2020年5月12日火曜日

"酸素不足"はPAKのアセチル化 (=異常活性化) を誘導し、
癌化、"コロナ肺炎"など一連の難病で寿命を縮める!

特に"肺炎"は、それ自身、「酸素欠乏」をもたらすので、悪循環が続く。 従って、理論的にはCOVID-19の感染を、PAK遮断剤ばかりではなく、PAK Acetylase (PACE) 遮断剤 (レスベラトロール etc) でも、予防/治療しうるはずである。さて、「PACE」とは、一体いかなる酵素なのだろうか?

"Hypoxia" induces the acetylation of PAK1 at Lys 420 to block its dimerization, and thereby leads to its "abnormal activation" and promotes tumorigenesis etc by phosphorylation of ATG5. Most interestingly, "SIRT1" deacetylates the Lys 420 of PAK1 ! 
# Feng X, Zhang H, Meng L, et al. Hypoxia-induced acetylation of PAK1 enhances autophagy and promotes brain tumorigenesis via phosphorylating ATG5. Autophagy. 2020 Mar 18:1-20.  

 一般に蛋白中のアセチル化は、主に Lys のアミノ基がアセチル化される。最も良く知られている例は、クロマチン (遺伝子とヒストンの複合体) のヒストンをアセチル化すると、遺伝子の発現が高まる。 HDAC (ヒストン脱アセチラーゼ) は、その逆反応をつかさどる酵素で、HDACを抑えると、PAKが遮断される。PAK 遮断剤「 FK228 」 (商標 "Istodax") は、HDACの典型的な阻害剤でもある。 さて、私の理解が正しければ、蛋白アセチラーゼ (ATase) は一般に 「Acetyl CoA 」を (アセチル基を供給する) 補酵素とする。

チューブリンのアセチル化と脱アセチル化
チューブリンのアセチル化と脱アセチル化については、1980年代後半、米国エール大学で我々を中心に、主にクラミドモナスを用いて詳細な研究が行われた。軸糸 (鞭毛) に局在するチューブリンアセチルトランスフェラーゼ (TATase) は、微小管を構成する α-チューブリン=サブユニットの特定のリシン残基をアセチル化する。微小管が分解されると、原形質に含まれる脱アセチラーゼによってこのアセチル基 は取り除かれる。このようにして、軸糸の微小管は原形質の微小管よりも長い寿命を持つ。 


PAK 脱アセチラーゼ= "SIRT1" 
「PACE」の正体は結局、ヒストンやα-チューブリンをアセチル化する "ELP3" (Elongation Complex Protein 3, RNA Polymerase II Complex の一部) と判明したPACEの逆反応、つまり"PAKの脱アセチル化" をする酵素もつい最近、発見された!  それは何と"SIRT1" と呼ばれる酵素だった!  この酵素は、"健康長寿" に関与し"レスベラトロール"  (RSV) やその改良剤 "SRT2104" などで活性化される。言い換えれば、たとえ「コロナ肺炎」に感染しても、レスベラトロールが豊富な "赤" ワインなどを飲めば、生き残れるチャンスが大である。  乾杯! 
更に、付け加えれば、RSVは、「LKB」と呼ばれる抗癌キナーゼを介して、PAK を阻害する。 ただし、天然のRSVは、水に溶けにくいので、一連の水溶性改良型が製薬会社「GSK 」などにより開発されつつある (糖尿病患者を対象とする臨床テスト中) が、未だ市販には至っていない。。
メキシコ生まれのスペイン人 (1907 年生まれ) マリアは、COVID-19 感染を克服した世界最年長の人!  1919年のスペイン風邪にもかかったが、見事に生き残る!彼女は世界に稀れな PAK 欠損」人類 (Homo unpaks) "Red"Wine-Lover ! 

#この研究論文は、米国ニュージャージー州にある医学系名門 「Rutgers 大学」の研究グループによる極めて優れた論文である。この大学からは、その昔、抗生物質「ストマイ」を発見して1952年にノーベル賞をもらったセルマン=ワックスマンが輩出している。 

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