2024年11月8日金曜日

エルゴチオニン (キノコ由来) が、マウスや線虫の寿命を延ばす のみならず、催眠作用もある (「PAK遮断剤」)!

金沢大学薬学部の "加藤 将夫" (ゆきお)研究チームによれば、エルゴチオニン (えのき茸などの "キノコ" 由来の"含硫"アミノ酸) は、少なくともマウスや線虫の寿命を2割ほど、延ばす、ことがごく最近、証明された。
REF:
M Katsube, T Ishimoto, Y Fukushima, A Kagami, T Shuto, Yukio Kato (2024).
Ergothioneine promotes longevity and healthy aging in male mice.
Geroscience. 46(4):3889-3909.
そのメカニズムについては、未だ良く解明されていないが、上海工科大学の研究グループによる最近のレビュー (2023年) によれば、(PAK依存性の) メラニン合成を抑制しているそうである。従って、エルゴチオニンは "メラトニン" 同様、「PAK遮断剤」である可能性が高い!
REF:
Hui-Min Liu, Wei Tang, Xiao-Yi Wang et al (2023).
Safe and Effective Antioxidant: The Biological Mechanism and Potential Pathways of Ergothioneine in the Skin. Molecules. 28(4): 1648.
面白いことに、最近、サントリー Holdings から、(メラトニンの代わりに) エルゴチオニンを
"催眠剤" として利用 (処方)
する特許も出ている。
大変皮肉な話であるが、日本国内では今日、(「薬事法」によって) 「メラトニンの販売も輸入も禁止」されている。武田薬品がメラトニン類似物質 (ロゼレム) を市販し始めた (2010 年) 以来のことである。しかしながら、エルゴチオニンは「ヒスチジン」の誘導体であり、メラトニンとは全く化学構造の違う天然物なので、遂に、武田による「独占」に終止符が打たれるだろう。。。

0 件のコメント:

コメントを投稿