"Royal Jelly"は、主に女王蜂用の餌で、下々の働きバチの餌ではない。女王蜂の寿命は約3年、働き蜂(主に雄?)の寿命は、せいぜい数カ月だから、(高価・高貴な)Royal Jellyに延命効果があるに違いない、という説が昔から、巷にあった。老人病研の本田夫妻の研究(10年ほど昔:2011-2014)によると、少なくとも、線虫を実験台にすると、2割ほどの“延命”効果、6割ほどの“耐熱”効果があることが判明している。更に、その有効成分の一部は、脂質成分10-Hydroxy-2-decenoic acid (10-H2DA)(俗に、女王蜂酸)といわれている。構造的には、"レチノイン酸" (RA) から芳香環が外れたような形(右図を参照)。しかしながら、その分子メカニズムについては、未だに、研究が遅々として進んでいないように見えた。。。。
ところが、2017年になって、国立台湾大学の研究グループ (1) によって、意外にも、“美白作用”(IC50= 1 milli M) が発見されていた(従って、10-H2DA は、微弱だが、PAK 遮断剤である)!
実は、RA(ビタミンA)にも、微弱だが、美白作用があることが知られていた。しかしながら、RAには、皮膚に炎症を起こす“副作用”がある。
そこで、星薬科大学のグループによって、2014年頃、その改良型(一種の誘導体:para-alkyl-aminophenol, IC50=0.25 micro M)が開発された (2)。我々自身が、PAK遮断剤に、美白作用があることを "遺伝学的に" 突き止める直前だった。
従って、para-alkylaminophenol (PAAP)は、強力な “RJ”代用品(合成品)となる可能性がある! PAAPの延命効果を、線虫などで、確かめてみる価値がある。。。
REF:
1. CC Peng, HT Sun, IP Lin, et al (2017).
The functional property of royal jelly 10-hydroxy-2-decenoic acid as a melanogenesis inhibitor.
BMC Complement Altern Med. 17:392.
2.N Takahashi, M Imai, Y Komori (2014)。
Inhibitory effects of p-alkylaminophenol on melanogenesis。
Bioorg Med Chem。22: 4677-83.
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