従って、私の水平思考が正しければ、(NF2 遺伝子同様) CD300f は抗癌遺伝子の一種で、PAKを遮断している可能性が強い。 振り返ってみると、セラミド群の中には (化学構造の違いにより) 、PAK遮断作用をもっている物と、PAK活性化作用をもっている物がある。前者は、CD300fを活性化するリガンド、 後者は、その拮抗体と考えれば、その「不思議」 (相反する作用の由縁) が 納得できる。
このアレルギー過敏症のマウスの耳などを使用すれば、プロポリスや15k などのPAK遮断剤の薬効を、ごく「短時間」 (数時間) で 簡単に (in vivo ) 検定しうる可能性が出てきた。 特に癌治療の臨床テストでは、結果が出るまで数カ月もかかるのが通例だが、「アレルギー過敏症」患者を対象にすれば、(ツベルクリン検査のごとく) PAK遮断剤の薬効検定結果が数日で出る可能性がある。 時間と費用の大幅な短縮/節約になる!
この経口薬を "抗腫瘍剤" として使用する難点は、副作用となる免疫抑制 (感染症に弱くなる) である。従って、免疫抑制剤「ラパマイシン」と同様、その誘導体として、逆に"免疫能を高める" PAK遮断剤の開発が早急に望まれる。
参考文献:
Shiba E, Izawa K, Kaitani A, et al. Ceramide-CD300f Binding Inhibits
Lipopolysaccharide (LPS)-induced Skin Inflammation. J. Biol Chem. 2017 Feb 17; 292(7): 2924-2932.