2017年2月23日木曜日

「15K 」などPAK遮断剤に関する初の国内特許
#6082488取得!


【発明の名称】カルボキシル基により酸性になったPAK1遮断剤のエステル体の調製および癌やその他のPAK1依存性疾患治療への応用
発明者: 高橋秀明、宇都義浩、Binh Cao Quan Nguyen, Pham Thi Be Tu, 多和田真吉、丸田 浩
特許権者:  丸田 浩 (PAK Research Center), Melbourne, Australia.
登録日: 2017年1月27日


【書類名】特許請求の範囲
請求項1
 一般式(1)
【化1】
       
 

…(1)
(ただし、式(1)中、は,R-ケトロラック、アルテピリンCまたはコーヒー酸の脱カルボキシル体を示し、,o-フェノール、o-メトキシベンゼン、o-アニリン、o-アルギニンフェニルエステルおよびo-アミノヘキシルベンゼンからなる群から選ばれる化合物の脱水素体を示す。)で表される化合物、あるいはこの化合物の薬学的に許容される塩。
請求項2
 請求項1記載の化合物、あるいはこの化合物の薬学的に許容される塩を含有することを特徴とする医薬。
請求項3
 請求項1記載の化合物、あるいはこの化合物の薬学的に許容される塩を含有することを特徴とするPAK1遮断剤。
請求項4
 請求項1記載の化合物、あるいはこの化合物の薬学的に許容される塩を含有することを特徴とするPAK1依存性疾患の治療剤。
請求項5
 PAK1依存性疾患が、固形腫瘍、認知症、パーキンソン氏病、癲癇、炎症、感染症、糖尿病(2型)、高血圧、肥満症、鬱病、統合失調症、自閉症、頭痛、骨粗しょう症、過度の色素沈着および脱毛症から選ばれるものである請求項記載のPAK1依存性疾患の治療剤。
請求項6
 固形腫瘍が、膵臓癌、大腸癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮癌、悪性脳腫瘍(MPNST や Glioma)、良性脳腫瘍  (NF や TSC) および多発性骨髄腫から選ばれるものである請求項記載のPAK1依存性疾患の治療剤。
請求項7
 請求項1記載の化合物、あるいはこの化合物の薬学的に許容される塩を含有することを特徴とする化学療法または放射線治療による癌細胞の耐性軽減剤。
請求項8
 請求項1記載の化合物、あるいはこの化合物の薬学的に許容される塩を含有することを特徴とする癌細胞の増殖・転移予防剤。
請求項9
 請求項1記載の化合物、あるいはこの化合物の薬学的に許容される塩を含有することを特徴とするPAK1依存性疾患の薬物療法による耐性軽減剤。
請求項10
 請求項1記載の化合物、あるいはこの化合物の薬学的に許容される塩を含有することを特徴とする化粧料。
請求項11
 美白用である請求項10記載の化粧料。
請求項12
 育毛用である請求項10記載の化粧料。

上記の特許に関する参考文献:
Nguyen BC,  Takahashi H, Uto Y,  Shahinozzaman MD,  Tawata S, Maruta H.  1,2,3-Triazolyl ester of Ketorolac: a Click Chemistry-based highly potent PAK1-blocking cancer-killer. Eur. J. Med. Chem, 2017, 126, 270-6.

 上記特許に基づく 「独占的市場ライセンス」 の買い手を募集中! (Contact: maruta20420@yahoo.co.jp)

 上記特許の「花形」は、鎮痛剤「ケトロラック」のエステル化によって、合成された「15K 」である。 抗癌作用のIC50が 5-24 nMで、Triazolyl ester 中、最強の抗癌PAK遮断剤である。
受精卵で血管新生を強く抑制することも既に確認済みである。 従って、治験開始前に必須であるマウスを使う動物実験では、次の2つが主な課題 (焦点) になる:

一つは、ヒト由来の癌細胞をヌードマウスに移植して、その固形癌の増殖が「15K 」で抑制されることを実証すること。 もう一つは、認知症 (例えば、アルツハイマー病) のマウスモデルを使って、「15K 」 がBBB (血管脳関門) を通過して、認知症の進行を抑えることを確認すること。 両者とも証明されれば、「15K 」 がNFなどの脳腫瘍やその他の様々な脳疾患にも有効であることが大いに期待される。 上記の動物実験を早期に製薬会社などと共同で進めていきたい。

(1987年ノーベル賞に輝く) 利根川 進 (MIT教授) が設立した 「Afraxis」 は、数年前に一連のPAK阻害剤 (FRAXs) に関する "US特許" を取得し、それに基づく市場ライセンスを、大手製薬会社 「ロシュ」 に "200億円" で売却した。 しかし、FRAXs は水に不溶で、かつ細胞透過性が低い (研究用試薬にはなっても、医療には不適である)。 我々が開発したPAK遮断剤 (15K, 15C, 15A) は、水溶性で、かつ細胞透過性が高い。 従って、(医療) 市場価値は、少なくとも FRAXs 以上 であると考えてよかろう! 

 イソップ童話に喩えれば、「ウサギよりカメ」。 実は、利根川さんは我々の母校 (日比谷) の3年先輩。 悪名高い「学校群制度」で一度つぶされた名門「日比谷」も、最近、しだいに実力を盛り返しつつある。 いわゆる 「PAK難病の治療」 分野でも 「日比谷出身」 が大いに貢献できることを期待したい。

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