さて、 この疾患が遺伝子病であることが、判明したのは、今から数年ほど前である。 遺伝子RIT1 上に突然変異が起こると発生することが、東北大学医学部の松原教授らによって、解明された (1)。 それでは、RIT1 (Ras Like Without CAAX 1) 蛋白には一体どんな機能があるのだろうか? 発癌性G 蛋白RAS に似た蛋白であるが、C末端に「CAAX 」というモチーフがない発癌性シグナル蛋白である。
それでは、 その直接の標的は一体何だろう? その標的がごく最近、北ドイツにあるハンブルグ大学病院 (UKE) の 研究グループ (Kerstin Kutsche etc) によって同定された! 標的は何んとPAK だった! RIT1 に変異が起こると、PAKを異常に活性化する (2)。 従って、NFと同様、プロポリスなどのPAK遮断剤で、「ヌーナン症候群」(俗にいう「キューピーちゃん病」) を治療しうるはずである!
因みに、 ドイツの「UKE」 は、欧州最大の大学病院で、10年以上昔、私が客員教授として一年間滞在し、プロポリス (Bio 30 ) が "NF" の治療に効果的であることを動物実験で実証した「ゆかりの地」である。
参考文献:
1. Aoki Y, Niihori T, Banjo T, et al. Gain-of-function mutations in RIT1 cause Noonan syndrome, a RAS/MAPK pathway syndrome. Am J Hum Genet. 2013; 93(1): 173-80.
2. Meyer Zum Büschenfelde U, Brandenstein L, von Elsner L, et al. RIT1
controls actin dynamics via complex formation with RAC1/CDC42 and PAK1.
PLoS Genet. 2018 May 7;14(5):e1007370.
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