従って、PKC-ゼータも発癌キナーゼである可能性が強くなった。 ごく最近、 「PKC-ゼータ」を選択的に阻害する化合物が米国フロリダ州立大学で開発された。「Zeta-STAT」と呼ばれる硫酸基を3つも有する極めて酸性の化合物である。この化合物は予想通り、癌の増殖を抑える (2)。 しかしながら、極めて酸性なので、細胞透過性が極めて悪いことが予想される。 そこで、臨床への応用には、これらの硫酸基をよりアルカリ性のアミノ基に置換する必要があるだろう。
けだし、リビッド博士は、その昔 (ポスドク時代に) 、細胞性粘菌のミオシン=キナーゼ研究を、米国スタンフォード大学のジム=スピューディッチ教授 (私の旧友) の研究室でやっていた。そこで、彼女を久し振りに、今夏ボローニアで開催される癌学会に招待することに決めた。
参考文献:
1. Even-Faitelson L, Ravid S. PAK1
and aPKCzeta regulate myosin II-B phosphorylation: a novel signaling pathway
regulating filament assembly. Mol Biol Cell. 2006 ;17(7): 2869-81.
2. Anisul Islam SM, Patel R,
Acevedo-Duncan M. Protein Kinase C-ζ stimulates colorectal cancer cell
carcinogenesis via PKC-ζ/Rac1/Pak1/β-Catenin signaling cascade. Biochim Biophys
Acta. 2018 Feb 2.
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