2024年4月28日日曜日

衆院補選:与党 (自民)が全敗、立憲が3勝!
(東京15区):酒井なつみ氏 (立憲) が初当選!
乙武氏(“小池” 党)は "失速"(正に「五体不満足」)!
小池知事 (ボス) の “学歴”疑惑 が足を引っ張る!

“反自民”ムードが続く間に、早く(岸田内閣の)“総辞職”を期待したい!
学歴を誤魔化した)小池百合子の、“首相になる”という夢も、遂に破れた!
国政どころか, 知事“3選”も難かしくなった。。。

2024年4月14日日曜日

伝記:リーゼ=マイトナー(マリッサ=モス著):
邦訳,2024年(岩波書店) 出版
マイトナー女史は、“原子核の分裂”を初めて発見!
不幸にして、それが “原爆” 開発に悪用された!
"皮肉な" 歴史: もし、オッペンハイマーが毒殺を犯したら、原爆は誕生しなかった!

目下、JR新宿駅東口界隈でも、米国映画 “オッペンハイマー"(3時間の大作)が上映されつつある。主人公(ロバート=オッペンハイマー,1904-1967)は、ユダヤ系の米国物理学者であるが、戦時中、“原爆開発”[マンハッタン計画] の指揮をとった。この原爆開発に従事した研究者の大部分は、(放射能の被爆で)早死にしたが、主人公も(喫煙のせいか、被爆のせいか)
“咽頭がん”で死亡した! さて、この“呪われた”計画は、皮肉にも、ドイツ国内で起こった "2つの発見" の結果(産物)である。
1938年末に、ドイツの化学者、オットー=ハーンが、ウラン原子核(92)に中性子を当てたところ、バリウム元素(56)が発生したが、其の理由がさっぱりわからなかった!
そこで、彼の研究所の同僚だったが、ユダヤ人迫害のために、スエーデンに亡命したリーザ=マイトナー女史(物理学者)に、その解析を依頼した。翌年始め、マイトナー博士は、その現象が、ウラン原子核の分裂であることを、突き止めた。つまり、Ur (92) が Ba(56) とKr (36) に分裂したことを発見した!(それまで、原子核は分裂しない、と考えられていた)...
更に、この原子核分裂が “連鎖反応”的に進行し得ることも判明した。しかも、この原子核分裂によって、質量が減少するために、それに相当する莫大なエネルギー(E=MC2、アインシュタインの有名な等式) が放出されることもわかった: エネルギー(E)= 質量(M) X 光速度(C) の二乗. 皮肉にも、ハーン博士は、戦後,(マイトナー博士の解析に基づく)大発見に対して(戦争に勝利した敵国からの推薦により)"ノーベル賞" を独占!
勿論、それは原子力の平和利用にも役立つが、“原爆”という兵器にも、悪用されうる! 
こうして、戦時中のドイツと英米の研究チームで、それぞれ、“原爆の開発”レースが開始した。
なお、マイトナーは、米英の“原爆開発”計画に誘われたが、きっぱり断った! お蔭で、長生きした!
幸か不幸か、英米のチームが、まず原爆の開発に成功し、("敵国"日本の) 広島と長崎に、("日本" によるハワイ真珠湾攻撃の“仕返し”に)、其れを投下した!  
勿論、(平和主義の)マイトナー女史は、それ (原爆の開発) を大変残念がった!
なお、映画“オッペンハイマー”には、原爆による“広島・長崎の惨状”は、全て“カット”されている(日本人観客には、極めて不満! 米国政府・大衆には、“反省の跡”が見られないからだ!)
戦後、最終的には、オッペンハイマー(原爆の父)も マイトナー(原子核分裂の母)も、原爆/水爆の使用を禁止する運動を展開した。そのために、オッペンハイマーは、米国で, 忌まわしい“赤狩り”の対象になり、結局、“英雄の座”から長らく失脚させられた。。。

その赤狩りで、オッペンハイマーの失脚に 主(悪)役を演じたのは、米国原子力委員会長のルイス=ストローズだった。彼は、オッペンハイマーが戦後間もなく、プリンストン大学で、アインシュタインと、そっと密談をした折に、彼の "悪口" を囁いた、と勘違いして、オッペンハイマーに悪意を抱き始めた! 実は、この2人は、戦後は、“核兵器の使用を辞めよう”と、相談していただけだった。皮肉にも、善良そうで、実は“悪玉”、のストロ-ズ役の演技 (アカデミー助演男優賞に輝く) が、最も光っていた!
https://www.magellantv.com/articles/robert-oppenheimer-lise-meitner-and-the-moral-fallout-from-the-atomic-bomb

最近、新宿のピカデリー座で、映画“オッペンハイマー”を観た。実は、主人公は、“理論”物理学者で、実験が不得意だった。英国のケンブリッジ大学留学中に、実験に悩まされて、実験担当教師の厳しい仕打ちを恨んで、青いリンゴに青酸カリを注射して、暗殺を図った(幸いにも、助け舟が出て、未然に中止した!)という、ショッキングな場面が、映画の鼻に登場した。吾が輩には、未知のことで、“史実”かどうか不確かだが、主人公には“感情的に高ぶり易い”性格があるようだ。その助け舟(恩師、ニールス=ボーア)のおかげで、彼はドイツのゲッチンゲン大学で、理論物理学をエンジョイできたそうである。
もし仮に、オッペンハイマーが、ケンブリッジで毒殺に成功していたら、恐らく、彼は逮捕され、刑務所で生涯を送り、原爆開発を指揮するチャンスは全くなかっただろうし、広島や長崎にも、原爆は投下されなかったろう。(皮肉な)歴史は、一人の教師の命を救い、何万人もの命を奪った! "神も仏もない" 酷い世界である!

原爆開発を大々的に扱った映画は、 この“Oppenheimer" が恐らく最初だろうが、小説の形では、1959年に、パール=バック女史によって、出版されていた。”Command the Morning" という表題。その邦訳が出版されるまでには、ほぼ半世紀を要した。(被爆した)日本人全体が、ひどく“原爆アレルギー” だったからだ。2007年になって、ようやく径書房から、我々の邦訳が出版された。題名は“神の火を制御せよ”(原爆を作った人々)。この小説に登場する唯一の女性科学者、ジェイン=アールは、実は“架空の人物”ではない。ジョアン=ヒントンと呼ばれる女性物理学者がそのモデルだった。
彼女は、1940年に日本で開催予定の冬期五輪に参加する米国スキー選手団の一員だった。しかし、戦争のため、開催が中止になり、彼女は、マンハッタン計画に参画する破目に陥った。1945年6月に、原爆一号のテストが、成功した後、2発の原爆の建設が、軍部の圧力により、進められていた。“敵国”独伊は既に降伏していた。残るは日本だけ! そこで、2発の原爆は、日本へ投下されるという噂が流れ始め、(彼女を含めて)70名以上の(良心的な)科学者たちが、 原爆の使用を辞めるよう、嘆願書を作成して、Oppenheimer 所長、軍部やトルーマン大統領に、迫った。最終的には、その嘆願書は無視され、広島と長崎の上空で、原爆が炸裂した! 彼女は、その野蛮な米国政府・軍部に抗議して、米国を去り、中国の北京に永住を決めた。
2007年の邦訳出版に際し、我々は、ヒントン女史の所在を突き止め、既に“車椅子生活”をしていた 女史を、日本に招待し、広島を訪問する機会を与えることができた。恐らく、彼女が、マンハッタン計画に参画していた科学者の中で唯一の“広島訪問者”だろう。2,3年後、彼女は88歳の長寿で安らかに永眠した (Oppenheimer は1960年に、東京を訪問したが、広島や長崎を訪問する勇気も, 誠意もなかった!).
歴史上の偶然とは、世にも不思議なものである。実は、吾が輩が、2007年の夏に、米国のBaltimore で、線虫の実験をしている内に、PAK遺伝子を欠損した変異体が、野生株より、6割も長生きすることを発見したが、その時に、研究所の一室を貸してくれた北京生まれの教授は、ヒントン女史の娘と、北京大学医学部で、クラスメート同士だった! この地球は広いようで、意外に狭い!
ヒントン女史を主題にした“米国の良心”という (TV)ドラマ を製作したら、少なくとも“日本人観客”に大変受けると, 我が輩は確信している。

注 (教訓):“PAK遮断剤”は、副作用がないから、悪用され得ない!
できれば、“悪用されない” 発見・発明を心がけよう!
ノーベルは、自分の開発した“ダイナマイト”が、戦争に悪用されたのを嘆き、(全人類の福祉に貢献する)発明・発見を奨励するために、“ノーベル賞”を設立した。

我が輩は、偶然にも、マリー=キューリーやリーザ=マイトナーと同じ誕生日(11月7日)を分かち合う運命に生まれたので、我が輩自身の研究分野(分子生物学)で、特に若い"女性研究者" の養成に長らく貢献してきたことに、誇りを感じている。

2024年4月11日木曜日

野田正彰 著 :“陳真”(2004年)

戦前に東京で生まれ、戦後(動乱期)の台湾を経て、“共産革命・文化革命”下の中国大陸で生き抜き、更に重症の “結核”をも克服した(心優しい)中国女性のユニークな生涯。
副題は、戦争と平和の旅路。1932年に生まれ、2004年に、72年に渡る“波乱万丈”な人生を閉じる。13歳(中学生)で、(日本から台湾への船上で)”漂浪の小羊“ という短編 ”私小説“(日本語)を綴る、言わば ”天才少女“。
北京放送局から、"日本人向け" の放送を長らく担当。NHKでも、”中国語“ 講座を担当。
東京・荻窪に生まれ、なんと ”谷川俊太郎“ (詩人、92才)とは幼馴染
著者の野田さんは、北大出身の精神医。

2024年4月10日水曜日

富士山登山に, “登山料”(2千円)徴収!
富士山は、遠くから “眺める”山
登るのは、もう “辞めよう”!

富士山を山梨県側から登る "吉田ルート" で通行料2千円を徴収する条例案が4日、県議会で全会一致で可決!
この ”登山・通行料“ は、多くの ”心無いハイカー“ による山道の”荒れ“を修繕するために、使用されるらしい!、
亡父(アマチュア登山家)が生前、“富士山は眺める山で、登るべき山ではない”、と曰く。
そして、死ぬ前に、眺めの良い御殿場(富士山麓)の墓地に“自分/家族の墓”を設定した。
我が輩は、父の忠告(先見の明)に従い、富士山には、登ったことはない。穂高槍やヨーロッパのアルプス(マッターホルン)等に比べて、登山技術を要しない“スタミナ試し”の山に過ぎないからだ。
我が輩(遺骨)は、(死後)その墓に入る予定はない。(海へ流れる)川に "散骨" してもらって、“七つの海”を自由に泳ぎたい! 父から息子への更なる“進化”である。