2021年6月7日月曜日

遺伝学的実証: NF2 腫瘍の増殖はPAKに依存し、
かつ "PAK欠損" (マウス) 株は長生きする!
従って、人類もPAK遮断剤で「長生き」できるはず!

稀少難病NF2 (良性脳腫瘍) は、抗腫瘍遺伝子NF2 の機能不全により発症する。この事実が発見された直後 (1993年) に、我々はNF2 遺伝子が一連の"RAS癌" (スイ ゾウ癌、大腸癌、肺癌等) の増殖を抑えることを発見した:
A Tikoo, M Varga, V Ramesh, J Gusella, H Maruta. An anti-Ras function of neurofibromatosis type 2 gene product (NF2/Merlin). J Biol Chem. 1994; 269: 23387-90.
更に、我々は、2000年になって、RAS癌の増殖には、PAK1 が必須であることを発見し、2003年末には、 NF2 (メルリン) が PAK1 阻害蛋白であることを発見した。 2007年頃に、我々はPAK遮断剤の一つであるプロポリス等によって、NF2 腫瘍の増殖および転移が抑制されることを、少なくともマウスモデルで証明し、 NF 腫瘍のプロポリス (Bio 30) による治療を開始。
しかしながら、NF2 の増殖が実際に「PAK依存」であるという、直接の遺伝学的証明は未だなかった。 ごく最近 (本年6月) 、NF2 遺伝子/PAK1遺伝子ダブル欠損株 (マウス) で、NF2 腫瘍の増殖が抑制されると共に、「PAK1欠損株」マウスが長生きすることが、米国のインディアナ大学のチームによって、証明された。 詳しいデータは未だ発表されていないが、NF2 腫瘍がPAK依存性で、"副作用のない" PAK遮断剤 (プロポリスや沖縄フコイダンなど) によって、十分治療しうることが確立した!
Eric Hawlet , Jeffrey Gehlhausen , Sofiia Karchugina , et al. PAK1 inhibition reduces tumor size and extends the lifespan of mice in a genetically engineered mouse model of Neurofibromatosis Type 2 (NF2). Hum Mol Genet. 2021 Jun; ddab106.
前述したが、(水溶性の) PAK遮断染料である 「メチレンブルー」 (MB ) は、水槽中の魚の感染保護ばかりではなく、「うがい薬」として、虫歯予防や歯痛の緩和にも使用されているので、人畜無害! 目下、プロポリスや我々が開発したPAK遮断剤「15K」同様、MB が少なくとも線虫の寿命を延ばすことを実証中! なお、線虫の「PAK1欠損株」(RB689) が野生株より6割も長生きすることは、2013年に我々が実証済み!
Yanase, S., Luo, Y., Maruta, H. (2013). PAK1-deficiency/down-regulation reduces brood size, activates HSP16.2 gene and extends lifespan in Caenorhabditis elegans. Drug Discov Ther. 7: 29-35.
COVIDの場合、これまで、2億人が感染、その 2% (400 万人) が死亡。世界の人口 (約80億人) の中、NF (NF1/NF2) 患者は、その3千人に一人 (つまり 300 万人弱) である。 従って、COVID で死亡した患者数にほぼ近い。 よって、”稀少難病” とはいえ、その治療は膨大な仕事/課題である。 しかしながら、幸いにも、一連のPAK遮断剤で、COVID もNFも共に治療しうる! しかも、PAK遮断療法は「健康長寿」に通ずる。 これは、21世紀における医学上の「大発見」と言えよう!

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