2022年9月17日土曜日

5月15日は “ヨーグルトの日” (明治乳業の発案)

最近のニュースによれば、今年の「Fields 賞」受賞者は 4名だったが、その中の一 人は、ウクライナの首都キエフ出身の女性 (幾何学が専門)、Maryna Viazovska だそうである。女性としては、歴代 2番目の「Fields 賞」受賞になるそうである。 (ロシアの独裁者 "プーチン" と戦う) ウクライナ国民にとって、「力強い精神的後押し」 になるだろう。。。
さて、都内の図書館で最近読んだ、”国境を越えたウクライナ人”(オリガ=ホメンコ著)によれば、"5月15日" は、ウクライナ生まれの生物学者イリヤ=メチニコフ (1845-1916)の誕生日に当たるそうである。 彼の専門は、免疫学 (1908年にノーベル医学賞を受賞!)と長寿の研究だったが、ブルガリアに旅行中、多くの元気な高齢者に遭遇して、その理由を調べた結果、ヨーグルトを発酵する乳酸菌が、長寿を支える “ある物質” を生産していることを突き止めた。その後、100年以上経ってから、その物質の一つが、”酪酸“ であることが判明した!
勿論、以後、彼もヨーグルトを常食し始め、71歳まで長生きした。 100年前の平均年齢は、わずか40歳だった、という史実に照らし合わせると、相当な “長生き”! 我々自身の研究から、酪酸は、HDAC (Histone Deacetylase) の阻害剤で、その下流にある “PAK” (老化酵素)を遮断する。 前述したが、酸乳飲料 “カルピス” も同様な理由で、酪酸などを介して、健康長寿に寄与している。 カルピスの開発者、三島海運 (1878-1974)も、そのお蔭で、97歳の長寿を全うした。 従って、メチニコフの前例に倣って、三島さんの誕生日(7月2日)を “カルピスの日” と名付けたい。。。
実は、東大薬学時代の私の博士論文は、メチニコフが発見した“貪食細胞”(マクロファージ)による (抗体を介しない)“自他の認知メカニズム”に関する研究だった。 奇妙な偶然だったが、前述のLICR (メルボルン支部) の所長 (Tony Burgess) は、 メルボルン大学病院の隣にあるWEHI (南半球最大の医学研究所) で、マクロファー ジの増殖因子の研究をポスドク時代に研究していた。。。世の中は狭いものである!
なお、この本の著者、ホメンコ女史はキエフ生まれのウクライナ人であるが、来日して、東大の文学部で博士号を取得したのち、米国のハーバード大学の客員教授などをしている。 従って、彼女自身も、“国境を越えて” 世界的に活躍しているウクライナ人の一人である。 
この著書は、プーチンによる “ウクライナ侵略” の直前に出版された。“

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