2021年3月24日水曜日

公立高校の入試から「学区」(都内 /県内) という足枷を
外せ ! (自主的に「越境入学」を合法/自由化せよ) !

小学校と中学校における教育は、いわゆる「義務教育」である。 国民全体に(生活に必須な) 最小限度の知識を与えるためである。従って、どこの公立小学校でも中学校でも、均一レベルの教育を与える義務があるために、敢えて「学区」を設けるのは、極めて妥当である (私学は例外!)。しかしながら、高校生と大学生 (あるいは院生) の教育は、より高いレベルの専門家あるいは職業人を育てるための特殊あるいは高等教育であるから、当然ながら、義務教育に伴う学区制という、明らかに「自由競争」を妨げる「足枷」を外すべきである。
ところが、現実には、私学の高校には足枷無しの自由競争のチャンスを与えながら、公立高校には例外なく学区という足枷によって、自由競争を妨害し、私学 (特に「御三家」) の高校に「漁夫の利」を与えている。その結果、都内にある国立大学、特に東大への入試においては、合格者出身校のベストテン (2017-2021年) には、私学の高校が9割強を占めている。つまり、東大に進学したかったら、私学の高校 (特に、御三家) に (少なくとも) 3年間、高い入学金と月謝を払え! それができない貧乏人の子弟は、「天下の東大」には来るな! と「公然と」宣言しているようなもの! (国民の大半を占める) 我々貧乏人 (庶民) の子弟にとっては、「冒とく」以外の何物でもない! それを(悪名高き「学校群制度」以来) 半世紀近く「見て見ぬ振り」をしている都民や近県の有権者たちの目の「節穴ぶり」につくづく愛想がつく! 解決策としては、少なくとも2通りある: 「学区の撤廃」 あるいは一部の名門校 (例えば、日比谷や翠嵐 など) の "国立化" (国家予算に限りがあるので、精々「ベスト3 」まで) !
さて、関西の横綱 「京大」(少なくとも理系で、ノーベル受賞者が東大を上わる!) の場合は、一体どうだろうか? 驚くなかれ、2017年のデータによれば、ベストテンには、私学が5校、公立校が5校とほぼ半々になっている。 しかもいわゆる「私学御三家」 (開成、灘、麻布) はベストテンには、存在しない。 この傾向は2021年でもほぼ続き、公立4校 (北野、膳所、天王寺、堀川) が合計234名、片や、私学6校が合計247名:
北野高校94名, 東大寺学園高校70名, 洛南高校69名, 西大和学園高校63名,甲陽学院高校56名, 天王寺高校53名, 膳所高校47名, 洛星高校46名, 大阪桐蔭高校43名, 堀川高校40名. 
つまり、最高の大学教育を受けたかったら、「私学」に金を注ぎ込む余裕のない貧乏人 (庶民) の子弟は、私学偏重の「東大」を諦めて、関西に移住して、公立高校出を歓迎する (視野の広い) 「京大」に入学せよ! と解釈して良いだろうか?
実は、我が亡父は、はるか戦前の話だが、京大で学んだ。 父の同窓で、後に東京で「とらやの羊羮」を開業した黒川氏も、その息子で我々の母校「日比谷」時代の同窓である息子さん (ラグビー部のキャプテン) も京大出身。さらに、我々「日比谷」の3年先輩で、1987年にノーベル医学賞をもらったMIT教授、利根川さんも京大出身である。 従って、都民や近県の有権者が目を覚まして立ち上がり、 公立高校の入試から、自主的に「学区制」という足枷を外す、いいかえれば「越境入学」を解禁 (合法/自由化) する運動を開始しない限り、我々貧乏人 (庶民) は、その子弟を、出来るだけ「京大」へ送ることを心がけるべきであろう。。。
さて、上記のごとき (至極「常識」にかなった) 提案をしたところ、日比谷-東大コースのある同級生から、「君は、丸でドン キホーテだ!」という洒落た評価を受けた。彼自身の孫は、目下、神奈川県下にある 私学の高校生で、数学が最も得意、今春から高3 として、来春に控える「東大 (?) 入試」に挑むそうである。目下のところ、全校で3番! 今春の東大合格者は (現役/浪人含めて) 8名だったから、理科 (理一、理二、理三) の選択にもよるが「現役入学へスレスレ」という現況だそうである。勿論、この孫の健闘を、私は心から祈っている!
もし仮に、私がこの孫をもっていたら、恐らく、最寄りの区立中学に入学させた後、(目下、「日比谷」とデッドヒートを展開中の) 県立横浜翠嵐に進学させたろう。 現実には、我が家の息子は (数学者である我が愛妻のお蔭で) 目下、英国のケンブリッジ大学の数学教授で、その息子 (我々の孫) も、同じ大学の数学科の院生であるから、日本 (特に都内) の大学入試における病的な「受験地獄」から は、幸い難を逃れている。。。ケンブリッジは、米国のハーバードやプリンストンと共に、数学者向けのノーベル賞といわれる「Fields賞」受賞者の「御三家」で、息子は40歳をかなり前に過ぎたので、既に「対象外」であるが、孫は秘かに、父親に代って、狙っているそうである。。。勿論、「ただ狙う」のと「受賞する」との間には、"偉大な" ギャップがあるが。。。
蛇足ながら、「ノーベル経済学」受賞者の9割は、"数学者"といわれる。つまり、経済を論じるには、高等数学が必須のようである。。。 ノーベル賞には、「Fields賞」と違って、40歳未満という "年令制限" がない。 最近は受賞者の年令が日増しに"高齢化" している (最高齢はJohn Goodenough, 97歳!) 。従って、健康そうな「我が家の」息子 (還暦へあと2年) にも未だ十分チャンスは残されている。。。若者よ (Boys and Girls) 、大志を抱け!
最後に一言。 4年ほど昔、ある週刊誌に、3人の息子を全部、灘校 (男子のみ) 経由で、東大の理3 (医学部) に合格させた後、長女も別の女子高 (?) から、同じ理3に合格させて、得意満面の「教育ママ」の話が載っていた。 我が輩自身は薬学出で、「封建的な」東大医学部が大嫌いなので、この息子たちや娘に、極めて同情する外ない。「船頭多くして、舟が山に登る」という諺があるが、「医者多くして、病人が墓場に走る」ことを、私は恐れる。。。 実際「大学病院の裏は墓場」! 連中は6年間の学部を卒業するとインターンシップを経て、「医師免許」なるものを取得すると、もう勉強を止めて、「石頭の馬鹿」になる。もっとも、中には 2、3 の "例外" もいるが (例えば、一中-一高-東大で、医学部薬理学教授として、ミオシンに関する生化学を開拓した故江橋節郎氏)。。。。因みに、東大医学部出身でノーベル医学賞をもらったという話は、一度も聞いたことがない!
蛇足になるが、"ミオシン" (ATPase) による"骨格筋"収縮 の生化学を開拓したのは、戦前、ビタミンC を発見してノーベル医学賞 (1937) をもらったハンガリーのセント=ジョルジーであるが、彼は戦後 (1954年頃) に「ラスカー賞」をもらったが、2度目のノーベル賞は逃した。前述の江橋先生も、ノーベル賞に値いする研究をしたが、残念ながら受賞を逃した! (実は、江橋さんは、平滑筋のミオシンの活性化メカニズムを巡って、米国 NIH のBob Adelstein のチームと"デッドヒート"を展開したが敗れた! しかし、Bobも受賞には洩れた)。 実は、 「PAK 」は当初「ミオシンを燐酸化する酵素 (キナーゼ)」 として、私が (半世紀近く前に) NIHで 発見したものだが、ミオシンは何故か、学界から「孤児」(あるいは「ドン キホーテ」) 扱いされる傾向があるので、今後も多くを期待できない。。。さて、今年の受賞者 (医学/平和賞) は恐らく、(世界中を震え上らせた) 「COVID 」に関する研究者あるいはワクチン開発者になるかもしれない。まさか、COVID を「孤児扱い」するわけにはいかないだろうから。。。

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