もう15年ほど昔、我々は 四川省特産の「花椒」(麻婆豆腐の香辛料) の赤いエキス (温湯やアルコールで抽出) に "PAK" 遮断剤が存在し、抗癌作用を示すことを発見した:
https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.4161/cbt.5.3.2404
しかし、その主成分の化学構造が長らく不明のままだった。。。。
ところが、ごく最近、そのPAK 遮断剤の化学構造が遂に判明した! 上海交通大学の研究グループによって、「WGX-50」(Lemairamin) と名付けられたこの「アミド化合物」(肥満症の治療薬 「Lomaira」のフェネチル (アクリル) アミド誘導体) は、認知症の治療や鎮痛剤としても、有効であることがわかった (IC50=1 micro M)! 勿論、癌、NF、COVID-19 の予防/治療にも有効であるはず。 PAK 遮断剤の仲間、クルクミンや CAPE (コーヒー酸フェネチルエステル) に全体的な化学構造が良く似ている。。。現在までに、 "より強力な" シナミド誘導体が幾つか有機合成されつつある。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0006291X20305003
ところで、山椒よりも「花椒」の方が「PAK遮断剤」として薬効が数倍強いにも拘らず、何故か「日本薬局方」には、未だに山椒しか収録されていない。 日本の薬事法に関する "専門家" の良識がはなはだ疑れる。。。
更に、面白いことには、麻婆豆腐に香辛料として使用する黒胡椒 (“ごく辛”) 由来のアルカロイドにも、PAK遮断作用があることが、ごく最近、四川大学の研究グループによって、明らかにされた! 従って、(“ごく辛” の) 麻婆豆腐を常食すると、花椒と黒胡椒の "ダブル=パンチ" で、癌 やCOVID-19 を予防することができる理屈になる!
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32031370/
私自身は「ごく辛」は苦手なので、黒胡椒の代わりに、(PAK遮断剤クルクミンを含む) 「カレー粉」 (ウコン) を使用して、「和風」の麻婆豆腐を自宅で料理している。
ところで、麻婆豆腐の「麻」は、麻酔を意味するそうである。花椒中の「サンショオール」が神経をしびれさせる (麻酔する) 作用があるからである。そこで、花椒を 温湯 (45度前後) で抽出すると、「サンショオール」なしに "PAK遮断剤" だけが選択的にエキスとして得られる。 これが我々の花椒 エキス 「花水」である。
0 件のコメント:
コメントを投稿