2018年10月6日土曜日

ひどく "高齢化" したノーベル科学賞の授与

米国の老物理学者、アーサー=アシュキン博士が今年、「96歳」でノーベル物理学賞を受け取るというニュースが流れる前まで、我々「自然科学」の分野では、ノーベル受賞の「最年長」記録は、87歳だった。 3名の学者がこの記録を保持していた。最初は1966年で、癌ウイルス (ラウス肉腫) を発見した米国のペイトン=ラウス (1879-1970、ロックフェラー研究所) だった。 2番手は1973年で、「蜜蜂のダンス」を研究したオーストリア出身のカール=フォン=フリッシュ (1886-1982、ミュンヘン大学) だった。3人目は2008年で、量子物理学者、東大出身の南部 陽一郎 博士(1921-2015、 シカゴ大学)  だった。  その内で最も長生きしたのは、養蜂家カール=フォン=フリッシュ (95歳) だった。 その最長記録を見事に破ったアシュキン教授は、「遅過ぎる」受賞を (正直な話) 一体どう受け止めたのだろうか。 博士の「レーダー光線による光ピンセット」の考案は、なんと1980年頃 (40年ほど昔!) に遡る!  ストックホルムのノーベル選考委員会の目は一体「節穴」なのだろうかと疑いたくなる。 彼らは、進化を遂げた「ホモ=フランケンシュタール」にしか、ノーベル受賞資格がないと思っているのだろうか?  地球の温暖化に伴って、選考委員会の頭脳がなまり (退化し)、 短命な「ホモ=サピエンス」の業績を評価できなくなったのだろうか?  どちらにしても、百歳近く生きていないと、評価されなくなったという現実は、(受賞資格を潜在的に持つ者全てにとって) 実に嘆げかわしい!  

授与式が行なわれるのは、北欧ストックホルムで、雪積もる真冬の12月10日 (アルフレッド=ノーベルの誕生日) である。高齢になって、そんな寒い所にわざわざ出かけたいとは思わない (私自身は10年以上昔、ノーベル選考委員会のあるカロリンスカ医学研究所で講演のため、10月頃に一度訪問したことがあるが、吹きすさぶ風がひどく寒かったのを良く記憶している) 。表向きの理由はともかく、南部さんはストックホルムには、とうとう出かけなかった。代わりに、地元のシカゴにあるスウエーデン領事館で、授与が行なわれた。 さて、96歳のアシュキン博士は一体どうするだろうか?

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