2018年10月18日木曜日

「アスペルガー」(自閉症傾向) の偉人たち



落下する林檎をみて「万有引力の法則」を発見したニュートン、湯ぶねで「浮力の原理」を発見して「ユーレカ!」と叫んで(裸のまま) 湯殿を飛び出したアルキメデス(女性との関係を避けて) 彫刻や絵画に一生を捧げたミケランジェロやゴッホ などの美術家など、いわゆる「奇人」といわれた偉人たちが数々いる。 私自身も (「偉人」ではないにしても) 一種の「奇人」に属する (海外でずっと「亡命生活」を営む) 学者である。これらの奇人/偉人には、昔から「アスペルガー」(軽度の自閉症) 傾向があるといわれている。周囲の人間を無視して、独得な考え方をもって行動する。 それでは、自閉症とは、「分子病理」的には一体何ぞや? 

利根川  (MIT 教授、1987年ノーベル医学受賞) による最近の研究によれば、例の発癌/老化キナーゼ「PAK」が「自閉症」に深く関与している。 PAKが異常に活性化すると自閉症になるので、その治療のために、数年前から自らベンチャー会社を設立して、一連のPAK阻害剤 "FRAXs" を開発しつつある。 その特許に基づく「独占的ライセンス」を大手製薬会社「ロッシュ」に「200億円」近くで、23年前に売却したという有名なエピソードもある。さて、 マウスなどのモデル実験では、PAKの下流にある「COX-2 」という酵素を欠損させると、自閉症傾向が発症するという研究結果が、カナダの研究グループによって、最近発表された (1) これは一見、利根川氏の「PAK異常」説と矛盾する。。。 COX-2 遺伝子の発現にはPAKが必須であるからだ。  

ひょっとすると、少なくとも2 種類の自閉症があるのかもしれない。 PAK異常」によるものと、「PAK/COX-2 欠損」によるものが存在し、 デリケートなバランスでPAK/ COX-2 レベルを保った者だけが、いわゆる「正常人」(どこかの国の首相のごとく「八方美人」) ということになるのかもしれない。 私自身は低血圧だから、PAK レベルは (「ゼロ」ではないにしても)  明らかに低い。 従って、「米寿」まで生き延びたミケランジェロ (1475-1564) と同様、健康長寿を楽しめる可能性が大である。

参考文献: 
1.Wong CT1,2, Bestard-Lorigados I1,2, Crawford DA1,2,3. Autism-related behaviors in the cyclooxygenase-2-deficient mouse model. Genes Brain Behav. 2018 Jul 20:e12506.

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