2020年6月19日金曜日

アロマ療法: 「沈丁花」(Daphna odora) の香り成分 は PAK 遮断剤!

豪州メルボルンでは、もう真冬であるが、買物の途中にある住宅地で、突然、懐かしい花の香りが漂ってきた。 その昔 (半世紀以上前) 、東京の自宅の庭にひと株、咲いていた「沈丁花」の香りである。花の名前は、直ぐ "漢字"で出てこなかったが、花のイメージは瞬間的に頭に浮かんだ!  ("免疫"の記憶と共に) 臭覚の記憶とは、素晴らしいものである。(人名など) 色々な記憶力は歳をとると共に、急速に衰えるのに、嗅覚や味覚 (お袋の作った味噌汁の味など) と言う、いわゆる「原始的な記憶」は全く衰えない!   不思議なものである。 恐らく、臭覚や味覚は、(荒野や山地に住む) 野生動物 (熊、鹿、狼など) や遊牧民族などにとっては、危険を一瞬に察知するための「死活」に関わる感覚なのだろう。しかしながら、COVID-19 などのウイルス感染により、嗅覚や味覚が麻痺する不幸なケースが多い!

さて、沈丁花の香り成分は、正確には100種を越えるそうであるが、主な成分は、リナロール (Linalool) とダフネチン (Daphnetin) # だそうである。 驚くなかれ、両方とも「PAK遮断剤」である。 沈丁花の香りに鎮静作用や、更に抗癌、抗炎症作用などがあるのは、そのためである。胃潰瘍に効くのは、ピロリ菌の増殖を 抑える作用があるからである。 従って、理論的には、COVID-19 対策にもなるはずである。。。

沈丁花の花ビラを塩漬けにして瓶詰め (モイストポプリ) にすると、その香りを何十年でも保存することができるそうである。。。

https://lourand.com/magazine/moist-potpourri/

今日は天気が良いので、久し振りに  バスで遠出して、市外にある苗木市場で沈丁花の鉢植えを入手してきた。実は「沈丁花」は亡父が生前大事にしていた庭木の一つだった。しかし、私の渡米後、家の増築のため、庭木 (梅、栗、アカシア、ヒマラヤ杉 など) は殆んど全部、姿を消した。今は、沈丁花の代わりに、(妹が育てた) ニオイバンマツリ (American Jasmin) のみが、陽当りの良い庭先で、すくすく伸びている。二代目 (豪州育ち) の沈丁花が少し大きくなったら、こちらの自宅の庭に植林して、「父の思い出」としたい。 花が咲いたら、"モイストポプリ" も試みてみるつもりである。  

脳疾患のアロマ療法 ("常識" の延長):

 文献 (鳥取大学より):
Daiki Jimbo, Yuki Kimura, Miyako Taniguchi, Masashi Inoue, Katsuya Urakami
Effect of Aromatherapy on Patients With Alzheimer's Disease. Psychogeriatrics. 2009; 9 :173-179.
臭覚の刺激は瞬時に直接中枢神経に伝わるので、経口で薬剤を投与するよりも、脳内への効果がずっと速い。そこで、香りの高い (主に、副交感神経を刺激する) 薬草の精油を利用したアロマテラピー (Aromatherapy) が、認知症 (AD) 患者などの代替療法として、利用されている。10年ほど昔、鳥取大学のグループが、28名の患者 (内17名が認知症患者) を対象として、朝に "ローズマリー" の精油 (PAK 遮断剤 Ursolic Acidを含む)、夕方に "ラベンダー"の精油 (PAK 遮断剤 Linalool を含む) で治療したところ、一か月後に、認知能が有意に改善されたという。 面白いことには、AD はNF 同様、PAK依存性の典型的な難病である。従って、「水平思考」により、これ (モイストポプリetc) を他の脳疾患、例えば "NF2 腫瘍" に応用できないだろうか? 更に、NF1 腫瘍 (いわゆる「ブク」) の精油マッサージ療法も試す価値があるかと思う。

なお、"沈丁花"の精油 (上記の精油 と違って) 市販されていない (商業的に無理な) ので、残念ながら 「モイストポプリ」に頼る外ない!

#ダフネチンはクマリンの誘導体で、プロポリス中の CAPE と化学構造が多少似ている。

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