「ニュージーランド産のマヌカハニーには、抗癌作用がある」という噂が最近、巷に流れている。その科学的な「真ぴょう性」を確かめるために、幾つかの科学文献を当たってみた。すると、2、3 の文献に、それを実際に裏付けるような研究結果が出ていた。先ず、マヌカハニー (5%溶液) が細胞培養系で乳癌や大腸癌の増殖を強く抑えることが証明されていた (1)。更に、その分子メカニズムに関しては、PAKの直ぐ上流にあるJAKというチロシン=キナーゼを阻害しているようである (2)。従って、PAK遮断剤の一種である。 更に、PAKの下流にあるCOX-2 という酵素も抑えていることが判明した (3)。従って、マヌカには、(その化学成分の同定はまだ進んでいないようだが)、PAK遮断剤が含まれているのは事実らしい。COX-2 は、痛みの原因である「Prostaglandin 」を合成する酵素なので、それを抑えるマヌカハニーは傷口の治療や痛み止めにも有効である。
その昔 (200年以上前) 、英国のキャプテン=クックが艦隊で豪州やニュージーランドを初めて訪れた際、マヌカの葉っぱを煎じて、お茶代わりに飲んでいたことから、マヌカの木が英語で「Tea Tree」とも呼ばれるようになった。 「健康茶」である!
「マヌカの森」: 手つかずの大自然が広がる「環境保全先進国」ニュージーランド (NZ)。この国にしかないマヌカの木は、太古の昔からNZの南北両島に自生してきた。
マヌカハニーの養蜂で一番重要なのは、「マヌカの花だけが咲いている場所と時期を選び」養蜂すること。大航海時代まではたくさんあったマヌカの木も、ヨーロッパ人による開拓時に多くのマヌカの木が伐採され、今もなお開発による伐採が続き、マヌカの木自体がどんどん減少。「マヌカの木だけが生息し他の花が一切咲かない貴重な地」、そんな奇跡の土地を「マヌカの森」と呼ぶ。
NZの原住民・マオリ族は「家族/血」のつながりをとても大切にする民族。現在、非常に希少となっている「マヌカの森」のほとんどは、マオリ族によって所有されている土地が多い。いいかえれば、医療用"マヌカハニー"はマオリ族が専業で誇る養蜂の産物! 私の十数年来の知人で、その昔「マヌカヘルス社」を創業したケリー=ポールも、「マオリの子孫」だと語っていた。
養蜂の盛んなドイツの統計調査によると、養蜂家は、それ以外の人々より、癌などの難病に対して千倍ほど耐性であるという。1953年にエベレスト初登頂に成功したニュージーランド (NZ) の登山家、エドムント=ヒラリー郷も養蜂家だった。 あの快挙のあとも、地元ネパールの貧しいシェルパ住民のために、学校や病院などを建設するために活躍し続け、病気もせずに、米寿を迎えて他界した。 当時のNZ労働党女性首相 (ヘレン=クラーク) が彼の偉大な功績を讃えて「国葬」にふした。
参考文献:
1. Aryappalli P1,
Al-Qubaisi SS1,
Attoub S2,
George JA1,3,
Arafat K2,
Ramadi KB1,
Mohamed YA1,
Al-Dhaheri MM1,
Al-Sbiei A1,
Fernandez-Cabezudo
MJ3, Al-Ramadi BK1.
The IL-6/STAT3 Signaling Pathway Is an Early Target
of Manuka Honey-Induced Suppression of Human Breast Cancer Cells. Front Oncol. 2017; 7: 167.
2. Aryappalli P1,
Al-Qubaisi SS1,
Attoub S2,
George JA1,3,
Arafat K2,
Ramadi KB1,
Mohamed YA1,
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MJ3, Al-Ramadi BK1.
The IL-6/STAT3 Signaling Pathway Is an Early Target
of Manuka Honey-Induced Suppression of Human Breast Cancer Cells. Front Oncol. 2017; 7:167.
Molecular Mechanisms of Natural Honey Against H.
pylori Infection Via Suppression of NF-κB and AP-1 Activation in Gastric
Epithelial Cells. Arch Med Res. 2016 ; 47(5):340-348.
こんにちは。NF2を患うひとりです。
返信削除外科手術以外の薬学的な治療に興味があります。
よろしければ詳しいお話を聞きたいです。