2017年8月22日火曜日

照明用 「キノコ」 太陽電池の構築

下村脩さんはオワンクラゲGFPの研究の後、蛍光キノコの研究に没頭し、実は1993年に、あるキノコから ルシフェリンを発見した。 それは 「パナール環」 を有するカルボン酸だった (1)。 蛍光の発生は "化学反応のみ" で進み、酵素 (ルシフェラーゼ) を必要としない!

 Both PS-A and PS-B (Panals) were converted into chemiluminescent luciferins by treatment with 50 mmol/l methylamine in a pH 3.5 buffer solution containing an anionic surfactant Tergitol 4 at 25-35 degrees C. The luciferins emitted chemiluminescence in a pH 7-8 buffer solution containing a cationic surfactant in the presence of O2 and O2-.

今回発見された蛍光キノコのルシフェリンは 「アルファーピロン環」を有する全く別の化合物で、ヒスピディン誘導体 (3-OH Hispidin) である。 このルシフェリンは酵素「ルシフェラーゼ」によって酸化され、炭酸ガスを発生しながら、蛍光を発する。 その際、アルファーピロン環が開いて、最終的には、コーヒー酸になる。

コーヒー酸はプロポリスにも含まれ、"CAPE" と呼ばれるエステルの生合成の原料にもなる。 さて、大場裕一博士 (名古屋大から 中部大学へ最近転勤) らの研究によれば、蛍光キノコでは、このコーヒー酸をヒスピディンに還元/再生することによって、再び蛍光を発するルシフェリンを確保することができるようである(2) 。 従って、電気回路に喩えれば、この再生回路が「電池」の役割を果たしている。  

コーヒー酸からヒスピディンを再生するには、ATP、マロニル補酵素(CoA)、(NADPH 依存性) 再生酵素 (Recyclase) の3つが必須である。 これが 「蛍光キノコの電池部品」に当たる。 従って、この太陽電池を構築するためには、先ず 「Recyclase」をキノコのエキスから精製する必要がある。 この酵素はATP 依存性なので、ATP/ADP ビーズで、恐らく精製が可能であろう。

References:


1. Shimomura O, Satoh S, Kishi Y. Structure and non-enzymatic light emission of two luciferin precursors isolated from the luminous mushroom Panellus stipticus. J Biolumin Chemilumin. 1993 ; 8: 201-5.

2. Oba Y, Suzuki Y, Martins GNR, et al.  Photochem Photobiol Sci. 2017 Aug 2. doi: 10.1039/c7pp00216e. Identification of hispidin as a bioluminescent active compound and its recycling biosynthesis in the luminous fungal fruiting body.

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