2020年12月19日土曜日

楽聖「ベートーベン」(1770 - 1827) 生誕 「250周年」:
交響曲「第九」の精神とは?

クラシック音楽の大成者、Ludwig van Beethoven は、驚くなかれ、算数 (特に、かけ算) が苦手だったそうである。そこで、父親 (宮廷テノール歌手) は、6歳ごろから、長男 (Ludwig 少年) を音楽家 (ピアニスト) に育て上げ始めた (ベートーベン家は祖父から3代に渡って、音楽家だった) 。しかしながら、20歳代後半に難聴になり、最終的 (40歳頃) には、両耳共、全く聴こえなくなった。音楽家/作曲家にとっては致命的だったが、彼はそれにも負げず、数々の名曲/交響楽を作曲し続け、後世「楽聖」と讃えられるまでになった。
詳しくは、「ベートーベンの真実」 (谷 克二著、2020年) を参照: 人間らしさあふれるベートーベンだから生み出せた魅惑の音楽!
ベートーベンの魅力は人間としての卓越した個性にあり、だれしもがそれに圧倒され、魅了される。57年に渡る彼の生涯は自分自身との戦い、おのれの魂、おのれの信ずるものへの挑戦の連続だった。だからこそベートーベンが生みだした作品はまさに多面体であり、魂のうめきにも似た苦悩から生まれる歓喜の爆発、そして自然や人間に対する心やすらぐ賛歌に至るまで、無限のひろがりを人々に感じさせる。実は、彼はカトリック教徒であったが、(実際には存在しない) 神を頼みにせず、自分自身が神にかわって、人の世話をせねばならぬと信じ、実行した。 結局、多くのクラシック音楽家の間では、ベートーベンは「神をはるかに越える」存在になった。。。
「バッハは "神" に向かって作曲をし、モーツァルトは "貴族" に向かって作曲し、ベートーベンは "人間" に向かって作曲をした」といわれる、"人間" ベートーベンに迫る。
さて、彼の死因は「鉛中毒」とされている。残された「髪の毛」に高濃度 の鉛 (通常の100倍!) が蓄積していたからである! しかしながら、"鉛" の出どころがいまだに謎のままである。古代ローマ時代から当時に至るまで、安いワインには甘味料として "酢酸鉛" を加えていたという記録がある。ベートーベンが生計に苦しんでいた時代に、安ワインを好んで飲んでいた (実は、父親のヨハンは、"アルコール依存性" となり失職した。そこで、父に代わって, ベートーベンはいくつもの仕事を掛け持ちして家計を支え、父や幼い弟たちの世話に追われる苦悩の日々を過ごした!)。
さて、彼の難聴の原因についても、未だに謎に包まれているが、若しかしたら、NF2 (神経線維症 タイプ 2) だったのではないか、という仮説/可能性がある。実は不幸にして、 彼の死後まもなく、墓から「彼の頭骸骨」を盗んだ者が出て以来、頭蓋骨が行方不明になったまま! だから、彼の脳の MRI 診断像が撮ることはもはや不可能になり、NF2 説を裏付ける手段はない。。
ただし、髪の毛の DNA を "PCR" 分析して、NF2 遺伝子が正常だったか、あるいは機能不全だったかを確かめることは可能だろう。ドイツのライプチッヒにある MAX-Planck 研究所 (遺伝学研究所) には、ネアンデルタール人などの遺伝子 (genome) 分析を専門にしている研究グループがある。 彼らに頼めば、DNA 分析は可能だろう。 実は、同じ市内にあるライプチッヒ大学小児科病院に、遺伝子病の一種である「ヌーナン病」(Noonan Syndrome) などの「知能発達障害」患者 のPAK1 遺伝子の分析によって、最近、「PAK1 遺伝子に変異」を見つけたグループがある。この変異は、「脳の発達を遅らす」には十分だが、「癌や腫瘍などの発生」には不十分、という不思議な代物である。正常な PAK1 は通常、不活性なホモダイマーを形成するが、この変異体はホモダイマーを形成できないので、「恒常的に活性」のため、脳神経の発達を遅延させる。 しかしながら、腫瘍を発生するには十分でない。。。実は、同じような遺伝症例 (PAK1 遺伝子の変異体) がハンブルグ大学 (UKE) 小児科病院でも発見されている。
1994年にノーベル文学賞をもらった "大江健三郎" の息子 (光君、現在57歳) は、頭脳肥大(脳ヘルニア)のため、知的障害があるが、優秀なクラシック音楽の作曲家として活躍していると伝え聞いている。音感と頭脳全体の発達とは、ある程度、切り離しが可能のようだ。
大学時代の我が恩師 (水野伝一先生) は生前、ベートーベンの交響楽が大好きだった (未だ存命ならば、今冬で 100 歳!) 。実は、水野夫妻の長女は芸大卒のピアニストだったが、視力が劣ろえ、作曲家になったと聞いている。いみじくもベートーベンへ通ずる何かを感じる。。。 彼女は私とほぼ同年だが、ベートーベン同様、独身を通している。 私自身は楽才には恵れず、シューベルトの歌曲を好んでドイツ語で「カラオケ」する程度だが、幸い (幼い頃から) 画才には恵まれ、もし薬学を専攻しなかったら、今頃はユニークな画家になっていたかもしれない。しかしながら、画才は私に飛躍的な "想像力" を与え、生物学 (特に PAK 研究) で「水平思考の名人」芸を発揮している。。。言うなれば「鬼に金棒」か。。。
さて、もし (将来) 何時か機会に恵まれたら、鎌倉に住む水野夫妻の令嬢によるピアノ演奏で、シューベルト晩年 (1827-1828年) に作曲された 歌曲集「冬の旅」の一曲「菩提樹」(Der Lindenbaum) を歌い、大変お世話になった先生の霊前に捧げたい。。。実は、この歌曲は、私が中学生の頃、あるコンクールに出演するために、我が亡父からドイツ語で教わったものであるが、 不思議なもので65年後の今でも、一語一句ハッキリ憶えている: Am Brunnen vor dem Tore Da steht ein Lindenbaum... 先生は (ベートーベンのごとく) その傘下に多くの弟子を育て上げた言わば「菩提樹の大木」のような人だった。シューベルト (1797-1828) は ベートーベンの有名な弟子の一人だったが、若くして (ベートーベンの葬式に参列してから一年後) に肺結核 (?) で病死し、 ベートーベンの墓の隣に埋葬された。 彼も独身だった。 いわゆる「未完成交響楽」を最後に残して、この世を寂しく去った。。。
さて、年末近くに日本で好んで演奏される「第九」の歌詞は、有名な詩人シラー (1759 - 1805) の作。 その中に、「人間は神の前に、皆平等。人類は皆、兄弟 (brothers) 同士」いう有名な一句がある。 これは、元を正せば、(キリスト教の創始者) 「イエス=キリスト」の言葉。残念ながら、(紀元前の時代には) この人類の中に女性 (sisters) がふくまれていなかったのは、誠に残念である! ベートーベン自身は、神の存在を否定していたので、人類の中に女性もきっと含んでいた、と私は想像したい。。。とにかく、彼は多くの女性を愛し作曲し続けたが、いずれも「片思い」に終わったのは、誠に気の毒である。
もう一歩突っ込んで言うと、21世紀になってさえ、日本の天皇家では、「長男のみが皇太子、天皇になり、その以外の子供には、その資格が全くない」というのは、誠に「不平等」。。。従って、「第九」の精神に基づけば、(不平等極まる) "天皇制度" は、即「廃止」すべきである! 「令和のおじさん」 (別名「スガーリン」) よ、「第九」に耳を傾け、2021年に向けて、"斬新な政策" (憲法改正= 1 - 8 条を破棄!) を立てたまえ!
「人類 (兄妹) 平等」を信奉する我が亡父 (明治生まれの「9人兄妹」の末弟) は、勿論「第九」と「運命」のファンだったが、"清貧" のため、我が家からは、一人だけ (授業料免除かつ奨学金貸与を受けながら) 大学教育を受けさせる余裕しかなかった。そこで、幸運にも都立「日比谷」に合格した私だけが、東大への受験資格を得た。その代わり、妹は遺産相続権を獲得した (もっとも、清貧なので、大した額ではなかったが、国家公務員を定年で退職後、自費で建てた自宅で, 健康に余生を楽しんでいる)。 私は「博士号」という唯一の資本を元にして、海外に飛び出して、半世紀近く、いわゆる「PAK 医学」の大成に邁進している。恐らく、これが私自身の「第九」(あるいは「エベレスト」) になるだろう。。。エベレストは、人種や性別の違いで、人間を差別しない。真に実力のある者 (NZのヒラリー郷とシェルパ族のテンジン) のみが初登頂に成功した! その瞬間 (1953年5月末) 、(自身も登山家だった) 我が亡父は、その新聞記事を見せながら、(10歳の) 私に「自分自身のエベレスト (未踏峰) を見つけよう!」と励ましてくれた。

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