2024年5月5日日曜日

哺乳類の “PAK1” 発見以来、丁度30周年!
第一回「PAK研究財団」賞 (2024年6月) 受賞者:
安田佳織(富山県立大学工学部医薬品工学科、准教授)
研究テーマ:ビタミンD3を強化する天然物(PAK遮断・CYP24阻害剤)の発掘

2024年は、哺乳類から“PAK1”がクローンされて、その論文が"NATURE"誌に 発表されてから、丁度30周年目(節目)を迎える!  
"初回" 受賞予定の安田さんは、京大工学部出身のエリート女性(我が輩の最近の弟子)である。
日本の女性から、ノーベル受賞者がまだ出ていないことを鑑み、今回、ノーベル賞に代わるべき、“健康長寿に貢献する” 研究者(国籍男女を問わず)のために、いわゆる “マルタ“賞を設立した。
安田チームは、数か月前から、ビタミンD3を不活化する酵素(CYP24)の遺伝子発現を抑える機能を持つ天然物をPAK1 遮断剤の中から、スクリーニングを開始し、今日までに、少なくとも2種類のステロイド系物質(センシンレン由来の “Andrographolide” 及び 薬草“雷公藤”由来の “Triptolide”)を同定することに成功した! 特に、後者 は、米国で、その(水溶性)燐酸誘導体(Minnelide)が、脾臓癌の治療薬として、臨床試験(Phase II)をパスし、まもなく、(副作用のない“抗がん剤”として)市場に出る可能性が高い!  従って、D3 との併用により、更に“相乗効果”が大いに期待されると共に、“健康長寿”にも寄与する! 
6月13日の午後一時に、富山県立大学キャンパス内で、表彰式を行い、研究助成金(150万円)を授与した。
従来、大豆由来のGenisteinがCYP24を阻害(=D3を強化する) ことが知られていたが、今回、それ以外の天然産物にも、“D3強化” 作用が発見された! 一般に癌患者、NF1 患者、DS (ダウン症候群)患者などでは、D3の体内濃度が、極端に低いことが指摘されていた。従って、これらのCYP24 阻害剤で、D3 (=天然のPAK遮断剤) の体内濃度を高める(治療する)ことができる!
なお、ビタミンK2 (納豆由来) には、D3のいわゆる“骨元気”作用を促進するが、残念ながら、CYP24阻害作用は無いようである。
因みに、ビタミンに関する研究で、ノーベル賞をもらったのは、ビタミンCを発見したセント=ジョルジー(1937年生理学)とビタミンAを発見したポール・カーラー(1937年化学)などが、“最初で最後”ではなかろうか。。。つまり、ノーベル財団は歴史的に、健康長寿に関する研究を、明らかに軽視している!
来年の6月頃(実は、初冬)には、我が“引っ越し先”の豪州ブリスベーン(亜熱帯)で、 “PAK研究財団”主催の国際学会 ”Promoting Longevity”(健康長寿へのアプローチ)”を開催する計画である。その際、第2回目の“マルタ”賞の受賞者を選考をしたいと、思っている。
メルボルン大学病院で長らくPAKに関する研究を続けている 賀紅(He Hong)女史(北京大学医学部出身)は、我が輩の“昔の相棒・弟子”であるが、数年前に、PAKが免疫機能を抑制していることを発見した。勿論、全ての動物は、免疫能なしには、長生きできない。従って、彼女の研究は、健康長寿と密接な関係がある。よって、彼女を2025年度の”マルタ”賞の候補者の一人として、推薦しうる可能性がある。。。
2026年度の“マルタ“賞候補には、米国コロラド大学のトム=ジョンソン教授 (75才前後)を予定しているが, 不幸にして、彼は、10年ほど前から、“Lewy Body"と呼ばれる認知症=LBDを患っているそうである。。。
彼は、30年ほど昔、線虫に関する長寿株(AGEー1)を同定し、熱耐性及び少子化が長寿に結びつくという貴重な発見をした。なお、この長寿株では、(PAKの上流にある) PI-3 Kinase 遺伝子が欠損していたことが、後に判明した! その10年後、我々は(彼の弟子である簗瀬澄乃女史の助けを借りて)、PAK欠損株も“長寿株”であることを発見/証明した。
REF:
G J Lithgow 1, T M White, S Melov, Tom E Johnson(1995).
Thermotolerance and extended life-span conferred by single-gene mutations (AGE-1) and induced by thermal stress.
Proc Natl Acad Sci U S A 92: 7540-4.
2014年に、我が母が、97歳の長寿で、永眠した際、母が妹に残してくれた財産の一部を利用して、(PAK遮断剤で、“地球温暖化”にめげず、健康長寿を全うする)というモットーを掲げて、“PAK研究財団”を設立し、長寿県“沖縄”(琉球大学構内)に、PAK研究センターの支部を開設し、PAK遮断剤の開発研究を本格的に開始した次第である。従って、“マルタ”賞は、わが母の遺志(精神)を受け継いだものである。
なお、2019年10月(COVID 蔓延直前)には、米国NY市内で、“PAK研究財団”主催の最初の“国際PAKシンポジウム”を開催した。

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