Ashwagandha (冬桜んぼ あるいは 印度人参、「インド伝統」 薬草の一種) の主成
分で、ステロイドラクトンの一種。抗癌作用、消炎作用などが、かなり昔から知
られていたが、その分子的メカニズムについては、最近の研究によると、(どうや
ら) 最終的には「 PAK 」を遮断するようである。例えば、 「 PAK 」依存性のメ
ラニン色素合成を抑える (いわゆる「美白」) 作用、 や血管新生を強く抑える作
用 (IC50=12 nM !) が明らかになっている。 COVID 感染の予防や治療にも有効!
ただし、問題は、水に「不溶」なので、腸管からの吸収が悪く、その「水溶
化」が 、(近代的な) 治療薬として開発するのに絶対に必須! 十年以上昔、米国のミネソタ大学のチームによって、 "Triptolide" と呼ばれるステロイドラクトン
を燐酸化することによって「水溶化」し、臨床効果を千倍近く上げるのに成功し
ている。 従って、同じようなアプローチが可能であろう。。
実は、筑波市内にある「産総研」で、もう30年近く、天然物から「抗癌剤」を開
発する研究を続けているインド人の夫婦チーム (日本に帰化!) がいる。 勿論、
Ashwagandha 成分が研究の中心になっている。 ところが、20年ほど昔、 我々は、
富土フィルムの開発した「MKT-077 」と呼ばれる抗癌剤 (色素) の作用メカニズ
ムを巡って、このチームと共同研究をしたという「いきさつ」から、その後も、
時々メールのやり取りを続けている。
さて、最近、この夫婦の "独り娘" (抗癌剤の研究者、博士) が結婚して、豪州
のシドニーから、 米国のオハイオ州へ移住転勤 して、最初の孫 (男の子) が誕生
した、というメールをもらった。 そればかりではなく、 この娘と (日本にいる両
親など) との共同経営で、新しい (「天然物」を売物にする) 製薬会社 (ReHeva
Bio) を設立して、(詳しい話は聞いていないが)、 恐らく「Ashwagandha 成分」
などを主体とした抗癌剤の臨床テストを始める、というニュースを受け取った。
そこで、「水溶化」が (市販に向けて) 重要な「課題」であることを、(早速)
強調したところである!
もう40年も昔の話であるが、何んと線虫と培養することによって、 Withaferin
A の7位と14位を共に「水酸化」することに成功したそうである。 少なくとも「細
胞培養系」では、抗癌作用は不変! 従って、「水溶化」への一助として、利用し
うる可能性がある。。。
更に詳しい情報は、我々が目下企画している評伝「大海を越える東洋の女傑 (魔
女) たち」で、 紹介したいと思っている。。。
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