実は、ヒアルロン酸(HA) が、PAK 遮断剤の一種であることは、かなり昔から、知られていたが、最近、それが(健常者にも)注目され始めたのは、次のような理由:
“長寿ネズミ”(ハダカデバネズミ、NMR)では、様々な遺伝子上に変異が起こっている。
その一つが、ヒアルロン酸を合成する酵素(HAS2)の遺伝子である。NMR由来のHAS2
遺伝子を、ハツカネズミに、人工的に発現させたところ、後者が“長寿”になった!
REF:
Z Zhang, X Tian, J Y Lu et al (2023).
Increased hyaluronan by naked mole-rat Has2 improves healthspan in mice.
Nature. 621(7977):196-205.
さて、長寿になった要因は幾つかあるが、基本的には、“メルリン”(NF2 遺伝子産物=PAK阻害蛋白)が HA により活性化(=PAKが遮断)されたからである。
REF:
A Horiguchi, R Zheng, R Shen, DM Nanus (2008).
Inactivation of the NF2 tumor suppressor protein merlin in DU145 prostate cancer cells. Prostate. 68:975-84.
逆に言えば、“メルリン”が欠損しているNF2患者では、HA以外のPAK遮断剤で、PAKを遮断する必要がある!
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