2018年10月5日金曜日

SF : 「進化」という名の列車

南独の首都ミュンヘンから出版されている "Suddeutsche Zeitung" という地方紙に最近、大変興味深い記事が載っていた。 ミュンヘンから南へ、列車で (オーストリアやスイスとの) 国境周辺のアルプスの山々に向かって30分程旅をしたところに、「フランケンシュタール」と呼ばれる小さな農村が存在するそうである。そこで最近、「奇妙な現象が発生しつつあることに気づいた」とある医学者が述べている。 カール=モーツァルト博士による個人的な調査によれば、この村には最近、癌で死んだ者が殆んどゼロである。 しかも、平均寿命がなんと95歳を越えていた。 認知症にかかっている老人も殆んどいなかった。 老人は皆豊かな白髪をたくわえ、頭が禿げた老人など皆無に近かった。これら一連の現象は、(プロポリスを扱う) 養蜂業者の間にしばしばみられるが、不思議なことに、この村には養蜂家が殆んどいなかった。

そこで、謎解きのために、(ネアンデルタール人類のゲノム研究で一躍有名になった) 東独の旧都ライプツィヒにあるマックス=プランク遺伝学研究所に依頼して、詳しいゲノム調査をやってもらった。 その結果、この村の住民の大半に、意外にも2種類の異なる突然変異 (遺伝子異常) が発見された。一つは、 「PAK」と呼ばれる発癌/老化遺伝子が欠損あるいは機能不全であることだった。もう一つは、抗癌遺伝子「NF2」が余分に存在することだった。NF2 蛋白 (メルリン) は、豪州永住のある学者の研究によれば、「PAK阻害蛋白」であることがわかっている。逆に、NF2遺伝子が欠損あるいは機能不全になると、脳内に良性腫瘍が発生し、難聴や失明などをもたらす場合が多いことが知られていた。従って、どちらの遺伝子の異常でも、この村人たちのPAK活性が著しく低下しているに違いない。 「長寿な新しい人類誕生!」という見出しで、この事実が瞬く間に世界中に報道された。 こうして、この長寿へ進化した人類は「ホモ=フランケンシュタール」と呼ばれ始めた。

ホモ=フランケンシュタールは、地球温暖化時代に力強く生き抜く「夏バテしない」新人類として、プロポリスなどのPAK遮断剤を常用する「賢いホモ=サピエンス」と同様、たとえ平均気温が10度ほど上がっても、今後しばらくは、地球上に繁栄しうるだろう。他方、プロポリスの常用を拒む「愚かなホモ=サピエンス」 は、地球上の激しい温暖化に耐えられず、間もなく死に絶えてゆくに違いない。。。

ひょっとすると、我々の身近に住む健康長寿を楽しむ白髪の老人たちも、ホモ=サピエンスではなく、実は「ホモ=フランケンシュタール」に属するのかもしれない。。。
 例えば、レーザー光線で「光ピンセット」なるものを開発した功績により、今年 "96歳"でノーベル物理学賞をもらうことになった米国の白髪老人アーサー=アッシュキン博士 (元ベル研究所) は、正に「ホモ=フランケンシュタール」の典型に違いない。

人類および他の多くの哺乳類にも、(迫りつつ温暖化などの環境変化に備えて) 進化が音もなく進行しつつあるようである。 願わくば我々も、「進化という名の列車」に乗り遅れぬようにしたいものである。

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