2017年1月21日土曜日

フサアカシア: ブラジルの北リオグランデ産のプロポリスの起源植物

つい最近、ブラジル産の新しいプロポリスが見つかった。北リオグランデ地方(南緯5度、 熱帯) のプロポリス(RN)で、従来知られているグリーンプロポリス (GP) やレッドプロポリス(RP) とは全く違う成分 (フラボノイド類) を含んでいる。  その起源植物がMimosa tenuiflora  (フサアカシア) であることも判明した (1)。  ニュージーランド産など温帯地方産のプロポリスの大部分が、ポプラや柳の若芽を起源としているが、フサアカシアもプロポリスの起源植物になることは、極めて興味深い。

我が家の裏庭には、3種類のポプラばかりではなく、フサアカシアの森にも囲まれているからである。 ミツバチにとっては 「楽園」 であるが、私にとっても 「健康長寿の森」 である。フサアカシアからも、PAK遮断剤が見つかるに違いない。 

 さて、フサアカシアの樹脂には、抗炎症作用があることがかなり昔から知られているが、その有効成分の一つは 「サクラネチン」 と呼ばれるフラボノイドである。 もし、いわゆる 「シャーロック=ホームズの推理」 が正ければ、サクラネチンにもPAK遮断作用があるに違いない。 PAK依存性のCOX-2 遺伝子の発現を抑えるからである。 最近の文献によれば、慶応大学薬学部の須貝教授のグループが、サクラネチンの化学合成法の改良に成功している(2)。 

 前述したが、沖縄産のプロポリスの主要抗癌成分は 「Nymphaeols 」 と呼ばれるゲラニル側鎖を有する特殊なフラボノイド類であるが、サクラネチンには、ゲラニル側鎖がない。 私の予測では、ゲラニル側鎖は細胞透過性を増すために寄与しているが、PAKを直接阻害するためには, 恐らく必須ではなかろう。 もしかすると、ゲラニル側鎖は、Nymphaeols の「PAK特異性」にも寄与しているかもしれない。 言い換えれば、側鎖が長いほどPAK以外のキナーゼには働き難くなる可能性がある。。。

 サクラネチンの語源は 「桜の木」にある。1908年に 天然物有機化学の草分けである東大薬学部生薬学の朝比奈泰彦教授 (1881-1975) が、博士号の取得前に、桜の樹皮から初めて単離したという面白い歴史がある。

アリとアカシアの「共生関係」?
実は、アカシアはその甘い樹液で、アリを一生 「奴隷化」 しているようである。そのトリックとは?  http://karapaia.com/archives/52145366.html
 

 参考文献: 
1. Ferreira JM1, Fernandes-Silva CC1, Salatino A1, Negri G1, Message D2.
New propolis type from northeast Brazil: chemical composition, antioxidant activity and botanical origin. J Sci Food Agric. 2017 Jan 11.

Simple Synthesis of Sakuranetin and Selinone via a Common Intermediate, Utilizing Complementary Regioselectivity in the Deacetylation of Naringenin Triacetate. Chem Pharm Bull (Tokyo). 2016; 64(7):961-5.

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