1994年頃に、藤沢製薬で発見された抗生物質「FK228」は、環状ペプチドであるが、
当初から、 その強い「抗癌作用」が注目され、数年後に、東大農芸化学の吉田 稔博士
(現在、理研) らとの共同研究で、直接のターゲットは 発癌転写蛋白の一種であ
る「HDAC」 (ヒストン脱アセチラーゼ) で、その機能 を直接阻害することが判明
した。
それから数年後 (2005年) に、我々の研究室で、FK228 が、HDAC を阻害すること
によって、その下流にある病原キナーゼ「PAK」を遮断することが突き止められた!
IC50 が 1 nM 以下の最強「PAK」遮断剤であるが、不幸にして、BBB (血管脳関
門) を通過しないので、脳腫瘍などの「脳内疾患」には無効であることが発覚! ! そこで、当時、
(稀少難病)「NF」治療薬の開発を特にめざしていた我々は、FK228 から決別して、(BBBを通過し
うる) 天然のPAK遮断剤に、研究標的をがらっと切り換えた。。。こうして、2007年以来、プロポリス (Bio 30) などがNF治療薬として登場し始めた。。。
皮肉 (あるいは「不幸中の幸い」) にも、 (目下世界中に慢延している) COVIDは、主に「肺炎」を起こす (PAK依存性) ウイルスなので、(ワクチン耐性
の) 「Omicron」変異体にも、「FK228」は 有効なはず! 英国で「オミクロン」変異株による「死亡者」を確認! 油断大敵!
FK228 は、その後「セルジーン」によって抗癌剤 (「末梢性T細胞リンパ腫」の特効薬、点滴静脈注射) として開発され、商標「イス
トダックス」の名の下、2018年 (開発開始から24年後!) から、日本国内でも市販されている。
さて、前述のごとく、乳酸菌由来の「酪酸」もHDAC阻害/PAK遮断剤であるが、作用
自身は (FK228 に比べれば) ずっと弱いが、「BBBを自由に通過する」ので、
NF などの脳腫瘍ばかりではなく、様々な他の脳疾患 (認知症、パーキンソン氏病、癲
癇、自閉症など) にも、有効であるばかりではなく、日常、乳酸菌食品からタッ
プリ摂取できるので、病院通いで点滴を受ける必要がない!
0 件のコメント:
コメントを投稿