2017年3月11日土曜日

アルプス山麓に "PAK Research Center" のEU支部を設立する構想!

最近、フランス南部、アルプスの山麓グルノーブル (冬は有名なスキーリゾート) に隣接する小さな町/村「ラ=トロンシェ」(La Tronche, 人口が約6千人余り) にある ベンチャーBiotech 会社から、不意にメールを受け取った。 会社名は 「Inovotion」 (語源は英語のInnovation) 。主に、受精卵を使って、ヒト由来の癌細胞を移植し、抗癌剤の薬効をテストする、いわゆる 「in ovo」 動物テストを請け負う仕事をしている。

 臨床前の動物実験としては、従来は、(臓器移植を拒絶せぬ) ヌードマウスにヒト由来の癌細胞を移植して、新薬の抗癌作用をテストするのが、常套手段だった。しかしながら、ヌードマウスはクローン動物だから、高価である(1匹が5000円もする!)、 一回の実験に、コントロール実験も含めると、最低20匹 (マウス代だけでも10万円かかる!) が必須。しかも、ヌードマウスには感染防御の免疫能が欠けているから、無菌状態で飼育する必要がある。従って、飼育にも余計なお金がかかる。

ところが、ニワトリの受精卵は一個50円くらいだ。20個使っても一千円で済む。 しかも、特別の動物舎施設や面倒な「動物実験許可書」を取る必要もない。ということで、最近、(せんちゅうの成虫を使う動物実験と共に) ニワトリの受精卵を使う動物実験が注目されつつある。 殻に守られている "受精卵" には、未だ免疫能が殆んど発達していないので、"異種の臓器移植を拒絶しない" 利点がある!

我々自身も韓国の研究仲間と共同で最近、CAM (漿尿膜) テストで、新薬「15K 」が受精卵の血管新生を強く抑制することを実証済みである。従って、(血管新生を必須とする) 固形癌の増殖が受精卵でも、抑制されることは「火を見るより」明らかであろう。 そこで、それを実証する仕事を請負いたいという、ビジネス申し出が我々の元に届いたのであろう。 しかし、この仕事は明らかに 「無料」 ではない! 利益をめざす 「商売」 なのだから。 そこで、(余計な出費を最小限にとどめるための) 一案を目下、我々は企画しつつある。。。

このフランスの会社内に、我々のPAK Research Center (PRC) の支部を設立するというアイディアが不意に湧いてきた。 我がPRCは、いわば 「アイディア(新案特許) の泉」 である。次から次へと、新しい技術を考案しつつある。 これらの「Innovation」 (技術刷新) を、このベンチャー会社と共有しながら、我々のPAK研究事業を更に発展させよう、というわけである。 豪州メルボルンでは真冬、日本では猛暑の7-8月に、涼しいアルプス山麓の支部で過ごすという企画は、決して悪くない。