陸上の世界選手権が 目下、中近東のカタール王国「ドーハ」で開催されているが、10月4日の真夜中、男子20キロ競歩が行われ、世界ランキング1位の山西利和(23)=愛知製鋼=が1時間26分34秒で金メダルに輝いた。この種目の日本選手のメダル獲得は五輪、世界選手権を通じて史上初。今大会のメダル獲得は男子50キロ競歩, 鈴木雄介(富士通)の金メダルに続いて2個目。山西も鈴木と共に、日本陸連が定める「3位以内で日本勢最上位」という基準を満たし、来年の東京五輪代表に決まった。
さて、"眼鏡" がトレードマーク (眼鏡をかけたままスポーツをする選手は極めて珍しい!) の 山西選手は驚くなかれ「京大」出身、初出場で世界競歩の頂点に達した。酷暑のため直射日光を避け、"夜中の11時半スタート"という異例のレース。山西は第2集団から一人で中国選手を追いかけて7キロ過ぎに並び、そのまま先頭へ。その後は一人旅 (「独走」ではなく「独歩」) で逃げ切った。かくして、日本男子は競歩で20キロ、50キロのダブル制覇の快挙となった。
山西選手は京都府長岡京市出身。中学時代に陸上を始め、京都府立の名門「堀川高」1年時に先輩が歩く姿に興味を持ち、長距離から競歩に転向した。3年時の2013年には世界ユース選手権10キロ競歩で優勝し、将来を期待された。
有望スポーツ選手は強豪の私立大学に進むケースが多いが、山西は京大工学部に現役合格。物理工学を専攻し「文武両道」を貫いた。昨春に愛知製鋼に入社後は競技に割く時間も増え、昨夏のジャカルタ・アジア大会で銀メダルに輝き、今年3月の全日本競歩能美大会(石川)では世界歴代4位、今季世界最高の1時間17分15秒をマーク。 【毎日新聞の新井隆一記者】
(注) 競歩とランニングとの違いは、競歩では、常に (少なくとも) 片方の足が地面に着地していなければならない。山西選手の「一時間18分」 (距離で、ゴール前2キロ) 付近で撮影された写真をみると、明らかに両足が地面から離れている。だから、「厳密にいえば」、彼はこの地点で「失格」になっていたはずであるが、幸いレースが真夜中に行なれたので、審判がそれをウッカリ見逃したのだろう。 山西君、来年の東京五輪 (本番) では、是非自重して「反則」をとられぬよう気をつけて欲しい!
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