この治療薬の開発の背景には、かなり長い歴史がある。 先ず、1960年に、米国フィ
ラデルフィアの癌研究者 (ピーター=ノウエル とデビッド=ハンガーフォード) が
CML (慢性骨髄性白血病) 患者の白血球の (22番目の) 染色体が、正常な白血球の
染色体に比べて、明らかに短い ( つまり、一部欠損している) ことを発見した時
点に始まる。 そして、この奇妙な染色体を「フィラデルフィア染色体」と名付け
た。 その後 (1973年に)、 シカゴ大学のジェーン=ローリーが、CML患者が余分な
DNAを9番目の染色体にもっていることを発見した。 更に詳しく調べてみると、22番
目から欠損した遺伝子が9番目の染色体に転移/転座していることが判明した。
その後、この転座により、BCR-ABL という融合発癌遺伝子が形成していることが
判明した。 この融合遺伝子は、正常なABL遺伝子より、異常に活性化され、発癌
の原因になっている。
その後 (1986年頃)、ABL遺伝子産物がチロシン=キナーゼの一種であることが、デ
ビッド=ボルチモア (MIT 癌研 のノーベル医学受賞者) らによって、発見された。 そこ
で、この発癌性 "ABL" キナーゼを阻害する薬剤を開発するというプロジェクトが、ス
イスのバーゼルにある「Novartis」 の前身であるチバーガイギーの研究所で始まっ
た。 このプロジェクトを主導したのが、(1983年にチバガイギーに就職した) ア
レックス=マター医師 (博士) だった。 先ず、彼はニック=ライドンという若い生
化学者を自分のチームに誘い込んだ。
もう一人、Gleevec の開発に重要な貢献をした医師が米国にいた。ボストンのダ
ナ=ファーバー癌研のブライアン=ドルーガー医師だった。 1988年に、ニックはブラ
イアンに面会して、如何にして、チロシン=キナーゼ (ABL) を阻害する薬剤を開発
すべきか、じっくり相談した。丁度その頃、イスラエルの (我が輩の友人である
) アレックス=レヴィツキーのチームが、EGFR などのチロシン=キナーゼに対する
一連の阻害剤を開発し始めた。 1990年に、 (ETH で博士号を取得した) 新鋭の有
機化学者、ユエルグ=ジンマーマンがマターのチームに加わった。そして、ユエル
グが合成した化合物を片っ端から、ニックらが ABLキナーゼを (選択的に) 阻害する
かどうか、検索し、それに合格した物を、ブライアンが動物実験や臨床実験で薬
効を確かめる、という作戦を遂行した。
1992年に、どうやら目的の阻害剤が見つかりつつあった。問題は、水溶性に乏し
いことだった。 1993年の春、「STI=571 」(後に「Gleevec 」と改名) という化
合物が、社内の「医薬品候補」となった! 丁度その頃、ブライアンは、ボスト
ンからオレゴン大学 (健康科学) の癌センターに転勤し、 Gleevec の薬効を動物
実験で確かめ始めた。さて、1996年に、サンドとチバガイギーが合併し、
「ノバルチス」製薬となった。 同じ頃、ブライアンは、Gleevec の臨床試験"準備"を開
始しつつ、Gleevec に関する研究論文を初めて、ネイチャー (医学) 誌に発表し
た。
1998年夏に、臨床 (フェーズ I) 試験が開始された。結局、149名のCML 患者が登
録された。 全員が「インターフェロン療法」に耐性! 一年後の試験結果は、副
作用なし! 勿論、多くのCML 患者の白血球から、例の「フィラデルフィア染色体」
が消えていった ("治療効果がある" という証拠!)。 会社は薬剤の増産を開始し、フェー
ズ II を 1999年5月に始めた。 米国のCML患者数は当時、約15、000 人。
全人口 (3億人の僅か 2万分の1! NF2 患者数より多少多い程度)。インターフェ
ロン療法では、半年後に 殆んど全員が死亡したが、Gleevec 療法では、生存率
90% だった! この結果から、会社は、臨床テスト開始2年半後 (2001年2月末)に
、FDA へ「新薬申請書」を提出した。 何んと3カ月後に、「Break-through 」
として承認された!
その後、Gleevec には、ABL ばかりではなく、KIT やPDGFR 等のチロシン=キナー
ゼをも阻害することが判明した。 実は、これらの発癌キナーゼの下流には、発癌
キナーゼ「 PAK 」が関与する。従って、Gleevec は、間接的に "PAKをも遮断"する
ので、NF腫瘍など (全ての固形腫瘍) の治療にも有効であることが判明した。 2009年
に、ブライアン=ドルーガーはGleevec の開発 (市販化) に貢献したことを讃えられ、「ラス
カー医学賞」をもらい、 2013年には、アレックス=マターが「セント=ジョルジー賞」をもらった。
2014年には、中国の研究グループによって、Gleevec に美白 (メラニン色素合
成を阻害する) 作用があることが報告された。実は、これは驚くべきことではな
い。というのは、丁度同じ時分に、我々は「メラニン色素合成にはPAKが必須」で
あることを突き止めたからだ。Gleevec は、"PAK遮断作用" によって、美白作用を発
揮する。 つまり、(長らく) 常用していると、
「フコイダン」同様、"美白" にもなる!
実は、アレックス=マター (82歳) は、Gleevec の市販に成功後、2004年頃から、
シンガポールの研究所を拠点にして、伝染病の治療薬を開発するプロジェクトを
主導しているようである。 そこで、来たる2023年に、シンガポールを久し振りに
訪れ、アレックスから、我々のPAK遮断剤「15K」の市販化への作戦 (極意!) を (何とか)
伝授してもらおうと計画している。。。
参考書:
詳しくは、ロバート=シュック著「新薬誕生」(小林 力 訳、2008年出版) の
第6章: グリーベックを参照されたし。
2022年12月31日土曜日
2022年12月30日金曜日
アストラゼネカ製「セルメチニブ」(Koselugo):
米国では、NF1 (小児: 3歳以上) 患者に 承認取得
(2020年4月) 、日本でも"承認" (だが、極めて「高価」)!
Gleevec (ジェネリック) なら 一錠 (100 mg) : 約600 円!
この薬剤 (セルメチニブ) は、「AZD6244」という名の下に、2007年頃に開発された "PAK" の下流にある発癌キナーゼ (MEK) に対する阻害剤。 韓国でも、2021年5月末に、使用許可!
"アレクシオン" ファーマ (アストラゼネカの傘下) は, 2022年9月27日、神経線維腫症1型(NF1)における叢状神経線維腫(PN)の適応で「コセルゴ カプセル10mg/25mg」(一般名=セルメチニブ硫酸塩)が26日に "日本" 国内で薬事承認されたと発表...
2022年11月 改訂(第2版): 薬価 ("億万長者" 向き)!
コセルゴカプセル 10mg : 12622.8円/カプセル
コセルゴカプセル 25mg : 30257.8円/カプセル
一般庶民には、(安価な「ジェネリック」が販売されるまで) 当分、「フ コイダン とビタミン D3 の併用 」をやはり、勧めた方が賢明!
(少なくとも) 動物実験では、この薬剤はNF2 腫瘍にも効くが、不幸にして、NF2 患者数 は (世界的に) NF1 患者数の10分の1に過ぎないので、NF2 患者への適用に関する 認可は、恐らく (早くても) 数年先だろう。 この薬剤の腫瘍細胞に対するIC50 は、10 micro M ("CAPE" や "Gleevec" とほぼ等しい!) で、我々 が開発した"PAK遮断剤"「15K 」の薬効 (IC50= 25 nM) の 「400分の1 」に過ぎない!
なお、米国の「NF2 IS」なる News Letter 欄 (2020年) によれば、 NF2 腫瘍患者を 対象にした Gleevec あるいは Selumetinib による臨床テストが進行中である。 詳しくは: https://www.nf2is.org/imatinib.php
Gleevec は、既に「ジェネリック」製品が市販されているので、ずっと安価である はず。。。
Gleevec 「ジェネリック」製品の情報: 一錠 (100 mg): 約 250-600 円!
http://www.generic.gr.jp/index_sr.php?mode=list&me_id=17187
"アレクシオン" ファーマ (アストラゼネカの傘下) は, 2022年9月27日、神経線維腫症1型(NF1)における叢状神経線維腫(PN)の適応で「コセルゴ カプセル10mg/25mg」(一般名=セルメチニブ硫酸塩)が26日に "日本" 国内で薬事承認されたと発表...
2022年11月 改訂(第2版): 薬価 ("億万長者" 向き)!
コセルゴカプセル 10mg : 12622.8円/カプセル
コセルゴカプセル 25mg : 30257.8円/カプセル
一般庶民には、(安価な「ジェネリック」が販売されるまで) 当分、「フ コイダン とビタミン D3 の併用 」をやはり、勧めた方が賢明!
(少なくとも) 動物実験では、この薬剤はNF2 腫瘍にも効くが、不幸にして、NF2 患者数 は (世界的に) NF1 患者数の10分の1に過ぎないので、NF2 患者への適用に関する 認可は、恐らく (早くても) 数年先だろう。 この薬剤の腫瘍細胞に対するIC50 は、10 micro M ("CAPE" や "Gleevec" とほぼ等しい!) で、我々 が開発した"PAK遮断剤"「15K 」の薬効 (IC50= 25 nM) の 「400分の1 」に過ぎない!
なお、米国の「NF2 IS」なる News Letter 欄 (2020年) によれば、 NF2 腫瘍患者を 対象にした Gleevec あるいは Selumetinib による臨床テストが進行中である。 詳しくは: https://www.nf2is.org/imatinib.php
Gleevec は、既に「ジェネリック」製品が市販されているので、ずっと安価である はず。。。
Gleevec 「ジェネリック」製品の情報: 一錠 (100 mg): 約 250-600 円!
http://www.generic.gr.jp/index_sr.php?mode=list&me_id=17187
2022年12月29日木曜日
小林政子訳 「最後のヴァイキング」
ローアル・アムンセンの生涯 (2017)
「地上の探険」Golden-Era は終わった!
我が輩は「月並み」の冒険家/登山家で、北極点や南極点に達したことはないし、エベレス
トの頂点にも達したことはない。 我が輩は、自分自身の選んだ「エベレスト」
(「PAK」と呼ばれる病原/加齢キナーゼ) を究めつつある研究者に過ぎない。しか
しながら、エベレストの頂点に初めて到達したヒラリー郷やテンジン (シェルパ
) の快挙や、南北 (両) 極点に初めて到達したアムンセンの快挙に、脱帽せざるを
得ないし、そこに到達するまでの 困難なプロセスから学ぶことが極めて多い。
さて、我が輩の昔の「邦訳の相棒」(小林さん) が、数年前に、アムンセンに関す る評伝を邦訳して、出版したことを、(紀伊国屋のサイトで) 最近知った。 未だ 読んでいないが、"実際に南極点に達した経験のある日本人冒険家"が、絶賛してい るので、 (多少長くなるが) "絶妙の" 書評 at Amazon.co.jp を参考までに、ここに "転載" して、紹介したい。。。
僕 (阿部雅龍: 2019年1月、日本人初踏破の「メスナールート」による南極点単独徒歩到達=918 kmを達成) のように南極点に到達したという実体験から、この人物を語れる日本人は少ないだろう。 人類史上初めて北極点と南極点に到達し、極地冒険史上で燦然と輝く冒険家であるローアル・アムンセン。南極ではアムンセン隊とスコット隊、白瀬矗 (同郷の大先輩) 隊との南極点争奪レースが繰り広げられた。 冷徹かつ完璧な冒険家というイメージをずっと持っていたが、この本で覆された。原文も素晴らしいのだろうが、"訳が秀一" だ。
遠征の旅に借金を重ね、多額の資金獲得の為に走り回る。エンタメと冒険を組み合わせ、アムンセン自身は一流の冒険家でありながら、一流のショーマンでもあった。記念切手を売り、新聞社との独占契約をとり、ミディアミックス的に冒険という商品を売り出していく。現代冒険でも主だって取られる手法を開拓したのは彼だった。 真のヒーローたる人間でありながらも、運命に押し流され、老年に差し掛かった最後は, 遭難者の救助の為に向かった北極に消えていく。
南極探検英雄時代は超人的な冒険家たちが活躍したが、その中でアムンセンは名実ともに随一の存在だ。犬ゾリで南極点に到達した際も、積んだ食糧や燃料などが減りソリが軽くなるため、帰路に犬を射殺して食糧にする事を予定に組み込み、犬ゾリのスキルはイヌイットたちから学び、探検隊の分裂を防ぐ為に船長と隊長を兼ねて遠征に出るというスタイル(船長と隊長というリーダーが2人いると隊は分裂しやすい)で隊を見事にまとめ上げるリーダーシップを発揮する。 アムンセンが書いた自伝を読むと、あっさりと南極点に到達したかの如く見えたが、 この本を読むと南極遠征の苦労がありありと見えてくる。
21歳で両親をなくし、探検を志し、北西航路を船で航海し、犬ゾリで南極点へ、飛行船で北極点へ。行き先ばかりか手法までも次々と変え、目標を達成していく。 これらの1つのみでも大冒険なのだが、それに満足せず歩みを続ける。 1つの冒険を達成すれば生涯生きていくだけの十分な資産が講演などで手に入ったはずだ。 アムンセンは安楽を貪ることをせず、資産を全て次の遠征に注ぎ込むばかりか、借金まで重ねていく。 生涯を通して安定する事は決してなく、次なる窮地に自ら飛び込んでいく。 どうしてそこまで・・・と思う人の方が多いだろう。 お金は彼にとって夢を叶える手段でしかなかった。 資料を元に客観的な文章が続いていくが、スポンサード (Sponsored ?) しながら冒険をしている僕自身にとっては他人事ではなかった。 時代は違えども、現代冒険家たちと丸っきり同じじゃないか。 新たな冒険のアイデアを生み出し、資金獲得に駆け回る。 時代は違えども、その歓喜も悲哀も自らの事として痛切に感じる。
彼は"鉄の意志を持った傑物"だったのは間違いないのだが、どこまでも不器用、であるにも関わらず、世間は彼の気持ちなどお構いなしに、遠征の成否で上げたり下げたりしてくる。 プロとして生きるという事はそういう事なのだが、精神的にも疲弊してくるアムンセンの姿が後半になるほどに痛々しい。長年の冒険で身体がボロボロになって行く描写もあり、医者には、「長生きしたければ冒険を止めろ」と忠告される。 過酷な現場に出続けるという生き方が、いかに苦しい生き方なのかと思わされる。
それでもアムンセンが掻き立てられるように冒険に向かったのは、誰よりも "ロマンチスト" であり、ロマンを冒険で体現して生きる男であったのだろうと僕は感じた。 不器用な生き様ではあるが、信念を貫いた男の生き方として僕は憧れる。 また、この本ではヒロイックな冒険家の、決してヒロイックとは言えない恋愛事情まで語られる。 この部分が実に人間らしく、かえって彼を好きになれる。
アムンセンと言えば、スコット隊との南極点レースの印象から、好かない 読者も多いだろうが、そういう人にこそ、この"等身大のアムンセン"を知って欲しい。 きっと、この人物が好きになる。 そして、リアルを知ってこそ、彼の偉大さがわかる。
我が輩が幾つかの書評を読んで感じたことは:
1。 南極点に (犬ソリで) 一番乗りを果たした (ノルウエーの) アムンゼンは「プロ」(準備周到) であるが、(馬ソリで) 二番手に終わった (英国の) スコットは、残念ながら、所謂 「アマチュア」(準備不足) だった。
2。 エベレストを初登頂したヒラリー郷は、その後南極点にも達したが、結 局 (米寿まで) 長生きしたが、アムンゼンは冒険のために、身体を酷使し、結局 (北極海で) 「遭難」、短命 (55歳!) に終わった (遺体は未だに回収されていない!) 。 我が輩は、 できれば「前者」の (或いは、免疫学者「バーネット」のような) スマートな生き方 (健康長寿) を選びたい。。。(読者が) 登山家なら、井上靖の実話小説「氷壁」と比べながら読むと面白い。。。
アムンゼンは、1911年に人類史上初めて南極点への到達に成功、1926年には飛行船 で北極点へ到達! そして、1953年にはヒラリーとテンジンが最高峰エベレスト の頂点に立った。以後、既に70年近い月日が経っている。いわゆる「地上の探険 時代」は、もう終わった! 新しいルートで、南極点やエベレスト山頂などに到 達する「探険」は、ある意味で「自己満足」に過ぎない! それだけのエネルギー と知恵があったら、 地球上で、様々な病気やその他の理由 (例えば、戦争や飢饉や貧困 ) で苦しんでいる人々のために、(ヒラリー郷の如く)、それをフルに利用してもらいたい!
さて、我が輩の昔の「邦訳の相棒」(小林さん) が、数年前に、アムンセンに関す る評伝を邦訳して、出版したことを、(紀伊国屋のサイトで) 最近知った。 未だ 読んでいないが、"実際に南極点に達した経験のある日本人冒険家"が、絶賛してい るので、 (多少長くなるが) "絶妙の" 書評 at Amazon.co.jp を参考までに、ここに "転載" して、紹介したい。。。
僕 (阿部雅龍: 2019年1月、日本人初踏破の「メスナールート」による南極点単独徒歩到達=918 kmを達成) のように南極点に到達したという実体験から、この人物を語れる日本人は少ないだろう。 人類史上初めて北極点と南極点に到達し、極地冒険史上で燦然と輝く冒険家であるローアル・アムンセン。南極ではアムンセン隊とスコット隊、白瀬矗 (同郷の大先輩) 隊との南極点争奪レースが繰り広げられた。 冷徹かつ完璧な冒険家というイメージをずっと持っていたが、この本で覆された。原文も素晴らしいのだろうが、"訳が秀一" だ。
遠征の旅に借金を重ね、多額の資金獲得の為に走り回る。エンタメと冒険を組み合わせ、アムンセン自身は一流の冒険家でありながら、一流のショーマンでもあった。記念切手を売り、新聞社との独占契約をとり、ミディアミックス的に冒険という商品を売り出していく。現代冒険でも主だって取られる手法を開拓したのは彼だった。 真のヒーローたる人間でありながらも、運命に押し流され、老年に差し掛かった最後は, 遭難者の救助の為に向かった北極に消えていく。
南極探検英雄時代は超人的な冒険家たちが活躍したが、その中でアムンセンは名実ともに随一の存在だ。犬ゾリで南極点に到達した際も、積んだ食糧や燃料などが減りソリが軽くなるため、帰路に犬を射殺して食糧にする事を予定に組み込み、犬ゾリのスキルはイヌイットたちから学び、探検隊の分裂を防ぐ為に船長と隊長を兼ねて遠征に出るというスタイル(船長と隊長というリーダーが2人いると隊は分裂しやすい)で隊を見事にまとめ上げるリーダーシップを発揮する。 アムンセンが書いた自伝を読むと、あっさりと南極点に到達したかの如く見えたが、 この本を読むと南極遠征の苦労がありありと見えてくる。
21歳で両親をなくし、探検を志し、北西航路を船で航海し、犬ゾリで南極点へ、飛行船で北極点へ。行き先ばかりか手法までも次々と変え、目標を達成していく。 これらの1つのみでも大冒険なのだが、それに満足せず歩みを続ける。 1つの冒険を達成すれば生涯生きていくだけの十分な資産が講演などで手に入ったはずだ。 アムンセンは安楽を貪ることをせず、資産を全て次の遠征に注ぎ込むばかりか、借金まで重ねていく。 生涯を通して安定する事は決してなく、次なる窮地に自ら飛び込んでいく。 どうしてそこまで・・・と思う人の方が多いだろう。 お金は彼にとって夢を叶える手段でしかなかった。 資料を元に客観的な文章が続いていくが、スポンサード (Sponsored ?) しながら冒険をしている僕自身にとっては他人事ではなかった。 時代は違えども、現代冒険家たちと丸っきり同じじゃないか。 新たな冒険のアイデアを生み出し、資金獲得に駆け回る。 時代は違えども、その歓喜も悲哀も自らの事として痛切に感じる。
彼は"鉄の意志を持った傑物"だったのは間違いないのだが、どこまでも不器用、であるにも関わらず、世間は彼の気持ちなどお構いなしに、遠征の成否で上げたり下げたりしてくる。 プロとして生きるという事はそういう事なのだが、精神的にも疲弊してくるアムンセンの姿が後半になるほどに痛々しい。長年の冒険で身体がボロボロになって行く描写もあり、医者には、「長生きしたければ冒険を止めろ」と忠告される。 過酷な現場に出続けるという生き方が、いかに苦しい生き方なのかと思わされる。
それでもアムンセンが掻き立てられるように冒険に向かったのは、誰よりも "ロマンチスト" であり、ロマンを冒険で体現して生きる男であったのだろうと僕は感じた。 不器用な生き様ではあるが、信念を貫いた男の生き方として僕は憧れる。 また、この本ではヒロイックな冒険家の、決してヒロイックとは言えない恋愛事情まで語られる。 この部分が実に人間らしく、かえって彼を好きになれる。
アムンセンと言えば、スコット隊との南極点レースの印象から、好かない 読者も多いだろうが、そういう人にこそ、この"等身大のアムンセン"を知って欲しい。 きっと、この人物が好きになる。 そして、リアルを知ってこそ、彼の偉大さがわかる。
我が輩が幾つかの書評を読んで感じたことは:
1。 南極点に (犬ソリで) 一番乗りを果たした (ノルウエーの) アムンゼンは「プロ」(準備周到) であるが、(馬ソリで) 二番手に終わった (英国の) スコットは、残念ながら、所謂 「アマチュア」(準備不足) だった。
2。 エベレストを初登頂したヒラリー郷は、その後南極点にも達したが、結 局 (米寿まで) 長生きしたが、アムンゼンは冒険のために、身体を酷使し、結局 (北極海で) 「遭難」、短命 (55歳!) に終わった (遺体は未だに回収されていない!) 。 我が輩は、 できれば「前者」の (或いは、免疫学者「バーネット」のような) スマートな生き方 (健康長寿) を選びたい。。。(読者が) 登山家なら、井上靖の実話小説「氷壁」と比べながら読むと面白い。。。
アムンゼンは、1911年に人類史上初めて南極点への到達に成功、1926年には飛行船 で北極点へ到達! そして、1953年にはヒラリーとテンジンが最高峰エベレスト の頂点に立った。以後、既に70年近い月日が経っている。いわゆる「地上の探険 時代」は、もう終わった! 新しいルートで、南極点やエベレスト山頂などに到 達する「探険」は、ある意味で「自己満足」に過ぎない! それだけのエネルギー と知恵があったら、 地球上で、様々な病気やその他の理由 (例えば、戦争や飢饉や貧困 ) で苦しんでいる人々のために、(ヒラリー郷の如く)、それをフルに利用してもらいたい!
2022年12月27日火曜日
ボブ=ブラウン: 政党「Greens」の創始者
自然環境の保全と人権保護のために戦う!
豪州初の「ノーベル平和賞」に値する活動家!
「紳士的な革命家」と呼ばれている豪州の「Greens」の創始者、ボブ=ブラウン医
師は、78年前の本日 (1944年12月27日) にシドニーの郊外で誕生した。先ず、彼
の誕生日を心から祝いたい! 父親 (ジャック) は祖父についで、警察官だったそ
うである。 本人は、名門シドニー大学医学部卒の開業医。 1972年にタスマニア島 (州) に移住。
実は、ボブが ("姉弟" 関係の双生児として) 産まれたのは、戦争中の最中で、日 本軍が沖から砲撃を繰り返していたという。だから、父親は応戦に急がしく、妻 が大変なお産の最中に、病院に駆けつけられなかったそうである。姉のジャンが 先に産まれ、(辛抱強い) ボブは30分後に産まれて来たので、父親曰く、「ボブは、 何時も紳士的だ」と賞賛したそうである。。。ボブは後に (1983年頃)、「森林保護」を旗印に、世界初の 「Greens」という政党を「タスマニア島を拠点」にして結成するが、ロシア革命 を始めたレーニンと違って、「紳士的 (柔和) な革命家」と呼ばれるようになった。
豪州の「Greens」は、いわゆる二大政党 (労働党と自民党) に次ぐ、"第3政党"とし て活躍し、主に大都市 (メルボルン、シドニー、キャンベラ等) の "インテリ層" か ら支持を受け、有権者全体の約10% から支持されている、いわゆる "革新" (左派) 政党 である。主なスローガンは、環境保全 (地球温暖化の阻止) 、少数派 (特に 戦争避難民) の人権保護、戦争 (イラク戦争やアフガン戦争) への関与に反対する "平和主義" な どである。 20年間「Greens」の党首を務めた後、2012年に独自の「Bob Brown 財団」を設立し て、環境保全のための闘争を継続している。
実は、2004年にボブ=ブラウンの英文評伝が豪州で出版されたので、我が輩は早速、 「邦訳の相棒」 (外務省出身の小林政子さん) と共に、その邦訳を出版する企画 を立て、環境問題に熱心なアルピニスト (野口健さん) からも、推薦の言葉を頂く予定になっていたが、残念ながら、肝心の出版社が日本国内に見つからず、企画を止むなく 断念した!
実は、ケニアのワンガリ=マータイ女史 (1940-2011) が、1977年に彼女が始めた、いわゆる「Green Belt Movement」(植林運動) のお蔭で、 2004年にノーベル平和賞を貰ったために、日本の 出版界は、その自伝などに基づいて、数社が挙って、「勿体ない」とか「へこた れない」とか言う短いキャッチフレーズを付けて、 大小数冊の邦訳を出版したた め、ボッブ=ブラウンの評伝は、すっかり影が薄くなってしまった!
「権威主義」の日本では、「ノーベル受賞」という「お墨付き」がないと、伝記の 邦訳を引き受けてくれる出版社が中々見つからない! ノーベル医学賞に輝く 「マックファーレン=バーネット」 (メルボルンの免疫学者) や「シドニー=ブレナー」("南ア生まれ" の線虫学 者)、ノーベル文学賞に輝く「パール=バック女史」( "中国育ち" の "東西の架け橋") の伝記 (評伝/自 伝) の邦訳の出版には (1995年-2005年) に、何とか成功したが。。。願わくば、 我が輩が未だ生きているうち (せいぜい「10年」以内!) に、ボブ=ブラウンがノーベル平和賞に輝くことを心 から祈っている。。。 日本の「グリーン党首」だった「紋次郎」(中村敦夫氏) も、 きっとそう願っているに違いない。 我々 "老世代" (in twilight-zone) には、「時間切れ」が刻々と迫っている!
実は、ボブが ("姉弟" 関係の双生児として) 産まれたのは、戦争中の最中で、日 本軍が沖から砲撃を繰り返していたという。だから、父親は応戦に急がしく、妻 が大変なお産の最中に、病院に駆けつけられなかったそうである。姉のジャンが 先に産まれ、(辛抱強い) ボブは30分後に産まれて来たので、父親曰く、「ボブは、 何時も紳士的だ」と賞賛したそうである。。。ボブは後に (1983年頃)、「森林保護」を旗印に、世界初の 「Greens」という政党を「タスマニア島を拠点」にして結成するが、ロシア革命 を始めたレーニンと違って、「紳士的 (柔和) な革命家」と呼ばれるようになった。
豪州の「Greens」は、いわゆる二大政党 (労働党と自民党) に次ぐ、"第3政党"とし て活躍し、主に大都市 (メルボルン、シドニー、キャンベラ等) の "インテリ層" か ら支持を受け、有権者全体の約10% から支持されている、いわゆる "革新" (左派) 政党 である。主なスローガンは、環境保全 (地球温暖化の阻止) 、少数派 (特に 戦争避難民) の人権保護、戦争 (イラク戦争やアフガン戦争) への関与に反対する "平和主義" な どである。 20年間「Greens」の党首を務めた後、2012年に独自の「Bob Brown 財団」を設立し て、環境保全のための闘争を継続している。
実は、2004年にボブ=ブラウンの英文評伝が豪州で出版されたので、我が輩は早速、 「邦訳の相棒」 (外務省出身の小林政子さん) と共に、その邦訳を出版する企画 を立て、環境問題に熱心なアルピニスト (野口健さん) からも、推薦の言葉を頂く予定になっていたが、残念ながら、肝心の出版社が日本国内に見つからず、企画を止むなく 断念した!
実は、ケニアのワンガリ=マータイ女史 (1940-2011) が、1977年に彼女が始めた、いわゆる「Green Belt Movement」(植林運動) のお蔭で、 2004年にノーベル平和賞を貰ったために、日本の 出版界は、その自伝などに基づいて、数社が挙って、「勿体ない」とか「へこた れない」とか言う短いキャッチフレーズを付けて、 大小数冊の邦訳を出版したた め、ボッブ=ブラウンの評伝は、すっかり影が薄くなってしまった!
「権威主義」の日本では、「ノーベル受賞」という「お墨付き」がないと、伝記の 邦訳を引き受けてくれる出版社が中々見つからない! ノーベル医学賞に輝く 「マックファーレン=バーネット」 (メルボルンの免疫学者) や「シドニー=ブレナー」("南ア生まれ" の線虫学 者)、ノーベル文学賞に輝く「パール=バック女史」( "中国育ち" の "東西の架け橋") の伝記 (評伝/自 伝) の邦訳の出版には (1995年-2005年) に、何とか成功したが。。。願わくば、 我が輩が未だ生きているうち (せいぜい「10年」以内!) に、ボブ=ブラウンがノーベル平和賞に輝くことを心 から祈っている。。。 日本の「グリーン党首」だった「紋次郎」(中村敦夫氏) も、 きっとそう願っているに違いない。 我々 "老世代" (in twilight-zone) には、「時間切れ」が刻々と迫っている!
2022年12月26日月曜日
(発癌性の) PAK-TOR シグナル経路:
我々の寿命を短縮している!
「フコイダン」や 「D3」はそれを阻止!
ごく最近 (2020年に)、 ドイツのキール大学 (トム=レーダー教授) のグループが
ショウジョウバエを実験材料に使用して、興味深い実験結果を得た (1)!
さて、2004年頃、米国「CalTech」の シーモア=ベンツァー (1921 - 2007) の研究室 (ショウジョウバエの遺伝学で有名!) で、TOR 欠損株が野生株に比べて長生きすることを発見した。 数年後 、マウスをラパマイシン (TOR阻害剤) で処理すると、矢張り長生きすることが証明された!
ドイツのグループは、ショウジョウバエを海藻 (特に褐色の) のエキス (1 mg/ml) をショウジョウバエの餌に加えてやると、矢張り寿命が延びることを発見した。 特に面白いのは、TOR 欠損株に (このエキスを) 与えても、もはや寿命の延長は見られなかった。 そこで、結論としては、この海藻エキスに "TOR" (発癌キナーゼの一種) を阻害する物質が含れているに違いない、と結論した。
我が輩が (ごく最近得た) ホットな知識によれば、海藻由来のフコイダンには、PAK遮断作用ばかりではなく、TOR阻害作用もある。 従って、どうやら、(発癌性の) PAK-TOR シグナル経路が、(少なくとも、マウス、蝿、線虫では) 寿命を縮めているらしい。。。
参考文献:
1. Yang Li , Renja Romey-Gl??ing , Navid Tahan Zadeh et al (2020).
Furbellow (Brown Algae) Extract Increases Lifespan in Drosophila by Interfering with TOR-Signaling. Nutrients. ;12(4):1172.
さて、2004年頃、米国「CalTech」の シーモア=ベンツァー (1921 - 2007) の研究室 (ショウジョウバエの遺伝学で有名!) で、TOR 欠損株が野生株に比べて長生きすることを発見した。 数年後 、マウスをラパマイシン (TOR阻害剤) で処理すると、矢張り長生きすることが証明された!
ドイツのグループは、ショウジョウバエを海藻 (特に褐色の) のエキス (1 mg/ml) をショウジョウバエの餌に加えてやると、矢張り寿命が延びることを発見した。 特に面白いのは、TOR 欠損株に (このエキスを) 与えても、もはや寿命の延長は見られなかった。 そこで、結論としては、この海藻エキスに "TOR" (発癌キナーゼの一種) を阻害する物質が含れているに違いない、と結論した。
我が輩が (ごく最近得た) ホットな知識によれば、海藻由来のフコイダンには、PAK遮断作用ばかりではなく、TOR阻害作用もある。 従って、どうやら、(発癌性の) PAK-TOR シグナル経路が、(少なくとも、マウス、蝿、線虫では) 寿命を縮めているらしい。。。
参考文献:
1. Yang Li , Renja Romey-Gl??ing , Navid Tahan Zadeh et al (2020).
Furbellow (Brown Algae) Extract Increases Lifespan in Drosophila by Interfering with TOR-Signaling. Nutrients. ;12(4):1172.
2022年12月25日日曜日
病原キナーゼ (PAK) に拮抗する主な抗癌遺伝子:
NF1、 NF2、PTEN、RB、p53、LKB1 等
NF2腫瘍の治療に、PAK遮断剤とTOR阻害剤の併用!
病原キナーゼ (PAK) に拮抗する遺伝子産物の歴史は、抗癌遺伝子 NF2 から生産される「メルリン」がPAK を直接阻害することを、我々が2003年に発見した時点に、遡ることができる。 以後、様々な抗癌遺伝子産物が、PAK を阻害あるいは遮断することが続々判明した。言い換えれば、大部分の固形癌は、PAKを遮断すれば、(副作用なしに) 治療可能である!
NF1 産物は RAS GAPの一種で、RAS の機能を阻害することによって、下流のPAK を遮断する。 PTEN産物 は、フォスファターゼの一種で、PAKを脱燐酸化して、それを不活化する。LKB1 産物は 抗癌キナーゼで、PAK を燐酸化して、不活化する。同時に AMPK と呼ばれる抗癌キナーゼを (逆に) 活性化する。 この LKB1 に関する研究は、我が輩の (東大時代の) 友人で、 京大医学部の武藤 誠 (教授、北野病院の研究部長と兼任) らの2010年頃の研究による。 RB については、前述した。
さて、つい最近のNF2に関するレビューを読んでいたら、面白い記事が見つかった。 実は、2012年頃に、Jim Gusella の研究室で、メルリンのもう一つの標的を見つ けていた。それは「TOR 」と呼ばれる発癌キナーゼである (1)。 従って、メルリ ンはPAK 以外に、TOR を阻害しているようである。言い換えれば、TORの阻害剤 (例えば TORin 1, IC50=250 nM) によっても、NF2 腫瘍の増殖が抑制されるらし い。 従って、理論的には、PAK遮断剤とTOR阻害剤を併用すると、NF2腫瘍の治療 がより効果的になるはず!
海藻由来のフコイダンがNF腫瘍に効く、と前述したが、ごく最近の中国 (チンタオ 大学) の研究チームによれば、フコイダンは (「PAK」を遮断するばかりではなく )、「TOR」も阻害する (2)。 従って、フコイダン自体でも 「鬼に金棒」!
更に、(NF 腫瘍の治療に) フコイダンとビタミン D3 の併用を勧めているが、実は D3 には、(「PAK遮断」ばかりではなく)、TOR を阻害する作用もあることが、判 明した (3)。従って、フコイダンとD3の併用を引き続き、推奨したい! Merry X'mas and Happier 2023!
参考文献:
1. MF James, E Stivison, R Beauchamp, S Han, H Li, MR Wallace, JF Gusella,et al (2012).
Regulation of mTOR complex 2 signaling in neurofibromatosis 2-deficient target cell types.
Mol Cancer Res.;10(5):649-59.
2. Nan Zhang , Meilan Xue , Qing Wang , et al (2021).
Inhibition of fucoidan on breast cancer cells and potential enhancement of their sensitivity to chemotherapy by regulating autophagy.
Phytother Res. ;35(12):6904-6917.
3. A Al-Hendy , MP Diamond , TG Boyer , SK Halder (2016).
Vitamin D3 Inhibits Wnt/β-Catenin and mTOR Signaling Pathways in Human Uterine Fibroid Cells.
J Clin Endocrinol Metab. ;101(4):1542-51.
NF1 産物は RAS GAPの一種で、RAS の機能を阻害することによって、下流のPAK を遮断する。 PTEN産物 は、フォスファターゼの一種で、PAKを脱燐酸化して、それを不活化する。LKB1 産物は 抗癌キナーゼで、PAK を燐酸化して、不活化する。同時に AMPK と呼ばれる抗癌キナーゼを (逆に) 活性化する。 この LKB1 に関する研究は、我が輩の (東大時代の) 友人で、 京大医学部の武藤 誠 (教授、北野病院の研究部長と兼任) らの2010年頃の研究による。 RB については、前述した。
さて、つい最近のNF2に関するレビューを読んでいたら、面白い記事が見つかった。 実は、2012年頃に、Jim Gusella の研究室で、メルリンのもう一つの標的を見つ けていた。それは「TOR 」と呼ばれる発癌キナーゼである (1)。 従って、メルリ ンはPAK 以外に、TOR を阻害しているようである。言い換えれば、TORの阻害剤 (例えば TORin 1, IC50=250 nM) によっても、NF2 腫瘍の増殖が抑制されるらし い。 従って、理論的には、PAK遮断剤とTOR阻害剤を併用すると、NF2腫瘍の治療 がより効果的になるはず!
海藻由来のフコイダンがNF腫瘍に効く、と前述したが、ごく最近の中国 (チンタオ 大学) の研究チームによれば、フコイダンは (「PAK」を遮断するばかりではなく )、「TOR」も阻害する (2)。 従って、フコイダン自体でも 「鬼に金棒」!
更に、(NF 腫瘍の治療に) フコイダンとビタミン D3 の併用を勧めているが、実は D3 には、(「PAK遮断」ばかりではなく)、TOR を阻害する作用もあることが、判 明した (3)。従って、フコイダンとD3の併用を引き続き、推奨したい! Merry X'mas and Happier 2023!
参考文献:
1. MF James, E Stivison, R Beauchamp, S Han, H Li, MR Wallace, JF Gusella,et al (2012).
Regulation of mTOR complex 2 signaling in neurofibromatosis 2-deficient target cell types.
Mol Cancer Res.;10(5):649-59.
2. Nan Zhang , Meilan Xue , Qing Wang , et al (2021).
Inhibition of fucoidan on breast cancer cells and potential enhancement of their sensitivity to chemotherapy by regulating autophagy.
Phytother Res. ;35(12):6904-6917.
3. A Al-Hendy , MP Diamond , TG Boyer , SK Halder (2016).
Vitamin D3 Inhibits Wnt/β-Catenin and mTOR Signaling Pathways in Human Uterine Fibroid Cells.
J Clin Endocrinol Metab. ;101(4):1542-51.
2022年12月24日土曜日
「日台」間のチームワークにより、
「網膜芽細胞腫」(RB) の治療法が確立
次は、「RAS 癌」 や 「NF 腫瘍」の治療法の実用化!
さて、世界各国の平均 「IQ 」順位 (2022年の集計) によれば、1位
「台湾」(IQ=116)、2位「日本」(IQ=113) 、3位「ハンガリー」(IQ=111)、4位
「韓国」(IQ=111) だそうだ。首位の台湾に追い付き、更に追い越すためには、
日本人はもっと天然の「PAK遮断剤」を常用する必要がある!
COVID 対策で大活躍した台湾の「鉄人」大臣 の「相棒」(天才「 IT」 担
当大臣: Audrey Tang) の IQ は180
以上 (高過ぎて、計測不可能!) だそうだ。 他方、日本の内閣の大臣たちは、「低
能ばかり」!
我が輩の親友で、台湾出身の李文華博士は、奥さん (玉華) と共に、 渡米して、カルフォルニア州立大学 (UCバークレー校) で博士号を取得した後、 UCSDで、1987年に世界初の抗癌遺伝子「RB」 を発見した (1)! 以後、p53、 NF1、 NF2, PTEN などの抗癌遺伝子が続々と発見された!
未だこの分野では (誰 も) ノーベル賞はもらっていないが、何時受賞しても不思議ではない!
李博士夫妻は "台湾" 出身の「キューリー夫妻」と呼ばれている。 我が輩は "RB" の発見を聞いて、UCSD をおさらばして、メルボルンの癌研に転勤し、 (副作用のない) 「抗癌剤」(=PAK遮断剤など) の開発研究に乗り出した。。 少なくとも人類では、"GM" (欠損した遺伝子を補充する) 治療は、不可能だ からだ! 癌治療に必要なのは、「欠損した遺伝子、例えば 「NF2 」等、の代わりをする薬剤」を開発することであ る! つまり、"実用的な" 創薬には、しばしば「発想の転換」或いは「戦術の変 更」が必要だ! 遺伝子病の治療では、遺伝子の同定は、ほんの出発点に過ぎ ず、それを然るべき「薬理作用のある」化合物に変換すべき"長い道程 "を経なければならない。
ようやく2015年になって、"RB" 転写蛋白 が PAK1 遺伝子の発現を抑制し ていることが判明した (2)。従って、RAS 癌やNF2 腫瘍と同様、「Retinoblastoma」 (RB=網膜芽細胞腫) は、PAK遮断剤で治療しうることが判明! 実際、2010年には、慈恵医大のチームにより、PAK 遮断剤/HDAC阻害剤である "FK228" (藤沢製薬が1994頃 に開発) 等によって、RB 癌の治療が可能であることが示され (3)、我が輩は李夫妻に その「ビッグニュース」をメールしたのを憶えている。 実は、それに先立ち、2005年に我々のグループは、藤沢製薬などと共同で、 FK228が、HDACの下流にある「PAK」を遮断することを発見していた (4)。 こうして、 最高の「IQ 」を誇る「日台」間のチームワークによって、少なくとも 「RB 治療」問題は解決した。
誠に残念至極だが、市販されている「強力な」PAK遮断剤であるFK228もイベルメク チンも、BBB を通過しない! 従って、NF2 などの脳腫瘍には効かない! 然も、日本にも台湾にも、 (BBBを通過しうる) "PAK遮断剤" の開発をめざすグループは「皆無」である! 従って、 IQ がずっと高そうな「火星人」(ハンガリー生まれの応用数学者で"コンピューターの元祖":ジョン・フォン・ノイマン 並、 IQ=250-300) との共同研究が、今後将来、必要かもし れない。 前述したが、ハンガリー人は「フン族」の子孫 (蒙古系)。フォン=ノイマンはユダヤ系。 従っ て、 その組み合わせ (雑種)は、"火星人" に近い! いわゆる「魔法の弾丸」(15 K 等) を実用化する「奇抜な」アイディアが待たれる。。。
実は、火星人ではないが、カナダ出身の医学者 (Jim Gusella) が米国ボストンの "Mass General" (ハーバード大学総合病院) に、未だ勤務中らしい。彼は1993年頃、 世界で最初に、NF2 (抗癌) 遺伝子を発見した。 その直後、彼との共同研究で、NF2遺 伝子が 発遺伝子「RAS」と拮抗することを、我々は発見! その10年後に、NF2遺伝 子産物 (メルリン) が「PAK阻害蛋白」であることを、 我々は突き止めた。 そこ で、我々の天下の宝刀「15K」(PAK遮断剤) の臨床テストを、ジムに何とか手配して貰らおう、 と目下考えている。。。
参考文献:
1. W H Lee, J Y Shew, F D Hong, T W Sery, L A Donoso, L J Young, R Bookstein, E Y Lee (1987)。
The retinoblastoma susceptibility (RB) gene encodes a nuclear phosphoprotein associated with DNA binding activity. Nature; 329(6140):642-5.
2. Bernadette Sosa-Garc et al (2015).
The Retinoblastoma Tumor Suppressor Transcriptionally Represses Pak1 in Osteoblasts.
PLoS One. ; 10(11):e0142406.
3. T Kawano, M Akiyama, Agawa-Ohta, et al (2010)。
Histone deacetylase inhibitors valproic acid and depsipeptide (FK228) sensitize retinoblastoma cells to radiotherapy by increasing H2AX phosphorylation and p53 acetylation-phosphorylation.
Int J Oncol. ;37(4):787-95.
4。 Y Hirokawa, M Arnold, H Nakajima, J Zalcberg, H Maruta (2005)。
Signal therapy of breast cancers by the HDAC inhibitor FK228 that blocks the activation of PAK1 and abrogates the tamoxifen-resistance。 Cancer Biol Ther. ;4(9): 956-60.
我が輩の親友で、台湾出身の李文華博士は、奥さん (玉華) と共に、 渡米して、カルフォルニア州立大学 (UCバークレー校) で博士号を取得した後、 UCSDで、1987年に世界初の抗癌遺伝子「RB」 を発見した (1)! 以後、p53、 NF1、 NF2, PTEN などの抗癌遺伝子が続々と発見された!
未だこの分野では (誰 も) ノーベル賞はもらっていないが、何時受賞しても不思議ではない!
李博士夫妻は "台湾" 出身の「キューリー夫妻」と呼ばれている。 我が輩は "RB" の発見を聞いて、UCSD をおさらばして、メルボルンの癌研に転勤し、 (副作用のない) 「抗癌剤」(=PAK遮断剤など) の開発研究に乗り出した。。 少なくとも人類では、"GM" (欠損した遺伝子を補充する) 治療は、不可能だ からだ! 癌治療に必要なのは、「欠損した遺伝子、例えば 「NF2 」等、の代わりをする薬剤」を開発することであ る! つまり、"実用的な" 創薬には、しばしば「発想の転換」或いは「戦術の変 更」が必要だ! 遺伝子病の治療では、遺伝子の同定は、ほんの出発点に過ぎ ず、それを然るべき「薬理作用のある」化合物に変換すべき"長い道程 "を経なければならない。
ようやく2015年になって、"RB" 転写蛋白 が PAK1 遺伝子の発現を抑制し ていることが判明した (2)。従って、RAS 癌やNF2 腫瘍と同様、「Retinoblastoma」 (RB=網膜芽細胞腫) は、PAK遮断剤で治療しうることが判明! 実際、2010年には、慈恵医大のチームにより、PAK 遮断剤/HDAC阻害剤である "FK228" (藤沢製薬が1994頃 に開発) 等によって、RB 癌の治療が可能であることが示され (3)、我が輩は李夫妻に その「ビッグニュース」をメールしたのを憶えている。 実は、それに先立ち、2005年に我々のグループは、藤沢製薬などと共同で、 FK228が、HDACの下流にある「PAK」を遮断することを発見していた (4)。 こうして、 最高の「IQ 」を誇る「日台」間のチームワークによって、少なくとも 「RB 治療」問題は解決した。
誠に残念至極だが、市販されている「強力な」PAK遮断剤であるFK228もイベルメク チンも、BBB を通過しない! 従って、NF2 などの脳腫瘍には効かない! 然も、日本にも台湾にも、 (BBBを通過しうる) "PAK遮断剤" の開発をめざすグループは「皆無」である! 従って、 IQ がずっと高そうな「火星人」(ハンガリー生まれの応用数学者で"コンピューターの元祖":ジョン・フォン・ノイマン 並、 IQ=250-300) との共同研究が、今後将来、必要かもし れない。 前述したが、ハンガリー人は「フン族」の子孫 (蒙古系)。フォン=ノイマンはユダヤ系。 従っ て、 その組み合わせ (雑種)は、"火星人" に近い! いわゆる「魔法の弾丸」(15 K 等) を実用化する「奇抜な」アイディアが待たれる。。。
実は、火星人ではないが、カナダ出身の医学者 (Jim Gusella) が米国ボストンの "Mass General" (ハーバード大学総合病院) に、未だ勤務中らしい。彼は1993年頃、 世界で最初に、NF2 (抗癌) 遺伝子を発見した。 その直後、彼との共同研究で、NF2遺 伝子が 発遺伝子「RAS」と拮抗することを、我々は発見! その10年後に、NF2遺伝 子産物 (メルリン) が「PAK阻害蛋白」であることを、 我々は突き止めた。 そこ で、我々の天下の宝刀「15K」(PAK遮断剤) の臨床テストを、ジムに何とか手配して貰らおう、 と目下考えている。。。
参考文献:
1. W H Lee, J Y Shew, F D Hong, T W Sery, L A Donoso, L J Young, R Bookstein, E Y Lee (1987)。
The retinoblastoma susceptibility (RB) gene encodes a nuclear phosphoprotein associated with DNA binding activity. Nature; 329(6140):642-5.
2. Bernadette Sosa-Garc et al (2015).
The Retinoblastoma Tumor Suppressor Transcriptionally Represses Pak1 in Osteoblasts.
PLoS One. ; 10(11):e0142406.
3. T Kawano, M Akiyama, Agawa-Ohta, et al (2010)。
Histone deacetylase inhibitors valproic acid and depsipeptide (FK228) sensitize retinoblastoma cells to radiotherapy by increasing H2AX phosphorylation and p53 acetylation-phosphorylation.
Int J Oncol. ;37(4):787-95.
4。 Y Hirokawa, M Arnold, H Nakajima, J Zalcberg, H Maruta (2005)。
Signal therapy of breast cancers by the HDAC inhibitor FK228 that blocks the activation of PAK1 and abrogates the tamoxifen-resistance。 Cancer Biol Ther. ;4(9): 956-60.
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