2020年2月23日日曜日

号外: ノーベル賞に輝く「イベルメクチン」は "COVID-19" 特効薬!



最近の
北米、欧州、アジア諸国における臨床テスト (患者700名強) イベルメクチン(0.15 mg/kg) 経口により、COVID-19 患者の死亡率が6分の1に減少したというニュースあり! 豪州メルボルンにあるモナッシュ大学の研究グループによって、ごく最近、イベルメクチンが、(我々の予想通り) COVID-19 の増殖を48時間以内に抑えることが細胞培養系で実証された! 

この (PAK遮断) 駆虫剤は、マラリア特効薬「HQ」より、副作用がずっと少ないので、より有望である。

最近、出版された上記論文 (Anti-Viral Res, 2020) によると、抗ウイルス作用 IC50 は、2。5 micro M (抗癌作用のIC50 とほぼ同じ)。 この濃度では、正常細胞の増殖には全く影響なし (1) 。
昨年末、中国の武漢市内に端を発した新型肺炎 (COVID-19) は、今や世界中に猛威を奮い、感染者の数は 3百万人を越え、死者の数も 20万人を越えている。WHO や中国の衛生局は 、伝統的なワクチン製造に腐心しているが、それが実用化されるには、あと一年半もかかるという。 それまでに今後、何人の死者が出るか想像もつかない。

さて、 最近、ワクチンに頼らない治療方法も摸索する努力がなされつつある。その一つが前述のPAK遮断剤による「近代的なアプローチ」である。つい最近、種々のウイルス性感染 (例えば、流感、HIV など) やマラリア感染と同様、COVID-19 の発症にPAK が必須であることが判明したからである。 それでは、一体どんな市販の薬剤が、COVID-19の予防や治療に効果的だろうか? 

前述のごとく、NZ産のプロポリス「Bio 30」(alcohol-free liquid) もその一つであるが、意外に知られていないのが、元々は日本発の抗生物質「イベルメクチン」である。2015年にノーベル医学賞をもらった北里研究所の大村  智らが、米国のメルク社 (MSD) と共同で、1975年頃にある土壌放線菌 から開発したものである。主にアフリカ大陸や東南アジアに蔓延する腸管糞線虫症の経口駆虫薬、疥癬、毛包虫症の治療薬として、1981年頃に、米国メルクによって市販され始めた。 商品名は「ストロメクトール」 (日本では、MSD 社製造、マルホ社販売)。

さて、2004年頃に、ロシアの研究グループによって、イベルメクチンが癌の増殖を抑えることを発見された。しかし、その抗癌メカニズムが不明だった。  2、3年後に不思議な現象を偶々、せんちゅうで私は見つけた。致死量以下*のイベルメクチンでせんちょうを処理すると (プロポリス処理と同様)、産卵数が7分の1に激減した! そのphenotype はPAK欠損のせんちゅう株 (野性株よりも更に6割長生きする!) の全く同じだった。更に2009年頃になって、兵庫県立癌センター (明石) の婦人科医師 須藤  保  らとの共同研究で、我々は (PAK依存性の) 卵巣癌の増殖がイベルメクチンにより、ピタリと止まることを発見すると共に、この薬剤が実際にPAKを遮断することを突き止めた (1)!   従って、(プロポリス同様) この薬剤で、COVID-19を速やかに撲滅しうる可能性が出つつある。そこで早速、マルホKK (大阪本社) の高木社長に激励のメッセージを送った。

*注:  イベルメクチンの主要な標的は寄生虫の脳内 "GABA" 受容体で、哺乳類の"GABA" 受容体には結合しないので、"人畜無害" であるが、(二次的に) "PAK" を遮断する機能がある。



 製薬業界で大成功を修めるためには、「水平思考」のできる柔軟な頭脳が必要である。例えば、ファイザーは「バイアグラ」を高血圧の治療薬としてスタートしたが、開発途上で、勃起不全の治療薬に切り換えて、"ブロックバスター" になった。どこかで触れたが、実はバイアグラは「PAK遮断剤」でもある。従って、原理的にはCOVID-19 の治療にも使用しうる。。。逆にいえば、「イベルメクチン」は高血圧や勃起不全の治療にも使用しうるはず。

参考文献: 
1。 Hashimoto H, Messerli SM, Sudo T, Maruta H (2009). Ivermectin inactivates the kinase PAK1 and blocks the PAK1-dependent growth of human ovarian cancer and NF2 tumor cell lines. Drug Discov Ther. 3, 243-246.