なお、SFN には、FK228 同様、HDACを阻害する作用があり、間接的にPAKを遮断していると考えられる。
既に市販されているPAK遮断剤「FK228」(Istodax) や「イベルメクチン」は分子量が大き過ぎて、BBB(血管脳関門)を通過できないので、脳腫瘍の治療には役立ないが、SFN は
(プロポリス同様) 分子量が小さいので、BBBを通過して、NF2などの脳腫瘍の治療や認知症などの"老化現象" の予防に役立つと思われる。
(薬効を逃さぬ) ブロッコリーの料理法:
SFNの元になるブロッコリー中の抗癌物質はチオ配糖体であり、水溶性で100度以上の熱処理には不安定である。 従って、上手に料理しないと、肝心の配糖体が料理中に失われてしまう。 例えば、ブロッコリーを水で茹でると配糖体は大部分、煮汁にきてしまう。 また、油で炒めると、壊れてしまうかもしれない。 従って、一番安全な料理法としては、蒸すか、あるいは薄く切ってマイクロウエーブで短時間 (2-3分) 加熱することをお勧めしたい。 勿論、味噌汁やスープの中で一緒に煮るのもよかろう。
なお、からし中の酵素は、加熱に弱いので、料理したブロッコリーが室温に冷めてから、からしを加えることが肝心である (2)。 からしの代わりに、「大根おろし」 を加えても、同じ効果がある。
カゴメ食品から「スルフォラファン」錠剤が通販されているという耳寄りな情報もある。一日3粒 (30 mg) 摂取すると、ブロッコリー1株に相当する薬効がある。料理の手間がはぶけるので、忙しい主婦には良報! ただし、「カゴメ食品の広告」から理解すれば、この錠剤は主に、ブロッコリー由来の "チオ配糖体" であり、錠剤からSFNを体内で生産するには、からし成分 (myrosinase) の助けが必要のようである。 つまり、"最大効果" を期待するならば、からしや大根おろしと併服すべきだろう。
1. Kim BG1, Fujita T2,3,4, Stankovic KM3,4, Welling DB4, Moon IS5, Choi JY5, Yun J6, Kang JS6, Lee JD1,3,4. Sulforaphane, a natural component of broccoli, inhibits vestibular schwannoma growth in vitro and in vivo. Sci Rep. 2016 Nov 2;6:36215.
2. Ghawi SK1, Methven L, Niranjan K. The potential to intensify sulforaphane formation in cooked broccoli (Brassica oleracea var. italica) using mustard seeds (Sinapis alba). Food Chem. 2013; 138(2-3):1734-41.
サプリメントによるSFNの吸収性の試験が行われています。結論としてはサプリメントでもSFNを生産できるとのことです。
返信削除http://www.kagome.co.jp/research/summary/100906_01/