2017年12月18日月曜日

15Kの依託合成"詐欺": 一難去ってまた一難!

実は、 線虫の寿命 (延長) 実験がようやく完了し、(抗癌作用など) マウスを使用した一連の実験を海外で開始するため、(知り合いの紹介で) 三重県伊賀市にある「 CS 」と称する有機合成屋に 1 グラムの15K の依託合成を27万円弱でお願いしたのだが、届いた製品 (純度 98%?) には殆んど抗癌作用がなく、明らかに不良品 (役に立たぬ "ゴミ" が大部分=99%以上!) であることが最近、判明した。 「詐欺師の仕業」と呼んでも過言ではなかろう。もっと信頼性の高い "TCI " (東京化成) などへ依託合成を依頼する予定。 (新薬開発は) 中々一筋縄では行かないようだ。頭の中はカッカとしているが、(賢明な友人の忠告に従って) 表面上は出来るだけ平静を装っている。

 結局、15K (1 g) の依託合成は、豪州メルボルン郊外にあるLa Trobe 大学に英国から最近転勤してきたCC (クリック化学) の専門家 John Moses 教授の研究室にお願いした。彼はCCの発明者Barry Sharpless 教授 (MIT、2001 年ノーベル化学受賞者) の弟子である。 更に、18M (MPA のエステル) の試作合成も彼に依頼する予定。

2017年12月16日土曜日

「多和田事件」始末記 : 「地球温暖化 (熱中症) 対策」の発見!

沖縄の多和田 (名誉教授) による「データ隠蔽」のため、海外医学雑誌への我々の研究論文の投稿が8カ月以上遅れたが、韓国のSang-Kyu Park 教授研究室による追試実験のお蔭で、幸い実験結果 (15Kの「寿命延長効果」など) が再現できたので、(最終的に) Experimental Gerontology 宛てに研究論文を投稿した。当然ながら、(論文投稿を妨害し続けた) 多和田氏の名は、"共同研究者"リストから削除した。

最近、阪大卒の友人から、東大 (応微研)「渡邊教授」による長年に渡る研究データの改竄に関する「NHK」特別番組について、聞いた。琉大ばかりではなく、天下の東大にも品格の低い教授が最近目立つ (例の健康食品「ブロリコ」もマユツバ臭い!)。嘆かわしい!  そういえば、昔、神戸大でも、ある悪名高き教授 (故西塚教授、ラスカー受賞者) が大手を振っていたのを思い出す。ある噂によれば、故人の葬式直後、二次会が近くの飲み屋で開催され、故人の他界を祝って、(生前、被害を被むった) 同僚たちによる「乾杯」が盛大に繰り返えされたという。

「地球温暖化」に耐え抜く術を発見

実は、韓国の研究室との共同実験は、8月末頃から開始されたが、論文投稿までに意外に時間がかかったのは、新しく「改良 Assay 法」を導入、試験的に繰り返し、試していたからである。 

線虫は "低温が好き" で通常、摂氏20度で、平均寿命が2週間強であり、100% 死亡には3週間強かかる。線虫をPAK遮断剤「15K 」(50 nM) で処理すると、平均寿命が30% ほど長くなる。

ところが、無処理の線虫を "摂氏35度" で長時間 (8時間の「 heat-shock」)  処理すると、(いわゆる「夏バテ」現象のため)  24時間以内に半数以上が死亡する。しかしながら、PAK遮断剤「15K 」(10 nM) で前処理すると、"耐熱性" になり、半数以上が一週間 を過ぎても、ピンピンしていることが判明した。 「劇的な薬理効果」 (地球温暖化/熱中症対策) である!

 逆に言えば、地球温暖化は、北極や南極の氷河を溶かして、海面の高さを増したり、山火事を頻繁に発生させる弊害ばかりではなく、我々人類を含めて、あらゆる動物の寿命を縮めつつある。 だから、プロポリスやゴーヤなどのPAK遮断剤は、少なくとも「熱中症」対策を通じて、健康長寿に役立つに違いない。 

沖縄産プロポリスは "オオバキ" の若芽由来であるが、その抗癌主成分 Nymphaeols はPAKを直接阻害する (前述)。古来、琉球人が長寿であったのは、オオバキやゴーヤなどのPAK遮断食品によると言う科学的証明が最近出つつある。


2017年12月3日日曜日

「十文字 ドメイン 脱メチラーゼ」 (JMJD6) :
PAKの発現を促す発癌酵素

ごく最近、中国の北京大学の研究グループによって、「JMJD6」 と呼ばれるヒストン脱メチラーゼの一種が、メラノーマの増殖に関与していることが明らかにされた (1)。注目すべきは、この酵素は発癌/老化キナーゼ「PAK」の発現を促す働きがあるようだ。従って、PAKの上流に位置する発癌酵素の一種と考えられる。 面白いことに、JMJD は「十文字 ドメイン」の略で、JMJD6を含めて一連のヒストン脱メチラーゼが、このドメインを有する。 最初にJMJD ファミリーを発見したのは、都内町田市に (日本における"生化学の草分け") 江上 不二夫教授(1910- 1982) が設立した ("三菱化成"傘下の)  "生命研 " (1970-2010) の "竹内 隆" 研究室である。1999年に造血細胞やマクロファージから、この酵素 (JMJD1) を見つけた (2)。  しかしながら、後にこの一連の脱メチラーゼが (PAKと同様)  酵母からヒトまで、広範に存在することが判明した。(メチル化された) ヒストン中の塩基性アミノ酸、リジンやアルギニンを脱メチル化する酵素である。

従って、理論的には、十文字ドメインを有する酵素を選択的に阻害する薬剤にも、抗癌作用や老化抑制作用が期待できる。 実際、数年前に、米国テキサスの研究グループがJMJD 脱メチラーゼの阻害剤「JIB-04 」(E-isomer) を初めて開発して、抗癌作用があることを細胞培養系 (IC50=250 nM against A549 cells) 及び動物 (マウス) 実験 (55 mg/kg weekly) で実証している (3)。(PAK遮断剤同様) 正常な細胞には毒性を全く示さない。我々の開発したPAK遮断剤 (15K) ほど、未だ強力ではないが 、将来、より 強力な誘導体が開発されることを期待している。

さて、我々の開発した「15K」には、メラノーマの増殖に必須な「MOF」と仮称する酵素を阻害する作用もあることがわかっている。しかしながら、「MOF」(Melanoma Oncogenic Factor) の正体は未だ突き止められていない。 ひょっとすると、MOFは十文字 ドメイン 脱メチラーゼの一種かもしれない。。。

参考文献:  

1. Liu X, Si W, Liu X, He L, Ren J, Yang Z Yang J, Li W, Liu S, Pei F, Yang X, Sun L. JMJD6 promotes melanoma carcinogenesis through regulation of the alternative splicing of PAK1, a key MAPK signaling component. Mol Cancer. 2017 Nov 29;16(1):175. 

2. Kitajima K1, Kojima M, Nakajima K, Kondo S, Hara T, Miyajima A, Takeuchi T. Definitive but not primitive hematopoiesis is impaired in jumonji mutant mice. Blood. 1999 ; 93: 87-95.

3. Wang L, Chang J, Varghese D, Dellinger M, Kumar S, Best AM, Ruiz J, Bruick R, Peña-Llopis S, Xu J, Babinski DJ, Frantz DE, Brekken RA, Quinn AM, Simeonov A, Easmon J, Martinez ED. A small molecule modulates Jumonji histone demethylase activity and selectively inhibits cancer growth. Nat Commun. 2013;4:2035.