2019年10月31日木曜日

MELK 阻害剤「OTS167」は PAK 遮断剤!

数年前に、シカゴ大学の中村祐輔名誉教授 (阪大医学部出身) の研究室と川崎市内にある「Onco-Therapy Science」(OTS, 2001 年設立) の松尾研究室との共同研究により、強力な MELK (Maternal embryonic leucine zipper kinase) 阻害剤として「OTS167」が開発された (1) 。その後しばらくして、面白いことには、この薬剤が「p21」と呼ばれる抗癌遺伝子の発現を誘導することが判明した (2)。実は、 p21の発現は発癌キナーゼ「PAK」によって抑制されていることが、我々の手によって十数年前にわかっていた。従って、この薬剤が何らかのメカニズムで、PAKを遮断していることが予想される。案の定、ごく最近になって、そのPAK遮断作用が、スペインンのバルセローナの研究グループによって実証された (3)。 しかも「PKC1」阻害剤と相乗作用があるという。


参考文献:

1.      Chung S1, Suzuki H, Miyamoto T, Takamatsu N, Tatsuguchi A, Ueda K, Kijima K, Nakamura Y, Matsuo Y. Development of an orally-administrative MELK-targeting inhibitor that suppresses the growth of various types of human cancer. Oncotarget. 2012 ;3(12):1629-40.
2.       Chung S, Kijima K, Kudo A et al. Preclinical evaluation of biomarkers associated with antitumor activity of MELK inhibitor. Oncotarget. 2016;7(14):18171-82.
3.   Ito M, Codony-Servat C, Codony-Servat J et al., Targeting PKCι-PAK1 signaling pathways in EGFR and KRAS mutant adenocarcinoma and lung squamous cell carcinoma. Cell Commun Signal. 2019 Oct 28;17(1):137.

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