2020年10月13日火曜日

日本学術会議 との "貴重な" 縁 (1973年) :
結論: 学術会議は政府から独立すべき!


結論: 学術会議は政府から独立すべき!
日本学術会議の政府予算: 内閣府から年間10億円 (2020年) が支給されている。会員は220 名で、「特別国家公務員」だそうである。従って、自由に 政府 (内閣) 批判をしたいなら、政府 から潔ぎ良く独立すべきである。 その昔、伝研 (伝染病研究所) が文部省管轄下 (東大の付属研究所) になった時、当時の所長だった北里柴三郎は、文部省の干渉を嫌って、伝研 を辞職し、福沢諭吉などの助けで、(財団法人) 北里研究所 (北研) を設立した、という有名な歴史がある。。。私の記憶が正しければ、所謂「伝研」出身でノーベル賞をもらった学者は未だ皆無だが、「北研」からは、2015年にイベルメクチン開発者、大村 智 氏が医学賞をもらっている。政府の "役人" (奴隷) のままでは、禄な研究はできない!

目下にわかに話題になっている「日本学術会議」という組織は、私のごとく海外でずっと研究している者には、全く縁がないが、実は、皮肉にも海外へ "武者修行" に出かける直前にたった一度だけ、お世話になった。 1973年夏に渡米留学する計画が熟した際、(指導教官の) 水野伝一教授がNIH からポスドクのための奨学金 (旅費と給料) が、 (日本からは) 毎年2名だけ支給されるので、応募したらどうか、と勧められた。応募資格条件は、TOEFL (Test of English as Foreign Language) という英語の テスト (hearing and writing) にパスすることだった。幸い、パスした。次に、学術会議によって、審査 (面接) を受け、合否が決定する。一体何名が応募した のか、我々にはわからないが、結局、京大医学部の早石教室の助手 (静田 裕くん) と私の2名が採用され、渡米した。 当時、「分子生物学」分野では、西の早石、東の水野、と言われていたので、恐らく、いわゆる「ボス交」で決着したのではないか、という可能性は否定できない。。。
ともかく、この NIH International Fellowship を貰うと、米国内ならどの大学 (or 研究所) にも留学できる。静田くんは、後に "PKA" (cAMP-dependent kinase) 研究でノーベル受賞者になるワシントン州立大学 (シアトル) の Krebs 教授の研究室に、私はコロラド大学 (ロッキー山麓) の Goldstein 教授の研究室に留学した。ところが、当初は奨学金は「2年間」のはずだったが、丁度 Watergate 事件の最中で、(何を血迷ったか) ニクソン大統領がNIHの予算を突如削減したためか、我々の奨学金は突然、たった一年に縮小されてしまった、そこで、2人とも、2年目は急きょ、NIH に就職を決めた! 1970年代当時、NIH は世界の医科学研究の「メッカ」で、研究意欲の活発な若いポスドクが (世界中から) 3千人以上集まり、広いキャンパス内にひしめき合っていた (今は、NIH 研究者全体の "高齢化" などにより、その面影はかなり薄れた!)。 静田くんは同じNIHキャンパス内にある NCI (癌研) の Ira Pastan の研究室に落ち着いた。ある日 (1976年頃)、偶々、私が、Pastan に会うために、NCI に出かけた折、研究室に静田くんの姿を見つけてビックリした! 実は訳あって#、アクチン結合蛋白「フィラミン」を貰うために、Pastan の研究室を訪れたのだが、それを当時精製していたのは、何と静田くんだった! どうやら、フィラミンを "PKA" の基質の一つとして同定したらしい。。。 全く奇遇だった。
私は、更に1977年には、同じ "NIH" キャンパスで、例の「PAK」(Myosin Kinase) をも見つけるという幸運を得た!
#注: 当時、アクチン線維を架橋しゲル化する新規蛋白 (総称: Gelactins) の探索が米国で流行し始めていた。 恐らく、我々が土壌アメーバから単離した幾つかの低分子 Gelactins が最初の実例であろう。 ところが、Pastan の研究室でも、ニワトリの平滑筋から「フィラミン」と呼ばれる高分子 Gelactin が発見されたという噂を耳にした。 そこで、その性質をアメーバのゲル化蛋白と比較してみようと我々は考えた。 後に (1990年代後半に) 、Gelactin は抗癌蛋白の一種として再評価され、アクチンをゲル化する薬剤 " MKT-077 " (フジフィルムとの共同開発) が一時、抗癌剤として、注目された時期があった。。。しかし、この薬剤は不幸にも実用化されず、我々は結局、より可能性の高い「PAK遮断剤」へ "作戦 (鞍) 変え" した!
つまり、私の "半世紀に渡る" 海外研究 (抗癌剤開発) は、NIH 時代に堀り当てた 2つの「金鉱」(Gelactins とPAK) によって主に支えられてきた。。。 だから、"悪名高き" ニクソンには、今でも秘かに感謝している! 「不意討ち」にも即、柔軟に対応できる力を我々に与えてくれたからである。。。
逆に、"禄に英語も喋れない" 石頭 (井の蛙) の首相や官房長官が、学術会議の人事や運営に干渉するのは、絶対に許せない! 丸で、" 盲目 ("座頭市"?) が目明き (or 盲導犬) に道を教える"ようなものだからである。「本末転倒」も甚だしい! ガリレオ=ガリレイの「地動説」を弾圧し続けた "狂信的な"カトリックの「轍」を踏むな! 特に米国では、医科学専門家の声 (警告) が (経済志向の) 「トランプ政府の圧力」からか、メディアを通じて、一般市民に正しく伝達されていない! だから、いつまでも 「COVID-19 の暴走」(コロナの乱) を許し続けている。。。 人類が 「無能極まる」政府のために、(頭脳もない) 「ウイルス」によって、翻弄されているのは、全く馬鹿げている! 皮肉な表現を使えば、「コロナの乱」は、既に片足をかん桶に突っ込んでいる高齢者や肥満者などを選択的 かつ 加速的に、あの世に送り出すのに貢献している。 ひょっとすると、大昔「ネアンデルタール人」だけが "選択的" に絶滅したのは、ある特殊なウイルス (あるいは病原菌) によるものではなかろうか。 願わくば、彼らの轍を踏まぬようにしたいものである。。。COVID-19 は犬や猫にも感染するが、症状は軽く、死亡例は全くない! 何故か? その謎を解く研究は今後、有意義だろう。Ref: Jianzhong Shi, et al. Susceptibility of ferrets, cats, dogs, and other domesticated animals to SARS–coronavirus 2. Science. 2020 May 29; 368 (6494): 1016–1020.

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