2020年12月9日水曜日

「ヘパリン」は、「フコイダン」同様、PAK遮断剤: COVID-19治療にも有効!


主に血小板による血液凝固を阻害するために、1930年代から使用されている哺乳類(マスト細胞など) 由来の「ヘパリン」は、海藻由来の「フコイダン」同様、硫酸化された多糖類であるが、最近、文献調べをしたところ、ヘパリンは、フコイダン同様、「PAK遮断剤」であり、COVID-19 対策にも有効であることが判明した。 NF1 患者からの最近の報告では、(例えば) 「沖縄フコイダン」の服用量を増やす (毎日 10-12 粒) と、効果も倍増する!
実は、ヘパリンは1916年頃、米国ボルチモアにあるジョンス=ホプキンス大学の 医学生 (Jay McLean) が、犬の肝臓から抽出したもので、それから20年近く経ってから、抗血液凝固剤として、広く病院で使用されるようになった。 つい最近、ヘパリンが「フコイダン」同様、「COVID-19患者の治療に有効」であるという論文に出くわし、そのメカニズムを詳しく (文献で) 調べてみたところ、何と「PAK遮断剤」であることが、判明した (詳しくは、下記の "英文" 文献を参照されたし)。
先ず、1991年にボストンのハーバード大学小児科病院でポスドク留学中の東山繁樹 (現在、愛知大学医学部教授) がマクロファージから、"ヘパリンに結合するEGF 様 growth factor" (HB-EGF) を発見した。HB-EGF 自体は、EGF 同様、EGF Receptor に結合して発癌性 (PAK を活性化!) を発揮するが、ヘパリンが結合すると発癌性を失う。つまり、ヘパリンは抗癌性を持つばかりではなく、消炎性や抗血液凝固作用も持つ。 https://www.shimadzu.co.jp/boomerang/20/08.html
1977年に私は米国のNIH で、土壌アメーバから「PAK 」を発見するチャンスを得たが、その時、私の上司であった Edward Korn 博士は、実は「ヘパリン」の硫酸化に ATP が関与しているらしいという論文を、1958年頃 (NIH にポスドクで留学中) に発表したことも判明した。 意外な「結び付き (縁)」である!
Korn 博士はごく最近、90歳を越え、ようやくNIHを退官して、奥さんのミッキー (1928年生まれ、ペンシルバニア大学時代からの仲) と共に、NIH キャンパス近くにある自宅で、静かに隠居生活を楽しんでいる。 昨年の10月、NY で「PAK シンポジウム」を開催後、私は夫妻の住いを久し振りに訪れ、旧交を暖める機会を得た。。。因みに、奥さんの愛称「ミッキー」は、ウオルト=ディズニーの漫画 (弱気を助け、悪を倒す) 「ミッキーマウス」にちなんで付けられたそうで、悪党「トランプ」が今回とうとう再選に失敗したので、大喜びしている!
しかしながら、米国の有権者の "半数近く" が、米国の現状に不満を感じ、「悪党」に投票した事実を直視すると、「病める米国」の前途がはなはだ気にかかる。。。他方、「ヤクザ」擬いの政治家が日本の政治を長らく牛耳っている現状をかんがみると、腐り切った民主主義 (衆愚政治) の前途は「闇」に近い。。。

References:
Hippensteel, J. LaRiviere,WB, Colbert, JF et al (2020). Heparin as a therapy for COVID-19: current evidence and future possibilities. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol; 319(2):L211-L217.
Hedin, U, Daum, G., Clowes, AW (1998). Heparin inhibits thrombin-induced mitogen-activated protein kinase signaling in arterial smooth muscle cells. J Vasc Surg.; 27: 512-20.
Teo, M., Manser, E., Lim, L. (1995). Identification and molecular cloning of a p21cdc42/rac1-activated serine/threonine kinase that is rapidly activated by thrombin in platelets. J Biol Chem.; 270: 26690-7.
Kalmes, A., Vesti, BR., Daum, G., Abraham, JA., Clowes, AW (2000). Heparin blockade of thrombin-induced smooth muscle cell migration involves inhibition of epidermal growth factor (EGF) receptor transactivation by heparin-binding EGF-like growth factor. Circ Res.; 87: 92-8.
Na Yeon Lee, Svetlana P Ermakova, Tatyana N Zvyagintseva, Keon Wook Kang, Zigang Dong, Hong Seok Choi (2008). Inhibitory effects of fucoidan on activation of epidermal growth factor receptor (EGFR) and cell transformation in JB6 Cl41 cells. Food Chem Toxicol.;46(5):1793-800.

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