2020年12月27日日曜日

老化の仕組み (早分かり) : PAK は「老化キナーゼ」!

ショウジョウバエ (Drosophila) を使用した老化研究に関する世界的パイオニアである米国のマイケル=ローズ教授 (カルフォルニア大学) が、2005年にオックスフォード大学出版から英文原書 "The Long Tomorrow" を出版したが、その邦訳「老化の進化論」が、数年後の2012年に、みすず書房から出版された。 実は、私の本来の研究テーマは、発癌キナーゼである「PAK 」を選択的に阻害あるいは遮断する一連の薬剤を開発することにあった。しかしながら、2007年頃に、せんちゅう (C. elegans) をPAK遮断剤 (例えば、プロポリスなど) で処理、あるいはPAK遺伝子を除くと、寿命が伸びること、 つまり(「PAKは寿命を縮める」酵素であること) を偶然に発見して以来、老化現象にもいささか興味をもち始めて、この訳本を入手した。
ローズ教授は英国で1955年に生まれ、1978年の博士論文で、「メトセラ」と呼ばれる長寿のショウジョウバエ変異体を見つけ、寿命と生殖能が反比例 (トレード オフ) することを発見した! しかしながら、 彼は古典的な生物学者で、いわゆる遺伝学者でも、分子生物学者でもなかったので、メトセラが何故に長寿なのか、その遺伝子的分析を以後殆んど行なっていない。
さて、ショウジョウバエの平均寿命は、環境温度にも反比例する。1976年頃の論文によると、摂氏20度前後では、寿命が100日であるが、摂氏30度になると、その 5分の1 (20日前後) になる。 もし、この現象 (傾向) が他の動物にも、そのまま当てはまるとすれば、「地球温暖化」によって、我々の寿命も急激に短くなることが予想される! 最近は、寿命の研究に、ショウジョウバエの代わりに、より平均寿命が短い (摂氏20度前後で、14日) せんちゅう (C. elegans) が、好んで使用される。 研究結果がより短時間で得られるからである。 「時は金なり」である! 我々は、2007年頃に、せんちゅうを35度前後で飼うと、寿命がたった1日 (24時間以内) になることを発見した。 ところが、プロポリスなどのPAK遮断剤で処理する (あるいはPAK遺伝子を欠損させる) と、35度でも、少なくとも9日前後生き延びることを発見した! つまり、PAK は、寿命ばかりではなく、せんちゅうの熱耐性をも損なっていることが明瞭になった。
それでは、PAK はいかにして、寿命や熱耐性を損なっているのだろうか? この問題に重要な鍵を握っているのが、HSP (熱ショック蛋白) と呼ばれる「ATP 依存 性シャペロン」である。詳しくは、水島 徹 著「HSP と分子シャペロン」(講談社ブルーバックス、2012年) に譲るが、HSP は生命に必須な細胞内の蛋白が高熱によってダメージ (損傷) を受けた場合に、ATP を介して、元通りに戻す働きを持つ。 そして、HSP 遺伝子の発現は、熱ショックによって、誘導されるが、その発現を抑制している蛋白の一つが 「PAK」であることが判明した。いいかえれば、プロポリスなどで、PAKを遮断すると、HSP が高率良く発現され、高熱による細胞損傷 (寿命の短縮) が予防されるわけである。
さて、寿命や熱耐性を損なっているのは、PAK ばかりではなく、その上流にあるPI-3 キナーゼ や、下流にある ILK、更に TOR (Target of Rapamycin) など、複数のキナーゼが今日知られている。 例えば、マウスを抗生物質「Rapamycin 」などで処理すると、TOR が阻害され、寿命が有意に長くなることが実証されている。ただし、Rapamycin は元来、臓器移植用に開発された薬剤で、 (PAK 遮断剤と違って)、免疫能を抑制する機能があるので、「無菌状態」で動物を長らく飼う必要があり、(自由な野外活動を欲する) 人類には不適である。。。逆に、PAK 遮断剤は、我々の免疫能をも高める作用があるから、より実用的であろう。
最後に触れたいのは、PAK と生殖能との関係である。 せんちゅうの場合は、PAK欠損により、寿命が6割も延びる代わりに、生殖能 (産卵能) が約7分の1 に減少する。 従って、長寿になると、いわゆる「少子化」が起こる。日本政府は未だに「少子化対策」を唱えて、(丸でアフリカ大陸のごとく) 女性に産むことを強いているが、私自身の考えでは、これは「時代錯誤」も甚だしい! 「子供は一家に一人」で十分である。世界的に「人口過剰」になっている21世紀にあっては、(何よりも) "人口を減らす"ことが急務である。何故かと言うと、人口過剰が炭酸ガスの過剰放出を産み、ひいては「地球の温暖化」(QOL の低下) を招いているからである。 長寿を楽しむべきインテリの女性たちには、子供を産むよりももっと重要な社会活動が沢山待ち受けているはず。 少なくとも、真に「男女同権」の世界 (社会) では、そうあるべきである。。。我が国の首相「スガーリン」はアフリカ諸国の首相 (酋長) 連中 の猿真似を、そろそろ止めるべきであろう。
この年末に、現職の国会議員 "羽田雄一郎氏" (立憲、 53) がCOVID で急死! 持病の糖尿病、高脂血、高血圧は、いずれも「PAK」 依存病! 片足を既にかん桶に突っ込んでいた矢先に、COVIDによって、そっと背中を押されて、昇天! こういう持病 (=老化現象) をもった人は、特に要注意! COVID などの肺炎、紫外線、オキシダント等のストレスは、高温 (発熱あるいは地球温暖化) と同様、老化 ("死期") を早める要因!

FDR (フランクリン=ルーズベルト大統領) の
肖像画 (1945) が語る「太平洋戦争秘話」

米国史上、4期も続けて大統領を勤めたのは、唯一「FDR」 (フランクリン=ルーズベルト) のみである。 1933年から1945年まで12年間以上の長きにわたる。 FDR は1929年に始まる大恐慌から、米国の経済を立ち直らせるために、1932年の11月に、当時の大統領フーバー (共和党) に対抗して、(民主党から) 立候補して、見事に勝利した。それまで、FDR はニューヨーク州の知事をやっていた。 FDR は米国史上初めての、車椅子に腰かけながら執務をとった大統領でもある。ポリオ (小児麻痺) ウイルスに感染して、歩行が不自由になったからである。 さて、FDR の奥さん (エレノア) は、実はFDR と従兄弟同士 (テオドール=ルーズベルト大統領の孫娘) である。恐らく、彼女はファースト=レディーとして、政治活動に自ら積極的に活躍した最初の女性でもある。 実は、エレノアは米国の参戦に反対だった!
ところが、1941年12月8日に、日本軍がハワイの真珠湾に奇襲攻撃をかけたのを理由に、FDR は遂に米国の参戦を宣言して、太平洋戦争が勃発した (実は、米軍は日本軍の暗号を解読して、この「奇襲」攻撃を予め知っていた! つまり、日本軍はまんまと米国の「ワナ」にはまったに過ぎない。米国海軍の "主力空母" は皆、万が一のため、はるか沖合いに出ていて、奇襲を免れた!)。 勿論、苦戦している英国のチャーチルからの要請により、ナチス=ドイツに対しても宣戦を布告して、欧州戦線に、アイゼンハワー将軍 (のちの共和党大統領、1952-1960) を派遺した。米国史では、FDR のニューディール政策が、米国の大恐慌を救ったという "神話" が罷り通っているが、実際には 「参戦による莫大な特需」で、米国の経済は立ち直ったのである!
さて、1945年5月初めに、とうとうヒットラーが自殺し、ドイツは無条件降伏したが、その約半月前 (4月12日) に、FDR は欧州における戦勝を知らずに、脳溢血で他界した。その日の昼食後、FDR は南部ジョージア州にある別荘で、秘書に伴われて、ロシア生まれの画家の Elizabeth Shoumatoff (1888 - 1980) の前で、椅子に坐り、肖像画のポーズをとっていた。しかしながら、3 時頃 (殆んどスケッチが終わった時分) に、後頭部に激痛を訴え始め、間もなく安らかに永眠した。 その時の水彩画が今でも、その別荘に残っている。それが、いわゆる FDR の「未完成肖像画」である。我が見解によれば、(余韻を残した) 殆んど完成した素晴らしい肖像画である。
その直後、副大統領だったトルーマンが (正に「棚ぼた式」に) 大統領に昇格して、日本に無条件降伏を迫るという口実で、8月初旬、広島と長崎に、各々一発ずつ、ウラニウム原爆とプルトニウム原爆を投下するよう、命令する。 私の見解では、もし、8月まで FDR が存命だったら、恐らく、原爆投下を避けただろう。 何故かといえば、FDR がアインシュタインなどの物理学者たちの要請に従って、原爆開発計画 (Manhattan Project) を 1941年末に開始したのは、ドイツが開発する前に、米国で開発するためだった。しかしながら、ドイツが 5月初めに降伏した時、ドイツには原爆など存在しないことが判明した。従って、本来ならば、その時点で 「Manhattan Project」 を中止すべきだった。
ところが、「新米」(しんまい) 大統領のトルーマンは、ソ連のスターリンになめられ続けていたので、ソ連政府を脅かすために、原爆計画を継続したばかりではなく、(「真珠湾攻撃の仕返し」として) 日本で、原爆の実力を直接「人体実験」するために、敢えて原爆の投下を命令したのだ。 従って、本来ならば、トルーマンは 「戦争犯罪人」 として裁かれるべきであるが、先勝国の大統領だから (敗戦しかかっている国民に) 何をしても「無罪」! 他方、ソ連も敗けてはいなかった。 早くも2年後には、ソ連製の原爆が開発され、以後、米ソ間の核兵器競争に拍車がかかった。 それから数年後 (朝鮮戦争の最中に)、北朝鮮をバ ックアップする中国軍に手こずった マッカーサー司令官 (日本占領軍GHQ のヘッド) が、中国に原爆を投下する, という提案をした途端、トルーマンは自らの「原爆の悪夢」を取り払うかのように、即座にマッカーサーを罷免した! (敗戦寸前の日本への原爆投下) を後悔していたことは明らかである。。。
さて、菅 (すが) 首相 (別名「スガーリン」) は、安倍しんぞうが持病の悪化を口実に、首相を不意に辞任したために、棚ぼた式に首相になった言わば「成り上がり者」である。正に、トルーマンの日本版 「二番煎じ」 だ。 従って、当然ながら、禄な政策を立てられない。学術会議の人事に干渉したり、Go to Travel で COVID-19 感染を悪化させたり、失政のオンパレードを続けている。。。

2020年12月19日土曜日

楽聖「ベートーベン」(1770 - 1827) 生誕 「250周年」:
交響曲「第九」の精神とは?

クラシック音楽の大成者、Ludwig van Beethoven は、驚くなかれ、算数 (特に、かけ算) が苦手だったそうである。そこで、父親 (宮廷テノール歌手) は、6歳ごろから、長男 (Ludwig 少年) を音楽家 (ピアニスト) に育て上げ始めた (ベートーベン家は祖父から3代に渡って、音楽家だった) 。しかしながら、20歳代後半に難聴になり、最終的 (40歳頃) には、両耳共、全く聴こえなくなった。音楽家/作曲家にとっては致命的だったが、彼はそれにも負げず、数々の名曲/交響楽を作曲し続け、後世「楽聖」と讃えられるまでになった。
詳しくは、「ベートーベンの真実」 (谷 克二著、2020年) を参照: 人間らしさあふれるベートーベンだから生み出せた魅惑の音楽!
ベートーベンの魅力は人間としての卓越した個性にあり、だれしもがそれに圧倒され、魅了される。57年に渡る彼の生涯は自分自身との戦い、おのれの魂、おのれの信ずるものへの挑戦の連続だった。だからこそベートーベンが生みだした作品はまさに多面体であり、魂のうめきにも似た苦悩から生まれる歓喜の爆発、そして自然や人間に対する心やすらぐ賛歌に至るまで、無限のひろがりを人々に感じさせる。実は、彼はカトリック教徒であったが、(実際には存在しない) 神を頼みにせず、自分自身が神にかわって、人の世話をせねばならぬと信じ、実行した。 結局、多くのクラシック音楽家の間では、ベートーベンは「神をはるかに越える」存在になった。。。
「バッハは "神" に向かって作曲をし、モーツァルトは "貴族" に向かって作曲し、ベートーベンは "人間" に向かって作曲をした」といわれる、"人間" ベートーベンに迫る。
さて、彼の死因は「鉛中毒」とされている。残された「髪の毛」に高濃度 の鉛 (通常の100倍!) が蓄積していたからである! しかしながら、"鉛" の出どころがいまだに謎のままである。古代ローマ時代から当時に至るまで、安いワインには甘味料として "酢酸鉛" を加えていたという記録がある。ベートーベンが生計に苦しんでいた時代に、安ワインを好んで飲んでいた (実は、父親のヨハンは、"アルコール依存性" となり失職した。そこで、父に代わって, ベートーベンはいくつもの仕事を掛け持ちして家計を支え、父や幼い弟たちの世話に追われる苦悩の日々を過ごした!)。
さて、彼の難聴の原因についても、未だに謎に包まれているが、若しかしたら、NF2 (神経線維症 タイプ 2) だったのではないか、という仮説/可能性がある。実は不幸にして、 彼の死後まもなく、墓から「彼の頭骸骨」を盗んだ者が出て以来、頭蓋骨が行方不明になったまま! だから、彼の脳の MRI 診断像が撮ることはもはや不可能になり、NF2 説を裏付ける手段はない。。
ただし、髪の毛の DNA を "PCR" 分析して、NF2 遺伝子が正常だったか、あるいは機能不全だったかを確かめることは可能だろう。ドイツのライプチッヒにある MAX-Planck 研究所 (遺伝学研究所) には、ネアンデルタール人などの遺伝子 (genome) 分析を専門にしている研究グループがある。 彼らに頼めば、DNA 分析は可能だろう。 実は、同じ市内にあるライプチッヒ大学小児科病院に、遺伝子病の一種である「ヌーナン病」(Noonan Syndrome) などの「知能発達障害」患者 のPAK1 遺伝子の分析によって、最近、「PAK1 遺伝子に変異」を見つけたグループがある。この変異は、「脳の発達を遅らす」には十分だが、「癌や腫瘍などの発生」には不十分、という不思議な代物である。正常な PAK1 は通常、不活性なホモダイマーを形成するが、この変異体はホモダイマーを形成できないので、「恒常的に活性」のため、脳神経の発達を遅延させる。 しかしながら、腫瘍を発生するには十分でない。。。実は、同じような遺伝症例 (PAK1 遺伝子の変異体) がハンブルグ大学 (UKE) 小児科病院でも発見されている。
1994年にノーベル文学賞をもらった "大江健三郎" の息子 (光君、現在57歳) は、頭脳肥大(脳ヘルニア)のため、知的障害があるが、優秀なクラシック音楽の作曲家として活躍していると伝え聞いている。音感と頭脳全体の発達とは、ある程度、切り離しが可能のようだ。
大学時代の我が恩師 (水野伝一先生) は生前、ベートーベンの交響楽が大好きだった (未だ存命ならば、今冬で 100 歳!) 。実は、水野夫妻の長女は芸大卒のピアニストだったが、視力が劣ろえ、作曲家になったと聞いている。いみじくもベートーベンへ通ずる何かを感じる。。。 彼女は私とほぼ同年だが、ベートーベン同様、独身を通している。 私自身は楽才には恵れず、シューベルトの歌曲を好んでドイツ語で「カラオケ」する程度だが、幸い (幼い頃から) 画才には恵まれ、もし薬学を専攻しなかったら、今頃はユニークな画家になっていたかもしれない。しかしながら、画才は私に飛躍的な "想像力" を与え、生物学 (特に PAK 研究) で「水平思考の名人」芸を発揮している。。。言うなれば「鬼に金棒」か。。。
さて、もし (将来) 何時か機会に恵まれたら、鎌倉に住む水野夫妻の令嬢によるピアノ演奏で、シューベルト晩年 (1827-1828年) に作曲された 歌曲集「冬の旅」の一曲「菩提樹」(Der Lindenbaum) を歌い、大変お世話になった先生の霊前に捧げたい。。。実は、この歌曲は、私が中学生の頃、あるコンクールに出演するために、我が亡父からドイツ語で教わったものであるが、 不思議なもので65年後の今でも、一語一句ハッキリ憶えている: Am Brunnen vor dem Tore Da steht ein Lindenbaum... 先生は (ベートーベンのごとく) その傘下に多くの弟子を育て上げた言わば「菩提樹の大木」のような人だった。シューベルト (1797-1828) は ベートーベンの有名な弟子の一人だったが、若くして (ベートーベンの葬式に参列してから一年後) に肺結核 (?) で病死し、 ベートーベンの墓の隣に埋葬された。 彼も独身だった。 いわゆる「未完成交響楽」を最後に残して、この世を寂しく去った。。。
さて、年末近くに日本で好んで演奏される「第九」の歌詞は、有名な詩人シラー (1759 - 1805) の作。 その中に、「人間は神の前に、皆平等。人類は皆、兄弟 (brothers) 同士」いう有名な一句がある。 これは、元を正せば、(キリスト教の創始者) 「イエス=キリスト」の言葉。残念ながら、(紀元前の時代には) この人類の中に女性 (sisters) がふくまれていなかったのは、誠に残念である! ベートーベン自身は、神の存在を否定していたので、人類の中に女性もきっと含んでいた、と私は想像したい。。。とにかく、彼は多くの女性を愛し作曲し続けたが、いずれも「片思い」に終わったのは、誠に気の毒である。
もう一歩突っ込んで言うと、21世紀になってさえ、日本の天皇家では、「長男のみが皇太子、天皇になり、その以外の子供には、その資格が全くない」というのは、誠に「不平等」。。。従って、「第九」の精神に基づけば、(不平等極まる) "天皇制度" は、即「廃止」すべきである! 「令和のおじさん」 (別名「スガーリン」) よ、「第九」に耳を傾け、2021年に向けて、"斬新な政策" (憲法改正= 1 - 8 条を破棄!) を立てたまえ!
「人類 (兄妹) 平等」を信奉する我が亡父 (明治生まれの「9人兄妹」の末弟) は、勿論「第九」と「運命」のファンだったが、"清貧" のため、我が家からは、一人だけ (授業料免除かつ奨学金貸与を受けながら) 大学教育を受けさせる余裕しかなかった。そこで、幸運にも都立「日比谷」に合格した私だけが、東大への受験資格を得た。その代わり、妹は遺産相続権を獲得した (もっとも、清貧なので、大した額ではなかったが、国家公務員を定年で退職後、自費で建てた自宅で, 健康に余生を楽しんでいる)。 私は「博士号」という唯一の資本を元にして、海外に飛び出して、半世紀近く、いわゆる「PAK 医学」の大成に邁進している。恐らく、これが私自身の「第九」(あるいは「エベレスト」) になるだろう。。。エベレストは、人種や性別の違いで、人間を差別しない。真に実力のある者 (NZのヒラリー郷とシェルパ族のテンジン) のみが初登頂に成功した! その瞬間 (1953年5月末) 、(自身も登山家だった) 我が亡父は、その新聞記事を見せながら、(10歳の) 私に「自分自身のエベレスト (未踏峰) を見つけよう!」と励ましてくれた。

2020年12月16日水曜日

水虫の塗薬「ラミシール」などは "PAK" 遮断剤:
NF1 の皮膚腫瘍 (ブク) にも効くはず!

「水平思考」というものは、「意外な発見」への機会をしばしばもたらす。例えば、リンゴの実が木から落ちるのをみて、ニュートンは「万有引力の法則」を発見した。ダーウインは、ガラパゴスに生息する様々な動物を綿密に比較観察した結果、「進化論」に到達した。 それほどの大発見ではないにしても、我々も日常、水平思考により意外な発見に到達しうる。。。
さて、その昔、京大薬学出身の島田恵年 (1929年生まれ 薬剤師の息子) が修士号を修得した後、母親の「ナマコの煮汁が水虫に効く」という言葉をヒントに、(実家の物置を改造した実験室で) ナマコ (海鼠) の煮汁を作り、 エキス中の "サポニン" 成分 (ホロトキシン) からある「水虫の薬」(商標: ホロスリン) を発見/開発して、1969年頃に「サイエンス」誌にたった一ページの論文 (letter) を発表: S Shimada (1969). Antifungal steroid glycoside from sea cucumber. Science;163(3874):1462.
その後、ホロスリン製薬を大阪に設立し、ようやく2006年になって、ホロスリンの本格的な発売に成功したという逸話を、数年前、(我々が) 沖縄の琉球大学構内で "PAK" 研究をしている時分に耳にした: https://www.yakuji.co.jp/entry7185.html
その後まもなく、我々も種々の海鼠から、抗癌作用/ "PAK" 遮断作用を持つサポニン (ステロイド配糖体) を発見する機会に恵まれた。 つい最近、韓国プサンの東亜大学のグループにより、ロシア (ウラジオストック) 産ナマコ由来のホロトキシン A1 が強い抗癌作用を示すことが明らかにされた (IC50=60 nM)。因みに、ナマコ業者の話では、ナマコの煮汁は一般に「化粧石鹸の製造」原料に使用され、出し殻が「美食」として、中国などに輸出されるらしい。。。従って、"ナマコ汁入り" 石鹸で洗足すると、水虫が治るばかりではなく、肌が白くなるはずである: https://trip-s.world/gamat-soap
我が "水平思考": ごく最近、 韓国のある研究グループがPAK遮断剤から、真菌 (水虫かび など) に効く誘導体を開発したという論文を偶然見つけた。 実は、カビ類には (植物やバクテリアと違って)、PAKが存在する。そこで、例えば、水虫の薬 「ラミシール」(1990年頃にスイスのNovartisで開発) に "PAK" 遮断作用があるかどうか、文献調べをしたところ、何んと2003年に台北の研究グループが、ラシミールの抗癌作用及び "PAK遮断作用" を報告していた!
Wen-Sen Lee, Rong-Jane Chen, Ying-Jan Wang, et al. (2003). In vitro and in vivo studies of the anticancer action of terbinafine in human cancer cell lines: G0/G1 p53-associated cell cycle arrest. Int J Cancer.; 106: 125-37.
Maruta, H. (2021). Marine PAK1-blockers for Therapy of COVID-19. Nov. Appro. Drug. Des. Dev. 5, 70-72 (555667).
ということは、NF1 患者にしばしば観察される良性の皮膚腫瘍 (俗に「ブク」と呼ばれている) は、PAK 依存性なので、ラシミールなどの水虫塗薬は、ブクの治療に有効に違いないという、結論に達した。少なくとも「試してみる価値」はあると思う! ラミシール (水虫塗薬) は、元々「ブルー」シールだったが、女性向けに、近年「ピンク」シールも販売されるようになったそうである。ただし、水虫の薬は原則として「皮膚や爪に塗る」もので、経口はせぬこと!
ついでながら、アルニカ (Arnica) 精油 (クリーム) にも、"PAK" 遮断作用があり、水虫にも効くようなので、「ブク」にも効くかもしれない。。。更に、沖縄産海藻(もずく) 由来の「フコイダン」錠を (朝晩、各々2粒ずつ) 経口すると、「ブク」の数やサイズが減少するという良報を最近、複数のNF1 患者から受け取っている。
ついでながら、ビタミン D3 もPAK遮断剤であるが、NF1 患者では、しばしばD3 が欠乏している。その理由は、D3 (ステロイドの一種) の24位が体内で水酸化されて、不活化されるからである。水酸化酵素 (CYP24) はPAK依存性である。 従って、PAK遮断剤 (プロポリス、フコイダン 、ラミシール等) をD3 と併用すると、(CYP24 による) D3 の代謝が抑えられ、"相乗効果" が期待される。。。蛇足になるが、NF1 患者に典型的な「カフェオレ斑」 (黒いシミ) はメラニン色素であるが、その生成も "PAK依存性" である。従って、種々の "PAK遮断剤" により、黒斑を除くことは可能である。。。

2020年12月13日日曜日

強権のみで "指導力なしの" 菅 (スガーリン) 内閣の支持率 33% に急降下: Go To Travel 停止「遅すぎる」79%!

興味深いのは、我が家のごとく 「携帯電話をもたない世帯」 が、「スガーリン」内閣に 批判的!
つまり、"スガーリン" 内閣は (Go to Travel する) ”富裕層” や若年層の味方 (貧乏人や老人層を置き去り) !
スガーリン内閣の支持率急落: 与党 (自民や公明) 内からも “首相批判” (「すが下ろし」が吹きまくる)
詳しくは: https://mainichi.jp/articles/20201212/k00/00m/010/163000c

特に最先端の「分子生物」学界 (や学術会議) からは、スガーリン首相の「首」を "CAS9" で切断/編集すべきという声 (「首の挿げ変え」論) がにわかに高まっている! つまり、「すが」 (無学=科学音痴) を 「かん」(科学者) に (仮名) 変換すべきという "復古論" が高まりつつある。。。巷にはやる川柳: 「すが」の首 「かん」に切り換え 「コロナ」無し!
少なくとも台湾、ニュージーランド、豪州では、「鉄人大臣や首相」のお蔭で、コロナ感染は現在まで少なくとも6週間以上「皆無」。米国でも最近、トランプからバイデンへ、「首の挿げ変え」が殆んど完了。。。 日本にも、2021五輪前に「CAS9 津波」が押し寄せても不思議ではない!
"すが" 首相の「Go to Travel」 と "東条" の「真珠湾攻撃」の(興味深い) 対比: https://mainichi.jp/articles/20201217/k00/00m/010/255000c

(注): 去る10月7日にノーベル化学賞に選ばれたゲノム編集のクリスパー・キャス9(CRISPR/ Cas9)。働きのもととなる「クリスパー」と呼ばれる遺伝子を発見したのは、石野良純・九州大教授(63)だった。
石野さんは1987年、大腸菌の遺伝子を解読するうち、奇妙なDNA配列を見つけて論文で発表した。DNAの暗号の中に「…CGGTTT…CGGTTT…CGGTTT…」と、同じ文字の列が何度も繰り返し現れた。そんな遺伝子は見たことがなかった。「何かあるぞ」と石野さんは思ったという。 だが当時は、何を意味する遺伝子か調べる手段がなかった。そこで論文の最後に「役割は分からないが、奇妙なDNA配列を見つけた」と書いた。その後、石野さんは古細菌という別種の微生物の研究に没頭するようになった。
1990年代、分析装置が進んでDNA解読が簡単になると、酵母や細菌類から人間に至るまで、多くの生物のDNA情報がデータベースに集まるようになった。 やがて、データベースを調べていた海外の研究者らが、クリスパーの配列の中に、細菌の外敵となるウイルス (phages) の遺伝子配列の一部が混じっていることに気付いた。クリスパーは敵を見分けるために、ウイルスなどの遺伝子を記録する仕組み (「Transposon 」の一種)、つまり "免疫" に関係するDNA配列 (=gRNA、クリスパー) だった。
クリスパーに記録されたウイルスなどが侵入してくると、キャスという "DNAase" が働いて、相手の遺伝子を切断して働かなくしてしまうのだ。その切断の仕組みを、遺伝子を切り貼りして編集する手法に応用したのが シャルパンティエ女史 (仏) とダウドナ女史 (米) だった!
座右の銘: ノーベル賞に輝くためには、(最初に見つけた) 発見に最後まで、食い付く情熱/集中力が必要!

2020年12月9日水曜日

「ヘパリン」は、「フコイダン」同様、PAK遮断剤: COVID-19治療にも有効!


主に血小板による血液凝固を阻害するために、1930年代から使用されている哺乳類(マスト細胞など) 由来の「ヘパリン」は、海藻由来の「フコイダン」同様、硫酸化された多糖類であるが、最近、文献調べをしたところ、ヘパリンは、フコイダン同様、「PAK遮断剤」であり、COVID-19 対策にも有効であることが判明した。 NF1 患者からの最近の報告では、(例えば) 「沖縄フコイダン」の服用量を増やす (毎日 10-12 粒) と、効果も倍増する!
実は、ヘパリンは1916年頃、米国ボルチモアにあるジョンス=ホプキンス大学の 医学生 (Jay McLean) が、犬の肝臓から抽出したもので、それから20年近く経ってから、抗血液凝固剤として、広く病院で使用されるようになった。 つい最近、ヘパリンが「フコイダン」同様、「COVID-19患者の治療に有効」であるという論文に出くわし、そのメカニズムを詳しく (文献で) 調べてみたところ、何と「PAK遮断剤」であることが、判明した (詳しくは、下記の "英文" 文献を参照されたし)。
先ず、1991年にボストンのハーバード大学小児科病院でポスドク留学中の東山繁樹 (現在、愛知大学医学部教授) がマクロファージから、"ヘパリンに結合するEGF 様 growth factor" (HB-EGF) を発見した。HB-EGF 自体は、EGF 同様、EGF Receptor に結合して発癌性 (PAK を活性化!) を発揮するが、ヘパリンが結合すると発癌性を失う。つまり、ヘパリンは抗癌性を持つばかりではなく、消炎性や抗血液凝固作用も持つ。 https://www.shimadzu.co.jp/boomerang/20/08.html
1977年に私は米国のNIH で、土壌アメーバから「PAK 」を発見するチャンスを得たが、その時、私の上司であった Edward Korn 博士は、実は「ヘパリン」の硫酸化に ATP が関与しているらしいという論文を、1958年頃 (NIH にポスドクで留学中) に発表したことも判明した。 意外な「結び付き (縁)」である!
Korn 博士はごく最近、90歳を越え、ようやくNIHを退官して、奥さんのミッキー (1928年生まれ、ペンシルバニア大学時代からの仲) と共に、NIH キャンパス近くにある自宅で、静かに隠居生活を楽しんでいる。 昨年の10月、NY で「PAK シンポジウム」を開催後、私は夫妻の住いを久し振りに訪れ、旧交を暖める機会を得た。。。因みに、奥さんの愛称「ミッキー」は、ウオルト=ディズニーの漫画 (弱気を助け、悪を倒す) 「ミッキーマウス」にちなんで付けられたそうで、悪党「トランプ」が今回とうとう再選に失敗したので、大喜びしている!
しかしながら、米国の有権者の "半数近く" が、米国の現状に不満を感じ、「悪党」に投票した事実を直視すると、「病める米国」の前途がはなはだ気にかかる。。。他方、「ヤクザ」擬いの政治家が日本の政治を長らく牛耳っている現状をかんがみると、腐り切った民主主義 (衆愚政治) の前途は「闇」に近い。。。

References:
Hippensteel, J. LaRiviere,WB, Colbert, JF et al (2020). Heparin as a therapy for COVID-19: current evidence and future possibilities. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol; 319(2):L211-L217.
Hedin, U, Daum, G., Clowes, AW (1998). Heparin inhibits thrombin-induced mitogen-activated protein kinase signaling in arterial smooth muscle cells. J Vasc Surg.; 27: 512-20.
Teo, M., Manser, E., Lim, L. (1995). Identification and molecular cloning of a p21cdc42/rac1-activated serine/threonine kinase that is rapidly activated by thrombin in platelets. J Biol Chem.; 270: 26690-7.
Kalmes, A., Vesti, BR., Daum, G., Abraham, JA., Clowes, AW (2000). Heparin blockade of thrombin-induced smooth muscle cell migration involves inhibition of epidermal growth factor (EGF) receptor transactivation by heparin-binding EGF-like growth factor. Circ Res.; 87: 92-8.
Na Yeon Lee, Svetlana P Ermakova, Tatyana N Zvyagintseva, Keon Wook Kang, Zigang Dong, Hong Seok Choi (2008). Inhibitory effects of fucoidan on activation of epidermal growth factor receptor (EGFR) and cell transformation in JB6 Cl41 cells. Food Chem Toxicol.;46(5):1793-800.

2020年12月3日木曜日

海洋生物に寄生する "放線菌" (Streptomyces DT-A61 ):
我が夢 "ST-3009" の合成をかなえてくれかもしれない!

中国の浙江大学の海洋研究所 (Ningbo) に、海洋生物に寄生する特種な 放線菌 (Streptomyces DT-A61 etc ) から抗生物質、特に抗癌作用を持つStaurosporine 誘導体などをスクリーニングしている研究グループが存在することが最近判明した。特に、注目すべきは、 Staurosporine 誘導体の中に、Indolocarbazole 環 の "3位" のみが水酸化されている化合物が 2、3 同定された!
Jia-Nan Wang, Hao-Jian Zhang, Jia-Qi Li, Wan-Jing Ding, Zhong-Jun Ma. Bioactive Indolocarbazoles from the Marine-Derived Streptomyces sp. DT-A61. J Nat Prod. 2018 Apr 27;81(4):949-956.
Te Li, Ning Wang, Ting Zhang, Bin Zhang, Thavarool P Sajeevan, Valsamma Joseph, Lorene Armstrong, Shan He, Xiaojun Yan , C Benjamin Naman. A Systematic Review of Recently Reported Marine Derived Natural Product Kinase Inhibitors. Mar Drugs. 2019 Aug 23;17(9):493.
「長生き」とは "有難い" ものだ! もう20年近くも昔の話だが、私が未だ豪州メルボルンの国際癌研 (LICR)に勤務していた頃、グアム島の海洋研究所にいたドイツ人の Peter Schupp が、海洋生物 (海綿) から、 Staurosporine (ST) 誘導体の中に、Indolocarbazole 環 の3位のみが水酸化されている化合物 "ST-2001" を見つけた。この化合物は、STと同様、"非特異的な" キナーゼ阻害剤であるが、作用が ST よりも50倍 も強い (IC50= 1 nM)! その後、我々による (構造と機能の相関関係に関する) 研究から、更に Indolocarbazole 環の 9位に、Arg などの「塩基性」かつ "比較的長い" の側鎖を付加することができれば、PAK に極めて特異的 (かつ細胞透過性の高い) 阻害剤 (ST-3009)になることが判明した。その理由は、PAK のみが非活性の「Homo-dimer」を形成する特性があるからである。このDimer の「ATP 結合ポケット」は、Monomer の2倍近いから、より大きなATP 誘導体を選択的に取り込むことができるわけである。しかしながら、「頼みの海洋生物」が、ある日、忽然と、グアム島の沿岸から姿を消してしまった! 恐らく、「地球 (海水) の温暖化」のためであろう。。。 さて、"有機化学反応" で、3位を水酸化しようとすると、同時に9位にも水酸化が起こって、キナーゼ阻害活性が全くなくなる! 従って、生物界に存在する(Stereo-specific) 特種な 「Hydroxylase」 (Oxidase) によってのみ、3 位 のみを特異に水酸化しうることが判明した。

さて、「グアム島の悲劇」から 十数年経って、それよりもかなり北方にある上海近郊 の Ningbo 沿岸 (沖縄のほぼ対岸に当たる) で、ST 誘導体の3位を特異的に水酸化する酵素を持つ海洋放線菌が見付かったことは、極めて喜ばしい! ここで見つかった (3位に水酸基を有する) 誘導体「ST-2018」は、ヘキソースの側鎖が "ST-2001" とは異なるので、活性はやや低い (IC50=10 nM) が、その側鎖を化学的に置換して、ST-2001 に変換することは可能だろう。 従って、理論的には、近い将来、「ST-3009 」を合成することは、単なる夢でがない! 面白いことには、この海洋放線菌は、酒を作る「こうじカビ」のように、米を培地にして培養/発酵することができる (ただし、恐らく海水中で)。。
なお、ST の生合成は、3つのトリプトファンが縮合して、indolocarbazole 環が生成された後、冨山県立大学 (微生物工学) の尾中宏康ら (2002) の論文によれば、ヘキソース環が結合して成立するが、その過程で、トリプトファンの一つが水酸化されて、3位に水酸基が入る。従って、水酸化酵素は、実は「5-Tryptophan Hydroxylase」の一種であると考えられる。。。驚くなかれ、この酵素は、トリプトファンからセロトニンが生成される過程に関与する酵素なので、我々の脳内 (松果体など) にも存在するはず!

2020年11月25日水曜日

Mini-Wikipedia: Hiroshi C. Maruta
in quest of PAK1-blockers for the longevity

Early Years in Tokyo
Hiroshi Maruta was born as the eldest child between his father Masao and his mother Sumiko in Tokyo, Japan, on Novemer 08, 1942, during the WWII. His father (1906-1989) was a graduate from Kyoto University, and an expert in German literature and philosophy. His mother (1918-2014) was a graduate from Kobe Woman University, an American mission school, and an expert in English/ American literature. Owing to these parental western culture backgrounds, Hiroshi was destined to work mainly overseas for the most of his adult life. During the spring of 1953, when he was around 10, both he and two younger sisters of his were contracted with the post-war pandemic TB, and were forced to stay at home for 5 months for their recovery from this deadly TB. Oweing to PAS (para-aminosalicylate) provided by US GHQ (occupation forces) where his mother used to work as a translator, three children of hers were miraculously recovered from TB by the end of summer! This experience made a big impact on her eldest son’s choice of the life-long profession as a drug developer (pharmaceutical scientist) later. After he graduated from a local junior high-school in 1958, he successfully passed the entrance exam to the most prestigeous public high school “Hibiya High” in Tokyo. Dr. Susumu Tonegawa at MIT (1987 Nobel laureate in medicine) was his 3 year senior at this senior high school. After graduated from this high school, Hiroshi decided to study pharmaceutical sciences at Tokyo University, aiming to develop a new effective anti-cancer drug(s), free of any side effect, hopefully some days in the future…
Oveseas Adventure
Shortly after he got a Ph.D. in immunology at Tokyo Graduate School in 1972 (1) under the supervision of Prof. Den-ichi Mizuno (1920-2017), he spent 15 months as an instructor there, and then went to US with a NIH international postdoctoral fellowship via a large US contena ship called “Oregon”, across the Pacific Ocean. On this ship he was the sole Japanese passenger, and got a “free” English lesson every day from the remaining 12 American passengers and over 40 sailing crews during the “non-stop” 9 days voyage passing near Anchorage in Alaska (instead of Hawaii). Overseas he also acquired a “western” nickname “Charlie” after Charles Darwin, Charles Dickens and Charlie Chaplin. After landing on Seattle on August 3, 1973, he took an overnight Greyhound bus trip to Boulder in Coloradio across the Rockies. Charlie spent one year at University of Colorado, Boulder (1-mile city) under supervision of Prof. Lester Goldstein, learning how to transplant nuclei from one giant amoeba (Amoeba proteus) to another under dissecting microscope, in order to trace the fate (disassembly and reassembly) of “radioactively-lableled” nuclear envelope after its disapearance during cytokinesis in the absence of de novo protein synthesis (2). Among his major achievements there was to reach the very top of the highest peak of Rockies, Longs Peak (4346 meter high), about a half way to Mt. Everest, with a law-school student called Sanches from Nebraska, just before Charlie moved to the East Coast to join the then “world-leading” NIH (National Institutes of Health) in Bethesda, outskirts of Washington, D.C.
Discovery of PAK1 in Amoeba
Then there were more than 40 buildings over NIH campus. At the oldest Bld 3 (belonging to NHLBI), where Prof. Albert Szent-Gyorgyi (1937 Nobel laureate in Medicine) used to work on biochemisty of muscle contraction during 1948-1950 (3), under the supervision of Dr. Edward Korn, Charlie started working on another amoeba called Acanthamoeba castellanii, which can be mass-cultured in a synthetic medium (6 X 15 liters bottles), to obtain around 1 kg of the soil amoeba for studying biochemistry of non-muscle actin and myosins. In this amoeba, Tom Pollard, a postdoc from Harvard Medical School, found a very peculiar “single-headed” myosin (Myosin I), whose actin-activation of ATPase activity requires a “third” amoeba protein, called “cofactor” (4). Shortly after Tom left Dr. Korn’s lab at NIH, Charlie joined Edward Korn’s lab, and was assigned to identify this “mysterious” cofactor. However, due to the complexity in this simple amoeba, Charlie had to spend a few extra years before reaching this “cofactor”. First of all, he found in this amoeba a double-headed myosin (Myosin II) as well, which does not require the “cofactor” for its actin-activation (5). Furthermore, this amobae was found to contain several distinct "actin-gelling" proteins (actin-crosslinkers) called “Gelactins” (6), and Myosin II causes a shrinkage of this actin-gel in ATP-dependent manner (5, 6). More than two decades later, towards the end of 1990s, Charlie was surprised to find that a unique yellow pigment called MKT-077 (originally developed by Fuji-Film for color films) cross-links actin filaments and suppresses selectively the growth of pancreatic cancers (7).
Meanwhile, in 1975, Bob Adelstein’s team at NIH‘s clinical Bld 10, found the first myosin kinase in human platelets which phosphorylates the regulatory light chain of double-headed myosins (Myoisn II) in mammals (8). Around 1977, Charlie got an interesting clue that the amoeba “cofactor” binds ATP or ADP immobilized to agarose beads, as do myosin ATPases, but with clearly distinct affinity. Thus, he managed to purify the “cofactor” by ADP-agarose chromatography. However, the amoeba “cofactor” failed to phosphorylate the light chain of amoeba myosins. Instead, he found that this cofactor is a new kinase that phosphorylates the heavy chain of Myoisn I but not Myosin II (9). This phosphorylation is essential for the actin-activation of amoeba myosin I ATPase (9). 17 years later, in 1994, Ed Manser’s team in Singapore cloned the first PAK1 in mammals which is very similar to the amoeba Myosin I kinase in structure and function (10). Both mammalian PAK1 and amoeba kinase are activated by a couple of closely related GTPases/G proteins called RAC/ CDC42 (10, 11), which works downstream of an oncogene called RAS. PAK1 is ubiquitously present in any species of the animal kingdom from yeasts to human being, but totally absent in the plant kingdom as well as both bacteria and viruses.
“Pathogenic” Mammalian PAK1
Furthermore, five years later, Ed found another protein called PIX in mammals which is essential for the full activation of PAK1 in cells, in addition to RAC/CDC42 (12). He managed to locate the PIX-binding Pro-rich domain of 18 amino acids on PAK1 which is called “PAK18”, binding the SH3 domain of PIX (13). Meanwhile, Charlie worked at Max-Planck Institute in Munich, West Germany (1980-1984), and Yale University and UCSD (1985-1987), handling several other amoeba (14, 15), and eventually since 1988, moved to Australia, started working seriously on mammalian RAS oncogenes at Ludwig Institute for Cancer Research (LICR) in Melbourne, and around the turn of this century, managed to develope the highly basic cell-permeable PAK18 peptide derivative called “WR-PAK18” to block the PAK1-PIX interaction in living cells (13). Interestingly, this peptide inhibited RAS-induced malignant transformation of normal cells with IC50 around 5 micro M, without any effect on normal cell growth (13). This peptide provided the very first biochemical evidence for PAK1-dependency of RAS-based cancers, and opened the “new” era in quest of potent PAK1-blockers for cancer therapy and even longevity, as Charlie found later (around 2007) that PAK1-deficient mutant (RB689) of C. elegans, a tiny worm, lives 60% longer than the wild-type worms (16)!
PAK1-inhibitors: CEP-1347 and Merlin
Around the beginning of 1998, two interesting articles were published side by side (17, 18 but in different journals). One from Cepharon, suggesting that a chemical compound called CEP-1347 blocks a kinase called JNK which is responsible for PD (Parkinson’s Disease). The other from University of Washington (Seattle), proving that JNK is activated by PAK1. Charlie immediately suspected that the direct target of CEP-1347 is not JNK but PAK1. His team eventually proved this notion in 2002 (19). Furthermore, in 2004, his team identified that an NF2 gene product called “Merlin” also inhibits PAK1 directly (20). Since NF2 tumors in brain is caused by dysfunction of Merlin, in theory CEP-1347 could be a cure for NF2, in addition to PD. Unfortunately, however, clinical trials of CEP-1347 for PD was suddenly terminated at phase II, and this compound has never been marketed. Thus, his dream on NF2 therapy by CEP-1347 was suddenly evaporated! That is the reason why he suddenly switched his primary project to “herbal” PAK1-blockers for therapy of pancreatic cancers and NF (neuro-fibromatosis) for which no effective drug was available by then. The first herbal PAK1-blocker that he identified was in ethanol/warm water-extract of Sichuan pepper called “Hua Jiao” (21) which has been used as an essential seasoning for preparation of “Marba-Tofu” (bean curd) soup over 1000 years in China. Unfortunately, however, his ”herbal” project was not so popular within LICR which prefers “patentable” anti-cancer chemical compounds or monoclonals.
Propolis as PAK1-blocker
Thus, Chalie decided to retire from LICR in 2006, in order to keep working on PAK1-blocking herbs at NF clinical research group of UKE (Hamburg University Hospital) in Germany as a visiting professor with a DFG scholarship, and found that a bee product called “propolis” and its major ingredient called CAPE (caffeic acid phenethyl ester) are PAK1-blockers that suppress both growth and metastasis of NF tumors and even terminal pancreatic cancers clinically, and extend the healthy lifespan of C. elegans at least 30% (22). CAPE-rich propolis in particular Bio 30 (alcohol-free liquid) from New Zealand turned out to be very useful for the non-invasive therapy of NF tumors in brain as well (23). Since these PAK1-blockers suppress inflammation in general and stimulate our immune system (24, 25), they would be very useful for treating even COVID-19 patients suffering from fibrosis (inflammation in lungs) without any side effect (26). In addition to propolis, the 2015 Nobel-winning antibiotic called “Ivermectin” was identified as a PAK1-blocker by Charlie in 2009 (27), and has been proven clinically world-wide to reduce the death rate of COVID-19 patients in ICU from 20% to 3% (28)!
A Short List of PAK1-dependent Diseases/disorders
Since then, a series of genetic or biochemical studies have proven that PAK1 is responsible not only for solid-tumorgenesis, inflammation, bacterial or viral infection, but also for a wide variety of other diseases such as AD (Alzheimer's disease), PD, epilepsy, autism, depression, schizophrenia, hypertension, diabetes (type 2), obesity, hair-loss, melanogenesis, immuno-suppression, and eventually shortening lifespan.
Hibiscus Flowers for Longevity
Among these PAK1-blockers, Charlie recently learned an intrigue lesson from Hibiscus flowers. Back in 1835, Charles Darwin, the father of evolution theory by natural selection, found a charming 5 years old female giant turtle called “Harriet” in Galapagos Islands, and on his way back to England he stopped by Australia, celebrating his 27th birthday, and donated Harriet to Queensland Zoo in Brisbane. She survived 176 years in good health, and passed away peacefully there in 2006. Interestingly among her favourite diets were red Hibiscus flowers (29). Thus, Charlie and a few other curious fellows suspected that Hibiscus flowers might contribute to her “exordinary” longevity. In 2020, a German team indeed proved this notion: C. elegans fed with Hibiscus flower extract lived 30% longer than the control non-treated worms (30). This “red” extract (tea) contains anthocyanin and a few other PAK1 blockers (31).
“Chemical Evolution” of PAK1-blockers
Although a wide variety of natural PAK1-blockers are currently awailable in the market rather cheaply, many of them are poorly cell-permeable, mainly due to their COOH moiety. Thus, in 2015, Charlie organized a special PAK research team at Okinawa in order to conduct a “chemical evolution” of these natural or synthetic PAK1-blockers via a rather simple organic chemistry called “Click Chemistry” (CC) originally invented by Prof. Barry Sharpless (2000 Nobel laureate in Chemistry) at MIT in 2000. Firstly, two natural PAK1-blockers in propolis carrying COOH, Artepillin C (ARC) and Caffeic Acid (CA), were esterized by 2-azidoanisole via CC, being converted to 1,2,3-triazolyl esters called 15A and 15C. The cell-permeability of these esters is 100 and over 400 times higher than ARC and CA, respectively (32). Finally, an old PAK1-blocking synthetic pain-killer called Ketorolac carrying COOH was esterized via CC in a similar manner, and its cell-permability was boosted over 500 times (23). The resulting ester called “15K” suppressed almost completely both growth and metastasis of chemo-resistant human pancreatic cancer xenografted in mice even at a tiny daily dose as 0.1 mg/kg, and even 5 mg/kg it caused no side effect (34)! Eventually he managed to create a far more potent analog (isomer) of 15K called "15X" via an old fashioned alkyne-azido cycloaddition (AAC) called "Huisgen Reaction" with heat (instead of Cu ion) in 2021.
PAK1-blockers for Surviving the “Global-warming”
Again 15K (even at 10 nM) extended the healthy lifespan of C. elegans by 30% at 20oC, and boosted 10 times its heat-resistance at 35oC (35). Since we are currently suffering from so-called “global warming” mainly due to an excess of CO2 emmision from over-populated human society on this limited planet, Charlie predicts it most likely that 15K and many other PAK1-blockers would serve as the major effective means for “survival of the fittest” by natural/climatic selection…
Find Your Own “Everest”!
Far back towards the end of May in 1953, when Charlie was still forced to stay at home for his recovery from TB, his father showed him a newspaper article telling that Sir Edmund Hillary from New Zealand and Tenzin Norgay from Nepal managed to reach the very top of Mt. Everest (8850 m high) for the first time (36)! Then Charlie was encouraged by his father to find his own “Everest”, a "virgin" peak, which has never been conquered by anyone else. More than 6 decades later, the moment when Charlie managed to develope the extremely potent PAK1-blocker “15X”, he got a feeling that he finally conquered his own “Everest”!
2019 PAK Symposium (25th anniversary) in NYC
Back on November 6-9, 1998, Charlie organized and chaired a New York Academy of Sciences–sponsored international symposium on “Anti-Cancer Molecules: Structure, Function and Design” at Rockefeller University in NYC. Based on this experience, over two decades later, on October 12, 2019, celebrating 25th anniversary of the first mammalian PAK discovery, Charlie organized the first international PAK symposium, again in NYC. This symposium was entitled “Pathogenic roles of PAK1 including oncogenesis and ageing”, and chaired by Charlie and Ed Manser. Around ten speakers were invited around the world by PAK Research Foundation (37):
The Ultimate Dream: ST-3009
Back in 2001, Charlie used to work on a staurosporine (ST) derivative called ST-2001 derived from a marine organism with a German marine biologist in Guam Island, which is structurally related to CEP-1347 (with IC50 around 1 micro M against PAK1), but its pentose ring is replaced by hexose ring, and hydroxylated at position 3 of indolocarbazole ring. The antibiotic ST was originally isolated by Prof. Satoshi Omura (2015 Nobel laureate) at Kitasato Institute around 1977, but is a non-specific kinase inhibitor with IC50 around 50 nM. Interestingly, Charlie found that ST-2001 is far more potent against PAK1 and many other kinases with IC50 around 1 nM (19)! Furthermore, if it is further modified at position 9 of indolocarbazole ring (as is CEP-1347) with a bulky side chain or Arg, in theory, the resultant compound called ST-3009 would be highly specific for PAK1 (19). Unfortunately, this specific marine organism suddenly disappeared around the coast of Guam Island (probably due to the “global-warming”) and chemical hydroxylation of ST only at position 3 or 9 is very difficult (with a very low yield!). Usually both positions 3 and 9 would be simultaneously hydroxylated, and its anti-kinase activity is totally lost! Thus, Charlie planned to create ST-3009, first by (i) hydroxylating both positions, then (ii) esterizing with Arg, and finally (iii) cleaving one of the Arg ester bonds with a “stereo-specific” esterase (38). The "specific" reason for using Arg as the bulky side chain is to boost its "cell-permeability". For this “ST-3009” project, he needs a million dollars to purchase the very expensive ST from Kitasato Institute or Novartis, and he just hopes/ dreams that marketing of “15K” would eventually provide him with such a capital, some days in the future…
References:
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3. https://profiles.nlm.nih.gov/spotlight/wg/catalog/nlm:nlmuid-101584924X32-img
4. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/4268864/ 6. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/137899/
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15. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3733880/
16. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23524941/
17. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9412490/
18. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9648723/ 20. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15000491/
21. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16418572/
22. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18726924/
23. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22466437/
24. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22495656/
25. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28629331/
26. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32313880/
27. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22495656/
28. https://kitasato-infection-control.info/swfu/d/COVID-19_Illness.pdf
29. https://en.wikipedia.org/wiki/Harriet_(tortoise)
30. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30710163/
31. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27444805/
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33. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27889630/
34. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31656252/
35. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29760342/
36. https://en.wikipedia.org/wiki/Edmund_Hillary
37. https://www.somatopublications.com/pathogenic-roles-of-pak1-including-oncogenesis-and-ageing.pdf
38.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28814374/

2020年11月21日土曜日

(JAK-PAK) 遮断剤 「Baricitinib」:
COVID-19 治療薬として、FDA が許可!

昨日 (20 November 2020)、入院中の COVID-19 患者の「緊急」治療薬として、(JAK-PAK)遮断剤 「Baricitinib」(日本名は「オルミエント」、本来は関節リューマチの治療薬、日本イーライリリーにより、3年前から製造販売) が、米国のFDA により、正式に許可された。 PAK の直ぐ上流にあるチロシンキナーゼ「JAK 」を直接阻害する (IC50= 5 nM) ことによって、下流のPAK を遮断する。 細胞培養系による抗ウイルス作用の IC50 は、100 nM 以下: https://advances.sciencemag.org/content/early/2020/11/13/sciadv.abe4724.full
なお、BBB (血管脳関門) を通過するので、NF などの脳腫瘍にも有効であるはず#。 ただし、薬価は極めて高い (4 mg 錠剤が 5000円以上!)。 #Peter J. Richardson, et al. CNS penetration of potential anti-COVID-19 drugs. J Neurol. 2020; 267(7): 1880民882.

2020年11月15日日曜日

イワン=パブロフ (1849-1936): 「条件反射」現象の発見者

「パブロフ式」教育法: 努力する子供をけなしてはならぬ! 小さな成果でも褒めてやると、子供は更に努力を続ける。褒められると、脳内に快楽ホルモン (ドーパミン) が分泌されるからである。ドーパミンは、(RAS の下流、PAK の上流に働く) 「プロラクチン」の分泌を抑制する因子、つまり「PAK 遮断剤」として働く。従って、"学習" など長期に記憶を保持する活動に必須である: N Ben-Jonathan, R Hnasko. Dopamine as a prolactin inhibitor. Endocr Rev. 2001 (6):724-63。
ロシアのリャザン(モスクワから南東に196km) 生まれ、貧しい牧師の長男。1857年、高い塀から敷石の上に落ち重傷を負い長く病床につく。1860年、リャザンにある教会の付属学校で、司祭になるつもりで勉強を始める。1864年、リャザン神学校に進学。1869年、リャザン神学校を卒業。 1870年、セント=ペテルブルク大学へ進学。イリヤ・ファデエヴィチ・ツィオンの弟子となり "外科医" となる。パブロフは両利きであったため、手術が上手であったらしい。1876年、軍医学校に進学。1879年、医師の資格を取得。医師ボートキンの生理学研究所に就職。1881年、セラフィマ・ヴァシリエヴナ・カルチェフスカヤと結婚。1883年、博士の学位を取得。1884年から1886年までドイツに留学し、ライプチヒ大学のルドウィッヒ教室及びブレスラウ大学のハイデンハイン教室に学ぶ。
1888年、消化生理学研究を開始。1890年、軍医大学校の薬理学教授に就任。1891年、実験医学研究所の生理学実験室の長となる。1893年、アルフレッド・ノーベルより、医学研究所の規模を倍にできる額の寄付を受け取る。 1895年、軍医大学校薬理学教授から生理学教授へと配置換えになる。1897年、『主要消化腺の働きに関する講義』を出版。同書は1899年、ドイツ語訳される。1902年、唾液が口の外に出るよう手術した犬で唾液腺を研究中、"飼育係の足音で犬が唾液を分泌している" 事を発見。そこから条件反射の実験を行う。行動主義心理学の古典的条件づけや行動療法に大きな影響を与えた。初期には消化腺の研究を行い、1904年にノーベル生理学・医学賞を受賞。ロシア人として初のノーベル賞受賞者となった。ノーベル賞授賞式では消化腺の話題よりも条件反射と無条件反射に関する演説を行った。1907年にロシア科学アカデミーの会員に選出される。1910年に研究用の防音効果を備えた研究室「沈黙の塔」の建設を始める。
その後ロシアは内戦状態に陥り、1917年にボリシェビキ党が政権を握る。ボリシェビキ政権にノーベル賞の賞金を没収される。1920年6月、生活に困窮したパブロフはボリシェビキ政権に対し、国外移住の希望を伝える手紙を送る。手紙を読んだウラジミール・レーニンは、偉大な科学者の国外移住を避けるため、パブロフに対する全面支援を命令。
1923年、『高次神経活動の客観的研究』を出版。1924年、レニングラードの洪水でパブロフの犬が溺死しかける。この事件をきっかけに、犬に固定されていた条件反射が変化したり消滅していることを発見。これにより「実験神経症」の研究を開始。1927年、『大脳半球の働きについて』を出版。1929年、コルトゥシュにて実験遺伝学研究所に着工。1935年、パブロフは第15回国際生理学会を主催。スコットランド人生理学者ジョージ・バーシャーがパブロフのことを「世界生理学会の王子」と7カ国語で演説し、聴衆から拍手喝采を受けた。
晩年は睡眠や本能などを研究する傍ら、再教育を考えていたウラジーミル・レーニンと親交を結び、条件反射の発見は「全世界の労働者階級にとって重大な意義をもつ」と賛辞が与えられた。2度目の肺炎の発作の後に死去。"時間厳守・毎日運動" するなどの規則正しい生活を生涯続けたらしい。1950年、パブロフ生理学の再評価のためにソ連邦科学アカデミヤとソ連邦医学アカデミヤの合同会議が開催される。
犬を使った実験
一般的に 「パブロフの犬」 としてよく知られる実験である。犬のほおに手術で管を通し、唾液の分泌量を測定した。"ベルを鳴らしてからエサを与える事を繰り返した結果、ベルを鳴らしただけで唾液を出す" ようになった。さらにベルを鳴らし続けると次第に反応は消えていくが、数日後同様の実験をしても犬は唾液を分泌する。前者を『消去』と言い、後者を『自発的回復』と言う。
選挙民 (衆愚) の「条件付け」!
トランプ大統領は、パブロフの真似をして、(無知な) 支持者を "洗脳" している: 先ず、赤い「トランプ帽」や賄賂 (エサ!) を支持者に配る。次に 「Great America!」(ベル!) と怒鳴る。以後は、「Great America!」という連呼だけで、支持者 (衆愚) がついてくる! 現実には、COVID-19 等に痛め付けられた「病めるアメリカ」しか存在しないのだが。。。

2020年11月13日金曜日

(医療) 大麻の栽培 (マリファナの売買) の合法化:
オランダ、カナダ、タイ、米国 (や豪州) の一部などで!


実は、麻薬 "マリファナ" は「PAK遮断剤」の仲間で、癌やCOVID-19 などの難病治療に有効! ただし、ドーパミン (快楽ホルモン) を誘導するので、依存症 (中毒=addiction) に要注意! ごく最近、豪州メルボルン大学病院の賀 紅 博士の PAK 研究チームによって、マリファナが "PAK" を遮断することによって、スイゾウ癌の増殖を抑えることが動物実験で実証された。 詳しくは: Yang Yang, Nhi Huynh, Chelsea Dumesny, Kai Wang, Hong He, Mehrdad Nikfarjam. Cannabinoids Inhibited Pancreatic Cancer via P-21 Activated Kinase 1 Mediated Pathway. Int J Mol Sci. 2020 Oct 28;21(21):E8035.
Abstract:
The anti-cancer effects of cannabinoids including CBD (Cannabidiol) and THC ((-)-trans-∆9-tetrahydrocannabinol) have been reported in the case of pancreatic cancer (PC). The connection of these cannabinoids to KRas oncogenes that mutate in more than 90% of PC, and their effects on PD-L1, a key target of immune checkpoint blockade, have not been thoroughly investigated. Using cell lines and mouse models of PC, the effects of CBD and THC on cancer growth, the interaction between PC cells and a stromal cell, namely pancreatic stellate cells (PSCs), and the mechanism(s) involved were determined by cell-based assays and mouse study in vivo. CBD and THC inhibited the proliferation of PC, PSC, and PSC-stimulated PC cells. They also suppressed pancreatic tumour growth in mice. Furthermore, CBD and/or THC reduced the expression of PD-L1 by either PC or PSC cells. Knockout of p-21 activated kinase 1 (PAK1, activated by KRas) in PC and PSC cells and, in mice, dramatically decreased or blocked these inhibitory effects of CBD and/or THC. These results indicated that CBD and THC exerted their inhibitions on PC and PSC via a p-21 activated kinase 1 (PAK1)-dependent pathway, suggesting that CBD and THC suppress Kras activated pathway by targeting PAK1. The inhibition by CBD and THC of PD-L1 expression will enhance the immune checkpoint blockade of PC.
そこで、早速、オランダで、プロポリスによる "COVID-19" 治療 (臨床テスト) を実施している化学者 (アネッタ) に、自宅の薬草園に大麻やハイビスカスなどの薬 草を栽培して、薬理作用を、更に詳しく研究するように勧めた。。。もし、可能ならば、「中毒性のない」マリファナ誘導体の開発が待れる。。。
理論的には、マリファナ中毒 (依存症) は、「パブロフの条件反射」現象をうまく利用して、解消しうる。 例えば、癌などの難病をマリファナで治療する場合、同時に、ある特定のクラシック音楽 (例えば、モーツァルトの小夜曲やシューマンの「子供の情景」など) を聞かせると、難病が治まって、マリファナを投与しなくなってから、快楽感を求めて、いわゆる「マリファナ欠乏 (禁断) 症」を生じた場合には、マリファナの代わりに、そのメロディーだけを聞かせることによって、条件反射的に、快楽ホルモン (ドーパミン) を分泌させ、満足 (快楽) を感じさせることができる。。。この古典的な「条件反射法」(1904年ノーベル医学賞) は、マリファナ等に伴う麻薬中毒に限らず、喫煙に伴うニコチン中毒やアルコール依存 (禁断) 症の解消にも利用しうるはず。
参考: "条件反射とドーパミン":
東京大学 (大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター) の研究グループ は9月29日 (2014)、「パブロフの犬」 として知られるドーパミンの脳内報酬作用機構を解明したと発表。
パブロフの犬として知られる条件付けは100年以上前から知られており、医学的・心理学的に広く利用されている。神経伝達物質の “ドーパミン” が報酬学習に関与すると言われているが、これまでドーパミンがどのような機構により報酬信号として働くかは不明だった。
研究グループではマウスの実験で、グルタミン酸(シナプスの神経伝達の基本的物質)刺激とドーパミン神経刺激を組み合わせて、シナプスの繋がり具合をスパイン(興奮性シナプスの入力を受け付ける突起)の成長などを調べた。グルタミン酸刺激とドーパミン刺激の間隔や前後関係をさまざまな組み合わせで観察したところ、グルタミン酸刺激の0.3~2秒の間にドーパミン刺激を与えたときのみスパイン頭部の増加が見られることが判明した。この時間枠はドーパミン神経細胞の電気自己刺激や報酬と行動を調べる実験において、学習が成立するために報酬を与える時間枠とほぼ一致する。
報酬学習のしくみが判明したことにより、依存症や強迫性障害といった精神疾患の解決・治療の手がかりとなると考えられる。研究グループでは、研究を発展させてシナプスや分子機構を明らかにすることで、依存症や精神疾患の治療に関してこれまでとは全く異なるアプローチが考案できる可能性があるとしている。

2020年10月31日土曜日

「ダーウインがやってきた!」: ハイビスカス (花) 茶
は 「健康長寿の薬」かつ PAK 遮断剤!


沖縄の花「ハイビスカス」! 沖縄では、南国なので一年中ハイビスカスを楽しめる。
豪州の北部 (つまり、亜熱帯気候) にある "クイーンズランド" 動物園で飼っていた 長寿の「ゾウガメ」 (ハリエット) は、元々ガラパゴス島 (galapago とは、スペイン語で 「亀」を意味する) から、チャールズ=ダーウインによって、贈られたものであり、(動物園を訪れる) 子供たちの間で人気者だったが、2006年に 176 歳 (1830年生まれ、亀としては、世界最長寿!) で、安らかに永眠した。さて、彼女の大好物は、何とハイビスカスの花! そこで、ハイビスカス の 茶 (HSE) にあるかもしれない「長寿促進作用」を、せんちゅうでテストしてみる物好きなドイツの学者が最近現われた。
テストの結果、HSE によって、せんちゅうの寿命が 26% 延びたばかりではなく、認知症の原因であるベーターアミロイドの神経毒をも軽減した! PAK は寿命を縮め、認知症の元になっている。数年前に台湾のグループによって、ハイビスカス中のアントシア二ンに、「チロシナーゼ」遺伝子の発現を抑える "美白作用" が発見された。 更に、HSE に含れる "Betulin" と呼ばれる ステロイド が (PAK によって抑制される) 抗癌蛋白 p21 の発現を高めることから、ハイビスカスはPAKを遮断しているのは確実: 実際、ハイビスカスには、その他 抗癌作用、抗炎症作用、糖尿病や高血圧などを癒す作用もある。これらの薬理作用は全て、PAK遮断剤の典型的な特徴である。
原理的には、HSE を 「沖縄特産」の安価な 「COVID-19 予防/治療薬」 としても市販できる! 実際、種々の HSE が 健康食品として、 amazon.co.jp などで通販されている。。。"ゾウガメ" のように長生きを楽しもう!
(酸味のある真っ赤な) ハイビスカス茶: アメ横の "大津屋" などで市販
謎解き:
ハイビスカス茶 が真っ赤なのは、アントシアンが (クエン酸の) 酸味によって、"リトマス試験紙" のごとく赤色になるため。これに "牛乳を加えて中和" する と、無色 (白色) のお茶に変身する。。。ただし、色が消ても効能は同じ!
参考文献: Karoline Koch, Nora Weldle, Sabrina Baier , Christian Büchter, Wim Wätjen. Hibiscus sabdariffa L. extract prolongs lifespan and protects against amyloid-β toxicity in Caenorhabditis elegans: involvement of the FoxO and Nrf2 orthologues DAF-16 and SKN-1. Eur J Nutr. 2020 Feb;59(1):137-150.

2020年10月23日金曜日

変異 (D614G etc) の激しい "COVID-19" の「再感染」例:
(旧態依然とした) "ワクチン" は予防にも治療にも無効?


https://jp.sputniknews.com/covid-19/202010137847805/
COVID-19の再感染はあり得る. しかも重症化し、 (稀に) 死に至るケースが確認!
米医学雑誌 「ランセット」に、COVID⁻19は一度感染し、回復しても再感染する恐れがあり、またその場合の容態が初期感染よりもさらに重症化する可能性があるという米国人科学者らの研究結果が発表された。オランダでは再感染した患者が治療の甲斐なく死亡したケースが報告されている。
COVID-19が再感染することが最初に確認されたのは米ネバダ州の25歳の患者の例。この患者は48日間で2種類のコロナウイルスSARS-CoV-2に感染した。患者に最初にウイルスが発見されたのは4月18日、ポリメラーゼ連鎖反応の検査の結果だったが、この男性は6月5日に不調を感じて、自分から再度病院の戸をたたいた。2度目の感染は初期感染より重症化し、入院し、酸素マスクの着用を余儀なくされた。 患者は幸いなことに再感染からも完治することができた。治療終了後、患者の鼻咽頭からの粘液が2度検査されたが、いずれの結果も陰性だった。
米国の研究者らはこの他にベルギー、オランダ、香港、エクアドルで同様に再感染が確認された4つのケースを列挙している。10月12日、オランダからはとうとう再感染の死亡例が発表された。オランダの女性患者(89歳)がCOVID-19の再感染により死亡した。この患者は稀な形態の白血病の治療も並行して受けていた。コロナウイルスの再感染では死亡が確認された初のケースとなった。
こうした例から研究者らは、コロナウイルスに一度感染すれば強い免疫が出来上がるという説に疑問を呈した。「再感染の主要な原因」は、このウイルスは高い頻度で「ゲノムに変異を起こす」という極めて厄介な特性を持つからである。。。従って、抗原性を失い、かつ感染力を強化する可能性あり! かように、病原性ウイルスは生存のために絶えず進化し続けている。それに敗けぬように人類も (「頭脳」を駆使して) 進化せぬと、ネアンデルタール人のごとく、いつの日にか絶滅してしまうだろう!
詳しくは、英文原報 (下記) をされたし:
Lancet Infect Dis. 2020 Oct 12; S1473-3099(20)30764-7. Genomic evidence for reinfection with SARS-CoV-2: a case study Richard L Tillett 1 , Joel R Sevinsky 2 , Paul D Hartley 3 , Heather Kerwin 4 , Natalie Crawford 5 , Andrew Gorzalski 6 , Chris Laverdure 6 , Subhash C Verma 7 , Cyprian C Rossetto 7 , David Jackson 8 , Megan J Farrell 8 , Stephanie Van Hooser 6 , Mark Pandori 9
Findings: The patient had two positive tests for SARS-CoV-2, the first on April 18, 2020, and the second on June 5, 2020, separated by two negative tests done during follow-up in May, 2020. Genomic analysis of SARS-CoV-2 showed "genetically significant differences between each variant " associated with each instance of infection. The second infection was symptomatically more severe than the first.
特に恐いのは、ウイルスのスパイク蛋白 (宿主細胞の受容体「ACE-2」 に結合して、細胞内に侵入するのに必須な蛋白) 上の D614G (Asp to Gly) やN501Y (Asn to Tyr) などの変異は、ウイルスの感染力を増加させる。従って、最近 "ファイザー" などによって開発された スパイク蛋白ワクチンは、現在蔓延中の "変異体" には、もはや効かない可能性あり! 詳しくは: https://www.news-medical.net/news/20200925/D614G-mutation-now-the-dominant-variant-in-the-global-COVID-19-pandemic.aspx
現在市販のワクチンは、少なくとも COVID-19 "変異体 501Y.V2" (南阿由来) には効かない!
解決策: ウイルス遺伝子の変異/編集 に左右されぬ「PAK-依存性」という恒久的な性格を逆手に利用した 予防/治療法 (例えば、PAK遮断剤を使用) ! このアプローチのもう一つの利点は、「薬剤耐性」が発生しないことである。(豹変し続けるウイルスの蛋白ではなく) 「宿主のキナーゼ」が薬剤の標的になっていることである。もう一つの解決策は、COVID-19 のスパイク蛋白変異体 "D614G"/N501Y 自体をワクチンとして開発することであろう。 後者は、COVID-19 ワクチン開発の「穴場」である。

2020年10月21日水曜日

読んで楽しむ"政治"漫談「コロナの乱 と恩返し」

スクープ号外: 「血を血で洗う」 と言われた冷酷非情な X 首相が、突然、コロナに感染!
昨日、秋田のある田舎から、首相官邸宛てに、パンケーキと苺シロップが献上される。大好物のパンケーキを食べてからしばらくして、かなり年配の首相は発熱 (40度を越え!)、咳込む。肺炎の疑いがあるので、検査をすると、COVID-19 陽性と出る! そこで、最寄りの虎ノ門病院に急きょ入院する。症状は刻々と悪化し、ICU に移されベンチレーターにかけられる。 取り敢えず、(米国の T 大統領同様) COVID-19 から快復した患者から集めた抗血清を大量輸血され、急場をしのぐ。 しかしながら、首相の病状は一向に改善されず、生死の境を一週間ほどさ迷い続けた。
そこで、ある日、首相の容態を心配して、皇居から病院へわざわざ天皇夫妻自らが異例の訪院をされた。 夫妻は首相の担当医に、 ある物を託された。 それは、ニュージーランド産の 「Bio 30」 と呼ばれるプロポリス (蜜蜂の巣のアルコールエキス) であった。豪州に住むある癌専門家によれば、プロポリスは古代エジプト時代から、ウイルスや病原菌 による感染、 あるいは癌を予防するばかりではなく、根治しうる伝承薬として知られ、古代ギリシャの医者 「ヒポクラテス」 (医学の祖) も、これを使って様々な難病の治療に成功したばかりではなく、自らも規則的に経口し、(その時代には珍しく) 90歳を越える健康長寿を全うしたと伝えられている。 しかも、副作用が全くない! そこで、主治医は試しに、首相にそれを朝晩飲ませ始めた。 実は、主治医は当初、T 大統領同様、ステロイド系の消炎剤「Dexamethazone」(DM) を投与する案を考えていたが、米国のスタンフォード大学のある精神科医の経験によれば、DM には副作用として、患者を一時的にマニアック (狂気) にする副作用があることが判明したので、DM の投与をいささか渋っていた。
2、3日して、首相の容態はかなり快復して、ベンチレーターなしでも何とか呼吸ができるようになった! 一週間後には、ようやく退院を許された。首相は辛うじて "九死に一生" を得た! 意識が回復してから、天皇夫妻が見舞いに来院されたことを知った。しかも、自分を救ってくれたのは、夫妻が医師に勧めてくれた 「プロポリス」 と呼ばれるPAK遮断剤であることを、詳しく医師から知らされた。そこで、「命の恩人」である天皇夫妻に、御礼の言葉を述べるため、首相は皇居を初めて訪れた。 「 天皇陛下、私が入院中、 わざわざお見舞いを下さり、大変恐縮です。しかも、陛下お勧めのプロポリスのお蔭で命拾いをしました! お礼の申し上げようもありません」
「首相、あなたがすっかり元気になられたことを大変嬉しく思います。今後とも、国民全体のために、しっかりご奉職下さい!」
「ははあ、ところで、大変恐縮ですが、私個人から何か一つお礼を差し上げたいのですが、何かご所望はございましょうか?」
「実は、我が祖父以来、天皇家三代に渡る念願が一つだけ御座います。 もし、可能でしたら、マッカーサー憲法の1-8条項を破棄して、いわゆる 「象徴天皇制度」 を廃止して、我々天皇一家が皆、民間人として、自由に発言できるように、憲法を改正して下さると、我々一家は大変嬉しいのですが。 敗戦直後、マッカーサー元帥から、私の祖父 (昭和天皇) が、GHQ に出頭を命じられたことがあります。あなたがまだ生まれる前の話です。その時、元帥が例の 「象徴天皇制」 を提案しました。その時、祖父は、もし、その案を受け入れなかったら、どうなるか、と問うたところ、元帥曰く 「あなたは、ソ連や豪州などの戦勝国の要求に従って、 「戦争犯罪人」 として、処刑あるいは無期懲役となるだろう」 と答えたそうです。 さて、2、3 年前の話ですが、あなたの前任者にも、我が父 (平成天皇) が、”天皇制廃止” を提案したところ、無下に断わられました。そこで、父は ”生前退位” を決意したわけです。 恐らく、官房長官であったあなたもご存知でしょうが」
(実は歴史にひどく疎い) 首相はそれを聞いて、寝耳に水を浴びせられた! 「令和じいさん」 と あだ名されて、有頂天になったばかりだったからである。しかし、武士 (実は、農家のせがれに過ぎなかったが) に、二言は禁物だった。 しかも、恩人の天皇夫妻には、今度ばかりは、ノーとは言えなかった。
「はい、確かに承知しました! お約束はできませんが、できるだけ善処させて頂きます」
さて、警察などの捜査によると、例の「コロナの乱」の張本人は、実は、近所の猫らしい! コロナ事件の担当刑事 N が得た最新情報によると、永田町に住む 若い主婦 Z が同じ頃に肺炎症状を訴えたので、病院で PCR テストを受けたところ、COVID-19 陽性と判明。 しかも、その飼い猫 Y も (肺炎症状は軽度だったが) COVID-19 陽性と出た! 興味深くも、数か月前に、米国ニューヨーク市内のセントラルパークの動物園で、ある飼育係から "虎" に COVID-19 が感染したという報告があった。その "虎" の肺炎症状は矢張り、ごく軽かった。。。 更に、驚くなかれ、X 首相の飼い猫も "COVID-19 陽性" と出た! 従って、感染経路として、"XYZ" あるいは その逆の "ZYX" という可能性が浮かび上がった。 六法全書を紐解けば、どちらにしても、感染が猫などのペットを介して生じた場合には、残念ながら、"犯罪" にはなりえない! 「犯意」を 確明できないからである (疑わしきは、罰せず!)。 従って、(放し飼いの) 猫は、いわゆる (迷宮入りの)「トロイの木馬 (木猫)」(super-spreader) になり易いニャー。。。 "知能犯" の手口にくれぐれも御注意!
首相は言わば "飼い猫に噛まれ" (油断し) て、たかが 「コロナ」 ごときに感染し、全くぶざまな結末になってしまったことをひどく悔やしがり、勿論 "飼い猫" (クロチャン) の 処刑 (安楽死) を獣医に依頼した! 以後、首相は 夜中に "猫" 恐怖症 ばかりではなく、"パンケーキ" 恐怖症 にもさいなまれ始めた! こうして、ホテル「オータニ」内にあるレストラン "S" は、月に一度 "3000円のおやつ" (パンメーキ) を食べにくる顔見知りの顧客をとうとう失ってしまった!
ともあれ、天皇制 を廃止して、共和制になった場合、果して、彼は大統領の職につけるだろうか? いわゆる「令和の大獄」で、自分の人気がかなり落ち始めていた。他方、(宿敵の) 都知事の人気が 「五輪」 成功裡のお蔭で、かなり高まっている。。。
一か八か、やってみる以外にはなかった。 そこで、国民投票で、憲法改正 (1-8条の削除) の是非を問うことになった。 投票結果は、賛成が56%、 反対が33%、 棄権が11% だった! よって、(天皇の望み通り) 憲法改正が承認された。 国会は即日解散し、「日本共和国」 最初の大統領選挙戦が始まった。 予想通り、元首相と、元都知事が二大有力候補になった。 しかしながら、終盤になって、突如 「ダークホース」 が登場した。 元天皇だった!
皇居前広場に詰めかけた有権者たちを前にして、元天皇は第一声を挙げた。「私達の家族は、敗戦後、75年以上の間、"カゴの鳥" 状態で、自分たちの意見を自由に発言できませんでしたが、今回初めて、皆様のお蔭で、"自由の身" となり、私にも新しい共和国のために、皆様へ恩返しができる機会がやってきました。 先ず、平和な共和国を建設するためには、「和」が何よりも大切です。君子、敵を作るべからず、という言葉があります。 先ず、(全世界を味方につけるために) 永世中立国をめざして、日米安保条約を破棄しましょう。 沖縄を米軍基地から解放するためです。和は、全ての国民の間でも、必要です。 党派や派閥を組んで、自益のみを守ろうとする利己的な活動はもう辞めましょう。貧富を越えて、全ての国民がお互いに助け合える「共和」の社会を、共に建設しようではありませんか」
庶民の多くが、(徳の高い) 元天皇の (政党政治家たちからは聴けない) 素朴かつ新鮮な意見に共鳴した。 こうして、最終的には、元天皇が過半数を獲得して、初の大統領に当選した。
間もなく、「君が代」に代わって、日本 (共和国) の新しい国歌: "我らみな同胞" が作詞、作曲された。
(起) 山河に恵まれ、大洋に臨む
(承) 山の幸、海の幸を楽しむこと二千年
(転) 縄文も弥生も仲良く助け合い
(結) 世界平和に尽しましょう!
注: 「縄文」とは先住民、「弥生」とは移民を指す。
Ende gut Alles gut. (終わり良ければ、全て良し!)
注: この作品は、行間を良く読むと分かるが、実は 「完全犯罪」 ミステリー。 鍵は六法全書 、X の恐怖症 (後遺症)、文末のドイツ語 (文豪ゲーテの言葉) etc。「ほし」 (事件の黒幕) は、天罰 (神)、 天皇、 作者自身、学術会議から除外された学者、左遷された官僚、等を含めて、恐らく有権者の過半数! 誰にしても、動機だけは十分あるが、犯行の証拠が皆無! 文責: 西 ノボル (作者ペンネーム)。

2020年10月18日日曜日

生姜由来の 「Gingerol」 は PAK 遮断剤 (EGFR 阻害) !

生姜 (しょうが) は古来から、健康食品として知られ、血圧低下、抗炎、抗癌、美白、抗認知症など様々な作用があるが、その作用メカニズムが長らく不明だった。 ようやく今年になって、その分子メカニズムが、中国 (広東) にある孫文大学医学部の研究グループによって、解明された。
Su-Min Hu , Xu-Hui Yao, Yi-Hai Hao , Ai-Hua Pan , Xing-Wang Zhou 8‑Gingerol regulates colorectal cancer cell proliferation and migration through the EGFR/STAT/ERK pathway. Int J Oncol. 2020; 56: 390-397.
一口にいえば、「PAK遮断剤」で、「Gingerol」 と呼ばれる (側鎖の長さが違う) 一連の化合物が、PAK の上流にあるEGF 受容体 (チロシン=キナーゼ) を直接阻害する! 分子量が小さいので、血管脳関門 (BBB) を容易に通過し、NF などの脳腫瘍に効くはずであるし、もちろんCOVID-19 の予防にも有効であろう。 Gingerol は、チリー胡椒由来の「Capsaicin」 (やはりPAK 遮断剤) と、化学構造が良く似ている (側鎖の "窒素" が "炭素" に置換されている) が、"辛味" (刺激) がずっと弱い。
Gingerol は、クルクミンやプロポリスなどのポリフェノールと違って、「無色」に近いので、そのアルコールエキス (チンキ) 製品があれば、直接皮膚に塗ると、NF1 のいわゆる「ブク」(皮膚腫瘍) にも効くはずなので、試してみると良い。。。
参考までに、生姜のチンキ剤 (古いチベットのレシピ)を下記に紹介: https://ja.onlinedoctors24.com/4262834-ginger-tincture-an-old-tibetan-recipe-on-alcohol
編集後記: 東京都中央卸売市場における根しょうが(国産)の価格は、Kg 当たり419~593円(年平均単価496円)、(中国産)は、kg 当たり209~246円(年平均 単価221円)だが、豪州 (メルボルン) では現在、驚くなかれ、8000円だった!! 全く「問題外」である ("一般庶民向き" の食物ではない) 。。。生姜の根塊が「金塊」のごとく、まぶしく見えた!

2020年10月17日土曜日

Science: Current research status on RAC-PAK1 blockers,
from propolis (CAPE) to 15K or DBQ-202

Back in late 1980s, a team at Columbia University in NY found that “propolis” (alcohol extract of bee-hives) suppresses the growth of cancer cells, and its major anti-cancer ingredient is CAPE (caffeic acid phenethyl ester). However, it remained unknown how CAPE inhibits selectively the growth of cancer cells without any effect on normal cell growth. In 1994 the first mammalian PAK1 was cloned by a team led by Dr. Ed Manser in Singapore. This kinase is closely related to myosin I heavy chain kinase isolated from a soil amoeba by us at NIH in 1977, and both are activated by GTPases called RAC and CDC42.
Around the turn of this century, we and others found that RAC/CDC42-PAK1 signaling pathway is essential for cancer growth, but not normal cell growth. Then around 2004, we found that both caffeic acid (CA) and CAPE inhibit RAC with IC50=10-100 micro M, thereby blocking the oncogenic PAK1 signaling pathway. Almost same time, a team at Cincinnati Children Cancer Center led by Dr. Yi Zheng, found a synthetic chemical called NSC23766 also inhibits directly RAC with IC50 =25-50 micro M.
Since then, this RAC-PAK1 field has been vastly advanced, and towards the end of 2015 we developed a highly cell-permeable RAC inhibitor called 15K (1,2,3-triazolyl ester of ketorolac) from an old pain-killer (Ketorolac) via Click Chemistry (CC) , that inhibits the growth of cancer cells with IC50 ranging 5-24 nM (depending on cell lines), and suppresses both growth and metastasis of chemo-resistant pancreatic cancer xenografts in mice with IC50 far below 0.1 mg/kg daily, surely with no side effect even with 5 mg/kg daily. 15K is over 500 times more cell-permeable than Ketorolac without any loss of water-solubility!
Around 2017, a team at Puerto Rico University led by Dr. Cornelis Vlaar developed a new RAC inhibitor called MBQ-167, related to NSC23766, which suppresses the growth of cancer cells with IC50 around 100 nM, and supresses the cancer gowth in mice with IC50 around 1 mg/kg daily. Obviously 15K is at least 10 times more potent than MBQ-167 both in cell culture and in vivo.
Interestingly I recently noticed that 15K and MBQ-167 happen to share a very similar over-all chemical structure, but noticed a critical difference in side chain as well. Thus, we are planning to develop a hopefully far more potent RAC inhibitor called MBQ-202, ortho-methoxy derivative of MBQ-167, based on our valuable experience from 15K. MBQ-202 could be 100-500 times more cell-permeable than MBQ-167!?
In addition, I would like to remind readers that these RAC-PAK1 blockers would be useful for treating COVID-19 patients as well. For detail, see the following review of ours: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7166201/
Lastly, we found a decade ago that PAK1-deficient mutant of C. elegans (nematode) lives 60% longer (and 10 times more heat-resistant) than the wild-type, clearly indicating that these PAK1-blockers would help us (human beings and any other animals) to survive during the current “global-warming” era...

2020年10月13日火曜日

日本学術会議 との "貴重な" 縁 (1973年) :
結論: 学術会議は政府から独立すべき!


結論: 学術会議は政府から独立すべき!
日本学術会議の政府予算: 内閣府から年間10億円 (2020年) が支給されている。会員は220 名で、「特別国家公務員」だそうである。従って、自由に 政府 (内閣) 批判をしたいなら、政府 から潔ぎ良く独立すべきである。 その昔、伝研 (伝染病研究所) が文部省管轄下 (東大の付属研究所) になった時、当時の所長だった北里柴三郎は、文部省の干渉を嫌って、伝研 を辞職し、福沢諭吉などの助けで、(財団法人) 北里研究所 (北研) を設立した、という有名な歴史がある。。。私の記憶が正しければ、所謂「伝研」出身でノーベル賞をもらった学者は未だ皆無だが、「北研」からは、2015年にイベルメクチン開発者、大村 智 氏が医学賞をもらっている。政府の "役人" (奴隷) のままでは、禄な研究はできない!

目下にわかに話題になっている「日本学術会議」という組織は、私のごとく海外でずっと研究している者には、全く縁がないが、実は、皮肉にも海外へ "武者修行" に出かける直前にたった一度だけ、お世話になった。 1973年夏に渡米留学する計画が熟した際、(指導教官の) 水野伝一教授がNIH からポスドクのための奨学金 (旅費と給料) が、 (日本からは) 毎年2名だけ支給されるので、応募したらどうか、と勧められた。応募資格条件は、TOEFL (Test of English as Foreign Language) という英語の テスト (hearing and writing) にパスすることだった。幸い、パスした。次に、学術会議によって、審査 (面接) を受け、合否が決定する。一体何名が応募した のか、我々にはわからないが、結局、京大医学部の早石教室の助手 (静田 裕くん) と私の2名が採用され、渡米した。 当時、「分子生物学」分野では、西の早石、東の水野、と言われていたので、恐らく、いわゆる「ボス交」で決着したのではないか、という可能性は否定できない。。。
ともかく、この NIH International Fellowship を貰うと、米国内ならどの大学 (or 研究所) にも留学できる。静田くんは、後に "PKA" (cAMP-dependent kinase) 研究でノーベル受賞者になるワシントン州立大学 (シアトル) の Krebs 教授の研究室に、私はコロラド大学 (ロッキー山麓) の Goldstein 教授の研究室に留学した。ところが、当初は奨学金は「2年間」のはずだったが、丁度 Watergate 事件の最中で、(何を血迷ったか) ニクソン大統領がNIHの予算を突如削減したためか、我々の奨学金は突然、たった一年に縮小されてしまった、そこで、2人とも、2年目は急きょ、NIH に就職を決めた! 1970年代当時、NIH は世界の医科学研究の「メッカ」で、研究意欲の活発な若いポスドクが (世界中から) 3千人以上集まり、広いキャンパス内にひしめき合っていた (今は、NIH 研究者全体の "高齢化" などにより、その面影はかなり薄れた!)。 静田くんは同じNIHキャンパス内にある NCI (癌研) の Ira Pastan の研究室に落ち着いた。ある日 (1976年頃)、偶々、私が、Pastan に会うために、NCI に出かけた折、研究室に静田くんの姿を見つけてビックリした! 実は訳あって#、アクチン結合蛋白「フィラミン」を貰うために、Pastan の研究室を訪れたのだが、それを当時精製していたのは、何と静田くんだった! どうやら、フィラミンを "PKA" の基質の一つとして同定したらしい。。。 全く奇遇だった。
私は、更に1977年には、同じ "NIH" キャンパスで、例の「PAK」(Myosin Kinase) をも見つけるという幸運を得た!
#注: 当時、アクチン線維を架橋しゲル化する新規蛋白 (総称: Gelactins) の探索が米国で流行し始めていた。 恐らく、我々が土壌アメーバから単離した幾つかの低分子 Gelactins が最初の実例であろう。 ところが、Pastan の研究室でも、ニワトリの平滑筋から「フィラミン」と呼ばれる高分子 Gelactin が発見されたという噂を耳にした。 そこで、その性質をアメーバのゲル化蛋白と比較してみようと我々は考えた。 後に (1990年代後半に) 、Gelactin は抗癌蛋白の一種として再評価され、アクチンをゲル化する薬剤 " MKT-077 " (フジフィルムとの共同開発) が一時、抗癌剤として、注目された時期があった。。。しかし、この薬剤は不幸にも実用化されず、我々は結局、より可能性の高い「PAK遮断剤」へ "作戦 (鞍) 変え" した!
つまり、私の "半世紀に渡る" 海外研究 (抗癌剤開発) は、NIH 時代に堀り当てた 2つの「金鉱」(Gelactins とPAK) によって主に支えられてきた。。。 だから、"悪名高き" ニクソンには、今でも秘かに感謝している! 「不意討ち」にも即、柔軟に対応できる力を我々に与えてくれたからである。。。
逆に、"禄に英語も喋れない" 石頭 (井の蛙) の首相や官房長官が、学術会議の人事や運営に干渉するのは、絶対に許せない! 丸で、" 盲目 ("座頭市"?) が目明き (or 盲導犬) に道を教える"ようなものだからである。「本末転倒」も甚だしい! ガリレオ=ガリレイの「地動説」を弾圧し続けた "狂信的な"カトリックの「轍」を踏むな! 特に米国では、医科学専門家の声 (警告) が (経済志向の) 「トランプ政府の圧力」からか、メディアを通じて、一般市民に正しく伝達されていない! だから、いつまでも 「COVID-19 の暴走」(コロナの乱) を許し続けている。。。 人類が 「無能極まる」政府のために、(頭脳もない) 「ウイルス」によって、翻弄されているのは、全く馬鹿げている! 皮肉な表現を使えば、「コロナの乱」は、既に片足をかん桶に突っ込んでいる高齢者や肥満者などを選択的 かつ 加速的に、あの世に送り出すのに貢献している。 ひょっとすると、大昔「ネアンデルタール人」だけが "選択的" に絶滅したのは、ある特殊なウイルス (あるいは病原菌) によるものではなかろうか。 願わくば、彼らの轍を踏まぬようにしたいものである。。。COVID-19 は犬や猫にも感染するが、症状は軽く、死亡例は全くない! 何故か? その謎を解く研究は今後、有意義だろう。Ref: Jianzhong Shi, et al. Susceptibility of ferrets, cats, dogs, and other domesticated animals to SARS–coronavirus 2. Science. 2020 May 29; 368 (6494): 1016–1020.

2020年10月7日水曜日

2020年ノーベル化学賞は、「遺伝子の編集技術」を
開発した2名の女性へ!


https://www.abc.net.au/news/2020-10-07/emmanuelle-charpentier-jennifer-doudna-nobel-chemistry-prize/12741596
今年のノーベル化学賞は, フランスのエマニュエル・シャルパンティエ(51)、米国のジェニファー・ダウドナ(56)に与えられることになった。業績は「遺伝子を改変するゲノム編集技術の開発」。2人の女性は, 細菌がウイルス (phages) から身を守る仕組みを解明し、ゲノム編集技術として応用できることを示した。

2020年10月6日火曜日

"啓蒙"短編ミステリー 「以心伝心: コロナの乱」:
21世紀の 「トロイの木馬」 伝説

号外: 「血を血で洗う」 と言われた冷酷非情なX首相が、ある日突然、食中毒か何かで変死!
ある日、秋田のある田舎から、首相官邸宛てに、パンケーキと苺シロップが献上される。大好物のパンケーキを食べてからしばらくして、かなり年配のX首相は 発熱 (40度を越え!)、咳込む。肺炎の疑いがあるので、検査をすると、COVID-19 陽性と出る! そこで、虎ノ門の胃腸病院に急きょ入院する。症状は刻々と悪化し、ICUに移されベンチレーターにかけられる。 取り敢えず、COVID-19 から快復した患者から集めた抗血清を大量輸血され、急場をしのぐ。 しかしながら、首相は生死の境を一週間ほどさ迷った末、あの世に旅立った。さて、パンケーキを秋田から送った「ほし」を巡って、警察による本格的な捜査が始まる。。。。先ず、微量のウイルスが苺シロップの入れ物から検出された! しかし、首相以外の指紋は全く検出されない。
さて、パンケーキの贈り主の住所は、郵便番号 (〒019-0321) から、秋田県湯沢市秋ノ宮と判明した。不思議にも、首相の郷里の近辺だった! しかし、贈り主の名前はとうとう判明しなかった。 さて、首相の郷里には、2人の姉と弟が存命していた。その内、姉は2人共、勉強好きで、HK大学出身の高校教師だった。しかしながら、首相自身は勉強嫌いで、高校を卒業すると直ぐ、自分のいちご農家を継ぐのを避けて、逃げるように上京し、板橋区にあるダンボール工場で働き始めたが、長続きはせず、たった2か月で辞め、その後、職場を転々としながら「2年浪人」の末、(当時) 授業料の一番安かった私大の 「H大」 に入学を果たしたそうである。 そこで、警察は先ず、近親関係、高校時代の友人、 あるいは大学時代の同級生関係などを洗って、手がかりを得る努力をした。しかし、いっこうに有効な手がかりらしい物は、とうとう得られなかった。他殺 (暗殺)か、それとも単なる食中毒か?
あわや「迷宮入り」となりかかったところで、一つ面白いネタが入ってきた。なんと 遠い沖縄からだった! 首相がまだ官房長官を長らくやっていた頃、沖縄知事がスイゾウ癌で (知事の再選を目指す選挙直前に) 他界した事件があった。あれは「暗殺」だったという説がかなり濃厚。というのは、スイゾウ癌は早期に発見され、手術で全部摘出されたにも拘らず、そのあと、浦添の病院で、ケモ (従来の副作用が強い抗癌剤) で治療され、瞬く間に頭髪を失って挙げ句、他界した! ある 癌の専門家の見解によると、これはいかにも不自然。プロポリスなどPAK遮断剤で治療すれば 「全快」したはず。そして、彼の葬式には、当時の首相は出席していたようだが、肝心の「官房長官」は姿を見せなかった! さすがに (後ろめたかった!) 。沖縄県民の大部分は、暗殺の黒幕は、当時の官房長官だと確信している。。。「抵抗する者は全て抹殺する!」という彼のやりかたにピッタリだったからである。従って、当然 「江戸のかたきを長崎で打つべし」 という正当論が根強く、県民の間に漂っていた。。。しかも、沖縄では、米軍基地を中心にして、コロナウイルス感染が蔓延していた。。。容疑には 「絶好の組合せ」 だった!
“コロナ入りパンケーキ” 事件直後に新しい首相が選出された。若くて聡明な首相「K 」氏は、警察の情報に基づいて、一計を案じ、沖縄県民の間から容疑者一人一人を官邸に呼び寄せて、何度か「パンケーキ晩餐会」を開催した。実は、X首相の死因について、これまで ”報道禁止” になっていた。 従って、もし、パンケーキを食べ残したり、苺シロップをかけずにパンケーキを食べる者が何人か出てくれば、その連中が 「ほし」 に違いないと、ほぼ断定できる。古く江戸時代に、長崎で「キリシタン狩り」をするために。江戸幕府は「踏み絵」という検察手段を採用した。 キリストあるいは聖母マリアの像を彫った絵を踏なかったり躊躇する者は、「キリシタン」 (キリスト教徒) として、投獄あるいは処刑された。。。
不思議なことには、容疑者全員が、パンケーキに甘いシロップをタップリかけて、ペロット平らげた! つまり、「ほし」は どうやら沖縄県民ではなさそうである。。。 捜査は、こうして、暗礁に乗り上げた! そこで、K 首相は、警察当局に、この事件の「捜査打ち切り」を命じた。 彼自身にとっては、真犯人が誰であれ、(「棚ぼた」的に首相就任へのチャンスを与えてくれた) 貴重な「恩人」 に当たる訳で、その人物をこれ以上追求しても得るものは余りない、と判断したからだ。確実な証拠はないが、彼自身の直感に素直に従えば、「ほし」 は海外のどこかに既に亡命 (高飛び) してしまって、逮捕のしようがない、と思われた。
実は、K首相は池田内閣時代以来、三代にわたって、外相 (あるいは副PM) を務めた名門の出 (私大の最高峰である早慶大学出身) であるが、父親が小渕内閣の外相を務めていた頃、海外からある人物が 「Madam Secretary」 (オルブライト国務長官の回想録) の訳本に追加しうる 「沖縄を舞台にした」 G7 写真集を依頼してきたのを思い出した。その人物の名前はもう思い出せないが、彼なら 「コロナの乱」 を起こしかねない。もちろん、日本全国に散らばる仲間を介してだが。。。 ひょっとすると、「コロナの乱」は父親が送った写真集の「返礼」 だったのかもしれない。。。父親の記憶では、その人物はいわゆる 「マッカーサー憲法」 を改正 (1 - 8条を破棄) し、永久中立をめざす 「日本共和国」 を夢見ていたそうである!
こうして、いわゆる 「令和の大獄」 は迷宮入りの中に幕を閉じた。 しかも、誰一人、その結末に不満を述べる者も出てこなかった。 間もなく、印鑑の使用と”令和”という年号が廃止された。天皇家はいわゆる「カゴの鳥」状態から解放されて、晴れて 「民間人」 となり、税金を支払うべき義務が生じたが、代わりに、自らの意見を自由に発言できるようになった。間もなく、共和国初の大統領選挙が、米国風の国民投票によって、実施された。主に4名の候補者が選挙戦を争った。先ず、(選挙権を初めて獲得した) 元天皇、元PM (=K 氏)、 元都知事 (女性)。そして、4人目は半世紀近く、海外に亡命していた年輩のM氏。最終的には、驚くなかれ、元天皇が過半数を獲得して、初の大統領に就任した。国務長官 (外務) には、海外経験が長く、永世中立主義をめざし、日米安保条約の破棄と日本国内にある米軍基地の閉鎖を唱える M 氏。財務長官にはK 氏。そして、国防長官には、元都知事 (K氏)。大統領は ”君子たる戒め” を守り、(「トランプ」とは違い) 飽くまでも「和」を重んじ、競争相手 (いわゆる「政敵」) を敵に回さず、敢えて、仲良く一緒に新しい 「共和」 政治を行なおうと努めた。Ende gut, Alles gut (文豪 「ゲーテ」 の有名な言葉: 終わり良ければ、全て良し、実はシェークスピアの ”喜劇” の独訳)。
教訓: 君子たる者は、敵を作るべからず。 さもなくば、「見えざる敵」によって、天罰を受ける! 手段を選ばぬ独裁者 (ヒットラー、ムッソリーニ、 東条、スターリン etc) は全て、自滅。
種明し: アガサ=クリスチー女史らの調査によると、例の「コロナの乱」の張本人は、実は、近所の猫らしい! 人から猫へ、猫から猫へ、更に猫から人に COVID-19 は容易に感染することが判明しているが、猫の肺炎症状は極く軽い! 従って、(放し飼いの) 猫はいわゆる「トロイの木馬 (木猫)」(super-spreader) に容易になるニャー。。。要注意! 「飼い猫に噛まれる」という表現があるが、時として「隣りの猫」にも噛まれることがある。WHO からの非公式な情報によれば、武漢で発生した「コロナの乱」も、感染したコウモリを食べた猫が媒介したという説がかなり有力である。。。「中国政府」寄りの、丸で「猫をかぶった」ような話だ! ついでながら、エチオピア出身のWHO事務総長は、「中国びいき」という理由で、百万を越える辞任要求署名によって、8月にとうとう辞任せざるを得なくなった。これも「コロナの乱」の一幕である! どうやら、コロナは "腐敗" 政治家を追放するのにも有効のようだ。
文責:
日本学術会議に対する "干渉" に抗議する 「パンケーキ運動」組織委員会発起人 (丸田 ひろし)

Short Mystery: Telepathy and Trojan Horse
News: A cold-blooded PM was suddenly killed with his favourite pancake!
英国科学雑誌「Nature」が論説で、トランプ米大統領の歪んだ (科学を無視した) コロナ対策や 安倍-菅 (すが) 内閣による日本学術会議への干渉を批判している。
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20201008001981.html

2020年9月30日水曜日

夢の 「PAK」 遮断剤 「MBQ-202」 : プエルトリコ大学発の「MBQ-167」の ortho-Methoxy 化!?

我々の開発したPAK 遮断剤 "15K" に関する論文が発表されてから、数ケ月後に Puerto Rico 大学医学部の研究チーム (指導者はオランダ出身の Vlaar 博士) によって、同様なメカニズムで、類似した化学構造をした「MBQ-167」と称する PAK 遮断剤に関する論文が発表されていたが、我々はつい最近まで、それに気づかなかった (自らの研究に"集中/熱中し過ぎ"たか) 。 我々の2017年の論文には未だ細胞培養系によるデータしかなかったが (翌年に動物実験データも発表)、彼らの2017年の論文には、既に動物実験データが含れていた!
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28450422/
Tessa Humphries-Bickley, Linette Castillo-Pichardo, Eliud Hernandez-O'Farrill, et al. Characterization of a Dual Rac/Cdc42 Inhibitor MBQ-167 in Metastatic Cancer. Mol Cancer Ther. 2017 May;16(5):805-818.
両化合物とも、PAK の直ぐ上流にある "RAC/DCD42" と呼ばれるG蛋白を直接阻害する。
彼らは2018年に自らの特許に基づいて、「MBQ ファーマ」なる製薬会社を創設して、(主に「薬剤耐性」の乳癌を対象とする) 臨床試験を開始せんとしている模様。。。https://mbqpharma.com/mbq-167/
ただし、MBQ-167 の IC50 は 100 nM 前後に対して、我々の 15K の IC50 は 5-24 nM なので、薬理作用としては、後者 (15K) のほうが少なくとも10倍ほど優れていると言えよう。動物実験でも、15K の IC50 は 0。1 mg/kg 以下であるが、前者 (MBQ-167 ) の IC50 は 1 mg/kg 前後である。
どちらの方が先に市販されるにしても、癌患者、NF患者、COVID-19 患者などには、すこぶる良報に違いない!
最後に指摘したい一点は、MBQ-167 と 15K との基本的な違いの一つは、1、2、3-triazolyl 環に結合するベンゼン環の側鎖の存否とその位置である。 15K にはortho の位置 に methoxy があるが、MBQ-167には 側鎖がない。 もし仮に、MBQ-167 に ortho-methoxy (or ortho-Cl) を付加して "MBQ-202" とすると、細胞透過が100-500倍にまで高まる可能性がある。。。(成功すれば) ノーベル賞にも繋がり得る「医科学的なギャンブル」の好きな諸君にお勧めの大挑戦!
最初に「MBQ-202」 の合成に成功し、飛躍的な細胞透過性 (IC50 < 1 nM) の実証に成功した者には、PAK研究財団から少なくとも「20万円」の賞金を与えたい。。。数年後に「MBQ-202」の市販が実現されれば、恐らく、ノーベル医学/化学賞を受賞するチャンスも到来するだろう。。
場合によっては、Puerto Rico 大学の客員教授として、当地に3か月ほど滞在し、「MBQ-202」プロジェクトの監督指導にあたることになるかもしれない。
号外: 最近のVlaar 博士 (有機化学者) からのe-mail 情報によれば、目下 "MBQ-202" などを含めて一連の誘導体の抗癌/抗PAK活性を測定中だそうである。 "Telepathy" (以心伝心) が見事に通じたようだ! 実は、Vlaar 博士は米国でポスドク時代、Click Chemistry の発明者 (2000年にノーベル化学受賞) の弟子だった。そこで、プエルトリコ出身の奥さんに巡り合い、プエルトリコ大学に転勤!

抗生物質「ミコフェノール酸」 (Mycophenolate)
の "抗COVID-19" 作用

有名な抗生物質「ペニシリン」がアオカビから発見されるよりずっと前 (1893年)に、イタリアの医師 (Bartolomeo Gosio) によって別の青カビから発見された抗生物質が「ミコフェノール酸」 (MPA) である。現在は主に、臓器移植のために、臓器の拒絶を抑えるために、患者の免疫作用を抑える目的で使用されている。しかしながら、その後の研究から、MPA にも、プロポリスと同様、PAK を遮断し、癌の増殖や (肺炎などの) 炎症を抑えることが判明した。 従って、理論的には、COVID-19 の感染を予防する作用も予想されていた。 実際、ごく最近になって、国立感染症研究所 (旧「予研」) のグループによって、その抗コロナ作用が細胞培養系で実証された。IC50 は ほぼ 1 micro M だそうである。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7362101/
前述したアルカロイド「CEP 」とほぼ同程度である。 しかし、名前にある通り、分子中に "カルボン酸" があるので、そのままでは "細胞透過性" が悪い傾向がある。従って、現在はそのエステル (モフェチル) 体が臨床に使用されている。

2020年9月18日金曜日

四川省特産「花椒」中の「PAK」遮断剤 :
「WGX-50」(Lemairamin)

もう15年ほど昔、我々は 四川省特産の「花椒」(麻婆豆腐の香辛料) の赤いエキス (温湯やアルコールで抽出) に "PAK" 遮断剤が存在し、抗癌作用を示すことを発見した:
https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.4161/cbt.5.3.2404
しかし、その主成分の化学構造が長らく不明のままだった。。。。
ところが、ごく最近、そのPAK 遮断剤の化学構造が遂に判明した! 上海交通大学の研究グループによって、「WGX-50」(Lemairamin) と名付けられたこの「アミド化合物」(肥満症の治療薬 「Lomaira」のフェネチル (アクリル) アミド誘導体) は、認知症の治療や鎮痛剤としても、有効であることがわかった (IC50=1 micro M)! 勿論、癌、NF、COVID-19 の予防/治療にも有効であるはず。 PAK 遮断剤の仲間、クルクミンや CAPE (コーヒー酸フェネチルエステル) に全体的な化学構造が良く似ている。。。現在までに、 "より強力な" シナミド誘導体が幾つか有機合成されつつある。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0006291X20305003
ところで、山椒よりも「花椒」の方が「PAK遮断剤」として薬効が数倍強いにも拘らず、何故か「日本薬局方」には、未だに山椒しか収録されていない。 日本の薬事法に関する "専門家" の良識がはなはだ疑れる。。。
更に、面白いことには、麻婆豆腐に香辛料として使用する黒胡椒 (“ごく辛”) 由来のアルカロイドにも、PAK遮断作用があることが、ごく最近、四川大学の研究グループによって、明らかにされた! 従って、(“ごく辛” の) 麻婆豆腐を常食すると、花椒と黒胡椒の "ダブル=パンチ" で、癌 やCOVID-19 を予防することができる理屈になる! https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32031370/
私自身は「ごく辛」は苦手なので、黒胡椒の代わりに、(PAK遮断剤クルクミンを含む) 「カレー粉」 (ウコン) を使用して、「和風」の麻婆豆腐を自宅で料理している。
ところで、麻婆豆腐の「麻」は、麻酔を意味するそうである。花椒中の「サンショオール」が神経をしびれさせる (麻酔する) 作用があるからである。そこで、花椒を 温湯 (45度前後) で抽出すると、「サンショオール」なしに "PAK遮断剤" だけが選択的にエキスとして得られる。 これが我々の花椒 エキス 「花水」である。

2020年9月16日水曜日

管 (すが) 首相と小池都知事 は、「水」と「油」の関係!
2021 東京五輪は、一体どうなる?

恐らく、中止になるだろう。何故か? 皆んなで、その理由を考えてみよう!
中国の故事に、「呉越同舟」という言葉がある。同じ目的のために、敵と味方が「仲良く」同じ舟に乗れば、問題はない。 しかし、(目的を異にする) 「船頭多けれ ば、舟、山に登る」(座礁する!)。
私自身は、1964年の「最初」の東京五輪を大歓迎して、学生ながら、外国人選手たちの為に、ボランチアの英和通訳を勝手出たくらいだった。しかし、「2番煎じ」 の2020年の東京五輪には初めから、大反対だった! 理由は極めて、単純である! 世界には、未だ (「五大陸」を象徴する) 「五輪」開催を経験したことのない多くの国々 (例えば、アフリカ大陸の南アやインドなど) や大都市が沢山残っている。その国々や都市を 出し抜いて、2番煎じの五輪を東京で強引にやる必要はないからだ。 更に、日本国内でも、大阪は未だ五輪開催の経験がない。 そういう意味で、東京での (2度目の) 開催は、はっきり横暴である!
豪州では、最初の五輪は1956年にメルボルンで、2度目の五輪は2000年にシドニーで開催された。そういう「国際的マナー」が五輪精神には必要だと (「国際人」の一員である) 私は思う。
管 (すが) さんの強引な遣り方は、日本国内では通じても、海外ではとても通用しない、と私は思っている。 だいたい (秋田の"片田舎"から出てきた) 「英語を話せない/解せない」首相に (外交の場で) 説得力を期待するのは、およそ無理である! そういう意味でも、小池知事の方が一枚も二枚も上手 (うわて) であろう。。。
COVID-19 蔓延下でも、「無理矢理に」 五輪を開催したいなら、2020 全米テニスのごとく、「観客なし」のテレビ中継で、「コンタクト」 (体の接触) 無しのスポーツ、例えば、陸上、水泳、競輪、などの "個人" 種目のみに限定して、団体スポーツや柔道、レスリング等の "格闘" 競技は除外する、という極めて "異例な" 五輪を開催すべきである。題して、「五輪史上初」の2021 年「Contact-free Olympics」の開催を提言したい! もし、私がIOC 会長ならば、それに反対はしないだろう。。。「危機」を脱するためには、頭を柔軟に働かせなければならない!

2020年9月9日水曜日

COVID-19 の ”食餌” 対策: PAKを遮断する野菜や食物成分
神経線維症 (NF1 や NF2) の良性腫瘍の治療にも有効!

月刊 「食品と科学」 (2020年11月号,10月に発売)
著者: 丸田 浩 (薬学博士)#、安井文彦 (工学博士)、橘高敦史 (薬学博士)、小原 道法 (医学博士). #筆頭著者:Maruta20420@yahoo.co.jp
要約:
世界中に目下猛威を奮っている「肺炎を起す」新型ウイルス(COVID-19) は、恐らく有効なワクチンが最終的に開発、一般に市販される来年まで、続くだろう。 しかし、それまで、顔マスク といわゆる「三疎」以外に何もせず、ただ指をくわえて感染を待っているわけにはいかない。 実は、このRNAウイルスの増殖やその発病 (肺炎) には、「PAK」 と呼ばれる病原酵素が必須であり、それを選択的に抑える成分が、色々な野菜や日常の食物の中に豊富に含れている。その昔から最も良く知られているのは、蜜蜂が調剤するプロポリスというPAK遮断生薬であるが、残念ながら、その主な産地はブラジルやニュージーランドなどで、「国産」プロポリスは、未だ市販されていない。 そこで、我々が常食している赤タマネギなどの野菜やその他の食物に含まれる天然のPAK遮断成分を幾つか、ここで紹介したい。家庭でできる簡単な食餌による「ウイルス予防/撃退」の一助にしていただきたい。
序:
新型ウイルス(COVID-19) は、ポリオ、エイズウイルス (HIV) 、流感ウイルス等と同様、RNA をゲノムとするウイルスの仲間に属する。 このウイルスが増殖するためには、宿主に存在するRNA 依存性RNA ポリメラーゼ (RdRP) を借用して、相補的なRNAを合成する必要がある、従って、理論的には、国産 「アビガン」などのRdRP の阻害剤がウイルス阻害に有効なはずであるが、今のところ、臨床現場では、華々しい治療効果は未だ発揮されていないようである。それに副作用がある。そこで、それに代わるべき治療薬として、各種のPAK遮断剤が最近、注目され始めている (1)。理由は少なくとも 2つある。 先ず、(i) 炎症は、癌と同様、一般的にPAK依存性である。マウスでPAK欠損株には、炎症も癌も発生しない (2)! 次に、(ii) ウイルスに対する抗体を作る我々の免疫機能は、PAK によって抑制されている。 従って、PAK欠損株では、色々な病原体に対する免疫機能が高まり、感染しにくくなる (3)。
更にごく最近判明したが、(iii) 細胞培養系で、COVID-19 の増殖を、幾つかのPAK遮断剤、例えば駆虫剤イベルメクチン、ビタミンD3, マラリア特効薬クロロキニン等、が強く抑える (1, 4)!従って、いわゆる 「三本の矢」で、PAK遮断剤は、COVID-19を駆除しうるという可能性が出てきた (1)。少なくともイベルメクチンの場合、0.15 mg/kg (体重60 kg 当たり 9 mg) の服用一回のみで、ICU のCOVID-19 患者の死亡率が20% から3% に激減するという臨床報告が出ている (1, 5)。 しかし、イベルメクチンは元来、駆虫剤であり、医師の処方箋なしには、薬局から購入できない。 従って、少なくともCOVID-19の”予防” には使用できない。 皮肉にもウイルス感染が悪化し、病院 (ICU) に担ぐ込れるまで、この特効薬にはありつけない。そこで、オランダなどで広く実施されているように、プロポリスで予防や治療が可能であるが、残念ながら、我が国では国産品が市場に出回っていない。 そこで、ここでは、日本全国どこでも手に入る野菜類やその他の食品に豊富に含まれる天然のPAK遮断成分を幾つか紹介したい。
目次
1。 ケルセチン (赤玉ねぎの皮)
2。 ビタミン D3
3。 アピゲニン (カモミール茶)
4。 海鼠 (ナマコ) 由来のサポニン
5。 フコイダン (海草由来の硫酸化多糖類)
6。 ククルビタシン (苦瓜由来)
上記いずれの「PAK 遮断剤」も 血管脳関門 (BBB) を通過しうるので、NF1 や NF2 などの脳腫瘍や 認知症にも効くはず!
詳細は 今秋 (10月頃) に出版されるはずの本文を参照されたし。

2020年9月4日金曜日

「海藻」(フコイダン) が COVID-19 による感染を阻害!
NF1 患者の皮膚に出る良性腫瘍 (ブク) にも効く!

褐色の海藻 (沖縄産のモズク等) には、PAKを遮断する作用を持つ「フコイダン」と呼ばれる多糖類が豊富に含れているから、ビタミンD3 の豊富な魚類と一緒に食べると、相乗効果で、コロナウイルス等 の予防/治療にも役立つ可能性あり、と "予測" (2019年3月30日に) した。
それに関連して、極めて興味深い (古い統計) 記録が残っているから、以下に紹介したい。
1919年前後、第一次世界大戦の終了後まもなく、スペイン風邪が世界的に猛威を奮って、全世界で5億人が感染、5000 万人が死亡した (死亡率 10%! ) 。ところが不思議にも、日本や朝鮮半島では、死亡率は 2% 以下に留まった。世界で海藻を日常的に食べる国は当時、日本人と朝鮮人くらい。 しかも、日本国内 で、スペイン風邪で死亡率が最も低かったのは、(海藻類を良く食べる) 東北/北陸地方と沖縄だった。全くの "偶然" に過ぎないだろうか? 詳しくは: https://indeep.jp/seaweed-fucoidan-and-virus-immune-cytokine-storm/
実際、2020年9月になって、中国の研究グループによって、フコイダンがCOVID-19 による感染を阻害することが実証された!
Shuang Song et al . Inhibitory activities of marine sulfated polysaccharides against SARS-CoV-2. Food Funct. 2020 Sep 23;11(9):7415-7420.
感染阻害のメカニズムとしては、ウイルスのスパイク蛋白に直接結合し、宿主細胞表面のレセプター(ACE-2) への結合を拮抗的に阻害するらしい 。
"NF1" 患者 (複数) からの最新情報によると、フコイダンの経口 (朝晩、各々2粒ずつ) により、皮膚に出る良性腫瘍 (いわゆる「ブク」) の数やサイズが減少するらしい!
最近のショウジョウバエを使用した実験で、フコイダンが寿命を25%も延長したという報告がある!

2020年8月30日日曜日

ポスト安倍: 「民意に背を向ける」国政はもう沢山だ!

7 年余りの長きにわたった安倍首相の国政は、「戦後最悪」 の 腐敗 ("お友達") 政治だった!
こんな横暴な政治家は日本にはもう必要ない!
要注意! 令和の「井伊大老」 (=菅大老) が出現するかもしれない 。。。
さて、1964年の東京五輪の直後、(戦後の高度成長を支えた) 池田首相 (京大出身、大蔵省出) が「咽頭癌」を理由に辞任した。実は癌が体中に既に転移しており、数か月後に「不帰の人」となった。 彼は例の「ガラガラ声 (恐らく咽頭癌の兆候) 」で、蔵相時代 ("闇米" の買い出しが未だはやっていた頃) に「貧乏人はむぎを食え!」(贅沢な白米の代わりに、身分相応な=安価な "パン食" や "麺類" を国民に勧める)という「明言」を吐いて有名になった。背景には、 米国から (無償に近い) メリケン粉が 支給されていた!
池田勇人にくらべて、安倍しんぞうには、度重なる疑惑と共に、「云々」(うんぬん) を「でんでん」と読んだ記憶/記録しか残らない。 とても淋しい!
次期の首相候補は、襟をしっかり正して、国政に携わってもらいたい。 先ず、全く空虚な「象徴天皇制」を廃止、(米国従属の) 日米安保を破棄し、沖縄にある米軍基地 (COVID-19 の感染源!) を撤去、「永世中立国」宣言をしてもらいたい! それができないなら、日本に "首相" はもはや必要ない! "旅券" (パスポートやビザ) を発行する「外務省」だけあれば十分だ! 少なくとも 沖縄住民や海外住民はそう思っている。。。明らかに、世界的な広い視野に立つ「外相」経験者を歓迎する。。。"内政" は (米国や豪州の連邦制度に基づいて) 各都道府県の "知事" による采配に任せればよい!
国防に関していえば、先ず「みえない敵」(COVID-19 などの伝染病) の撃退に熟練した「科学的な自衛隊」の養成が必須である。ミサイル、戦闘機、軍艦などの "旧式な" 武器では、 天災 (台風や地震) や病原体には、とても立ち向かえない!
さて、(来たるべき「長期」政権の) 首相になる「本命」は、(前述のごとく) 来年秋、東京五輪直後の総選挙における当選者の中から出るだろう。今秋選出される首相は単なる一年間限りの「COVID-19 対策のための暫定内閣」の長 (ピンチヒッター/care-taker) に過ぎない。しかしながら、万が一「COVID-19 対策」(自衛作戦) に失敗して「五輪中止」になれば、総選挙で「与党の大敗」(=自民党の幕末) は火を見るより明らか! 従って、来たる一年は ("敗戦" から75年振りの) 日本 (保守) 政界の重要な「節目」になるだろう。。。白ロシアでは、ソ連崩壊後30年近く続いた独裁内閣を引き摺り下ろうと、首都ミンスクを中心に全国で抗議デモが連日展開している! 我々も「他山の石」とすべきだろう。。。

2020年8月28日金曜日

「ワクチン」による伝染病の予防の仕組み (メカニズム)

COVID-19 に対するワクチンが、ようやく6-12か月先には、世界的に市販される模様だ。しかしながら、ワクチンを注射 (接種)しても、その直後には、幾らかの (COVID-19 抗原に対する) 抗体が体内で生産されるが、それはいつまでも血中に残っているわけではない。2-3 週間、あるいは 2-3 か月経つと、抗体は殆んど血中から消えてしまうのが通例だ。しかしながら、この特定の抗体を生産する免疫細胞 (クローン)は、COVID-19 抗原に接触したことを、いつまでも (殆んど一生) 「記憶」し、再び、(COVID-19 感染により) 同じ抗原に接触すると、抗体を大量に生産するため、「再感染」を予防するのである。 しかしながら、敵 (ウイルス) も敗けてはいない。(ある期間を経て) ウイルスの遺伝子上に突然変異が起こし、(記憶された) 特定の抗原の化学構造を変えると、免疫 "クローン" はもはや反応できなくなる。ワクチンには、そういう「一長一短」がある。
一方、プロポリスやイベルメクチンなどの「PAK遮断剤」は、COVID-19 自体あるいは類似のRNA ウイルスの「宿主細胞への侵入」を阻止するばかりではなく、それに伴う「炎症」を抑え、 更に、病原ウイルス/細菌に対する抗体を生産する「免疫細胞を誘導」する。 従って、ワクチンと違って、「3本の柱」で立ち向かう。更に、たとえウイルス遺伝子に変異が起こっても、病理 (感染の仕組み) 自体は殆んど変化しないので、再感染があっても、対応しうる。 最も顕著な利点は、(ワクチンと違って)、「既に 市販」されているので、1-2 年の「ラグ」 (待ち時間) が必要ない!
注: その昔 (1950年代)、 メルボルンは「免疫学のメッカ」だった。バーネット郷 (1960年ノーベル受賞) が、免疫的「自他の認知」を説明するために、「クローン選択説」を提唱したからである。 私は院生時代 (1960年末) 、バーネット郷に感化され、"マクロファージ" による貪食における「抗体なしの自他の認知メカニズム」を研究した。

2020年8月23日日曜日

生薬「セファランチン」: COVID-19 感染を阻止する「PAK遮断剤」("血管脳関門"を通過する)!

セファランチン (Cepharanthine, 略称 CEP) は、ツヅラフジ科の植物タマザキツヅラフジ(学名: Stephania cepharantha)の根茎から抽出したアルカロイド 成分である。その製剤 (メーカー: 化研生薬) は白血球減少、エイズ (HIV)、脱毛症等の治療に用いられている。
タマザキ(玉咲)ツヅラフジは中国・台湾/沖縄に自生する植物で、民間薬として用いられていた。これを台北帝国大学の早田文蔵が Stephania cepharantha Hayata の学名で1914年に発表、1934年に東京帝国大学の近藤平三郎が有効成分を抽出し、「Cepharanthine」 と命名。1950年頃から、主に日本で、結核治療薬として用いられ始めたが、一時期ハンセン病患者に対しても用いられている。
ごく最近、北京大学の研究グループによれば、細胞培養系で、COVID-19 の感染 を強く抑えることが判明した (IC50= 1 micro M). そのメカニズムに関しては、 (i)AMPK を活性化し、NF-KB を抑制すること、(ii)プロポリス同様、育毛作用もあること、(iii) PAKによって抑制される p21 (CDK 阻害蛋白) の発現を高めること等から、CEPが "純品"としては (世界史上初の) "PAK遮断剤" であることは確実! 更に、肺炎などの炎症にはPAK が必須であるが、CEP は LPS によるマクロファージの活性化を阻止し、PAK の下流にあるERK などを遮断することが数年前から知られている。 "CEP" は少なくとも、JAK-PAK-COX-2 シグナル経路を遮断し、"鎮痛作用"を示す。何と20年も前に、京都薬科大学のグループにより、CEP が PAK の上流にあるチロシン-キナーゼ (PDGF Receptor) を直接阻害することが、発見されていた! 詳しくは: https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0014299999009139?via%3Dihub
築地 (国立癌センターの近所) にある "銀座東京クリニック" の院長 (福田一典医師) によれば、 "CEP"1錠(1 mg)を30円(税込み)で処方し、1日服用量は3~6 錠。従って、1日分が90~180円、1ヶ月分が2700~5400円。https://www.1ginzaclinic.com/cepharanthine.html
極めて興味深いことには、(20年近く前の鹿児島大学医学部による研究論文によれば) イベルメクチンと違って、"CEP" は "血管脳関門" (BBB)を通過する PAK 遮断剤 なので、"NF" などの脳腫瘍にも効くはずである。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11551520/
参考文献: Hua-Hao Fan, Li-Qin Wang, Wen-Li Liu, et al. Repurposing of clinically approved drugs for treatment of COVID-19 in a 2019-novel coronavirus-related coronavirus model. Chin Med J (Engl). 2020 May 5;133(9):1051-1056.
注: 近藤 平三郎(1877年 - 1963年)は、日本の薬学者、薬化学者。薬学博士。
静岡県松崎町生まれ。本郷のドイツ語学校から東京帝国大学医科薬学科に進み、長井長義に師事。帝大卒業後は大学に籍を置きながらも陸軍薬剤官として入隊し、 日露戦争に薬剤師として従軍。陸軍医学校教官を経て、ベルリン工科大学に留学して有機化学を専攻した。
1911年に帰国すると塩野義商店の塩野長次郎の懇請を受け、塩野義商店顧問に就任。この関係が発展して1915年には塩野の援助によって乙卯研究所を東京市に設 立して所長となると共に、東京帝国大学教授にも就任した。以降はアルカロイド関係の薬剤開発に専心し、1928年学士院賞を受賞。日本薬学会会頭、日本薬剤師 会会長を歴任した。1953年日本学士院会員。1958年文化勲章受章。

Working Hypothesis: Three distinct mechanisms by which PAK1-blockers interfere with COVID-19-induced fibrosis.

Hiroshi Maruta, PAK Research Center, Melbourne, Australia. e-mail: Maruta20420@yahoo.co.jp ABSTRACT: According to our previous 2020 mini-review in Med. Drug Discov. (1), there are at least “two” distinct mechanisms by which PAK1-blockers such as propolis, ivermectin, and vitamin D3 could interfere with COVID-19-induced fibrosis: (i) promoting immune system to produce antibodies against this RNA virus, and (ii) inhibiting COVID-19-induced inflammation of lungs (fibrosis) which involves ACE2-PAK1-CCL2 signaling pathway. In this article, I shall add a “third” mechanism which directly blocks the viral entry into the host cells. This is based on cell culture study in a 2018 article where Gleevec blocks the viral entry into Vero cells with IC50 ranging 1-10 micro M (2). The primary target of Gleevec is a Tyrosine-kinase called ABL, and its IC50 is around 25 nM (3). However, it also inhibits two other kinases called KIT and PDGFR (receptor for PDGF). If I recall correctly, its IC50 against PDGFR ranges 1-10 micro M, inhibiting the PAK1-dependent growth of A549 lung cancer cells (4). Thus, it is most likely that its anti-viral effect is due to its inhibition of PDGFR, instead of ABL. Furthermore, PDGFR activates PAK1 through EGFR-RAS signalling pathway. According to the 2018 article, Gleevec, a PAK1-blocker, interferes with the viral S protein-cell fusion essential for the viral entry into the host cells (2).
According to another 2020 article, Ivermectin also blocks the replication of COVID-19 in Vero cells (5), and a more recent observation suggests that a few other PAK1-blockers such as CEP (Cepharanthine) also block the viral replication in cell culture with IC50 around 1 micro M (6-8). Most interestingly, CEP and Gleevec share the same target (PDGFR), blocking the down-stream EGFR-RAS-JAK-PAK1 signaling pathway (4,7,8). These in vitro observations altogether with several distinct PAK1-blockers strongly suggest, if not "genetically" proven as yet, that viral replication per se, in particular the viral entry into host cells (virus-cell membrane fusion) requires PAK1. PAK1-requirement for viral entry is not unique to COVID-19, as several other pathogens such as HIV, influenza virus, malaria and H. pylori also require PAK1 for their entry into host cells (1).
References:
1.Maruta H, He H. PAK1-blockers: Potential Therapeutics against COVID-19. Med Drug Discov. 2020 Apr 19; 6:100039.
2. Sisk JM, Frieman MB, Machamer CE. Coronavirus S protein-induced fusion is blocked prior to hemifusion by Abl kinase inhibitors. J Gen Virol. 2018; 99(5):619-630.
3. Thomas O'Hare, Roy Pollock, Eric P Stoffregen, et al. Inhibition of wild-type and mutant Bcr-Abl by AP23464, a potent ATP-based oncogenic protein kinase inhibitor: implications for CML. Blood. 2004;104(8):2532-9.
4. Peilin Zhang, Wei Yi Gao, Steven Turner, Barbara S Ducatman. Gleevec (STI-571) inhibits lung cancer cell growth (A549) and potentiates the cisplatin effect in vitro. Mol Cancer. 2003; 2:1.
5. Caly L, Druce JD, Catton MG, Jans DA, Wagstaff KM. The FDA-approved drug ivermectin inhibits the replication of SARS-CoV-2 in vitro. Antiviral Res. 2020 Jun;178:104787.
6. Hua-Hao Fan, Li-Qin Wang, Wen-Li Liu, et al. Repurposing of clinically approved drugs for treatment of COVID-19 in a 2019-novel coronavirus-related coronavirus model. Chin Med J (Engl). 2020 May 5;133(9):1051-1056.
7. Christian Bailly (2019). Cepharanthine: An update of its mode of action, pharmacological properties and medical applications. Phytomedicine. 62:152956.
8. Hayama M, Inoue R, Akiba S, Sato T (2000). Inhibitory effect of cepharanthine on fibronectin production in growth factor-stimulated rat mesangial cells. Eur J Pharmacol. 390: 37-42.

2020年8月21日金曜日

「Gleevec」 (PAK 遮断剤) : COVID-19 治療にも有効!

最近発表された臨床例によれば、スペインの首都マドリードの病院 (ICU) にCOVID-19 感染で入院していた38歳の女性が、グリーベック (毎日 400 mg 経口) で5日間、 治療を受けた結果、快方に向かい、酸素吸入器ももはや必要なくなったので退院、その後 3週間近くで、ウイルス 感染の兆候は全くなくなった!
グリーベックは元来、チロシン=キナーゼ (ABL、PDGFR, KIT 等) の阻害剤で、CML という稀少癌などの治療のために 2003年頃、Novartis から市販され始めたが、その下流にある”PAK” を間接的に遮断するので、他の固形腫瘍 (例えば、NF2 腫瘍) にも有効であることが以前から予想されていたが、つい最近、(PAK依存性の) COVID-19 による肺炎にも効くことが、臨床的に実証されたわけである。 従って、我々の「先達」(津田 栄) が啓蒙するごとく、頭を柔軟に働かせ、凡ゆる可能性を試してみることが "生存" や "成功" に繋がる。。。詳しくは、下記の英文論文を参照:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7319919/
Alejandro Morales-Ortega, David Bernal-Bello, Cristina Llarena-Barroso et al, Imatinib (=Gleevec, 400 mg daily) for COVID-19: A case report. Clin Immunol. 2020 Sep; 218:108518.
なお、グリーベックの抗ウイルス作用のメカニズムの一端は、2年前に発表された論文によれば、ウイルスが宿主細胞に侵入するために必須な 「ウイルスS蛋白と細胞表膜との融合」 を抑制することにある: Sisk JM, Frieman MB, Machamer CE. Coronavirus S protein-induced fusion is blocked prior to hemifusion by Abl kinase inhibitors (Gleevec etc). J Gen Virol. 2018; 99(5):619-630.

2020年8月19日水曜日

試験問題「砂糖と食塩をどう見分けるか?」

目下、メルボルンでは、COVID-19「ロックダウン」のため、外出は毎日一回のみ、(運動あるいは日用必需品の買物) のため、自宅から5 km 以内と限定されている。そこで、昼間の大部分はクラシック音楽 (FM) をテレビで聞きながら、読書あるいは色々な論文を執筆して過ごしている。 今読んでいるのは、塚本哲也著「ガンと戦った昭和史」(塚本憲甫と医師たち) という伝記 (大河ノンフィクション) ものである。主人公の塚本医師は、癌の放射線治療の世界的権威で、東大医学部卒後、癌研、放医研、癌センターなど、癌の制圧のため苦闘し、最後には(放射能被爆のため) 肺癌などで死亡した。 著者はその令嬢の夫で、東大経済学部卒後、毎日新聞 (ウイーン支局長) などで活躍した文屋。
主人公が55歳前後で、大塚の癌研から、千葉県稲毛に新設された放医研 (放射線医学研究所) の所長に就任した。その頃に、全国から、新しい研究職員 を募ったが、その一人に、太平洋戦争中に、ソウルの京城大学を卒業した中村という医師がいた。 終戦当時、広島の陸軍病院で軍医として、原爆を体験した。さて、面接の折、 京城大学時代の体験を語った。 戦前、京城 (帝国) 大学には、津田 栄という有名な有機化学者(教育者)が予科の化学を教えていた#。
ある日、化学の試験で「ここに、砂糖と食塩がある。どうして、見分けるか」という問題を出した。 中村はとっさに「なめる」という答案を書いた。 津田先生 はこの答案を試験講評の時間に、激賞した。曰く「科学者というものは、狭い化学にばかりとらわれないで、自由な発想で、自然現象をみつめなければならない」。 奇遇にも、津田は塚本所長の義兄に当たった!
さて、諸君なら、どんな解答を出すだろうか? 正解は一杯ある! 「マッチで火をつけて燃やしてみる」(化学的な解答)、あるいは「蟻がどちらに集まるかを観察する」 (生物学者の解答) など、 などである。
仮に、「メチレンブルー (還元型) と青酸カリ (KCN) をどう見分けるか」という(より成人向けの) 問題が出されたとする。 中村の「なめる」という解答は、極めてリスクが高い! 諸君なら、どんな解答を出すだろうか? 科捜研=法医研では、機器を使用せずに、少なくとも2種類の方法で的確に見分けことができるそうである。。。
#実は、最近ふと思い出したが、戦後、津田先生は我々の母校 (日比谷) でも、化学の教師を長らくやっていた。我々の同輩が卒業してから半年後に他界された。 https://sites.google.com/site/scientia1960/teachers/nishimura
上記の (我々の大先輩) 西村さんの記事によると、津田先生は1955年3月に日比谷を退官したので、その直後 (4月) に日比谷へ入学した (我々の3年先輩) 利根川 進 (MIT、1987年ノーベル受賞) 氏も我々と同様、津田先生による化学の授業を残念ながら受け損なったことになる。

2020年8月16日日曜日

レモンの香り (精油): COVID-19 の感染
(宿主細胞への侵入) を抑制!

目下世界中に蔓延している肺炎を起こす悪性ウイルス (COVID-19) が、肺などの宿主細胞内に侵入するためには、先ず細胞表面にある「ACE-2」 (Angiotensin Converting Enzyme-2) と呼ばれる蛋白 (酵素) に結合しなければならない。 従って、ある種の薬剤で、例えば、この酵素の発現を抑えることができれば、このウイル スの感染を予防することができる。そこで、そんな薬剤を見つけるための一環として、台湾の研究者が、香りの良い種々の植物から精油を集めて、一体どの精油が、ACE-2 遺伝子の発現を抑えるかを、細胞培養で調べてみたところ、レモンやゲラニウムの精油が最も効果的だった (1)!
前述したが、このウイルスがこの酵素に結合すると、ウイルスが肺などの細胞内に侵入すると共に、PAK などの病原キナーゼが活性化され、最終的には、「呼吸困難」をもたらす悪性の肺炎を引き起こす。従って、ウイルス感染の第一歩を、レモンなどの精油で抑え得ることが判明したわけである。 さて、 この発見を実際にどう応用したら、良いだろうか? 皆さんで知恵を絞って欲しい。。。
ウイルスは、通常先ず鼻から侵入する。従って、顔マスクが世界中で奨励されているようだが、(我々医学「専門家」からみると) 実際には余り効果がない。 その証拠に、病院でCOVID-19 患者を扱う大変多くの医師や看護師などが、ウイルス感染で死亡している。 病院のICU内の空気は、患者が吐き出すウイルス分子で飽和しているから、(「毒ガスマスク」ではなく) 呼吸が容易にできるような「紙マスク」では、ウイルスの防御はできるはずがない#。 しかしながら、マスク内にレモンの精油を継続的に発生できる装置 ("アロマ"マスク) をつければ、ウイルスの侵入は防御できるはず! 実用化に向けて、ぜひ工夫してみて下さい! 「必要は発明の母」。。。 紙/布マスクの内側にポケットを作り、レモンの葉(2枚)か "果皮"スライスを挿入するとか? 幸い、我が家の庭にはレモンとライムが一本ずつ生え、収獲期を迎えつつある。。。
#(初等) 数学に従えば、ウイルスなどの病原体による感染率は、距離の3乗に反比例する。例えば、保菌者から1 メートルの距離にある場合 (前者) と、10 メートル の距離にある場合 (後者) を比較すると、後者の感染率は前者のそれのたった1000 分の1 になる。 それがいわゆる「3疎」の由縁である。(市販の) 紙や布マスク自体はウイルスを自由に通過させるので、予防には全くならない! ただし、"保菌者" がマスクをした場合には、(少なくとも) 咳やクシャミによるタンなどのウイルスを含む飛沫を遮断するので、"他人への感染" を予防する働きは十分ある!
それでは、一体何故、御上 (政府) は、人口の1%以下の保菌者のみにマスクを義務付けないのか? それをするとマスクが「保菌者のレッテル」代わりになり、保 菌者である少数派 (=被害者) が、酷い「差別扱い」を受けるからである。(ウイルス蔓延の初期) 保菌者かどうかわからないが、街頭でマスクをしていたある東洋 系の女性が白人によって、「中国人」扱いされ、暴力を受ける事件がメルボルンであった ( だから、私は当時、マスクを決してしなかった!)。 こうして、全ての住民が (殆んど無駄な) マスクをせざるをえなくなった。 為政者にはなりたくないもんだ!
"アロマ"セラピー: https://relakuheal.com/blog-entry-282.html
参考文献: 1. Senthil Kumar KJ, Gokila Vani M, Wang CS, et al (2020). Geranium and Lemon Essential Oils and Their Active Compounds Downregulate Angiotensin-Converting Enzyme 2 (ACE2), a SARS-CoV-2 Spike Receptor-Binding Domain, in Epithelial Cells. Plants (Basel). 9:770.

2020年8月6日木曜日

ヨウ素入りうがい薬 (ポビドンなど) がCOVID-19 感染の
予防に効果的!

https://www.asahi.com/articles/ASN856HZRN85UTIL018.html?iref=comtop_8_02
ヨウ素入りうがい薬(豪州では"Betadine")は我が家の常備薬の一つ、流感ウイルスの予防にきくことは確か。 だから、コロナ感染でもきくと 私は思う。 実際、シンガポールの研究グループが in vitro 実験で証明済み (1): Danielle E. et al. Povidone-Iodine Demonstrates Rapid In Vitro Virucidal Activity Against SARS-CoV-2, The Virus Causing COVID-19 Disease. Infect Dis Ther. 2020 Jul 8 : 1–7. しかし、もう(夏場の) 店頭から "売り切れ" かも? 吉村 (大阪府) 知事は、この件では、(地滑り的な再選で安心=油断している) 小池 (東京都) 知事を出し抜いた ( 来年の五輪後に予想される"総理選"に向けて、50歩先行/50”かき”潜行!)。勿論、これは 「水面下」 1500 m 自由形競泳 の話。。。

2020年7月27日月曜日

The Major Role of WHO in Post-COVID-19 Era


Hiroshi Maruta, PAK Research Center, Melbourne Australia.
During last 6 months, COVID-19 killed more than 600,000 people world-wide, mainly due to the mishandling by both Chinese government and WHO. However, this COVID-19 based loss of lives is less than 1 /1000 % of the total world population (70 billions). In my opinion, the most serious problem in this planet is not “pandemic” bacterial or viral infection any more, but “over-population” of human beings in this “limited” space. Since the Chinese communist government (CCG) declared the impressive “one child per family” policy in 1949, the population in CCG ironically increased from 6 billions to 14 billions during 7 decades. Obviously this policy failed. Similarly the Indian population in the subcontinent increased from < 5 billions to 14 billions. Why did both over-populated Asian countries fail the crucial “birth-control”? 
In the past (before WWII), hygienic control was very poor, and the fatality of baby or young child was very high.  That is why people have to produce more than 1 child per family. However, due to a great improvement of hygienic and other medical conditions, general fatality becomes quite low, perhaps except for war zones, and therefore the reasonable “birth control” became necessary for blocking the over-population of human beings. However, very unfortunately, (post WWII) WHO has paid their attention, only little if any, to the birth control. That is why we are now severely suffering from a series of “global warming” effects, such as bush fires ( in California and Southern Ausralia) and increase in sea levels world-wide, which are caused by release of too much CO2  gas into atomosphere (produced from burning coal , oil and propan gas for cars and airplanes etc).
Usually CO2 is consumed by plants, but too much logging activity for housing and farming, the native forests have been drastically shrinked. Thus, it is very clear that if WHO is intended to maintain or improve our health conditions, that is QOL (quality of life) of both human beings and other animals on this planet, they have to control “effectively” the birth of human beings simulatanously, before  promoting the “old-fashioned” (time-consuming) anti-viral vaccine development/ production. In my expert opinion, a series of PAK1-blockers, readily available in the market, such as propolis and ivermectin will take care of these (PAK1-dependent) viral pandemics:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7166201/

Alternatively, we could send 28 billions of people in both Chinese and Indian territories by “jumbo” rockets with a plenty of water and oxygen (or combination of CO2 and plant seeds) to Moon or Mars. Through “photosynthesis”, they can produce a plenty of oxygen from plants for both people and other animals. Lands in both Moon and Mars are currently free, and they can enjoy an “unlimited” sex life (without any birth-control!). Then the rest of us (60% of current population) could enjoy the better QOL (quality of life) on this planet. 
 
Well, domestic migration to either Moon or Mars will probably take decades or a century. Until then, what shall we do for saving this planet from either over-population or global warming caused by too much emission of CO2?  Back in 1973, I left Japan by a giant contenna liner (tanker), instead of airplane to reach the US. It took non-stop 9 days from Yokohama to Seattle. On this ship, only 13 passengers were allowed to get on board. In the US, and in any other places, I have never driven a car. I always use public trans-portation or walk on my own feet throughout my entire life. It sounds very frugal, but is “accomplishable”. After COVID-19 pandemic, more than 90% airplanes world–wide remain landed. Many pilots look for their new job in airforces, because nobody knows when or whether these airplanes fly again. Consequently world-wide tourism was turnished. If everybody stop driving their own cars and taking airplanes, a huge amount of CO2 emission would be reduced. As soon as COVID-19 “lockdown” started, anyone could notice that air quality is remarkably improved all of a sudden even in Beijing. That should be what we are supposed to do for the first place.

Furthermore keep briskly walking or biking will save at least 25% of world population from the “obesity” as well, and people with obesity turn out to be the most mortal with COVID-19! 
Just like cancers, obesity is among PAK1-dependent diseases, and exercise suppresses PAK1, the major “pathogenic” kinase.  

 Reduced fertility and extended lifespan of PAK1-deficient animals
In theory, the best approach to “birth control” of human beings (and any other animals) is “genetic deletion” of PAK1 gene.  I will tell you the “scientific” reason:  For an instance, deletion of PAK1 gene from C. elegans, reduces their fertility to 1/7, and extends their healthy lifespan by 60%. In any animals the fertility and longevity trade off:  in short, sex kills!  However, at least in the case of human beings, we are not allowed as yet to perform any genetic manipulation (during IVF), except for the very special case (s) where without it, the given IVF baby is expected to die shortly after its birth.
However, there are a few alternative (non-genetic) approaches for the birth control:  (i) usage of condom, (ii) taking a “birth-control pill”, (iii) sterilizing male or female genitals after the birth of the first child per family, and (iv) taking PAK1-blockers such as propolis, vitamin D3, ivermectin, melatonin etc, which reduce our fertility to 1/7 (but promote our longevity). In my opinion, WHO and world-leaders should promote seriously these birth controls world-wide to save our planet from both “over-population” and “global warming”.