発見当時 (1977年) には、ジョーダン博士は英国のLeeds 大学医学部薬理学教室に勤務していた医師だった。 British Medical Journal という雑誌に半ページほどのごく短い手紙を掲載した (1) のが、その発端になった。 以来、世界的に TAMが乳癌治療に使用されるようになり、製薬会社「アストラゼネカ」は、さぞホクホクだったに違いない。 しかしながら、その内に、TAM耐性の乳癌患者が続出してきた。 その原因を調べている内に、10年以上昔、我々はTAM耐性の乳癌をPAK遮断剤「FK228」で処理すると、増殖が完全に阻止されることを発見した (2)。 つまり、TAM耐性は、PAKの異常活性化によることが判明した。 実は、「エストロゲン受容体 (ER) はPAKを活性化し、更に、PAKはERを逆に活性化する」という「悪循環」が繰り返えされているのである。 それを絶つのが「プロポリス」などのPAK遮断剤である。
参考文献:
1。 Jordan VC. Effects of tamoxifen in relation to breast cancer. Br Med J. 1977 ;1 (6075):1534-5.
2. Y. Hirokawa, M. Arnold, H. Nakajima,
J. Zalcberg, H. Maruta, Signal therapy of breast cancer xenograft in mice by
the HDAC inhibitor FK228 that blocks the activation of PAK1 and abrogates the
tamoxifen-resistance, Cancer Biol. Ther. 4
(2005) 956–960.
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