2020年7月3日金曜日

敗戦直後の日本 (新) 憲法草案 (1946年) : 現「マッカーサー」憲法 (2月草案) 対 「人民共和国」憲法 (6月草案)

前者は六法全書に全文が載っているので省略するが、後者は(結局、採用されず) 教科書など一般には公開されていないので、その全文を下記のウエッブサイトで、参照されたし。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E8%8D%89%E6%A1%88

 基本的な違いは3点ある。1、前者は (象徴) 天皇制を認めているのに対して、後者は天皇制を廃止している。 2、前者は国会 (立法) を二院制にしているが、後者は一院制。3。前者は死刑制度を温存しているが、後者では。死刑制度を廃止している。 前者は日本を占領していた米国の最高司令官マッカーサーの命令により、GHQの民政局が草案したもの。後者は日本共産党が草案したもの。 

2月3日、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーは、憲法改正作業を日本政府に任せておいては、2月26日以降、マッカーサーを連合国軍最高司令官に任命(昭和20年8月15日)した極東委員会の国際世論(特にソ連、豪州)から、天皇制の廃止 (昭和天皇の処刑) を要求されることを恐れ、逆に天皇をGHQの「傀儡」として利用するために、GHQが憲法草案を起草することを判断した。

このとき日本の憲法改正に際して守るべき三原則(マッカーサー・ノート)を、憲法草案起草の責任者コートニー・ホイットニー民政局長に示した。

   1。 天皇は国家の元首の地位にある。皇位は世襲される。天皇の職務および権能は、憲法に基づき行使され、憲法に表明された国民の基本的意思に応えるものとする。
    2。国権の発動たる戦争は、廃止する。日本は、紛争解決のための手段としての戦争、さらに自己の安全を保持するための手段としての戦争をも、放棄する。日本はその防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に委ねる。日本が陸海空軍を持つ権能は、将来も与えられることはなく、交戦権が日本軍に与えられることもない。
    3。日本の封建制度は廃止される。貴族の権利は、皇族を除き、現在生存する者一代以上には及ばない。華族の地位は、今後どのような国民的または市民的な政治権力を伴うものではない。予算の型は、イギリスの制度に倣うこと。

この三原則を受け、総司令部民政局には、憲法草案作成のため、立法権、行政権などの分野ごとに、条文の起草を担当する8つの委員会と全体の監督と調整を担当する運営委員会が設置された。

一方、日本共産党は、太平洋戦争の (最高) 責任者であった「天皇」を廃すると共に、今後は (侵略的な) 戦争に関与にすることを禁ずる意向で、如何なる他国とも同盟を結ばない「永世中立国」的なスタンスを宣言する。 野蛮な「死刑制度」を廃止する (英連邦諸国のスタンスを採用!) 。

75年後の今日からみると、少なくとも私 (豪州に永住) には、後者の「共和国」憲法の方がずっと肌に合う気がする。 ただし、人民とか首席とか、旧ソ連や現中国の共産党一党独裁を思わせるような字句は削除すべきであると思う。


 最後に一言!  日本の60才以上の割合 は、32.4% (総人口の1/3) で、世界ランキング 1 位! 恐らく、総有権者 (18歳以上) のほぼ半分を占める。そこで、現在の「参議院」 (衆議院の二番煎じ!) を廃止して、「元老院」という我々の世代を含めた60歳以上の有権者 (人生経験豊かな知識人=元老) のみが、(政党とは無関係に) 選出される制度を ("共和国憲法"で) 採用する。言い換えれば、衆議院は政党 (群衆) 政治、元老院はインテリ政治にしたらどうだろうか? 最終的には、元老院が「大統領」への登竜門の一つになる可能性を秘める。。。

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