の「フジヤマのトビウオ」古橋広 之進氏(80歳)が 十年ほど前、ローマで急逝されたそうだが、戦後まもなく古橋や 橋爪四郎が1500メートル競泳で活躍していた頃、豪州に大強敵が現れた。菜食主義者のマレー・ローズだ。ローズ(1939ー2012)は1956年のメルボルン五輪および1960年のローマ五輪の1500メートル競 泳で連勝して、圧倒的なスタミナを示した。その成功の秘密(兵器)は一体何だっ たろうか? その後、彼は米国のカルフォルニアに移住し、70歳を越えても 「マスター」部門の競泳で、あい変らず活躍していたが、とうとう白血病で亡く なった。 彼のあだ名は「稲妻の海藻」だっだ。 ワカメや昆布が主なスタミナ源 で、恐らく「PAK遮断作用のあるフコイダン」が原動力だったらしい。
さて、2003年にイタリアのジョバンニ・アペンディノらは、カプシエイトや その誘導体が抗癌作用を示すことを、少なくとも細胞培養系で確認している。従っ て、将来いつか、この辛くない「CHー19甘」をたっぷり食べて、癌やNFの 食餌療法が臨床に利用される日がくるかもしれない。日本では十数年前から、食 品会社「森永製菓」と「味の素」が共同で、「CHー19甘」製品を主に「体重 減量」促進剤(肥満対策の一環)および「冷え」解消剤として市販している。
♨「熱い温泉に浸かると、寿命が伸びる」と良く謂れる。体温の急上昇により、熱ショック蛋白 (HSP) 遺伝子が活性化され、(熱に弱い) 様々な「長寿蛋白」が 保護されるからである。しかしながら、HSP遺伝子の発現は通常、PAK により抑制されている。従って、温泉に漬かる前に、PAK遮断剤を経口すると、HSPの発現が 高まり易く、いわゆる「温泉効果」が倍加するはずである。。。
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