2021年12月26日日曜日

DIF-3 (+1): 粘菌 (D. discoideum) 由来のPAK遮断剤に、
美白 (及び「健康長寿」促進) 作用があるはず!

1980年代に、西独 (Max-Planck Institute) と米国 (UCSD) で、我が輩は、D. discoideum と呼ばれる細胞性粘菌 (アメーバの一種) に関する研究を数年間、やっていたことがある。 その後、豪州メルボルンに永住し、(副作用のない) "抗癌剤" 開発のため、PAK遮断剤の探求/開発にのめり込んだが、数年前に、この粘菌に再び、注目し始めた。その理由は、この粘菌が、(周囲に大腸菌などの餌がなくなると、cAMP などのchemo-attractant を周期的に分泌する細胞の周りに集合し、単細胞か ら多細胞生物= "キノコ" の一種になり、胞子などに分化をする過程で)、"DIF-3" と呼ばれる抗癌剤 (分化誘導ホルモン) を分泌し始めることが判明したからだ。 細胞性粘菌は「社会性アメーバ」と呼ばれ、細胞分化のモデルとなっている。 さて、 2015年に、(粘菌の専門家) 順天堂大学の久保原 さんと (PAKの専門家) 米国トレード大学のダイアコノーバさん (ロシア系) との共同研究により、結局、その誘導体である DIF-3 (+1) が、比較的強力な「PAK遮断剤」(IC50= 3 micro M) であることが実証された! 最近、DIF-3 (+1) が、少なくとも細胞培養系で、COVID の感染/増殖を抑えるというニュースも耳にしている。。。
さて、DIF-3 (+1) のPAK遮断作用は、化学構造が比較的類似している「ビタミンK2 (MK-7) 」のおよそ30 倍ほど強い! 従って、内モンゴルの製薬会社で、MK7 を量産できるGM枯草菌が開発されたのを機会に、この粘菌由来のDIF-3 (+1) をも量産する (発酵) システムを、何とか開発したいと思っている。。。この粘菌の特筆すべき特長は、半数体なので、"変異体を容易に作成する" ことが可能。 前述したが、PAK遮断剤には一般に、抗癌作用、COVID 予防、美白作用、「健康長寿」促進など、様々な効用が期待される。。。「我が輩の研究モットー」は、基礎研究の結果を ”一歩” 「前進」 させ、人々の健康に役立つ新しい 「産業革命」を起こすことである。。。(政治上の革命と違って) 産業上の革命は、「少数のエリート」によって、為し遂げることが出来る! いわゆる" IT" 革命や "Green" 革命がその一例である。「PAK 遮断」は、次に来る (地球温暖化を克服しうる) 「健康産業」 革命である! PAK遮断剤は、少なくとも線虫、ショウジョウバエ、マウスなどを「熱耐性」にし、寿命を延長することができるからである。
さて、2014年頃、星薬科大学の研究グループが、合成 p-alkylaminophenol 誘導体 (p-DAP) に美白作用があることを発見した。 この化合物は、 (チロシナーゼを直 接阻害するばかりではなく) その上流にある転写蛋白「MITF」の機能を抑え、PAKの下流にある MEK/ERK 経路を 遮断することが判明した (IC50=1 micro M) 。我が輩は、その論文を読んだ瞬間、 これは「PAK遮断剤」であると直感した! その後、2-3年の月日を経て、「誘導 性のメラニン合成には、PAKが必須である」という、遺伝学的な証拠を実際に掴ん だ。 さて、興味深いことには、p-DAPの化学構造が、粘菌由来のPAK遮断剤「DIF-3 (+1)」やカプサイシン と酷似している (少なくとも我が輩の目には) ! 従って、「DIF-3 (+1)」にも (少なくとも) 美白作 用があることに、疑いの余地はない。。。前述したが、カプサイシンに美白作用があることは、最近証明済み!

チャールズ=ダーウインの如き「水平思考」(=進化論) の名人には、一々実験しなくても、化合物の新しい薬理/生理作用を "予見" することができる「利点」がある。。。つまり、義経の「八艘飛び」が可能である!

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