有名な抗生物質「ペニシリン」がアオカビから発見されるよりずっと前 (1893年)に、イタリアの医師 (Bartolomeo Gosio) によって別の青カビから発見された抗生物質が「ミコフェノール酸」 (MPA) である。現在は主に、臓器移植のために、臓器の拒絶を抑えるために、患者の免疫作用を抑える目的で使用されている。しかしながら、その後の研究から、MPA にも、プロポリスと同様、PAK を遮断し、癌の増殖や (肺炎などの) 炎症を抑えることが判明した。 従って、理論的には、COVID-19 の感染を予防する作用も予想されていた。 実際、ごく最近になって、国立感染症研究所 (旧「予研」) のグループによって、その抗コロナ作用が細胞培養系で実証された。IC50 は ほぼ 1 micro M だそうである。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7362101/
前述したアルカロイド「CEP 」とほぼ同程度である。 しかし、名前にある通り、分子中に "カルボン酸" があるので、そのままでは "細胞透過性" が悪い傾向がある。従って、現在はそのエステル (モフェチル) 体が臨床に使用されている。
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