2018年10月4日木曜日

2018年ノーベル化学賞: 蛋白質の機能を改良/進化させる遺伝子工学を開発したフランシス=アーノルド女史 (Caltech) ら3名へ

有名な「ダーウインの進化論」によれば、我々人類 (ホモ=サピエンス) を含めて凡ゆる生物は、長い歴史を経て、絶え間なく突然変異を繰り返し、与えられた環境下で「生存により有利な変異」を獲得した者だけが自然淘汰を経て、生き残ってきた。 恐竜やマンモス、ネアンデルタール人 (類) やタスマニア=タイガーは、不幸にして、(氷河期など) 過酷な環境下に耐えられず、絶滅した。

さて、凡ゆる生物の機能を担っているのは、遺伝子によって生産される種々の (酵素を含めた) 蛋白質である。従って、ある特定の遺伝子に、人工的に変異を与えれば、その産物である蛋白質の機能を (自由自在に) 改良/進化させることができるはずである。そういう考えに基づいて、米国のカルフォニア工科大学 (CalTech) の教授フランシス=アーノルド女史 は、25年ほど昔、酵素の「指向性改良/進化法」(遺伝子工学) を初めて開発し始めた。

https://www.chem-station.com/chemglossary/2017/11/directed-evolution.html

https://www.asahi.com/articles/ASLB3678QLB3ULBJ01P.html?iref=comtop_list_api_n01


この方法を使用すれば、例えば、アルコール発酵 (いわゆる「酒作り」) に必須な一連の酵素を人工的に「熱耐性」に進化することによって、発酵作業を高温で効率良く進めることができるようになる。確かに、「Bio Tech」産業に寄与するところ多しである (かの有名な「PCR法」では、温泉由来の耐熱DNA polymerase が大活躍した!)。  しかしながら、地球温暖化に耐える人類 (一種の「フランケンシュタイン」) をこの方法 (指向性改良工学) で創造することは、技術的にも法的にも、不可能である。人類体内にある数万種類の酵素や蛋白を全部、「熱耐性の変異体に変換」することは不可能だからだ。

だが、遺伝子工学を利用せずに、人畜を熱耐性 (「夏バテ」しないよう) にすることは、決して難しいことではない。さて、せんちゅうの適温は16度前後であるが、35度で処理すると、平均寿命が14日からたった1日 (24時間) に縮まる。ところが、PAK遮断剤であるプロポリスや15K でせんちゅうを前処理すると、35度でも7日以上生き延びることができる。何故かというと、高温では、熱ショック蛋白が誘導され、せんちゅう体内の種々の蛋白が熱変性から保護されるからである。ところが、PAK遮断剤のない状態では、熱ショック蛋白の誘導が抑えられ、生存に必須な種々の蛋白が変性を受け、速やかに死亡に至る。


PAK遮断剤は、"夏バテ"予防ばかりではなく、癌や老化現象の予防、種々の感染予防や免疫機能の活性化など、「人畜の生き残り」に欠かせない役割を果たしている。 従って、「我田引水」ながら (少なくとも医療分野に関する限り) 、(20年ほど昔、医療のための"遺伝子工学"から足を洗った) 私自身は、むしろ「PAK遮断法」に軍配を上げたい。

2018年10月2日火曜日

本庶 佑 教授らによる「免疫チェックポイント療法」へノーベル (医学) 賞!

京大医学部の本庶 佑 (たすく) 教授が、癌の免疫療法で、念願のノーベル賞 (医学) を今年受賞することになった。私の理解が正しければ、実は、「免疫療法の元祖」は、かの有名な「バーネット」(豪州メルボルン出身の1960年ノーベル受賞者) に遡る。

免疫学者バーネットの有名な「クローン選択説」に従えば、我々(哺乳類) の発生の過程で、抗体を産生する免疫細胞の内、(細菌など) 外来の異物に対する抗体を産生するクローンは残るが、自己の組織に対する抗体を産生するクローンは選択的に除去される仕組みが通常、我々の体内に発達する。 しかしながら、後者が除去されないと、「自己免疫病」などが発生しやすくなるが、逆に「癌」などの発生率が低下する傾向がみられる。

さて、この後者のクローンを除去する仕組みに関与する(抗体) 蛋白の一種「PD-1」(programmed cell death 1) が、1992年頃に本庶さんらによって発見され、更にそれに対する抗体を開発して、小野薬品など2、3 の製薬会社によって、メラノーマなどの悪性腫瘍を治療しようという試みが実際に成功裡に進められている。残念ながら、この免疫療法には、(必然的に) 副作用が伴う。 癌は治療しうるが、逆に自己免疫病などが発生しやすくなる。

 我々の恩師 (水野伝一教授) も生前、「丸山ワクチン」などを利用した癌の免疫療法に長らく取り組んでいたが、結局 (期待したほど) 成果が得られなかったようである。そこで、私自身は (45年前の渡米直前に) 「免疫療法」から潔く足を洗い、 全く独自の癌治療薬の開発に着手した。 標的をいわゆる病原酵素「PAK 」に絞った。 この酵素 (キナーゼ) は、発癌などに関与するばかりでなく、老化現象にも関与し、正常な細胞の増殖に全く必要ないので、"PAK 遮断剤" は、副作用なしに、癌を含め固形腫瘍の増殖や転移を抑えるばかりではなく、(認知症などを軽減しつつ) 健康長寿を積極的に促進する働きもある。*

こうして誕生した我々のユニークなPAK 遮断剤「15K 」などに関する米国特許が、幸い (日本特許に次いで) つい最近承認された。 従って、「15K 」に関する臨床テストの開始に向けて、本格的に (海外の) 大手製薬会社との交渉に乗り出しつつある。。。

* 蛇足になるかもしれないが、(プロポリスなどを含めて) PAK 遮断剤には、(従来の抗癌剤と違って) 「免疫機能を (逆に) 高める」作用もあることが最近わかった。従って、PAK 遮断剤は「癌の免疫療法剤」という側面も兼ね備えている。

更に、未発表データだが、(我が昔の同僚) 賀 紅女史 (メルボルン大学病院) によれば、癌細胞のPAK活性を選択的に抑制すると、PD-L1 (PD-1 のリガンド) の発現レベルが低下することを、ごく最近実証したそうである。

2018年9月16日日曜日

「生きている化石」アルテミアの生存にはPAKが必須!

アルテミア (Artemia) は、ホウネンエビモドキ科 の属名で、小型 (体長1 cm) の甲殻類で世界各地の塩水湖に生息し、代表種は Artemia salina。1億年前から変化していない "生きている化石" とされる。ブラインシュリンプ (brine shrimp) とも呼ばれ、長期間乾燥に耐える休眠卵の採取を目的に採取・養殖され、市販されている。

実は、この 「生きている化石」の存在を私自身が知ったのは、ごく最近である。沖縄の琉球大学構内にある農学系研究室 (石井貴広助教授ら) で、先月末、沖縄産の海鼠 (ナマコ) から、サポニン (トリテルペン配糖体) の一種で、硫酸基のないエチノシド B (DEB) が、硫酸基のある「フロンドシド  A 」(FRA) と同様、強いPAK遮断作用があるらしいという研究結果を発表した (1)。
http://www.agr.u-ryukyu.ac.jp/labos/ishiit/

2糖体のDEB は、5糖体のFRAに比べて、分子量が小さく、かつ硫酸基がないので、細胞透過性もずっと高いと思われる。 さて、 私が特に注目したのは、両者がアルテミアの幼虫に対して、24時間以内に (同じくらいの) 毒性 (IC50=10 micro M) を示すという "意外な" 結果である。 プロポリスや15K など、一般にPAK遮断剤は、せんちゅうなどの小動物の「健康寿命を延ばす」薬理作用がある。 私の知る限り、せんちゅうからマウスまで、その生存にはPAKは不必要であり、むしろPAKの存在は、動物の寿命を明らかに縮めている。  FRAは開発中の抗癌剤であるが、マウスに対して毒性 (副作用) を示したことは全くない! 

そこで、頭を "180度" 回転させて、アルテミアの幼虫に対する毒性は、いわゆる「無差別な毒性」によるものではなく、これらのサポニンによる選択的な「PAK遮断作用」によるものと解釈してみた。もし、例外的な「生きている化石」の生存にPAKが必須ならば、アルテミアの幼虫を使用して、短時間にPAK遮断剤をスクリーニングすることができる。。。 従って、プロポリスや15Kが、果して、アルテミアの幼虫に毒性を示すかどうか、一度調べてみる価値ありと、私は確信した。 

私の予測を裏付けるように、ブラジル産プロポリスは、アルテミアの幼虫に強い毒性を示すことが, 既に (20年ほど昔) 報告されている (2)。そもそも、アルテミアの幼虫を対象とする簡便な "in vivo" 毒性テスト (micro-titer 法) は、1993年に英国ロンドン大学の生薬研究グループによって、開発されたもので、各種のQuassinoid が毒性を示すことが報告されている (3)。 我々による最近の研究から、Glaucarubinone など Quassinoid 類は一般に、PAK遮断剤に属する。

 PAK遮断剤は一般に、癌/NF腫瘍細胞には毒性を示すが、"正常な (哺乳類) 細胞には無毒" である。従って、正常細胞に無毒だが、アルテミアに毒性を示す薬剤は全て、PAK遮断剤と判断しても、ほぼ間違いはなかろう。

参考文献
Cytotoxic Desulfated Saponin from Holothuria atra Predicted to Have High Binding Affinity to the Oncogenic Kinase PAK1: A Combined In Vitro and In Silico Study. 
Sci Pharm. 2018 Aug 31;86(3).
2.  Velikova M1, Bankova V, Marcucci MC, Tsvetkova I, Kujumgiev A.Z
Chemical composition and biological activity of propolis from Brazilian meliponinae. 
Naturforsch C. 2000 ; 55(9-10):785-9.
3.  Solis PN1, Wright CW, Anderson MM, Gupta MP, Phillipson JD.
A microwell cytotoxicity assay using Artemia salina (brine shrimp). 
Planta Med. 1993 ;59(3):250-2.

2018年9月5日水曜日

認知症モデルのマウス (SAMP8) : 高圧釜で炊いた玄米は、(そうでない玄米に比べて) 認知症の進行を遅らせる!

最近、認知症モデルのマウス (SAMP8) を使用した面白い実験結果が、ある雑誌に載っていた (1)。

認知症は、脳内に起こるPAK依存性の記憶喪失を伴う疾患である。 従って、PAK遮断剤であるプロポリスや15Kなどによって、原理的に言えば、治療可能である。

玄米は白米にくらべて、「健康食」であるという伝説が昭和期にあったようであるが、最近、玄米は炊き方によって、益にも毒にもなるという新説を唱える本が出回り始めた。

さて、その科学的根拠の一端を紐解くような動物実験が、(京都) 同志社大学の脳科学研究所 (客員教授: 杉本八郎) の奥田充あき研究員を中心にしたチームによって、行なわれた。知人の杉本さんは、製薬会社「エーザイ」に長らく勤務中、認知症の治療薬 (アリセプト) を開発した "その道のエキスパート" である。

玄米を常圧で炊いたもの (BR) と、高圧釜で炊いたもの (HPBR) を、各々餌にして、2か月間、白米 (PR) と (認知症になったマウス) に対する影響を比較してみると、

HPBR だけが、認知症による記憶消失を軽減するという、意外な実験結果が出たそうである。それでは、HPBRとBRの間で、一体何が根本的に違うのかを調べてみると、その成分のうち、「soluble fiber」なる物が、HPBRに格段に多いことがわかった。BRの6倍、白米の40倍 という数字が出ている。  残念ながら、「soluble fiber」なる物の化学的な同定分析が未だなされていないし、然も、「soluble fiber」自体が実際に、主な「認知症の軽減因子」であるという科学的な証拠も未だないようなので、実験は「未だ半ば」といってよかろう。

私が今注目したいのは、その結果自体ではなく、認知症モデル (マウス実験系) である。前述した「NF2モデル」はえんえん6か月もかかるが、認知症モデル (SAMP8) では、僅か2か月で、(BRとHPBRとの間で) ハッキリした差が出ている。 従って、15Kが脳内で「認知症による記憶喪失」を軽減できるかどうかを、てっとり早く調べる手段として、より適しているように思う。。。

なお、 "SAMP8" に関する最近の研究によると、この認知症マウスモデルでは、PAKの下流にある "TOR" という発癌/老化キナーゼの活性が異常に高まっており、タウ蛋白の燐酸化が著しいことが判明している。従って、発癌/老化に結び付くシグナル伝達過程が何らかの理由で、異常に活性化されていると思われる。TOR阻害剤である「ラパマイシン」で、処理したせんちゅう、ショウジョウバエやマウスなどの小動物は、(無処理の動物より) も、ずっと "健康長寿" になることが知られている。従って、PAK遮断剤「15K」による処理で、"SAMP8" の認知症状が軽減されることは、大いに期待される。

そこで、画期的な「SAMP8 を対象とする15K テスト」の共同研究を進めるため、杉本さんのベンチャー会社「Green-Tech 」と契約をできるだけ早く結ぶ準備をしている。

もし、私の理解が正しければ、"SAMP8" マウスモデルは「日本発」で、竹田 俊男 教授 (京大医学部) らによって、1980年代後半に開発されたようである。

同志社大学  (客位員教授) 杉本八郎:  認知症の治療薬開発をめざす
https://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/CO022791/20170825-OYTAT50001.html \

参考文献:
1. 
Okuda M1,2, Fujita Y3,4, Katsube T5, Tabata H5, Yoshino K5, Hashimoto M6, Sugimoto H3.
Highly water pressurized brown rice improves cognitive dysfunction in senescence-accelerated mouse prone 8 (SAMP8) and reduces amyloid beta in the brain.

2018年9月3日月曜日

稀少難病「NF2」は果して、PAK遮断剤「15K」で治療し得るだろうか?

NF2と呼ばれる稀少難病は、抗癌遺伝子NF2 (メルリン) の機能不全によって発生する遺伝子病の一種で、主に脳内に、シュワノーマあるいはメニンジオ--マと呼ばれる良性腫瘍が左右の聴覚神経や視覚神経の周囲に増殖して、難聴や失明をもたらす難病である。 これらの良性腫瘍は手術によって、ある程度除くことはできるが、術中に周囲の聴神経や視神経を傷める可能性があり、後遺症が残る場合が多く、数回の術後には、全身麻痺を来たす場合が数少なくない。従って、理想をいえば、(手術ではなく) 飲み薬で治療したい。しかしながら、今日までのところ、プロポリス以外のPAK遮断剤で、NF2が治療し得たという臨床例は殆んどない。

さて、 抗癌蛋白「メルリン」は我々自身の研究によれば、PAK阻害蛋白なので、それが欠損しているNF2患者の脳腫瘍では、PAKが異常に活性化されているので、原理的には、(プロポリスよりずっと) 強力なPAK遮断剤である「15K」などによって、治療可能なはずである。しかしながら、臨床テストの前に、次の2点について、動物 (マウス) 実験で確かめておかねばならぬ事柄がある。その一つは、経口投与した15KがBBB (血管脳関門)を通過して、脳内に到達し得ることである。 15Kの原料であるケトロラックが、元々鎮痛剤であることから、恐らく15kも脳内に到達しうると考えられる。

もう一つの点は、NF2腫瘍は、最近の研究結果によれば、癌と違って (意外にも)、「COX-2 阻害剤」(Celecoxib etc) 耐性であることが判明した (1)。実は、15Kはラセミ体 (光学異性体の混合物) で、COX-2 阻害剤 (S型) であると同時に、PAK遮断剤 (R型) でもある。 従って、少なくとも"S型"は、NF2腫瘍には無効なはずである。 "R型"だけで、NF2腫瘍の増殖を十分に抑えることが期待される。これを、NF2遺伝子を欠損したマウスで、実証確認することが、(臨床テスト前の) 来たるべき動物実験で極めて重要になってくる。もし、NF2に有効ならば、15Kが認知症を始め他の多くの (PAK依存性) 神経疾患にも有効であることが、明白になるからである。

そこで、米国のインディアナ大学医学部の知人で、WADE Clapp 教授 (PAK研究とNF2研究の専門家) にメールを送り、彼の「NF2 モデル」マウスで、我々の「15K」の薬効を調べてもらえないか、問い合わせしようと、目下作戦をじっくり練ってしている最中である。というのは、実際の文献を読んでみるとわかるのだが、このNF2モデルマウスでは、腫瘍の増殖が遅いので、(癌を移植した) マウスでは、一ヶ月以内に「勝負が着く」(治療の正否がはっきり判明する) のに対して、長々と6か月もかかる。 従って、検体 (15K) も少なくとも6倍の分量が必要になる。その上、腫瘍のサイズが小さいので、 コントロールの腫瘍と15K処理を受けた腫瘍との間にはっきりとした大幅な差が出ない可能性もある。残念ながら、 理想的な実験系 (少なくとも「即答」を期待出来る系) とはいえない。

参考文献:

Chemopreventative celecoxib fails to prevent schwannoma formation or sensorineural hearing loss in genetically engineered murine model of neurofibromatosis type 2.

Oncotarget.  9 (2017): 718-725.

エジソンの白熱電球 (竹炭) から青色LED (GaN) への開発に習って、 ロッシュの鎮痛剤から "健康長寿の薬" (LED, PAK遮断剤15K) を開発!

名古屋大の天野 浩教授らが、青色LED (発光ダイオード=GaN) を発明したことに対して、2014年にノーベル物理学賞が与えられたが、実はこの受賞まで、私自身は「LED」(邦訳「発光ダイオード」) の存在すら全く知らなかった。豪州メルボルンの我が家では、相変わらずタングステン  (W) フィラメントの白熱電球や水銀電球 (蛍光灯) を使用していた。

 青色LEDの開発と商品化:

 LEDは電圧を加えると発光する半導体素子で、電気エネルギーが直接光エネルギーに変換され、発熱などのロスが生じないことから、省エネルギーの発光体として注目されていた。最初の発明は1962年で、当時アメリカのGE社の研究者だったニック・ホロニアックJr.氏によるもの。当初は赤色のみだった。

 さて、青色「LED」が日本国内で市販され始めたのは、何んと25年も前のことである。1993年日亜化学は、徳島大出身の中村修二を中心にして、天野/赤崎らのGaN に基づく高輝度青色LEDの開発に成功、世界で初めて青色LEDを製品化した。1996年に日亜化学はこの青色LEDと黄色YAG:Ce蛍光体による白色LEDを開発、液晶パネルのバックライト光源に使われた。現在では蛍光灯を凌駕する発光効率を達成し、21世紀のあかりとして用途が拡大している。さらに1999年にはGaN/AlGaN超格子構造青色半導体レーザーの室温CW発振に成功し、世界で初めて青色半導体レーザーの市販を開始した。2003年にソニーから発売された世界初家庭用ブルーレイディスクレコーダ(BD)に搭載されBDの普及がはじまった。その後、ソニー、東芝、シャープ、ルネサスなど国内メーカーが続々と高出力レーザーを開発、商品化している。InGaAs/GaN青色LEDは、その後の青色発光デバイス、光ディスク産業の爆発的発展の基盤となった。

エジソンが発明した「白熱電球」は、彼の 業績の中で最も価値のある物だった。この発明が発表された当時「世界から夜が消えた」と呼ばれたように、白熱電球は現代に おいてもなお、全ての人類に多大な恩恵を与え続けている。更に興味深いのは、エジソンの白熱電球は、実は京都の八幡 村にある「竹炭」に出会った事で完成された、と伝えられている。

私は少年時代、「発明の才」など全くなかったが、エジソンの伝記を読み耽って、「必要は、発明 (=努力) への最大の母である」ことを学んだ。 世紀の大発明家トマス=エジソンは、「天才とは、99%の努力と1%のインスピレーションからなる」と信じ、「私は発明を続ける 資金を手に入れるために、いつも発明する」と主張していた。エジソンはノー ベル賞こそ取り損なったが、その晩年、「ニューヨーク・タイムズ」紙の投票で「最も偉大な現存のアメリカの老人」に選ばれている。

実は、世界で最初に電球を発明したのはエジソンではない。1879年2月、英国のスワンが炭素繊条 を使った白熱電球を発明した。しかし、スワンの白熱電球は寿命が短過ぎ、実用価値がなかった。白熱電球はその構造上明るくするためにはフィラメントの温度をより高くする必要がある。そのため、 フィラメントがすぐに蒸発してなくなってしまう。

そこで、1879年10月、32才で、エジソンが白熱電球を完成した。それは木綿糸 に煤とタールを混ぜ合せたものを塗布し此れを炭化してフィラメントにした電球。電灯とい っても最初の頃の白熱電灯は45時間ほどしか寿命がなかった。しかし、広く家庭で使って もらうには、安価でもっと長く灯り続ける電球で無くてはならない。それを解決するにはフ ィラメントを改良する事が最重要。そこで、フィラメントの素材として色々なものを探し始 めた。

[フィラメント・日本の竹との出会い]
エジソンはフィラメント材料を見つけるのに大変苦労した。最初は木綿糸や何と友人のヒ ゲまでも素材として使った。6000種類にも及ぶいろんな材料を炭にして実験をしていたエジソンが、ある日、偶然机の上に あった竹の扇子を見つけた。その竹をフイラメントに使ってみると、なんと200時間も灯った。これだ!....竹竹竹....フィラメントの材料に竹が適していることを知った。

そこで、当時の金額で10万ドルをかけ、全世界へ材料を探すため20人の竹採りハンターたちが派遣された。彼らは 1200種もの竹を全世界から集めた。1880年、一人の竹採りハンターが来日、時の首相伊藤博文と会い、「竹なら京都へ」とのアドバイスを受けた。京都では、初代京都府知事から「竹なら八幡か嵯峨野がいい」と言われる。そして、八幡男山付近の竹が約2450時間 も灯り、世界竹選手権(エジソン主催)で見事1位を獲得した。これらの地域は、鉄分が豊か な土質のもと、柔軟で堅固な竹を産していたのだ。(その頃、日本の東芝もフィラメントの材料を必死で探していたのだが、エジソンが京都産の竹を使ったと聞き、「灯台もと暗し」と叫び、ジダンダを踏み悔しがった!)こうして、八幡の竹は1894年までエジソン電灯会社 に輸出され、何百万個の白熱電球が作られ、全世界に明かりを灯しつづけた。

エジソンはこの新しい白熱電球を売り出すために会社 GE (General Electric) を設立した。そして、このGE社ではその後もフィラメントの素材について研究を重ね、1910年頃、竹よりもっと丈夫なフィラメントが開発され、これによって電球の寿命は更に延びた。

現代のあかりとして電球と勢力を2分する蛍光灯も、やはりGE社により1938年に発明された 。蛍光灯はエネルギーの光への転換効率が良いのが長所で、白熱電球に比べてずっと小さい電力で 同量の光を出すことができる。

しかし科学技術の進歩は大変なもので、半永久的に切れない あかりが一部で使われ始めている。それがLED(Light Emitting Diode 発光ダイオード)とい って、弱い光しか出ないが、発熱が小さく非常に長い寿命を持っており、家電製品や情報機器のパ イロットランプや表示板などに多数使用されている。この "弱熱" LEDを飛躍的に発展させたのが、(「人類の福祉に役立つ」科学研究を常にめざしていた) 天野らの開発した「青色LED」 (GaN結晶を基礎とするダイオード) である。

2014年12月にノーベル賞を受賞した天野教授が、間もなく沖縄の琉球大学を訪れ、一本の植樹をすると共に、(我々の「PAK研究センター」が一時"間借り"していた) 産学共同研究棟の玄関に、「人々のために」という言葉 (横断幕) を残していってくれた。 それを見た瞬間、私の脳裡を走ったのは、「人々のために役立つ実用的な薬 (PAK遮断剤) を開発して、その実用化 (市販) を実現しよう!」ということだった。

そこで、徳島大の宇都教授と共同でロッシュが30年ほど昔に開発した鎮痛剤「ケトロラック」というカルボン酸を、クリック化学を介して、エステル化して、「15K」と呼ぶ強力なPAK遮断剤を合成/開発した。 15K は、何んとケトロラックのPAK遮断作用を500倍以上、飛躍させた!  この吉報 (メール) を (琉球大学に滞在中の) ベトナム出身のポスドク(Binh Nguyen) から受け取ったのは、2015年12月初めだった。 翌年には、15Kに関する日本特許も承認され、幸いUS特許も最近承認された。更に2017年4月に、15Kには、(プロポリス同様) せんちゅうの "健康寿命を有意に延ばす" 薬理作用もあることが判明した! 15Kには「副作用が全くない」ことが 、明らかに実証された!  共同研究者のトム=アドリアン教授によれば、(最近他界した沖縄の翁長知事を含めて) ヒトのすいぞう癌の9割がジェムシタビン耐性であるが、動物 (マウス) 実験で、15Kが見事に (ジェムシタビン耐性の) すいぞう癌の増殖及び転位を、殆んど完全に抑えることが、ごく最近実証された (研究論文の投稿中)! 

従って、  難攻不落のすいぞう癌ばかりではなく、他の多くの癌や難病が、15Kによって、(副作用なしに) 治療可能であることがはっきりしてきた。 しかも、病人ばかりではなく、健康な人々にも、長寿をもたらす可能性が高い。 従って、人類 (および家畜) 全体の福祉向上にも役立ちうる潜在性を秘めている。 言い換えれば、15K は、医療分野に登場しつつある「LED 」と呼んでも、決して過言ではなかろう。。。

最近にわかに閃いたのだが、PAK遮断剤「15K」 は、今世紀をリードする 新型 LED」、つまり "Lifespan Extending Drug " (寿命を延ばす薬) である!

2018年8月29日水曜日

"起死回生"のグルメ: Penne Arrabiata @ Saizeriya

3か月以上、このブログを休刊していた理由には、主に2つある。 そのひとつは、ブログの添削には、メルボルン自宅にあるパソコンが必要だからだ。5月15日以来3か月、冬期のメルボルンから夏期の日本国内 (主に、富山、鳴門、大阪方面に滞在を始めたから、携帯の国産パソコンでは、ブログの添削ができないことが 判明した。 もう一つは、8月15日に猛暑 (連日35度以上!) の日本から、未だ冬期(日中でも10度前後!) のメルボルンに帰宅して、途端に重症の風邪をひき、発熱、頭痛、咳、食欲消失で、一週間ほど寝床に臥していた。 パソコンどころではなくなかった。しかも、帰宅早々、自宅のパソコンが、ある種の「サイバー攻撃」にあったらしく、使い物にならなくなった。 幸い、パソコンは一万円ほどの修理費で、再稼働可能になった。

さて、この「どん底状態」から私をはい上がらせてくれたのは、真夏の日本で味を憶えたイタリア風パスタの一種、「アラビエータ」だった。メニューの欧州名称は、「ペネ アラビエータ」のようであるが、富山駅前のCICビル4階に最近開店した大衆 (チェーン) イタリアン料理店 (サイゼリヤ) では、「アラビエータ」と略称している。 富山滞在2か月中に、とうとう私の大好物のひとつになった。もう一つの好物は富山駅前にある立山そばの「山菜そば/うどん」だった。 両方とも、一品400円で、うだるような連日の暑さに、「年金暮らしの年寄り」の食欲を持続し得るランチとなった。

メルボルンで床に臥ている間に、突然、このパスタのイメージが私の頭に浮かんだ!  かばっと起き上がって、徒歩20分のスーパーマーケットまで出かけて、材料 (ペネと呼ばれるパスタ、英国風ベーコン、トマトソース、オリーブ油、パ-メジアチーズなど) を買い集めて、早速、自宅のキッチンで鍋やフライパンを駆使して、料理を開始した。 わずか15分で料理は完了!   (料理のコツは、先ずパスタを12-15分ほど煮た後、ベーコンを細かく切り刻んで、フライパンに移し、タップリのオリーブ油と一緒に1-2分炒めた後、水を切ったパスタ全体をフライパンに移し、トマトソースをたっぷりかけて軽く炒めて、出来上がり)。
おかげで、私の食欲はすっかり回復し、まだ極寒のメルボルンの厳しい天候に耐え続けている。 。。

 私の理解が正しければ、本場イタリアの「ペネ アラビエータ」は、本来ベジタリアン (菜食主義者) 向けのチリー胡椒がぴりっときいたパスタであったが、それが日本のサイゼリヤなどを介して、進化を遂げ、チリー胡椒が英国風ベーコンにかわって、少量の肉を味わえる素敵なパスタに変貌して、人気を呼んでいるようである。

 「サイゼリヤ」の生い立ち:
サイゼリヤの現会長である正垣泰彦が、東京理科大学在学中に千葉県市川市八幡にある洋食店「サイゼリヤ」で勤務をしていたところ、経営者からその腕を認められ、大学4年生のときに店を譲り受けた。しかしその7ヶ月後に火事を出して休業となる。休業期間中に正垣は、これからはイタリア料理の人気が出ると判断し、洋食店からイタリア料理専門店に転換して店を再開したが、客足はぱったりと途絶えてしまった。

正垣は、その原因は価格にあると考え、メニューを全て7割引で販売するという行動に打って出る。この判断が見事的中し、「サイゼリヤ」は行列が出来るほどの大繁盛となった。「この方針ならば売れる」と確信した正垣は、サイゼリヤを低価格路線に乗せ、現在の地位を確立していくこととなる。

1973年5月、正垣は株式会社マリアーヌ商会を市川市八幡に設立。それまで営業していた「レストランサイゼリヤ」のチェーン展開を開始し、千葉県を中心に出店を続けた。1987年、商号を株式会社マリアーノに、1992年には、株式会社サイゼリヤに変更した。