2018年12月6日木曜日

奇抜な発明発見: “みのむし” から世界最強の糸!



毎日新聞 (20181205) から抜粋

健康食品 (胃腸薬)「キャベジン」でおなじみの 興和(名古屋市)と農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市) は、ミノムシから糸を取る技術を開発。自然繊維で世界最強とされるクモの糸よりも強く丈夫なことも発見。新しい繊維などの材料として、自動車や航空機への応用が期待できるという。

ミノムシはミノガの幼虫。カイコやクモと同様、”たんぱく質”でできた糸 (フィブロインの変種) を吐く。しかしながら、フィブロインはカイコから蜘蛛を経て、更にミノムシへ強度の進化を遂げた! 数年前に発表された科学論文によれば、蓑虫の糸のアミノ酸組成は、カイコやクモの糸のアミノ酸組成 (Gly  と Ala が全体の6割以上を占める) とは全く違い、Leu とGlu に富んだ変わり種。  

実験の結果、強度や丈夫さが優れているクモの糸に比べ、ミノムシの糸は、丈夫さでは約22倍、強度で約18倍など、すべての項目で上回った。そこで、自動車の外装にも使われる繊維強化プラスチック(FRP)にミノムシの糸を組み込んだところ、従来のFRPの数倍の強度になったという。他にも”340度までの耐熱性”があり、代表的な”ナイロン糸の5分の1の細さ”であるなど、さまざまな利点が見つかった。
 
ミノムシの糸は真っすぐに取り出せない難点があり繊維として使えなかった。しかし特殊な装置を使って、長さ数百メートルの直線の糸を取ることに成功 (特許申請)。さらにミノムシは、餌を与えれば繰り返し糸が取れる上、共食いをしないので大量飼育が可能。
 
今後は量産体制を確立し、早期の事業化を目指す。興和の三輪芳弘社長は「このような糸はこれまで存在しておらず、とても大きな可能性を有している。構造材料として理想的だ」と述べた。

 蓑虫の 糸に夢見る 三輪さん
  https://www.kowa.co.jp/company/index.htm



"蓑虫の巣(蓑)"で作ったバッグや草履 (日本の伝統文化!) :


"水平思考力"の豊かな「興和」から、難病の治療薬「15K Kowa」を市販するという奇抜な発想は如何?  興和の「創薬研究所」が都内の東村山市内 (西武新宿線東村山駅付近) にある。 抗癌剤や抗炎症剤などの開発が重点になっているようだ。 癌も炎症も典型的なPAK依存性疾患なので、PAK遮断剤「15K」は最適な新薬となりうるはず。。。

 注:  興和KK の前身は興和紡績で、今は興和新薬などの子会社から「コルゲンコーワ」や「キャベジンコーワ」などの医薬品も販売している。前代の "服部商店" は、地元名古屋の発明家、豊田佐吉の紡績機 (自動はた織機) の開発を支援したという「先見の明」の持ち主。なお、豊田紡績はその後「トヨタ自動車」として発展した。 


「クモの糸」の軍需産業化:

米国には、クモの糸を大量生産する「GM カイコ」の大量飼育をする会社 (Kraig Biocraft Lab) がある。https://www.kraiglabs.com/

そこで生産された丈夫なクモの糸 (spider silk) 製品は、主に米国の陸軍 (海兵隊) に売却されている。 つまり、Spider silk 生産は「軍需産業化」している。 従って、興和の丈夫なミノムシの糸 (bagworm silk) 製品が将来、米軍や自衛隊向けに生産される可能性がある。これは由々しき事態である。 もし、そのような計画があるなら、我々の平和な「健康産業」(15Kの市販) は、興和にはとても任せられない!

 日本の伝統的な「みのむし」文化"平和的"に応用しよう!

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